リリカルなのはvivid もう1人の聖王のクローンの人生   作:アテナ(紀野感無)

31 / 52
ゴールデンウイークいかがお過ごしでしょうか?

自分はやりたいことやってやらなければいけないことに追われております(´-`).。oO

まあ、そんなことはどうでもいいっすね。

今回でコロナvsアインハルトは決着ですね。
拙いかもですがご了承を。

それではどうぞ!


20話

「身体自動操作?」

「ええ、ゴーレムを動かす時の要領で自分の体を操作しているんです」

 

リング外ではアインハルトとディエチ、ウェンディが話している。

アインハルトはコロナの技の正体に気がついていた。

 

「巨体のゴーレムを動かせるだけの力です。そのまま打撃に使えばまさに『巨人の拳』。そしておそらく事前にプログラムした動作---特定のカウンターを設定したトリガーで自動再生するようにもしています」

「そっか、特定の打撃に反応して自動で撃つようにしておけば……」

「反応時間ゼロのオートカウンターっスね」

「対策は?」

「あります---さっき()()()()()()()。次ラウンドでやってみます」

 

 

 

インターバル回復

アインハルト ライフ7530 クラッシュエミュレート 全身軽度打撲 左腕中度打撲

コロナ ライフ 11180

 

 

 

 

 

 

「身体操作に自動反撃、格闘戦だと優位に立てそうだけど実際にはそうじゃないんだよなぁ。特にアインハルトみたいな才能に溢れてる人に対しては優位どころじゃない。自分を餌にするようなものなんだよねぇ」

『もともと、身体操作はタイムロスが出やすいですもんね。それに、コロナさん自身の動きにも限界はありますし』

「それに……コロナちゃんには悪いけど今使っているのはヴィヴィオちゃん達の()()()。そんなものはアインハルトには通用するとは思えない」

 

と、私が喋っている間にも予想通りコロナちゃんが押され出している。

格闘戦で押していくつもりなのかコロナちゃんはゴーレム創成をしようとはしていない。

 

「コロナちゃん、そうとう焦ってるだろうね」

『自身の切り札が通じなければそうなりますよ』

「まあ、そうなんだけど」

 

 

 

 

 

 

 

「ネフィリムフィスト【マイストアーム】!」

 

コロナはゴーレムの右腕を作りアインハルトに向ける。

 

「(身体自動操作や頑強な腕部武装。覇王(わたし)にとってその対策は、600年前から取り組み続けた課題だったんです)」

 

アインハルトは真正面から受け止めゴーレムの腕を破壊した。コロナの右腕を巻き込んで。

 

その直後に、上空にいたコロナに近づき叩き落とした。

 

ライフ

コロナ 9010

 

「(痛い、痛い、痛い!けど!まだいけるはず!左のリボルザーキャノンからのスパイクのコンビネーションが----)」

「鋼体の型 『牙山』」

 

コロナは再度アインハルトに向かっていった。

それに対しアインハルトは防御を固めた。

 

左の打撃からの回し蹴りをコロナは繰り出した。

が、アインハルトは威力を殺さずに肘で受け止めた。

相手の攻撃威力を利用した攻性防御だ。

 

ライフ

コロナ 7660 クラッシュエミュレート 左拳骨折 右脛強度打撲

 

アインハルトはコロナを追撃しにいく。

 

「(拳が来る!大丈夫、オートカウンターが動作する!)」

 

そして----アインハルトは拳をぶつける直前で()()()

 

「(しまっ……)」

 

もう、遅かった。

発動した自動操作を止めることができるわけもなくカウンターアッパーが空を切った。

 

ドカン!

 

アインハルトは伸び上がったアッパーを上から叩き潰した。

 

 

 

 

「うまいね……オートカウンターの間合いを読み切って空振りさせて反撃した。完璧な筋書きだね」

『コロナさん……心が折れてもおかしくありませんよ。先ほどのアインハルトさんの攻性防御で拳も足もクラッシュしてますし』

 

ユタとプライドは冷静にみている。見てはいるが内心はとても焦っていた。

 

「いや、コロナちゃんならきっと……大丈夫」

 

 

 

 

 

「大……丈夫……です」

「……⁉︎」

 

「マイストアーツとネフィリムフィストは……ここからが神髄ですから…」

 

コロナはフラフラしながらも立ち上がった。

 

「終わりになんてしません!」

 

ライフ

コロナ 530

 

「ネフィリムフィスト、フルコントロールモード」

 

「五体の完全操作。それも外から動かしていますね。…………コロナさんも()()にたどり着いたんですね」

 

アインハルトには先人の記憶…特に聖王女オリヴィエと話している光景を思い出していた。

 

「ですが、その技は危険を伴います。危険なことになる前に---わたしが終わらせます!」

 

「終わらせません。私だって自分に胸を張って見たいから---!!」

 

 

 

 

「(五体の完全外部操作、そしてこの距離。コロナさんの最大攻撃はおそらく……)」

「ガイストダイブ----」

 

コロナはアインハルトに高速で突撃した。

それをアインハルトは防ぐ。

 

「(防がれた⁉︎)」

「(やっぱり高速突撃!読めてなければ食らってた--!)」

「(それでも当たるまで何度だって……‼︎)」

 

コロナは何度も何度もアインハルトに向かっていく。

が、一歩届かない。防がれ、避けられていく。

その間にもコロナの体は限界が近づいていた。

 

 

 

 

 

「骨が折れようと腕が千切れようと、神経が切れようと戦える五体の完全外部操作。その引き換えにコロナちゃんは膨大な魔力制御のリソースと限界を超えて動かされぶつけられる体の損傷。アレは、本当に最後の切り札なんだよね」

『いわゆる、背水の陣、ですね。もっとわかりやすくいうなら…諸刃の剣』

「あれは……あの技は姉さんが死ぬ原因を作ってしまった技だからよく覚えてる」

『なんの話ですか?』

 

おっと、つい口が滑った。プライドはこのこと知らないんだった。

 

「なんでもない。けど…もうそろそろ決着かな?」

 

 

 

 

 

 

アインハルトさんがが反撃をしようとしたのをみて私は距離をとった。

 

「(手も足も…体中が痛いよ。最後の切り札も決定打にならない。やっぱり無理なのかな…。どんなに頑張っても……アインハルトさんには……)」

 

もう、自分自身でも諦め掛けていたのがわかった。

 

 

 

 

「コロナお嬢様ッ‼︎」

 

 

 

 

そんな、私の考えをオットーの声が遮った。

 

 

「まだですよ!まだ練習の全部を出し切ってません!僕やユタさん、姉様と一緒に練習した強さ!ゴーレムマイスターとしての戦い!諦めないで見せてくださいっ‼︎秘密の切り札なんかなくたって…そんな無茶な戦いをしなくたって!

 

コロナお嬢様は強いんですっ‼︎」

 

 

……オットーは本当にいい先生だなぁ。私なんかにはもったいないくらい。

 

そうだ、忘れていた。私は……

 

 

(コロナちゃん、試合の時は、自分を信じて戦うこと)

 

(自分を信じて…ですか?)

 

(そう。まず、自分を……自分に関わって来てくれた人たちを信じないっていうのは、一番ダメ。それはコンディションにも関わってくるし、なにより劣勢になった時には手遅れになる。でも、相手が格上で自分の技が通じなくて心が折れそうになる時があるかもしれない。実際に私もそうだったし)

 

(ユタさんもですか?)

 

(うん。ヴィクトーリアさんとやった時なんだけどね。けどね、諦めたらダメ。それだけは絶対にしちゃダメだよ。それはコロナちゃんの負けを意味するから。それでも、もしかしたら心が折れそうになるかもしれない。そんな時は---今までの自分のやって来たこと、自分に関わってくれた人たちを思い出してみて。そうしたら……きっと劣勢は覆せる)

 

 

 

 

「(そうだった、私、何してたんだろ。私は 格闘技選手でもあるけどそれ以上に---)ごめんなさい、オットー、ユタさん。ノーヴェ師匠」

「(自動操作を解いている。魔法戦に切り替えた?)ティオ、全力警戒です」『にゃっ!』

 

「ケイジング・スピアーズ」

 

私は岩の柱でアインハルトさんを覆った。

 

「ごめん、ブランゼル!もう一度お願い!」

『Yes anytime!(はい、いつでも!)』

「創主コロナと魔導器ブランゼルの名のもとに、蘇れ巨神!叩いて砕け【ゴライアス】!」

 

そして、ゴーレムを再構築した。

そうだ、私は……ゴーレムマイスターだ!

 

「(再構築だけあって創成が早い!それでも破城槌ならゴライアスは一撃で…!)」

 

そして、アインハルトさんがケイジング・スピアーズを砕きゴライアスを壊そうと向かっていった。

 

『にゃあっ!』「⁉︎」

 

だから、私は後ろに回り込んだ。

 

「マイストアーム【スパイラルフィンガー】!」

 

ゴーレムの腕を纏いアインハルトさんに打撃を与える。

けど、ピンチには変わりはないのはわかっていた。けど思っていたのは…昔のノーヴェ師匠に言われたことだった。

 

 

 

(練習、やっぱりキツイか?なんでこんな思いをしてまで…って思ったりするか?)

 

(その…)

 

(まあ練習も組手も苦しかったり痛かったりすること多いけどよ、それもみんな最高の瞬間のためなんだよな)

 

(最高の瞬間?)

 

(練習した技が綺麗に打てた時、会心の一発をドカンと打ち込めた時、自分が前より強くなっていることを実感できた時。そんな瞬間をお前らに山ほど味わって欲しいから…少し苦しい練習をさせることもある。けど、それを乗り越えた先に待ってる楽しさを…お前にも知って欲しいんだよ)

 

 

 

「コメットブラスト!シュートッ!」

 

私は魔力弾を岩で覆ったものを何発もアインハルトさんに打ち込んだ。けど、それをかいくぐってアインハルトさんはわたしと距離を詰めてくる。

 

ゴーレムを操作して近づけさせないようにする。

 

「ロックバインド!(そうだ----ノーヴェ師匠が教えてくれたのは強くなることの楽しさ。特訓に付き合ってくれたオットーはわたしが強くなるのを自分のことみたいに喜んでくれた。ノーヴェ師匠はいつも私のことを気遣ってくれた。ユタさんは自分のこともあるのに私を一生懸命鍛えてくれた。

見てもらわなきゃならないのは----本当に自分に胸を張れるのは。

 

1人で思いつめた末の必殺技なんかじゃなくて-----

 

チームとコーチ、みんなで一緒に重ねてきた練習の成果!)」

 

アインハルトさんにバインドをしてゴーレムのギガントナックルを直撃させる。

 

「(ティオ……助かりました)」『にゃー!』

 

ライフ

アインハルト 640

 

 

 

「ああ…アインハルト、大丈夫っスか?」

「大丈夫、ダメージ緩和と回復補助がティオの本領。アインハルトをしっかりと守ってくれてるよ。ティオのサポートとアインハルトの頑丈さと覇王流の鉄壁防御。並の攻撃じゃ進撃する覇王は止められないよ!」

 

ノーヴェたちがコロナを信じているのと同じようにディエチたちもアインハルトを信じていた。

 

ここからは二転三転と攻防が続いていた。

 

ライフ

コロナ 190

アインハルト 510

 

 

 

「これで決めるよ、ブランゼル、ゴライアス!」

『Yes!』

「パージブラスト、ドリルクラッシャーパンチ‼︎」

 

コロナはゴーレムの右腕を回転させながらアインハルトに飛ばした。

アインハルトは真正面からそれを受け止めた。

 

「覇王流-----旋衝破ァーーーッ!」

 

そのままゴーレムの腕を投げ返しゴーレムを破壊した。

 

「(これが本当の最後の一撃!)」

 

崩れ去るゴーレムに紛れてアインハルトの後ろに回り込んでいたコロナは右腕にゴーレムの腕を纏っていた。

 

が、アインハルトはそれを読んでいたかのように振り返り

 

「覇王【断空拳】!」

 

コロナに断空拳を撃ち込んだ。そのまま後ろに吹き飛ばされ壁に激突する。

 

ライフ

コロナ 0

 

 

 

『決着!アインハルト選手の勝利です!』

 

 

 

 

 

コロナvsアインハルトの同門対決は、アインハルトに軍配が上がった。

 

 

 

 

 

〜第一会場 救護医務室〜

 

「頑張ったんですが届きませんでした。アインハルトさん、やっぱり強いです」

「でも、あと一歩のところまで追い詰めてたぜ」

「いい試合でしたよ。コロナお嬢様はやっぱり強いです」

 

救護医務室には包帯をあちこちに巻かれたコロナとノーヴェ、オットーがいた。

 

「お前のすごいところ、ちゃんと証明できてたよ。公式戦績(オフィシャルレコード)と満員の観客が証人だ。お前の創成戦技(マイストアーツ)はいくらでも応用の効くいい技だ。鍛えたら鍛えただけ強くなる。

今のチームで一緒にやっていけるよな?」

 

「はい、私はチームナカジマの一員ですから。みんなと一緒に練習していきたいです」

 

 

(……スター、早く行ってください)

(いや…この空気の中いくのは……)

(じれったいですねぇ)

(いやだってさ…)

『ノーヴェさんっ!コロナさんっ!オットーさんっ!お客さんです!』

「あ、おいコラ!」

 

この愛機!なんでわざわざ呼ぶんだ!

 

「ユタさん…?」

「あ、あー、えーと、コロナちゃん、お疲れ様」

 

この時、自分でもかなりタドタドしていたのはわかっていた。

 

「ユタ、お前試合はどうした?」

「終わらせたのでこっちに来てるんですよ」

『聞いてくださいよ、ノーヴェさん。マスター、コロナさんに教え方を間違えたんじゃないかってずっと自分を責めてるんですよ』

「あ、何バラしてんの⁉︎」

 

ほら見ろ、ノーヴェさんにジト目で見られたじゃないか。

 

「ユタさん、そんなことないですよ。私は、ユタさんに感謝しています」

「僕もですよ、お嬢様がここまで強くなられたのもユタさんの手助けあってこそです」

「そ、そうですか…」

 

 

 

「コロナちゃん、あとノーヴェさんやオットーさんにも言わないといけないんですが」

「「「?」」」

 

「これからも私、八神ユタはコロナ・ティミルの練習相手を続けたいと思っているんですが、どうでしょうか?チームナカジマとしてやっていくかどうかはまだ未定ですが」

 

 

あ。あれ?みんなが驚いてる。そんなに変なこと言ったかな?

 

「ユタさん……こちらこそお願いします!」

「アタシとしては構わないが」

「僕も構いませんよ」

 

「はい、ありがとうございます」

『皆さん、マスターのワガママを聞いてくださりありがとうございます』

 

さてと、それじゃあ家に帰りますか。

 

「それでは、失礼します」

「おつかれ様でした。ユタさん、4回戦以降も頑張ってください!」

「うん、ありがと。コロナちゃん。ノーヴェさんもオットーさんも失礼します」

「おう、気をつけて帰れよ」

「これからも宜しくお願いしますね」

 

挨拶を済ませた後は直で家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

ヴィヴィオちゃんとミウラの試合、リオちゃんと番長の試合のことど忘れしてて母さんとシグナム姉さんなどの八神一家に説教されるのはまた別の話。




どうでしょうか?
気づいたらコロナが主人公みたいに…

vivid の中では一番好きなキャラなんですけどね。

次くらいから本格的?に無限書庫編に入ると思います。

読んでくださりありがとうございます

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。