リリカルなのはvivid もう1人の聖王のクローンの人生   作:アテナ(紀野感無)

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はい、少し空きました。すいません。言い訳のしようがありません。

今回は準決勝です。
さて、吹っ切れたユタの初の試合です。

どんな感じでしょうかねぇ


それではどうぞ


31話

『マスター、今日はどういう試合運びで?』

 

「うーん、そうだね。初っ端から影は全開で展開する」

 

『ふむ』

 

「後は……KO狙い」

 

『承知しまし……って、今なんと?』

 

「だから、KO狙い」

 

『正気ですか?……はぁ、承知しました。その代わり、無理はしないでくださいね?』

「わかってる」

 

ロゼ選手は、映像を見た感じ、ジークさんほどじゃないけど本当にオールラウンダーって感じだ。

射撃と格闘戦をうまく使い分けてる。

 

私は……吸収砲撃とカウンター中心かな。

 

「「「ユタさーん!ガンバレーー!!」」」『『『『ファイト〜!』』』』

 

急に叫ばれ、その方向を見るとアインハルトやヴィヴィちゃん、コロナちゃんにリオちゃん、ユミナやクラスのみんなが来ていた。しかも、ミウラもいる。

 

……緊張するなぁ。

 

「よろしく、八神選手。今日は精一杯頑張らせてもらいます」

「いえ、こちらこそ。ロゼ選手。私こそ精一杯やらせてもらいます」

 

リングの上でロゼ選手と握手をする。

そして、ある程度離れる。

 

「ふぅーー………よし。準備オーケー」

『ご武運をお祈りします』

 

 

 

 

『レディ、ゴー!』

 

 

 

 

 

「はあっ!」

「おっと」

 

開始直後、ロゼ選手は魔力弾を撃ち込んでくる。

それを避けると、さらに次が飛んで来る。

 

「よっと!」

「!」

 

一本の影を伸ばしロゼ選手に向かわせる。

すると、ロゼ選手はジャンプで避ける。

 

よし、時間が少しだけ稼げた。

 

「さぁてと、……影は生成できた」

 

そのわずかな時間を使い影を背中より少し後ろ。そこで横と縦にめいいっぱい広げ質量を持たせる。

 

「はっ!」

 

そこから、無数の手を生み出しロゼ選手に突撃させる。

その手は形状を様々なものに変化させながらロゼ選手に迫る。

 

が……

 

「これくらい……!」

「わあ、すごいなぁ」

 

本当にすごいな。影を撃ち落としてる。

何十本とあるのに的確に撃ち落としてる。

 

 

………まあ、魔力弾を撃たせるのが目的なんだけど。

 

「やっ!」

「っ⁉︎」

 

いつの間にか、ロゼ選手が近づいて来ていた。

どうやら、近接戦に切り替えるらしい。

 

 

ロゼ選手がローキックを繰り出す。

それを軌道をそらして避ける。

すると、体制が不安定なのに右手で殴って来る。

 

こんどは避けた。すると、ロゼ選手に確実な隙が生まれた。

 

影の拘束(シャドウバインド)

 

それを見逃さず、影でバインドを仕掛けた。

が、それも綺麗に撃ち落とされた。

 

「ちっ…」

 

うん、やっぱりシューターとしても格闘選手としてもうまいけどシューターとしての強さが飛び抜けてる。

 

「はっ!」

 

でも、それなら数で押しつぶせばいい。

影を生成した直後に放った時よりも、数を多くし目の前のロゼ選手に向かわせる。

 

最初こそ撃ち落とされ続けるが、近距離な上に数も最初より多い。

次第に、押されていた。

 

「バインド完了」

「くっ……」

 

「吸収放射」

 

「きゃあっ⁉︎」

 

そして、さっきまでばかすか撃たれていた魔力弾の一部をそっくりそのままロゼ選手にお返ししてあげた。

 

「うん、やっぱりこの案いいね。なんでもっと早く採用しなかったのか」

『まあ、魔力効率が前のままでは悪かったですし』

「それもそーか」

 

ライフ

 

ユタ 15000

ロゼ 13800

 

『バインディングダウン』

 

 

うん、だいぶ考えてた通りに動けてる。影も見た目だけで割と動かしやすい。

 

あとは……いつ罠にかけるか。

 

 

 

『『『おおおーーっ!』』』

 

 

 

歓声が起き、見てみるとロゼ選手が立ち上がっていた。

まあ、想定内。というか、あれだけで倒れるわけがない。

 

「よし……ゴー!」

「やっ!」

 

再度、影を伸ばしていく。

ロゼ選手は、バインドを解き魔力弾を撃ち対応する。

 

ここからは、耐久戦だ。

 

「プライド、魔力運用の補助よろしく」

『了解です』

 

そこからは、1ラウンド目が終わるまで、ひたすら影と魔力弾のぶつかり合いになった。

 

 

 

 

 

 

「はぁはぁ……」

「大丈夫かー?」

 

「うん……とりあえず、仕掛けはできたけど…まさか残り時間全部撃ち合いになるとは思ってなかった。どこかしらで近接戦に無理やりにでも持ち込んでくれると思ってたんだけど…」

 

「ユタ、それならユタから持ち込んだら?」

 

「エリオの言う通りにできたらいいんだけど……あいにく、私は自分から格闘戦に持ち込むってのがあんまり得意じゃないんだよね」

 

「なるほど…」

 

「ま、そこら辺はなんとかするよ。それじゃあ……行って来る」

 

「「行ってらっしゃい」」

 

 

インターバル回復

ロゼ 15000

 

 

 

 

「さーてと、頑張りますかー」

 

 

 

試合のコングが鳴ると同時に、私は距離を取る、がロゼ選手は近づいてきた。

まあ、それはいい。問題は……

 

「(どうやってポイントに誘い込もうか…)」

「(ユタ選手に、影を生成する隙を与えちゃダメだ!)」

 

どうやら、自分から近接戦に持ち込んでくれた。

 

「はあっ!」

「よっ」

 

それを、カウンターをするわけでもなく、ただひたすらに避け、受け流していった。

 

「バレット展開!」

「え?」

 

急にロゼ選手が叫んだと思うと、突如周りに無数の魔力弾が現れる。

 

「やっば…」

「バースト!」

 

それらが、至近距離で撃ち込まれた。

 

とっさに影を出したものの全てをガードできるわけもなくダメージを負う。

 

「(ユタ選手は…⁉︎)」

 

けど、そのおかげで煙に紛れることができた。

 

私は、ロゼ選手の左側から突進する。

 

「!やっ!」

「よっ」

 

すると、顔めがけて拳を入れてきたのでその手を掴み勢いを利用し地面に叩きつけた。

 

「吸収放射!」

「⁉︎」

 

そして、先ほどの弾幕からいくらか影の中に吸収していた魔力弾を放出しロゼ選手に命中させる。

 

その直後、すぐに起き上がってきたロゼ選手はまた接近してきた。

早いラッシュを叩き込んで来るが……

 

「(ヴィヴィちゃんの方が早い、これなら……)」

 

思うんだよね。隙をあえて作るって本当に諸刃の剣だよね。一歩間違えれば自分がやられる。

けど、そんなことを言ってられないのも事実。

 

「(いまだっ!)せやぁっ!」

「!」

 

そして、胸を無防備になったと思ったロゼ選手が強打を打ち込んで来る。

体を横に倒し右手で受ける。地面に対して平行になる感覚(ていうか、実際になった)にさらされながらもその場で回転し拳をあごに命中させる。

 

「く……」

秘密の箱(パンドラボックス)

「え?」

 

それでもまだ意識を飛ばすには至ってなかったらしく、私は、()()()影の箱で覆った。

闇の箱(ブラックボックス)と何が違うかと言われたら、

 

前者は私がその影の箱の中にいるっていうのと影をどうするかは目で見て考えることができる。また、大きい。

 

後者は、私も中はわからないためほぼカンでやらないといけない。

それに、命中率を上げるためにも小さくないといけない。

 

影の壁や天井に、無数の目が現れる。

これにより、はっきりとは見えないが大体の位置はわかる。視覚的にじゃなくて魔力を感知してるだけなんだけど。

 

「くっ……」

 

もちろんこの目もロゼ選手には見えていないだろう。

早く脱出した方がいいと思ったのか魔力を集中させ始めた。

恐らくは、火力を上げて一気に突破するつもりだろう。ま……

 

「させないよ」

「かはっ!」

 

あえてロゼ選手に近づく。

普段ならこんなことは基本的にしないがこういう状況だと話は変わってくる。

 

「くっそ…」

 

そして、チャージ途中のものを放つ。

 

「リフレクト」

「きゃ…」

 

そんなものは、リフレクトの餌食だ。吸収砲撃とリフレクトの使い分け、練習しといて良かったー。

 

そして、影を伸ばし、未だ私の場所もよくわからないロゼ選手を掴む。そして…

 

「そーれっ!」

「⁉︎」

 

私に向かって投げつけた。

そして、腕に影を纏わせる。

 

「とりゃ!」

「がはっ…」

 

当たる瞬間に纏わせた影を硬くした。そして、殴り飛ばされたロゼ選手は影の壁を突き破り、明るいリングの上へ出る。

 

『お見事』「どーも」

 

ライフ

 

ユタ 12400

ロゼ 7360 クラッシュエミュレート 腹部強度打撲

 

『ダウン』

 

 

ダウンを取れたのを確認し、影を引っ込める。

 

「ふぅ……結構いい感じかな」

『慢心はいけませんよ』

「わかってるって」

 

 

「やれます!」

 

「ま、そうだよね」

 

カウントが6行ったくらいでロゼ選手は起き上がってきた。

けど、足もフラフラしてきている。

 

 

カンカンカン!

『第2ラウンド終了!』

 

 

 

「うん、ええ感じやな」

「うん、ここからは接近戦を仕掛けに行く。けど、格闘でやり合うつもりはないよ」

『マスター』

「ん?」

『魔力使いすぎです、もう、1ラウンド目のように盛大に使うことはお控えください』

「はいよー」

「ユタ、頑張って!」

「う、うん……」

「ウチの目の前でイチャイチャするなんてええ度胸やなぁ?ユタ」

「だから、さらっとクラウソラス撃とうとしないで!………うん、よし、行ってきます」

 

「「行ってらっしゃい」」

 

 

 

インターバル回復

ロゼ ライフ11000

ユタ ライフ 14800

 

 

 

 

「よし、腕の魔法の準備」

『承知しました』

 

3ラウンド開始と同時に腕に影を纏わせる。そして、その上で硬化魔法の準備をする。

 

ロゼ選手に突撃していき、中距離あたりになったところでパンチの動作をし、腕から影が伸ばす。

それに驚き回避がワンテンポ遅れバランスを崩した。

 

「そりゃ!」

 

腕を横になぎ払うようにすると影も同じように伸び体制の悪いロゼ選手を吹っ飛ばした。

 

「ゲホッ…。シュート!」

「リフレクト」

 

ロゼ選手が魔力を撃ち込んでくる。それを避けれるものは避け、無理そうなものにはリフレクトを使いながら接近していく。

 

「こ……のぉ!」

 

至近距離まで来た時にロゼ選手が近接に切り替えた。

避けつつ、カウンターを狙う。

 

 

まだだ…もう少し、もう少し…

 

 

やっぱり近接もうまい。なかなかカウンターを決めれない。

 

『(完了です)』

「(おっけー!)……ふっ!」

「え?」

 

ロゼ選手の左側側に転がって離れ、ロゼ選手を中心に円を描くように配置した魔力を一気に操り影の刃としてロゼ選手に上空から突き刺しにかかる。

 

「く……このぉ!」

 

ロゼ選手は魔力を撃とうとしたが間に合わないと踏んだのか、そこから逃れようとした。私がが残した、唯一の逃げ道から。

 

だから、私はその逃げ道の方に回り道してやればいい。

 

「………!」

 

けど、ロゼ選手は私に一瞬驚いたものの、即座に対応してきた。私に拳を振りかぶってくる。

それを……

 

左手で受け止めた。

 

「っっ…!!」

「うん、よし」

 

すると、ロゼ選手が後ずさりをする。

 

「やっぱり、ジークさんとかアインハルトがクラッシュエミュレート起きないのがおかしいんだよね。本当だったら……こうなるのに」

 

腕は、もう影では覆われていない。

いつもの、黒い、金属のようなもので覆われていた。

 

 

ライフ

ロゼ 10800 クラッシュエミュレート 右手骨折

 

 

影の壁(シャドウウォール)三連(トリプル)

「っ⁉︎」

 

よろけた隙に、ロゼ選手の背後と横を影の壁で覆う。前は、もちろん私だ。

 

これにより、ロゼ選手はやることは限られてくる。

 

「正面突破か壁の破壊くらいだよねー」

 

ロゼ選手は、壁の破壊は無理だと思ったらしく私の方に突進してきた。

 

得意なはずのシューターも、影を警戒してかやってこない。

 

ま、これを破壊したいならヴィクターさんやハリーさんくらいの火力持ってきてもらわないとね。

 

顔を狙って掌底打ちをしてくる。

 

これを、顔をそらして避ける。

そして肘の部分に上に向かって拳を突き上げた。

 

「いっ…!」

 

 

ライフ

ロゼ8790 クラッシュエミュレート左肘骨折。

 

 

そして、トドメに硬化魔法のかけてある腕で顎にアッパーを喰らわせた。

 

 

 

『ダウン 10………9………』

 

 

 

ニュートラルコーナへ影を解除しながら下がる。

ロゼ選手は、必死に立ち上がろうとしているがなかなか立ち上がれていない。

 

『3……2……1……0!勝者は!八神ユタ選手!』

 

 

 

 

 

 

〜控え室〜

 

「お疲れ、ユタ。えらい好調子やったなぁ」

「うん!こんなにも考えてたことがうまくできたの初めて!」

『お見事です、マスター。今回は百点です』

「ありがと!」

「ユタ、おめでとう!」

「エリオもありがとう!」

 

ほんとに、気持ちがいい。こんなにも、作戦がうまくいったのは初めてだ!

 

「あ、ヴィヴィちゃん達きてくれてるらしいって。行ってきたらどうや?」

「そうする!」

 

ハイテンションのまま、体を休めることなく控え室から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「シグナム」

 

「はい、主。なんでしょう?」

 

「ユタ、だいぶ変わったなぁ」

 

「………ええ、そうですね。2年前の時とは、色々と変わっています。何より……技に迷いがなくなっています。あと、かなり強くなってるかと」

 

「よねぇ。ああ、本当に都市本線優勝しそうやわー。そうしたら、本格的にやるためにも、ジムに通うようになるんやろうなー」

 

「………」

 

「あ、シグナム、ちょい寂しいなーって思ってるやろ?」

 

「お、思ってません!決して、ユタと手合わせできなくなるから寂しいなんて思ってません!」

 

「へぇー」

 

「に、ニヤニヤしながら見つめないでください!」




どうでしたか?

次からはルーフェン編ですね。
しっかりと書いていきたいと思います。

読んでくださりありがとうございます

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