リリカルなのはvivid もう1人の聖王のクローンの人生   作:アテナ(紀野感無)

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前の投稿からおよそ2ヶ月……待った人がいるかどうかはわかりませんが、本当にすいません。

ネタが思い浮かばないんです…




さて…2ヶ月待たせた結果を、どうぞ(面白いとは言っていない)

✳︎元あったこの番外編シリーズの2〜4を合併しております。


番外編 レッツ、サプライズパーティ!前座編

6月4日 八神家

 

『司令、お誕生日おめでとうございます!』

「おお、ありがとな〜」

『本当ならば…私たち部下一同でお祝いに行くべきかと思いましたが…ここは家族水入らずに、してあげようと思いました!お祝いの品はまた後日!』

「無理せんでえーよ。それに、たかが誕生日だからって無理やり休みを取らせてもらった後始末をやらせてしまってるわけやし、そんな気にせんでえーよ」

 

朝の8時にすらなっていないというのに、先程からひっきりなしに電話が来てはお祝いの言葉を送られている光景が八神家の中ではあった。

主にはやてのみが対応していたが。

 

「どーも。ありがとうございます。ええ、それではまた現場で。…………ふーーっ、疲れたぁ……」

 

「お疲れ様です、主。ずっと言いそびれましたが、お誕生日おめでとうございます」

 

「ありがとな〜シグナム。ほんで…ちょいと聞き逃したんやが、ユタがなんて?」

 

「ええ、どうやら今日の午後1時から、指定の場所に来て欲しいそうですよ。わざわざ直筆で招待状(こんなもの)を机の上に置いていました」

 

「んー、どれどれ…」

 

と、はやてはシグナムから一枚のハガキを受け取り、書かれてあることを読んだ。

 

 

『八神はやてさん。今日の午後1時に、とある場所に来て欲しいのです。ですが、どこかは秘密です。一時間ほど前には、案内人がそちらに参りますので、一緒に来てください。待っています

ユタ』

 

 

「はーん、まあどーみても悪巧みやろーなぁ」

「(単なるサプライズだと思いますが…)」

 

 

と、シグナムはそう思ってはいるがぶっちゃけはやての考えは間違ってはいない、と言うのはユタ本人からの言質である。

 

 

ピンポーン

 

 

と、昼まで何をしてようか、と考えていたはやて達の元に、来客が来た。

 

「はいはーい。どなたですか…って、なんや、なのはちゃんにフェイトちゃんか」

 

「なんやって…ユタちゃんなのを期待してたの?」

 

「いや、そーゆう訳やないよ。ユタからの招待状に書かれてる時間より早めに人が来たから誰かな、って思うたんよ。て、玄関で立ち話もなんやし、ほら、入って入って」

 

「「おじゃましまーす」」

 

 

 

 

〜一方 絶賛準備中のユタ 9時半頃〜

 

「…プライド、これすっごいマズイよね?」

『ええ、相当マズイですよ。時間まで後わずかですよ』

 

「さっきから何話してんじゃコラ。さっさと払えって言っとんじゃ」

 

なんでこんな朝っぱらからピンポイントで不良に絡まれてんの、私。

しかも、こんな脇役も脇役そーなチンピラに。

マスクしてなんか刺青してて、けどなんか脇役にいそうな感じの。

 

「…ねえ、私急いでるんですけど。早く解放してくれません?」

 

「無理だね、そいつかなり気が立ってるから、金払うか文字通り体で払うしかないよ」

 

学ラン着てる男の不良の少し後ろでもう一回り大きい男がそう言った。

 

なにが起こったかというと、私自身もわからない。

 

プライドと最終確認をしながら物資を買ってミウラたちのところに帰ってると急にいちゃもんをつけられて為すがままにこの裏路地に連れてこられた。

 

「……はぁ、面倒なことになるからこの手は使いたくなかったけど……。ねえ、お兄さん達、インターミドルってしってる?」

 

「あん?当たり前だろ。毎年見に行ってるよ」

「俺もだよ超ファンだよ。でもなんだ。今そんなことは関係ないだろ」

 

「それの上位選手ってね……って、え?……好きな選手は?」

 

それを質問すると、結構真剣に考え出した。

 

「うーん、俺はやっぱりジークリンデ選手かな」

「えっ、そうなんすか兄貴。でも俺はやっぱり番長ことハリー選手!ユタ選手も捨てがたいけどあの影怖いしなぁ…。戦いはかっこいいんすけど…」

 

「…」

『なーにいっちょまえに恥ずかしがってるんですか』

「う、うるしゃいなあ!いいじゃん!目の前で言われるとなんか無性にはずかしくなるんだって!」

 

「「ん?」」

 

「っと、忘れるとこだった…。プライド、やろうとしてることはわかってるね」

『ええ、もちろん。そのお二方にたった今メールを送りました。文言は私のお任せでよろしかったですよね?』

「うん、やな予感しかしないけどいいよ」

 

私の尊厳とかそんなものが無くなったような気がしたけどいいや。今はそんなことはどうでもいい。いやよくないけどさ。

 

「…推定到着時刻は?」

『あと3分ですね。それまで不良ズの相手をしてあげるべきですよ。お二人共、マスターをみて何かウズウズ(笑)してますし』

 

と、改めて不良ズを見ると、なんか私をみて興奮してるんですがそれは。なに、ヤラシー(棒)

 

「ほら!兄貴!ドSな愛機プライド!六等星をドラゴン?が囲ったデバイスなんてユタ選手くらいですって!」

「わかってるってーの!おい、これはサインもらうしか…」

「あれ、そういや何であの人ら、俺たちにこんなことをさせたんすかね?金もらえたからいいっすけど。つか…ユタ選手のようなインターミドル上位選手に何で俺たちみたいなチンピラを…」

 

「ん?あら、君たち本当にインターミドルの常連なんだ。私の愛機の名前まで知ってるって相当なオタクだよね」

 

「もちろんっす!ユタさん、とんでもないことをして申し訳ないっす!」

「本当すいません。俺たち、命令されただけなんですけど…。本当にすいません」

 

「おおう…驚くべき速さの手のひら返し。…なら、呼ばなくてもよかったかなぁ……」

 

「へ?呼ぶって誰をっすか?」

「?」

 

「ええ、あと…10秒くらいすれば……多分、1人は走って、1人はそろそろ跳んでくるはず」

 

「「??」」

 

 

「ユーーターー!!おまえなにをバラすだってえぇ!」

「ユターー!お願いやからあのことは言いふらさんとってぇ!」

 

「お二人共、そんなこといいながら殴りに来ないでくださります?」

 

「「ヘヴッ⁉︎」」

 

真後ろからハリーさんが、上からは文字通り跳躍してやってきたジークさんが、互いに拳を振りかぶってきたんで受け流して互いにぶつけた。

 

「んじゃ、私は本気で時間ないんでこの辺で。あ、そこの不良ズさん。憧れの選手ダブルで連れてきたんで思う存分やっちゃってください!私は管理局員なんで手を出せますがその2人は民間人には出せないはずっ!それではこれで!」

 

「あっおい待てユタ!どういう状況だ!」

「あっちょっ、何やこの人ら、すっごい好奇な目を向けてくるんやけど⁉︎あと息が荒いのがすっごい怖いんやけどぉ⁉︎」

 

後ろから黄色い歓声と悲鳴が聞こえてくる中、両手に持った食材を軽い身体強化魔法を身体にかけて本気で母さんの誕生日会をする会場に走った。

 

 

 

 

 

〜八神家〜

 

時計は11時半を回って、もうすぐ案内人がくるという12時にが来ようとしていた。

 

「おー、あったなあ。こんなの」

「ねー、懐かしいね」

「今思うと、ユタちゃんの小さい頃って、ヴィヴィオに本当そっくりだよね」

「ま、性格とかは真逆やけどな」

 

3人共、アルバムを見ながら昔について語り合っていた。

 

途中、はやてとなのはがユタとヴィヴィオの、正確には聖王家の色々なことについて、というなんともこの場の空気にふさわしくないドシリアスなことを話し始めたが、フェイトがスッと話題転換し事なきことを得た。

 

「はやてちゃん、ユタちゃんが管理局員、正確にはまだ屈託魔導師扱いになったわけだけど、実際のところどう思ってるの?」

 

「どうも何も……ウチ自身は、せめて今やりたいこと、将来やりたいこと。その2つくらいはな、全力でサポートする。そう決めてるだけや。まあ、正直なところを言うと……まだユタは社会に、しかも管理局に出てくるのはまだ早かったんちゃうかなぁ…って」

 

「…まだ、嫌がらせ続いてるの?」

 

「ああ、あのバカ(ユタ)は巧みに隠しとるつもりやろーが、バレバレやっちゅーねん。毎回管理局関係のことを仕事上で聞いたときの苦笑いを見せられる側にもなれっちゅーねん!」

 

 

ピンポーン

 

 

「はぁーい」

「「(相変わらずの変わり身の早さ……)」」

 

なのはとフェイトの2人はと言うとチャイムが鳴ったと同時に起こしたはやての変わり身に相変わらず驚きを隠せないでいた。

 

「お、やっぱり案内役はエリオとキャロか」

「ええ」

「やっぱり読まれてましたかー」

 

「ま、ユタの悪巧みに乗っかるようなのはチームナカジマの皆かエリオらくらいのもんやもんなぁ。それで、あたしは行き先は聞かずについてけばええんかな?」

 

「はい。でも…少しだけ回り道はさせてください。少しだけトラブルが起こって一時きっかりに始めれないらしくて…」

「もしよかったら、なのはさんとフェイトさんもご一緒に。もちろんシグナムさんも」

 

 

 

 

 

 

〜12時 会場〜

 

「…え?」

 

「そ、その…ごめんなさい。す、少しトイレに行ってたら…いつの間にか、こんなことに…」

 

母さんと、多分いるであろう色んな人に振る舞うための料理作りの最終段階…要は、あとは盛り付けだとかそう言うので終わりというところまで、あの二人組のせいで超特急でやる羽目になって、なんとか間に合いそうだったんだ。

で、リオちゃんたちの方で仕掛けの最終確認とかを済ませて、最後は料理だけ、ってなってみんなで手伝いに来ようとしたら、()()()()()()()

ミウラはトイレに行っていて帰ったらこうなってた、と言っていたけど…。

 

「…いや、大丈夫…。い、いや、全然大丈夫じゃないけど…ミウラは気にしなくていいよ…うん。…誰がやったか、見た?私達以外の誰かが来たとか」

 

「い、いえ…ボクは見てないです…」

 

「ゔぃ、ヴィヴィちゃんたちは…?」

 

ミウラ以外の、チームナカジマの皆やリンネさんにも聞くが、誰も見ていないらしい。

 

「今すぐ犯人捕まえて文字通り喰べるか斬り刻んでやりたいけど…」

『今はそんなことをする暇はありません。作っておいた料理はこれだけではないでしょう?そちらの無事も確認し、その後にどうするか、それを根本から見直しましょう」

「うん…そ、そうだね…。あ、リオちゃんたちは、他の仕掛けやら何やらの警備をお願い…。…本当にどうしよう」

 

やばい、やばい、本気でやばい。

 

半分くらいは、別の部屋で並べていた為、被害等はなかった。

が、ミウラと一緒に考えながら、どの順で出せばいいか、とか料理を食べながら見てもらいたいやつとか色々と考えていたために、本当にやばい。

 

「…いまから、私の影でのマルチタスク作業やコロナちゃんのゴーレムまでフル稼働させても……根本的に時間が足りないから無理か…」

「そ、それよりユタさんは魔力は今日はずっと温存しておかないと!」

 

考えろ、考えろ。思考を止めるな…。

 

「…ノーヴェさんに食材を買ってきてもらって、それでできる限り、ダメになったやつを作って、量は少ないけど最初は母さんがメインだから、って言って母さんに食べてもらいながら……全力で作って運んでいって……コロナちゃんのゴーレムと私の影を複合させて魔法で色彩を変えて……。いや、ヴィヴィちゃんと瓜二つになって見せても即答で当ててきたあたりから絶対に見破られるし…」

 

案を出しては捨て、出しては捨て、を5〜6回くらい繰り返した後に、超ハードワークな立ち回りをしなきゃいけないことが、自然と見えてきた。

 

「…うん、開始時刻は、しょうがない。エリオたちに頼んで、少しでも時間を稼いでもらおう…。ミウラ、全員に------------って内容のメールを一斉送信してもらえない?それが終わり次第、今ある材料で作れる限り料理を作ってこう」

 

「は、はいっ!」

 

『マスター、念のためトラップも仕掛けておいたほうがよろしいかと』

 

「そう…だね。あそこはリンネとフーカがいるとはいえ念には念を入れとこうか……。ミウラは戻ってくるまで、ノーヴェさんに食材関係のこと相談しながら無事な料理をみといてくれない?アインハルトあたりを連れてくるから、それまで…」

 

「わかりました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『マスター』

 

「……」

 

『マスター』

 

「……」

 

『マスター!』

 

「ああ!もう!うるさいな!何!」

 

『やってることが大丈夫ではないと判断したから声をかけているんですよバカマスター!』

 

影を何十本も用いた料理の手が思わず止まったじゃんか!

影での超マルチタスク作業をしないと間に合わないからこうしてるんだよ!

 

『今日の目的を全部忘れたんですか?はやてさんに、喜んでもらう為でしょう?』

 

「っ…」

 

『いまマスターがやろうとしていることが全部できたとして、その先の未来を言ってあげましょうか?』

 

プライドによる説教が始まり、超マルチタスク作業と化していた料理の手が全て止まった。正確には、半分は飾り付けのし直しなのだが。

 

それにより、今まで脳にかかった負担が思い出したかのように襲ってきて、頭痛を起こした。

 

「痛っ……」

 

『ほら、無理なことをしているせいで負担がかかりすぎています。そんなことを、もうしばらくやってみてください。どうなるかは想像つきますよね?』

 

「でも……ここまで…必死に準備して、1年間ずっと、節約し続けてお金貯めて……頑張って計画立てて…頑張ったのに……それなのに……」

 

『知っています。全部、知っています。ですが、その成功もマスターが『無事でいる』というのが前提条件でなければなりません』

 

「…でも、ならどうすれば…」

 

『私としては、料理を全て完成させるのは諦めた方がいいかと思います。元々、どれだけきてもいいように量を多く作っていたのが幸いですし、ちゃんと事情を話せばみなさんわかってくれると思います。そして-------』

 

「……わかった、ごめん。…ありがとう。プライド』

 

『いえ、お構いなく』

 

 

 

 

 

 

 

「会場て…ここか?」

 

「ええ」「ユタちゃん曰く、『ここが一番私らしい』、だそうです!」

 

「なーるほどなぁ」

 

エリオとキャロに連れられてきたはやてとなのは、フェイト、シグナムは……

 

 

八神流道場のみんなが主に練習していた砂浜の近くまで戻ってきていた。

正確には砂浜から少し歩いたところにあるスポーツセンターの手前まできていた。

 

ユタはそこを丸一日貸切にしていた。

 

 

「なんかエラい遠回りした挙句戻ってんなーって思ってたのはそゆことか」

 

「はい」「えへへ…驚かせれたらいいな、と思ったらしいですよ」

 

はやてがジト目でエリオ達をみると苦笑いして返していた。

 

「あ!皆さん!こっちこっち!」

 

入口の方から声をかけられて、みんながその方向を見るとそこにはルーテシアがいた。

 

「なんや、ルー子もユタの悪巧みに一枚噛んでたんか?」

 

「いえいえ、まさかそんなわけ。私はただの受付員ですよ。今回のパーティのね」

 

と。悪そうな笑みを浮かべながらルーテシアは返す。

 

「と、それはそうと。はいコレ。今回のパーティ参加する人には付けておいて欲しいとのことです」

 

「ん?なんやコレ」

 

そう言ってルーテシアがみんなに渡したのは、バッジだった。

真ん中には八の字か大きく描かれている。

 

「参加者かどうかを見分けるため。だとか言ってました。そもそも、私が受付員をするからいらない、って言ったんですが何かつい1時間くらい前?ですかね。ユタが言ってきて。それで急遽初等科組で作ってたんですよ。なので出来は悪いですが…そこは目をつぶってあげてください」

 

「…?なるほどな。ま、わかったわ」

 

「どーも。あ、それとこちら、今日の予定表です」

 

そう言い、ルーテシアは一枚の紙をはやてに渡した。

 

「ありがとなぁ。ほんじゃ、お先に行かせてもらうわ」

 

「楽しんでくださいね。私も後で参加予定なので」

 

「ほいほい、ほなまた後でなー」

 

そして一行は先に進んだ。

 

「へー、すごいしっかり組まれてあるね」

「あれ…?でもさ、これ所々直してない?」

「ほんとや…。なんかついさっき作り直した感じがすごいなぁ」

 

紙を見ながらなのフェイはやての三人がそう言う。

 

「…ま、細かいところはあまり気にしないであげようよ。せっかくのユタちゃん主催のパーティなんだから」

「ま、そうやな。ほんならまずは……マッサージか」

「いいねえ」

「マッサージ…まさかユタがそんなことを…?あいつ、アニメの見過ぎで変なマッサージを習得したんじゃ……」

「いやいや、まさかユタに限って……ありそうやから怖いわぁ…」

 

そして4人は他愛もない話をしながらタイムテーブルに書いてあるマッサージをしてもらえるところ-----ロビーに来た。

 

そこで待っていたのは…

 

「皆さんようこそ!」

 

ユミナだった。

 

「あーユミナか、よかったわぁ」

 

はやての言葉に、どこからか『どういう意味⁉︎』とツッコミが聞こえたと全員が言うがはやてだけは気にしていなかった。

 

「ユタさんに抜擢されました!ここで皆さんの普段溜まっている疲れを全部取ってあげて欲しいとユタさんにお願いされたので!おもいっきりやらせていただきます!」

 

「おー、頼むなぁ」

「ユミナちゃんのマッサージ評判高くて一度受けてみたかったんだよねぇ」

「よろしくお願いね」

「是非とも頼む。ユタじゃないから安心できる」

 

「あ、あはは…。では、シグナムさんからどうぞ!あ、どこか重点的にやってほしいところとかあれば是非言ってくださいね!」

 

そう言われ、シグナムから用意されていたベッドの上にうつ伏せに寝っ転がった。そしてユミナによるマッサージが開始された。

 

「…?ねえ、はやてちゃん。フェイトちゃん。あそこ…」

「ん?」「どうしたの?」

 

と、そこでなのはが何かに気づいた。少し先の、控え室入り口の近くに何かを感じ取っていた。

 

「…?なんや、魔法が貼ってあんな…?」

「うん、多分迷彩(インビジブル)だとおもうけど…でも、ユタちゃんってそんなの使わないはずだよね?」

「ああ、あいつその辺の魔法は不得意やし。あんな綺麗にできん。確か協会の選手で似たよーな魔法を使う選手はおったはずやが…その人ならわざわざ姿隠す必要もあらへん。それに他のシスターがいるはずや」

「…もしかして、ユタちゃんを狙った誰か?」

「もしくはアインハルトか…。ともかく、コレは放っておけんなぁ」

 

先ほどまでののほほんとした状態から一瞬で警戒一色にした三人は、各自のデバイスを持ち迷彩(インビジブル)が貼ってあるところに、はやてとなのはが、ユミナたちのすぐそばにフェイトが待機することになった。

なのはとはやては慎重に近づいていく。

 

「え?え?みなさんどうし…」

 

「すいません、ユミナさん。マッサージの途中だと言うのに申し訳ない。少し…まずい状況になったようです」

 

「え?ええ?も、もしかして…?」

 

「?何か心当たりがあるんですか?…まあ、今は後回しにしましょう。少しだけ時間をください」

 

「は、はい」

 

そしてシグナムは、はやて達とは逆側を警戒した。

 

ジリジリと、なのはが近づき残り5メートルほどになったところで迷彩(インビジブル)が揺らいだ。

 

それを見た2人はより一層警戒を強めた。

 

「そこで何してるの?管理局です。大人しく出てきてください。出てこないなら強制的な手段を…」

 

「ま、待ってください!わかりました!出ます、出ますから!」

 

なのはが言い終わる前に透明な部分から大人の女が1人出てきた。

 

「…ん?君は…」

「ちょいまち、なんでアンタがおるんや」

「え?はやてちゃん知り合い?」

「いや、知り合いも何も……()()()()()()()()()()()()管理局の局員や」

 

「…っ、いや違いますよ。私は……」

 

「勝手に喋らんでくれるか?今からする質問にだけ答えてや」

 

弁解をしようとする女を威圧で黙らせたはやては、ゆっくりと女の目の前まで近づく。

 

 

「まず、何でここにおるんや?」

 

「何でって、八神司令のお誕生日をお祝いするためですよ。あなたのお子さんのユタさんが誕生パーティをすると言うのでそれに私も参加させてもらいにきました」

 

「ほぉ、なら迷彩(インビジブル)で隠れてた理由は?」

 

「八神司令がお見えになったので脅かそうと思いまして」

 

「んじゃ、どーやってここまで来たんや?ここはユタが貸切にしてるはずやし、しかもついさっき私らが来た時にやっと開場したんやで?もちろん私らが一番最初に入ったんや。なのに何で主催者側でもないアンタが私らより先におるんや?それにちゃんと参加者側として来たなら、私らが着けてるこーゆーバッジもあるはずやし、タイムテーブルも持ってるはずやろ?何でないんや?」

 

「そ、それは…」

 

 

「…ええか?次嘘ついたら懲罰だけじゃ済まへんで?もっかい聞くよ?…あんたは、何のためにここに侵入してきたんや?」

 

 

「……」

 

途中まで間髪入れずに返していた女は、はやての怒りのこもった声で質問されてだんまりとしてしまった。

 

「…じゃあ質問を変えよか。なーんか、やたらとユタ側でトラブルが起こっとるらしいが…アンタ、何をしたんや?いや、そもそも何人で来たんや?」

 

「そ、その…」

 

はやての怒りに、完全に怯えていた。

それを見てはやては聞いてもあまり意味がないと思ったのかユミナの方に向き直った。

 

「なあユミナちゃん」

 

「は、はいっ!」

 

「なんか、心当たりがあるようやったけど、何が起こったか教えてくれへんか?」

 

「え、えと…その。ゆ、ユタちゃんが生鮮食材とかの買い出しに行った時に、だれかからの指示で絡んでくれるように頼まれたチンピラに会ったっていうのと、ユタちゃんとミウラちゃんがはやてさんや他に来るみんな用に一杯お食事を作っていたんですが……その、誰かに荒らされてしまって…。それで、本当なら今日来る予定だったみなさんに行き渡っても十分な量を作っていたのに、今から作り直しても足りるか足りないかギリギリになっちゃって…。時間のかかる料理があったらしくて…」

 

「なるほどなぁ……」

 

表面上ではすごい穏やかに聞いていたが、女だけは、冷や汗が滝のように溢れ出ていた。

 

「つまり……()()()はユタの努力を、ユタが私を喜ばそうとしてくれたことを、邪魔しに来た、そういう訳やな?」

 

「わ…私は!料理を荒らしてなんかいません!チンピラに絡むよう指示も出したりしていません!ただ本当に司令をお祝いしに来ただけです!」

 

「…?あれ、でもユタさん、管理局の人たちには基本的に今日のことを伝えてないって、言ってましたよ。それになのはさんやフェイトさん、ティアナさんやスバルさんたちに伝えたこと自体昨日の夜で管理局のみんなが仕事が終わった後だそうですし」

 

言い逃れをしようとしていた女の逃げ道をユミナが完全に塞いだ。

 

「…ほんなら、ちょっと詳しいことを…」

 

 

ドォン!

 

 

はやてが問い詰めようとした瞬間に、近くで何がが爆発するような、そんな音がなった。

 

「⁉︎」

「何⁉︎」

 

「…」

 

全員が動揺してる中、女だけが笑っていた。

まるで何かが成功したと確信したかのように。

 

「すまんなのはちゃん!そいつを見張っといてくれ!シグナム!ついた来てくれ!フェイトちゃんはそこでユミナちゃんをまもっといてくれ!」

「「「了解!」」」

 

 

 

 

 

 

 

「っ……痛っ…」

『っ、マスター!大丈夫…』

 

何…何が……。

私の、魔力に引っかかった誰かが、いて…それで…そこまで行って…

 

それで…

 

「「「「ユタさん!」」」」

「ユタ!」「ユタちゃん!」

 

周りから、色んな人の声が、聞こえてきた。ヴィヴィちゃん達に…母さんに、なのはさん…?

 

なん…

 

「っ…!」

 

「あっ!待て!」

「待ちなさい!ヴィヴィオに他の子達!ユタちゃんをお願い!」

 

「「「「「はいっ!」」」」」

 

…?わたしは…地面に突っ伏している…?

 

『マスター、少しの間大人しくしてください。後頭部強打し、背中も打ち付けています』

 

プライドの言葉を皮切りに、目の前が真っ暗になった。

 

 

 

 

 

 

 

〜数時間後〜

 

「…っ!はっはっ…」

 

『おはようございます。マスター。御気分の方は?』

 

「あ、あー?うん。…よくわかんない。何が起こったんだっけ…」

 

眼を覚ますと、ベットの上だった。

…ユミナのマッサージ用に用意したベット…かな?

 

『少しお待ちください。……あ、はい。はやてさん。目を覚ましました。…ええ、そちらは…。はい、大丈夫ですか。でしたら、こちらの方へ足を運んでいただけると。このバカマスター、記憶が飛んでるようなので』

 

「ねえ、サラッと貶すのやめて?」

 

『それよりマスター、いつも通りの楽観なのは良いことですが、ひとまず今日が何かを思い出すところから始めてください』

 

「へ?今日………そうだ!今日、母さんの…」

 

『はい、そうです。そして…何が起きましたか?』

 

「…?……そう、だ。そうだ!あの人…!あの人に…!」

 

『ええ、そうですよ。マスター、貴女は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「そう…よかった。私、今度は誰も傷つけなかったんだ…」

 

『はい』

 

 

ドタドタドタ……

 

 

「…母さん達かな?」

『でしょうね。とても心配しておられましたから』

「…謝らないとなぁ…。心配させないって、誓ってたのに…」

 

 

「ユタ!」

 

 

さて、母さんによるお説教が始まるぞ…。しかもなのはさんにフェイトさんもいるし…。シグナム姉さんもいるし…。生きて帰れるかな……。

 

 

 

 

 

「ユタ…ほんまにお前は…」

「ユタちゃん、体の具合はどう?」

 

「はい、割と思ってたより無事です。プライドの治癒特化性能が役に立ちました。…母さん、ごめんなさい。心配をかけて」

 

「無茶しすぎや…。頼むから…少しくらい弱音吐けぇ。そのための母親(あたし)や…。愛娘の弱音くらい受け止められんでなにが母親や…」

 

「うん…ごめんなさい」

 

いつの間にかきていたシャマルさんに軽い検査をされ、母さんにはいつも以上に強く抱きしめられた。

 

 

…二度と、悲しい(こんな)表情にさせないって、誓ったのになぁ…。

 

 

「はーい、お邪魔するよー」

「ユタ…無事だったか」

 

「はい、シグナム姉さん。体の方はすこぶる健康です」

 

珍しくシグナム姉さんも心配してくれていたらしい。

そしてなのはさんとフェイトさん、それに……

 

「…その人、まだ居たんですね。てっきり管理局に送り返されたのかと」

 

明らかに、今日のイベントには呼んでいない人が2人。内の一人は、私を吹っ飛ばしてくれた人だった。

 

案の定、どっちもみたことある人。正確には、管理局で嫌がらせをしてきていた人。

 

「…あ、そういえばヴィヴィちゃん達ってどうしてるんですか?巻き込んだ挙句、こんなことになっちゃって。後で何かお詫びしないと…」

「その点は大丈夫だよ。みんな待っててくれてる。本当はもうお家に返したほうがいいのかな、って思ったんだけど皆んなが残ることを望んだの。『ユタさんが眼を覚ますまではいる』って」

 

「そうですか…」

 

なのはさんが言うなら、大丈夫なんだろうけど…。

 

「とりあえず、ユタ。なにがあって、気絶していたのか教えてくれへんか?こいつらだと信用できんからな」

 

「うん。わかった。…ていうか、シグナム姉さんとかなのはさんが体に直接聞いてもいいと思ったけど……。プライド、動画はちゃんと撮っておいた?」

『もちろんでございます』

「ありがと。じゃあ、それ投影して」

『承知しました、マスター』

 

そう言ってプライドが投影したのは、私が走っているところだった。

 

『これはマスターの探知魔法…というよりは影に引っかかったのが分かってその場所へ向かっているところですね』

「あー。そういや、私用と侵入者用の二つ仕掛けたっけ」

 

しばらく見てると、料理を作り置きしておいた場所にたどり着いた。

 

そこでは、いま母さん達に捕縛されている二人のうち一人が、影にがんじがらめに拘束されていた。

 

『〜…っ!おま…え…』

 

そこで私は、とてもみっともない事に、影の制御を見誤った。

自分の影には殺傷能力は十分にあるというのに。

 

『っ…!プ…ライド!なんで…邪魔…』

『当たり前でしょう!自分でした誓いすらお忘れですか!』

 

けど、影はちゃんとプライドによって止められていた。

 

「誓い?何のことや?ユタ」

「…それに関しては、今は関係ないから。えーと…この辺から私は記憶ないんだけど…一体どうなったんだろ」

 

動画を再度進める。

 

『っ⁉︎』

 

多分、プライドとの影操作の主導権を奪い合ってる?のかな。影が変な動きをしながらも、目の前の女の人には一切向かってはいなかった。

そして、地面が光ったかと思うと、私の体を影が拘束した。

しかも二重や三重どころじゃない。五重くらいかけてるんじゃない?あれ。

 

…あんなに罠しかけたんだ…。自分のことながらエグい…。

 

「んー?見たところ、ユタの影か?」

「うん。私が無限書庫の時のように、自我を忘れちゃってた時のための保険。本当は、そんなこと起こらない方が良かったんだけど」

 

影を影で相殺しようにも、プライドによって操作もままならず、一切解けないでいる。

 

その瞬間だ、私の体が吹き飛んだのは。

 

いつの間にか拘束を解いていた女が、私の体を殴ったと同時に魔力を爆発させて吹っ飛ばしたのだ。

影で体を覆っていたならいざ知らず、無防備な状態で、かつ体の関係上受けるのがとことん弱い私がこれを受けて無事で入られるわけがない。

 

『ガハッ…』

『ははっ!ザマァないわね!やっぱりお前ごときが八神司令の----』

 

『ユタ!』

 

『っ…!』

 

 

これで映像は終わっていた。

 

「…ひとつええか?」

 

「?」

 

「ユタ…あんた、わざとか?」

 

「何が?」

 

「……」

 

すっごい、母さんに真剣な目で見られる。

バレてる…のかな?やっぱり。

 

「ヴィヴィちゃん達から聞いてるで。メールで変なことを言われたって。内容までは聞いてへんが…あんたが考えそうなことはわかる」

 

やっぱり…。

 

「プライド、ユタがみんなに送ったメール見せてもらえるか?」

 

『…私としては構いませんが…』

「…いいよ、プライド。どうせすぐバレるし。表示しちゃっていいよ」

『承知しました。では…』

 

そう言って、プライドはみんなに送ったメールを表示した。

 

『一ヶ所だけ、警備を薄く…いや、()()()()()。場所は第一控え室。みんなは…他を守って。…念の為、みんなのところにも魔力を仕掛けに行くけど…それまで、お願い…守ってて…』

 

 

 

………はっずかし!何最後の文!え、私あんなこと書いたの⁉︎記憶にないんだけど⁉︎

 

 

 

「ほーん…。…ユタ」

 

「うん、言わんとしてることはわかってるよ。……私自身を、()()()()。今回の手口で、誰かは大体わかってた。回りくどいやり方、私自身の体を傷つけるというよりは精神的に追い詰めるやり方。

迷彩(インビジブル)の魔法が得意な人で私に恨みを持ってそうな人。

そこまで分かれば、自ずとわかってくる。

そもそも、私と面識があって迷彩(インビジブル)が使える人なんて、そういない。

教会の選手のシャンテさんか、管理局で手合わせをしたこの二人くらい」

 

「…なるほどな。……あんたが周りを巻き込まないようにする癖は相変わらずか…」

 

母さんがすごい悔やむような顔…なんで?悲しませることはあっても、悔やまれるような事は…。

 

「にしても…お前は、何故そうもユタに固執する?ユタと同年代とまでは行かなくとも、若い管理局員は沢山いるだろう?」

 

ここで、シグナム姉さんが二人に聞いた。

二人はというとずっと押し黙っていた。

 

「ほう?黙秘権でも貫くか?別にいいぞ。体に聞くだけだ。悪いが、家族に手を出されて黙ってられるほど、私もお人好しじゃないんでな」

「ちょ、ちょシグナムさん!ストップストップ!」

「シグナム姉さん、流石にそれはシャレにならない!」

 

剣を持ち出すのは…やりすぎじゃない?

けど、ここまで怒っているシグナム姉さんは久しぶりに見た気がする。

ほら、二人とも怯えてる。

 

「では、再度問おう。貴様らは、なぜユタにそんなに固執する」

 

 

「…親の七光りで管理局に入って、いい思いするやつはいないと思いますよ。シグナムさん」

 

 

私を殴り飛ばした方の女の人が、そう言った。

 

「親の七光りで管理局に入って、天才で、それでチヤホヤされて。ずっと一から頑張ってた私たちからすれば、ふざけるな、ですよ。しかも魔力の変換資質が影とかいう()()()()()()()ですし」

 

は?何言ってるの?才能?私に?

しかも、気持ち悪い?そんなこと言われるいわれはない。

 

()()()()()()()()()()()ほど、目障りなものは…」

 

「っ!」

 

今度は、私だった。

 

 

努力せずに?なんでそんなことを言われなきゃいけない。

 

 

『マスター!落ち着いて…』

「天才?努力せず…?何で貴女なんかにそんなこと言われなきゃいけないんですか…」

 

「ぐ…」

 

影で、ギチギチと言うように強く拘束してしまう。

 

また、魔力が漏れてるような、魔力に支配されてるような感覚だ。何度目だろうか。

 

「私は、努力してきました。()()()()()()()()()を後悔して、強くなりたいと願って」

 

「何言って…ぐぬっ…」

「ユタ!やめい!」

 

「目の前で、最愛の人を奪われた気持ちが、貴女にわかりますか?目の前で、冷たくなっていく家族の姿が、想像できますか?」

 

「ユタ!」

『マスター!』

 

「っ…」

 

母さんに羽交い締めされ、プライドには影操作を徹底的に潰された

シグナム姉さんにも、影を切断された。しかも締め上げてた女の人は一切傷つけず、影だけを。

 

「ユタ、お前に手を汚させる手段などはザフィーラ共々教えたつもりはない。それにだ、お前には手を汚させる気などは毛頭ない。マリナの奴に顔向けできんからな」

 

「でも…何で、今までずっとしてきた努力を、嘲笑われなきゃ…才能なんて言葉で片付けられなきゃ…」

 

そこまで言ったところで、シグナム姉さんに頭を撫でられた。

 

「天才や才能という言葉はな、自分と他人の違いを明確に知るものだ。自分にできないものを、他人はできるから、天才や才能という区切りで分けてるのさ。『自分と根本的に違う』とな。自分と違うものを畏怖し排除しようとするのは人間の悪い癖だ。そうやって努力すればできることも、する前からできないと割り切って逃げるのさ。弱い奴の典型的なパターンだ。ああ、私はお前をセンスがあるとは思ったことはあるが天才だとか才能があるだとかは一度たりとも思ったことはないぞ?まあ、強いて呼ぶなら…『努力の鬼』かな?」

 

微笑みながら、そう言ってくれる。

不思議と、気持ちが軽くなった。

 

「少なくとも私達はお前が努力をずっと続けていたことは知っているさ。ユタ、周りの誰にも理解されなくてもいい。その時は私達を思い出せ。お前の努力を知っている人達を。私達は、何が起ころうとお前の味方だ」

 

 

…どう、反応すれば、いいのかわからない。

シグナム姉さんにここまで優しくされたことが、なかったから。

 

 

「ああ…主よ。ひとつお願いが」

 

「ん?どうしたんや?」

 

「いえ、簡単なことです。この2人の処分を私に任せてもらえませんか?」

 

「?」

 

「ご安心を、別に斬ったりはしません」

 

「まあええが…上にはちゃんと報告するで?」

 

「ええ、構いません」

 

「な、なあ…ひとつ確認したいんやけど、何する気や…?」

 

「特に大したことはありませんよ。一ヶ月間、私が課す特訓をさせるだけです。私が直々にね。一切弱音を吐かなければ、罪は不問とします。ただそれだけです」

 

この時、シグナム姉さんが黒い笑顔になっていたのは気のせい…だと思いたい。

 

「なあに、ユタと同じ特訓をさせるだけですから、ユタのことを嘲笑うくらいなんですから、きっと余裕ですよ」

 

 

この時、この場にいるほとんどの人が、シグナムを本気で敵に回したら死ぬのでは、と思ったとか何とか。

 

 

「さて、それじゃあひとまず、こいつらは邪魔ですので返しましょうか。特訓は明日から、ということで」

「そーやな。今日のところは帰ってもらうか」

 

「「え?」」

 

「え?じゃないわ。今日はウチの為にユタが必死こいて準備してくれとるんや。…これ以上邪魔するようなら、ウチとて容赦せえへんで?」

 

「っ、でも…」

「わかりました」

「えっ⁉︎でも先輩…」

「では、これで失礼します」

 

そう言って、私を殴り飛ばした方の人が驚いているもう1人を連れて外へ出て行った。

 

なんか、よく分からないうちに終わった…のかな?

 

「よっし!そんじゃあ邪魔者も消えたところで…再開してもらうでー!」

 

「へ?」

 

「へ?じゃないわ。あんだけ大見得張っておいてちょっとしたトラブルでもう終わりか?ほーん、ユタの努力はそんなんで終わりかぁ。がっかりやわぁ」

 

「よーしわかった!今から本気で泣かせに行くから覚悟してよ!」

 

 

よし、全力で泣かせよう。

手順等は色々と狂ってるが、残ってるもので絶対号泣させたラァ!




だんだんシリアス化するのはなんでだ……。

最近は、ちゃんとリリカルなのはシリーズの最初絡み始めました。ロリなのはさんたち可愛すぎます。
次は本番ですね。頑張ります


読んでくださりありがとうございます

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