リリカルなのはvivid もう1人の聖王のクローンの人生   作:アテナ(紀野感無)

37 / 52
はいーー、気づいたら原作12あたりまで来ていました。

時が経つのは早いですね…

原作が終わりかけに近づくにつれてvivid strikeも書いていきましょうかねー。

それではどうぞ


26話

私は……どういう態度でみんなに接すればいいんだろう。

 

いろんな記憶が混同して、自我がなくなったとはいえ、

殺しかけてしまって

 

 

とんでもないことを言ってしまって。

 

 

自分がなにを言ったかははっきりと覚えてる

けど、ひどいことと言っても半分以上……いや、全部本音だ。

けど……私に関わってくれた人は……少なくともヴィヴィオちゃんやコロナちゃん、ジークさんやヴィクターさん、ミウラなんかはオリヴィエのクローンだからって近づいてきたわけじゃない。

 

ただ単純に、同じ選手として歩み寄れてたはずなんだ。

 

なのに………

 

「ユタさん」

 

アインハルトに声をかけられビクッとなってしまう。

けど、怯えている場合じゃない。

 

私は……謝らないといけない。

 

「その…アインハルト。ごめ…」

 

「ごめんなさい」

 

「え?」

 

謝ろうとすると、アインハルトに深々と頭を下げられる。

 

「え?え?ちょ、ちょっと待って、今回悪いのは私だよ?なんでアインハルトが」

 

「いえ、元々といえばこれは私の蒔いた種なんです。ユタさん…本当にごめんなさい。そして…一つだけ言いたいことがあります」

 

「……」

 

「私は、あなたともう一度仲良くなりたいと思っています。先祖のことは関係なく、私と、あなたとで」

 

「………うん」

 

そこまでいうとアインハルトは離れて行った。

すると、こんどはクロゼルグと……母さんが来た。

 

「ほら、ごめんなさいって」

「………ごめんなさい」

 

母さんに促されクロゼルグは謝ってきた。

 

「うん、私こそ…ごめん」

「よし、ファビアともアインハルトとも仲直りしたな?そんじゃあ……」

 

母さんが何かを言おうとしていた。

だから、顔を上げ……

 

 

パシン!

 

 

「……え?」

 

突然のことに私も、他のみんなもこっちを驚いた顔で見る。

頬が痛い。

叩かれたらしい。

 

母さんを見ると……泣いているような、怒っているような顔だった。

 

「かあ……さん?」

 

「ユタ、とことんふざけたことを言うたらしいな。なんや?生まれない方がよかったやて?この世になぁ、不必要な命なんてもんはあらへん。それはアンタも同じや」

 

「……ごめんなさい」

 

「でも、ユタの気持ちもわかるつもりや。けど……お願いや。自分のことを……そんな風に言わんでくれ。ウチも、ヴィータも、シグナムも、シャマルも、リインも、アギトも、ザフィーラも……それになのはちゃんやフェイトちゃんもみんなユタのことは好きやと思うてる。アンタは……1人じゃない」

 

「うん…ごめんなさい…ごめんなさい……」

 

母さんに抱きしめられる。

なんでだろう。涙が出て止まらなくなる。

 

「えー、ほんならひとまず一段落ってことで。私たちはこの子とユタを連れて行ったん戻るなー。ほら……ユタ。ファビア」

 

「みなさん……迷惑をかけて……すいませんでした」

「…………ごめんなさい」

 

「被害者一同どうー?」

 

と、私とクロゼルグで謝るとみんなは普通に許してくれた。

あんなことをしたのにもかかわらず。

 

みんな……優しすぎる。

 

「ほんなら、行こか?」

「はいー」

 

そうして、私と母さん、リインさん、クロゼルグ、ルーさんでこの場を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜帰路の途中〜

 

「そういえば、ヴィヴィオのこととかみんなに話したんですか?」

 

「うん、大人のみんなには一応なー。ヴィヴィオの生まれとか…高町家の子になった経緯とか。ま、なのはちゃんとヴィヴィオはどこに出しても恥ずかしくない親子やし、余計なお世話かと思ったんやけどなー」

 

「それで言ったら八神司令もですよ。ユタと初めて会ったのは最近ですけどもう普通の親子にしか見えません」

 

「えー、そうかなあ」

 

あ、母さん照れてる。珍しいから写真を撮ってやった。

 

「ちょっ!ユタ!写真撮るな!」「いつも色々とやられてる仕返し。ヴィヴィオちゃん達にいろんなことバラされてたのも後で聞いたし」「それどうする気や?」「いろんな人に送ってあげようかと」

 

そして、普段通りの八神家での会話をしてみた。

おどおどしていたと思う。けど、少しずつ、母さんの言葉のおかげでちゃんと、見切りをつけてこれてると思うてる。

 

あ、ファビアが呆れた顔してきた。

これが日常的なんだ。そんな顔されても困るよ。

 

「あははー、やっぱり親子ですねぇ」

「せやろー」

 

「過去は過去であって、現在(いま)じゃない。先祖の記憶を黒い呪いにするか未来へのギフトに変えるかは……今生きている自分の選択。ってことですよね」

 

「そーやねぇー」「私もそう思うですよ〜」

 

ルーさんの言葉に、母さんとリインさんが賛同した。

 

うん……本当にその通りだ。私は……危うく黒い呪いにするところだったんだ。

 

本当に……何をしてたんだろうね。

 

「あ、そうだ。ユタ。本当にすまんかったなぁ」

 

「何が?」

 

「あんたのことを煽るような言い方をしてここまでこさせたのもウチのせいや。そのせいで辛い思いをさせてしもうて」

 

「いや…どのみち通る道だったんだし。それに……母さんには感謝してもしきれないと思ってる。本当に…ありがとう。私と家族になってくれて」

 

「……」

 

すると、母さんが珍しく顔を赤くする。

私は驚き、ルーさんも珍しいですねーって言ってる。

うん、本当にレアだと思うよ。

ガチな照れだもん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

「ま、まあまあ、シグナム。落ち着きーや」

「いいえ、いくら主の言葉とはいえ落ち着けれません。……ユタ」

 

「はい」

 

今は、シグナムさんのガチ説教を受けてます。

内容は、おもに昨日のこと。

 

「シグナム姉さん……今回は私が全て悪いと思ってる。だから……どんな罰も受けるつもりです。けど……理不尽な内容でしたら色々とばら撒きますので」

 

「よし、遺言は言ったようだな」

 

そして、私はいつも通りの返答をしてみた。

すると、まあいつも通りのことになりましたよ。

 

十分後には疲労困憊で立ち上がれない私が完成したよ。

やったね、十分クッキングの成功だ。

 

「はぁはぁ…なんか手加減してない?」

 

「してなどいない。ただ…ユタ。お前少し変わったか?」

 

「あ、うん。母さんに諭されてからなんか吹っ切れた」

 

「そうか…」

 

あ、なんか安堵してる。

 

「それで、今日だっけ?」

「いいや、明日らしいで」

「ふーん、なら今日は家でゆっくりし…」

「逃すと思ってるか?そら、さっさと続きをするぞ」

「いーやーだーー!!」

 

そして、すこしハードにされたシグナム姉さんの特訓が再開された……

 

 

イラついたので途中から来たミウラも巻き込んでやりました。

 

 

 

 

〜翌日 聖王協会〜

 

あれ?一日が短くない⁉︎

 

『そこらへんに関してはスキルが足りないから仕方ありません』

「心の声に突っ込まない。てか、スキルってなんのこと?」

『マスターは知らなくてもいいことです』

 

「あ、ヴィクターさんにジークさんだ」

「あら、ユタ。もう体はいいの?」

「ユタ、大丈夫なんか?」

「はい、それに吹っ切れましたし。お二人共、先日はすいませんでした」

 

改めて2人に謝った。

2人とも、笑顔で許してくれた。

やばい、泣きそう。

 

「チャンピオン!お嬢様!こっちこっち!」

 

と、走って来たのは確か……なんだっけ?

 

「シスターシャンテ、迎えに来てくれたの?」

 

ああ、そうそう。シャンテだ。ヴィクターさんとやりあったっていう。

 

「なんだ、あたしの名前覚えててくれたんだ?」

「当然でしょう。手強かった対戦相手ですもの」

「いーだ。大して苦戦もしてないくせに」

「そうでもないわよ。ユタなんか、シャンテが一番やりにくそうって言ってたわよ」

「え?」

「いや、こんなところで私に振らないでくださいよ。……まあ確かに分身を使う相手は私と相性悪いですけども。それより、今日はヴィヴィオちゃんとアインハルトの試合なんだよね?」「観客はうちらだけ?」

「んにゃ、コーチもいるしチームの子達も来てるよ。あと他にもゲストが」

 

と、教会の中を歩いていると…

 

クロゼルグにあった。

 

「陛下のご指名。試合を見て欲しいんだって」

 

へー、そうなんだ。

あ、ジークさんがなんか餌付けしようとしてる。

え?しかも成功しかけてるし!

 

と、そんなこんなで庭に出るとヴィヴィオちゃんがノーヴェさん達とアップをしていた。

 

「アインハルト・ストラトス参りました」

 

そして、そこにアインハルトも来た。

 

「んじゃ。準備が出来次第始めるぞ。フル装備で2ラウンド一本勝負。ライフ計測は無し。決着はKOかギブアップのみ」

 

………?あれ?

 

「ねえ、プライド」

『はい、そうですね。ヴィヴィオさん。()()()()()()()()ですね』

「だよね、軽い練習試合って聞いてたんだけど」

 

「2人共、ジャケット装備!」

「武装形態----」「セットアップ!」

 

そして、2人共セットアップをした。

けど、ヴィヴィオちゃんの格好だけいつもと違い全体的に黒かった。

 

ヴィヴィオちゃんによると昔使ってた色だとか。

けど……私の記憶にあるオリヴィエの記憶にある戦争の時の装備の色となんか似てる。

 

「ラウンド1 始め!」

 

その合図とともに2人がぶつかった。

そして、少しだけ違和感を感じた。

 

「……わあ、ヴィヴィオちゃん。少し見ない間にかなり強くなってる?」

『いえ、あれは……」

 

めずらしく、アインハルトが後手に回っている。

けど、被弾しながらも無理やりながらもヴィヴィオちゃんと距離を詰めようとしていた。

 

「……?あれ?あんなに打撃力あったっけ?」

『いえ、ありませんでした。おそらくは…魔力を攻撃に()()()していますね』

「え?それってかなりやばいよね?」

『はい、そうですね。なぐられたら、生身で車にはねられるようなものじゃないですか?』

 

そんなことを考えているとヴィヴィオちゃんがクリーンヒットを入れられた------ように見えた。

 

しっかりと、魔力を集中させて防いでいた。

 

そしてカウンターがアインハルトに炸裂する。

 

「アインハルトさんと私の戦績は……3戦2敗1引き分け。今でも試合を10回やったらそのうち9回は私が負けると思います。だけど、4戦目の今日は私が勝ちます。今の私たちのことを、ちゃんと見て欲しいから!」

 

と、ヴィヴィオが言う。

何かしらの覚悟もあるらしい。

 

……エレミアの手記のことでまた何かあったのかな?

 

そこからはアインハルトが押されていた。

断空拳も避けられていたし綺麗にカウンターも決められていた。

拳が当たってもセイクリッドディフェンダーっていう防御でダメージもほとんど与えれていなかった。

 

そんな中、偶然とも言っていいアインハルトの一発がヴィヴィオにクリーンヒットする。

 

先ほどまでと同じような打撃だったが、効果は先ほどまでのものとは段違いだった。

 

「……あ、そうゆうことか」

『はい、そうですね。攻撃に魔力を全振りできるということは防御にもできるんでしょうね。だから今までの打撃はそんなに効いていなかったんでしょう。しかし……それは危険すぎます』

「まあそうだよね。私でもあんな戦法やりたくないし」

 

そこからはまた撃ち合っていた。

そんな中、アインハルトはヴィヴィオちゃんの全力の拳をあえて受け止めた。そして防御ゼロのヴィヴィオちゃんを殴りダウンさせた。

 

そして、ヴィヴィオちゃんが立ち上がったところで第1ラウンドが終わった。

 

「はーー、見ててヒヤヒヤする」

『自分の試合でもないのにですか?』

「うん」

 

 

 

「わたし、オリヴィエのクローンだって話は前にしましたよね」

 

ヴィヴィオが語る。

 

「過去の記憶はないけど体質は受け継いでいた。ユタさんのように。

『鍵』としてゆりかごを蘇らせる為だけに生み出されたのがわたしで。大好きだった優しい人でさえこの手で殺しかけました。この前のユタさんのように……。

この黒いジャケットはその時の服装。

心も体も自分の思うようにならなくて。どうしていいかわからなくて。

けど、助けてくれた人がいたんです。

わたしの涙も痛みも運命も受け止めてくれた人が。

わたしがその人から教わったのはぶつかり合わなきゃ伝わらないことがあるってこと。

 

撃ち抜く力は想いを届けるためにあるんだってこと!」

 

「私は…ヴィヴィオさんにそんな風に思っていただくような人間では…」

 

「そんなの知りません!私たちにとってはアインハルトさんは大好きで大切な先輩ですから!」「「その通りっ!」」

 

コロナとリオも賛同してくれる。

 

「アインハルトさんを倒せるくらい強い子なんだって証明して、もっと私たちに頼ってもらうんです!」

 

 

ラウンド2 スタート

 

 

 

 

「………」

『ヴィヴィオさんも、少なからずマスターと同じようなことを体験していようですね』

「だねー、ほんと……私ってつくづくとんでもないことを言っちゃったよね」

『ま、マスターは心は弱いですからねぇ』

「文字通り心を刺すような言葉を言わない」

 

ラウンド2が始まったがヴィヴィオちゃんは真剣に、アインハルトは何かに迷いながら試合をしていた。

いや、葛藤でもしているのかな?

 

そんな中、確実に意識を持って行けてもおかしくないほどのカウンターがアインハルトに叩き込まれた。

 

「あれは…」

『ちょっと無理かもですね』

 

が。そんなことを思ったのもつかの間、すぐにアインハルトは起き上がってきた。

顔は、………なにか吹っ切れたような、憑き物が落ちたような顔になっていた。

 

「よかった、やっといつものアインハルトさんだ。いつも一生懸命で優しい私たちの大好きなアインハルトさんです」

 

「いい一撃を頂いて目が覚めた気がします。感謝の想いは拳に載せます。受けていただけますか?」

 

「もちろん全力で‼︎」

 

そこからは、わずかな間だがヴィヴィオとアインハルトが殴り合った(語り合った)。そして、ついにそれが終わる……。

 

勝ったのは---------

 

 

 

ヴィヴィオだ。

 

 

 

 

気絶してしまったアインハルトにヴィヴィオちゃんとコロナちゃん、リオちゃんが駆け寄る。

 

「アインハルトさん!アインハルトさん!しっかり!」

 

「………どうして……ヴィヴィオさんが泣きそうな顔をしているんです?勝者ですよ………胸を張って(随分遠回りをしたけれど、それもきっと無駄じゃなかった)」

 

「でも、あの…」

 

「あなたが悲しい顔をしていると私も悲しくなります。ヴィヴィオさんは強い子です。だから----

 

笑ってください」

 

と、アインハルトは-----今まで見たことのないような笑顔を浮かべた。

それに触発されヴィヴィオもリオもコロナも泣いてしまう。

 

そこからは……4人だけの世界になっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?わたしってチームナカジマに入らない方がいいっぽい?」

『急なネタバレになりそうなことを言わないでください』




やーっとシリアスから抜けれました!

無限書庫編は好きなんですが、やはりユタの性格からしてあのシリアスは合いませんね。

ユタはコメディだけやっておけばいいのです(暴論)


と、冗談はさておきまして。
ようやく、アインハルトもユタも先祖については区切りがつけた、という感じですかね。

どちらも、わたしのスキルが低いのでちゃんとかけてるかは微妙ですか….

あ、感想とか随時受付てます〜

読んでくださりありがとうございます

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。