リリカルなのはvivid もう1人の聖王のクローンの人生   作:アテナ(紀野感無)

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はい、33話目です。ようやくです。

色々と忙しすぎます。最近。ほんとやばいです。


と、自分のことはこれくらいにして、ルーフェン編2話目です。
ルーフェンはここからが本番ですね。

それではどうぞ。


33話

「よーし!じゃあまずは基本の打撃!この袋をどーんと殴ってみようか」

「イェン先生がお手本ね!」

 

と、木に吊るされたやけにデカイ袋の前にみんな集まる。

そして、イェンが構え…

 

「はいやあ‼︎」

 

思いっきり殴り、ドシンという大きな音を立てた。

そしてみんなが拍手を送る。

 

「(ふっふっふ…驚いてる驚いてる!)」

「みんなもまずは思い切り叩いてみようかー?」

 

「はーい、じゃあ私から!」

 

どうやら、最初はコロナちゃんが行くみたい。

にしても、イェンさん。考えてることがわかりやすいよ。

絶対先輩ヅラしたいんでしょ。

 

と、まあそんなイェンさんの邪な考えはコロナちゃんの打撃により吹っ飛ぶこととなる。

 

ズドォン!

 

「二番、ヴィヴィオー!」

 

ドドドドドッ!

 

「三番、リオー!」

 

ドゴォ!

 

「覇王流、アインハルト・ストラトス、参ります!」

 

ドゴォォ!

 

「んじゃあ、五番ユタ、いきまーす。あ、リオちゃんよろしく」「オッケーです!」

 

ズガァン!

 

「ラスト、ミウラ行きます!」

 

ドウッ!

 

コロナちゃんの打撃からのヴィヴィちゃんの連打、リオちゃんの掌底突きにアインハルトの強打、そして私のリオちゃんの打撃の威力を利用したカウンター打撃、最後にミウラの蹴りにより、激しく動いていた袋は止められた。

 

「あの袋…300kg以上あるよな?」「ある」

 

「すみません、ちょっと大きく動かしすぎましたね」

「いやいや、むしろよくあそこまで動かせたよ…」

「止められて良かったです〜」

「やっぱり3人ともすごいねぇ〜♪」

 

やっぱり、アインハルトとミウラの打撃は威力おかしいよ。中等科1年のやる打撃じゃない。

 

『マスターもマスターで中々な打撃をやりましたけどね』

「あれはリオちゃんの力のおかげ。私の力だけだとめちゃ弱いの知ってるでしょ?」

 

何を言っているのか、プライドは。

 

 

 

 

 

少し休憩をとって、本格的な春光拳の講義に入った。

 

「春光拳は魔法も使うけどやっぱりベースは伝統武術!

ルーフェンの武術流派はいろいろあるけど共通しているのは『パワーの運用法』なんだ。

 

筋力とか魔法による身体強化は『(リー)』近代格闘技で重視されるのはこっちだね」

 

「プライド、ちゃんと録音しといてね」『言われずとも』

 

うん、プライドは私のいうことは大体察してくれているから助かる。

 

春光拳とかの伝統武術で重視されるのは術理で力を生む技術『(チェン)』らしい。

 

「けど、あたしは人並みはずれて非力で魔力もしょぼい。あたしがどんなに鍛えても『力』だけじゃ君達みたいにすごい拳打は打てない。そこでどうするか…」

 

と、さっき私たちで殴った袋の前にシュエが立つ。

 

タン!ズドォン!

 

「……すご」

 

「地面を蹴って加速している……のではないですね」「なんか、こう、地面に力を叩きつけてるというか」「爆発させてる感じ?」

 

「おお、みんな鋭い!正確には、『踏み込んだ力を拳で爆発させる』ってイメージかな?」

 

……やっばい、これはルーフェン武術はとことん吸収したくなってきた。

入門しようかな。

 

『アホな冗談は頭の中だけにしておいてください』

「おかしい、わたしは口に出してないはずだ」

『顔でバレバレなんですよ』

「あっ、なるほど」

 

 

 

閑話休題(時間は少したち昼前)

 

 

 

「お外で探し物?」

「そうなんです。私が書庫で見つけた地図がなにか大事なものだったみたいで…。リンナ師範代はみんなにもお手伝いいただけたら嬉しいと」

 

と、タオ…だっけ?召使の子がそんなことを言っていた。

その後は、みんなでいつもの服に着替えて一箇所に集まることになった。

 

 

 

 

 

 

「慌ただしく集まってもらってすまんのー」

 

と、大広間ではみんなの前でレイ老師が説明を始めた。

どうやら、この近くにある【三岩窟】っていうところに春光武林の『武』『道』『(じん)』を譲り渡すってタオちゃんが見つけた地図の裏に書いてあるらしい。

 

そのためには試練を突破し再奥にたどり着かないといけないらしい……。

 

うん?このシチュエーション、どっかで聞いたことある気がするんだけど。

 

「(ねえ、プライド。これってさ……)」

『(私は何も知りません)』

「(え?いや、昔にレイ老師関連について調べたことあったじゃん。その時にさ…)」

『(何も知りません)』

「(いや、だから……)」

『(何も知りません)』

「(……はいはい、わかりました)」

 

と、どうやらみんなでその【三岩窟】に行くことになったらしい。

 

私?もちろん行きます!

 

にしても、端っこでユミナやノーヴェさんたちがコソコソ話し合ってるのは気のせいだろうか。

 

 

 

 

 

 

〜三岩窟 入り口〜

 

「そんじゃあ、こんだけ人数もいるし三手に分かれて調べようか!」

「そうですね〜!」

 

「私とオットーくんとユミナちゃんは保護者役としてそれぞれ別れようか」

「はい〜!」「承知しました」

 

にしても、チームナカジマのみんなさ、テンション高いねぇ。その様子見てるだけで元気になるよ。

 

『マスター。そろそろ、ロリコンという種族を辞めて欲しいのですが』

「うん、プライド。二つほどツッコんでもいい?」

『どうぞ」

「まず、ロリコンじゃない!私は至って正常です!あと心を読むな!」

 

「おーい、ユタちゃん?聞いてるのかい?」

「聞いてないです!」

「天月……」

「はい、すいません!聞きます!聞きますから居合の構えしないでくださいぃぃぃ⁉︎」

 

斬撃が……髪を……少し切った……。

み、ミカヤさん怖……。

 

 

 

 

えーと、中央が頑健な体を鍛える道。

左側が知性と心を試す道

右側が『技』を問う道らしい。

 

さーてと、私はどこにしようかな……。欲を言うと全部行きたいんだけど。

 

まず、真ん中はリオちゃんとアインハルトなのは確定だろうし。

右はヴィヴィちゃんとミウラかな?

左はコロナちゃんかな?

 

あ、タオさんとシュエもコロナちゃんについて行くらしい。

 

「コロナちゃん、私も『心』の道でいいかな?」

「もちろんです!ユタさんがいるなら心強いです!」

 

と、コロナちゃんに聞くと快く受け入れてくれた。

 

あー、いい子だわ…。妹に欲し……いや、やっぱやめとこう。

 

と、くだらない話は置いておきまして、改めてチーム分けはこうなりました

 

『力』(中央)ルート

アインハルト リオ ユミナ

 

『技』(右)ルート

ヴィヴィオ ミウラ イェン ミカヤ

 

『心』(左)ルート

コロナ ユタ タオ シュエ

 

双子の執事さん……オットーさんとディードさんは入り口で猫の世話をしてくれるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜三岩窟に入ってしばらく経った頃〜

 

「今…」「うん、ズシンって揺れたね」「他のルートで何かあったのかな?」

 

「コロナちゃんたち、心配するのはいいけど、先にこっちを処理しよう」

 

「へ?…うわぁ⁉︎」

 

「コロナちゃん…これは」「はい、液体状ですがゴーレムです!」

 

だよね。なんか、ド○クエにでてくるスライムのような感じだけどれっきとしたゴーレムだよね。

 

「ご、ゴーレムって!それやばいやつなんじゃ!」

 

と、シュエさんが慌てふためいている。けど……

 

「ま、大丈夫だよね?コロナちゃん」

「はいっ!私達、ゴーレムについては詳しいですから!」

 

そして、この道の『試練』が始まった。

 

「そんじゃ、最初は任せていい?」

「もちろんですっ!ストーンランス!」

 

と、コロナちゃんが岩の槍を作り液体状ゴーレムに打ち込む。

ダメージはないように見えるがそもそもダメージを与えることが目的じゃないから大丈夫だ。

 

「いくよ、ブランゼル。ユタさん達と一緒に創り上げた新型創生」

『All Right master!』

「マイストアーム【ヴァンガードシフト】!」

 

と、コロナちゃんの背後に、ゴライアスの()()()()()()が創生された。

 

その腕は、コロナちゃんの指示で殴ったり、石のつぶてを撃ち込んだりと、一気にゴーレムを一掃していった。

 

「うん、いーよコロナちゃん。そろそろ交代しよっか」

「はいっ!」

 

と、かるくハイタッチをかわし、今度は私が前に出る。

 

「創主ユタの名の下に、敵を切り裂け!【影の執行者(ハーデス)】!」

 

と、私は()()()()()()ゴーレム創生をした。

姿形は、名前の通り神話にもでてくる冥界の王、ハーデスをモチーフにしたものだ。シルエットのようにしか見えないその体はフードを被っているような感じで、おとぎ話で死神が持っていそうな鎌を持っていた。

 

コロナちゃん以外のみんなは驚いてくれた。

 

と、同時にほぼ全身にできた眼と口によって全員に怖がられて内心ショックを受けたのは内緒。

 

「さあ、切り裂け!」

 

その合図と同時に、ゴーレムを何回も切っていった。

 

そして、気づくとほとんどの液体状ゴーレムは消えていた。

 

「ユタさん!やりました!」「うん、すごいねぇコロナちゃんは。やり始めたの一週間くらい前からなのによくそこまで物にしたね。えらいえらい」「エヘヘ〜〜♪」

 

と、コロナちゃんの頭を撫でるとなんか昇天しそうな勢いで顔真っ赤にして倒れ……

 

……ふぁっ⁉︎いやいや!帰ってこい!

 

ほおを2.3度、ペチペチとするとハッ⁉︎って言いながら帰ってきた。

 

にしても、ちゃんとしたゴーレム創生って合宿以来なのに、よくここまで高精度のものできたな、私。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん〜。みんないい感じで序盤クリアだね〜!」

「すごいですねリンナさん…。これだけのゴーレムをまとめて操作できるなんて」

 

「いやいや、操作自体は簡単なんだよ。簡単な命令で動くように作ってあるし。ノーヴェちゃんから事前に聞いてたみんなの得意なことと苦手なこと、それに合わせた練習メニュー。それを体感してもらうのがこの三岩窟の試練」

 

「ゴールに着いた時には自分の課題が見えてるはず…だよね!」

 

三岩窟の入り口付近では、ノーヴェさんやリンナさんたちがモニター越しにみんなを見ていた。

 

「かて!得意技でテンションを上げたあとは……」

「苦手項目にチャレンジしてもらおうか?」

 

この時のノーヴェとリンナの顔はどこか悪い人のように見えた。

 

 

 

 

 

「ふーん、これが『暗星行路』か」

「ひ、光の魔法を使っても真っ暗のままですね」

「ま、魔法の力で暗くしてあるらしいです。これを抜けた先に宝物があるらしいんですが…」

「にしてもさ、暗すぎない⁉︎」

 

私、コロナちゃん、タオ、シュエの順に目の前の文字通り光という概念がなさそうな道に対する感想だ。

 

「みんなで手をつないで行けばきっと怖くないですよ!」

「おおっ、それ賛成!」

「んじゃあ……私先頭しようかな。『影』使えば大まかな形もわかるしみんなの居場所もだいたいわかるし」

 

コロナちゃんが提案し、タオもシュエもそれに速攻賛成した。

そんな怖いものかな?

 

「あ、みんな右手出して」

「「「?」」」

 

と、私がいうとみんなが疑問符を浮かべながらも出してくれた。

 

そして、私は影に変換した魔力をみんなの右手首に軽く巻きつけた。

 

「え、これどうなってるの…?」「……」「ユタさん、これは?」

 

「うん、とりあえず簡単な目印。私の『影』は視覚で相手を察知するわけじゃないんだ。魔力を探知してるから、そのための目印。もし、はぐれたりしたらその影を引き千切って貰えばそれで離れてても居場所はだいたいわかる」

 

「なるほど…」「便利っすね!」「すごいです…」

 

「まあ、その『眼』か『口』に関しては我慢してね♪」

 

「「「え?」」」

 

と再度3人が右手首を見た。

その瞬間、3人中2人に悲鳴をあげられた。

 

……なんか悲しいというか、何というか。虚しい。

 

『自業自得だと思いますがね。あと、そんなものを見て悲鳴をあげない方がおかしいんですよ?』

「うるさいなー!うすうす気づいてるよ!」

 

「あのー、ユタさん、そろそろ…」

「あっはい。今行く」

 

そして、4人で中に入って行く。

 

「(………うん、まっすぐ行けば大丈夫かな?)」

「ゆ、ユタさん」

 

「ん?どしたのコロナちゃん」

 

「その…なんで洞窟の形がわかるんですか?」

 

「あー、さっき影は魔力を探知するって言ってたのにってこと?」

 

「は、はい」

 

「えーと、どう言えばいいんだろ。私の『影』っていうのは二つの使い方があって、索敵と攻撃の2種類がある。で、も索敵っていっても基本的に魔力を探知しちゃえばそれで終わりなんだよね。でも、考えたことがあるんだよ」

 

「何をですか?」

 

「またまた、わかってるんでしょ?」

 

「う…は、はい。多分ですけど、もし相手に魔力が無かったら、もしくは魔力を隠すことができたらどうするか。ですよね?」

 

「正解。それで私が考えたのが影の表面?っていうのかな。それと私の感覚をリンクする。そうすれば、影が触ったものがどこにいるか、どんな形をしてるかわかる。まあ、魔力探知とは用途が全く違うから魔力運用も違うんだよね」

 

「なるほど……。ありがとうございます!」

「いえいえー」

 

『……』

 

およ、珍しくプライドが黙りこくってる。何かあったのかな?

 

まあ、それはそうとさっさと暗星行路を抜けましょうか。




はい、どうでしょう。
最後のプライドの黙りこくったのは何でしょうね。

一応、この話での主役はユタなので、技ルートと力ルートは省かせてもらいます。

次回で、心ルートの最終試練までかけるかなーって感じですね。

読んでくださりありがとうございます

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