リリカルなのはvivid もう1人の聖王のクローンの人生   作:アテナ(紀野感無)

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今回は、2年前の都市本戦決勝の話です。
とは言ってもバトルメインですが

16.17話あたりまでをちょっとした過去編として使うかもしれないです。
なのですこし展開が遅くなるかも…


それではどうぞ


15話

〜2年前 インターミドル都市本戦決勝前日〜

 

「それでは、ユタ選手。初出場で決勝戦進出おめでとうございます!今のお気持ちは?」

 

「え、えーーと。正直ここまで勝ちあがれるとは思ってもいなくて嬉しいです。決勝戦も悔いの残らないよう全力でジークリンデ選手を……私の憧れた選手を倒したいと思っています」

 

ユタは記者達にインタビューを受けていた。

それに緊張しながらもしっかりと答えていた。

 

「それに……私を家族だと迎え入れてくれた人や……大切な人に喜んでもらいたいので………明日は絶対に私が勝ちます」

 

「おおー!言い切りましたねえ!かっこいいですよー!それではインタビューありがとうございました!」

 

「い、いえいえ」

 

 

 

 

 

 

別の場所ではジークリンデもまたインタビューを受けていた。

 

「ジークリンデ選手、最後に明日への意気込みをお願いします」

 

「は、はいっ。えーと、ユタ選手はとてもすごい選手やと思っています。みんなは判定勝ちやと面白くないと思ってる人もいるみたいですが……ウチはKO勝利より判定勝ちを狙う方がすごいと思っています。それにユタ選手は何より試合の組み立てがうまいです。…………なので、明日は開幕から全力で、ユタ選手を倒したいと思っています」

 

「はい、ありがとうございます!いい記事が書けそうです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

『だ、そうですよ。マスター』

「うう…ジークさん。そんな真面目なコメントを……私そんなすごくないのに…」

「なに言っとんやー。あれだけ勝ち進んでるんや。すごいよ。ユタは。しっかりと胸を張りいや」

「う、うん。シグナム姉さんにも、母さんにも、ザフィーラにも、……もちろんプライドにも教えてもらったことを明日は今までの試合以上に出し切ってみせる」

『はい、その意気です』

「明日はうんと応援するからなー!」

「うん、ありがとう。母さん。プライド」

 

決勝戦前日の八神家は親子水入らずの状態になっていた。

なんでも周りが気を利かせてくれたんだとか。

 

 

このときは誰も【あの事故】が起こるとは思ってもいなかった。

 

 

 

 

〜決勝戦 当日 第一会場〜

 

控え室には、ユタ はやて シグナムの三人がいた。

ザフィーラは観客としてみるのだそう。

 

「どうや?ユタ。準備はええか?」

「うん、ばっちし。それじゃあプライド」

『はい、いつでもどうぞ』

「うん。………セットアップ」

 

と、光に包まれる。

その後にはセットアップした状態になっていた。

 

『それで、本日の作戦は?』

「今までと大して変わらない…………ジークさんを無理やりこっちの土俵に引きずり込む。そのあとは状況に応じて考えていく」

「ユタ。一応確認しておくぞ。試合の時は…」

「うん、シグナム姉さん。わかってる。自分を信じろ。だよね」

「わかってるならいい。私も全力でサポートしてやる。だからお前も全力を出しきれ」

「わかった」

 

コンコン

 

「八神ユタ選手、入場お願いします」

 

 

 

 

『レッドコーナー!戦績は辞退を除けば未だ無敗!ジークリンデ・エレミアァァァァ!』

 

と、司会の言葉とともにジークがコーナーから出てくる。

すると会場が一気に沸く。

 

まるで地震が起こってるような感じだ。

 

『ブルーコーナー!インターミドル初出場にして決勝戦までコマを進めた!奇跡のルーキー!スタイルも魔法も独特なーー八神ィィィユタァァァァ!』

 

とユタも同じようにはいる。するとジークの時ほどではないが会場が沸く。

 

 

しかし、ジークもユタもお互いにそんなことは気にしてすらいなかった。

 

 

 

 

「いやー、本当にここまでくるとは思ってなかったわ。今日はよろしくな。ユタ」

「こちらこそ、ジークさん。今日は胸を借りるつもりで全力で行きます」

「あははー。顔はそう言ってないでー。倒す気満々やな。………けどウチも同じや。今日の試合も、全力でやらせてもらうで」

 

「それではインターミドル 都市本戦決勝を行います。ライフは15000。お二人とも正々堂々と!」

「はい」「わかりました」

 

と、その言葉と同時にユタも、ジークも、構えを取る。

 

「それでは……試合開始っ!」

 

 

 

 

「鉄腕……解放!」

「っ!影の壁(シャドウ・ウォール)!」

 

試合開始直後、いきなりジークは鉄腕を解放しユタに突進した。

それを読んでいたかのように影を出し防いでいた。

 

「スゥゥゥーー爆!」

「!?」

 

と、影の壁に密着状態だったのをみてユタが叫ぶ。と、影がジークを巻き込んで爆発した。

 

「よし……あとは」

「(掴み技は悪手…なら格闘戦で早めに決着をつける!)」

 

ユタは、リングの中心から半径数メートルをひたすら動き回っていた。

 

「こんの………ちょこまか動くなぁ!」

「そうする必要があるもので!せやっ!」

「くっ!」

 

と、ユタは動き回りながらもジークを寄せ付けないように影で攻撃をしている。

しかし鉄腕で防がれているためダメージもさほど入っているようには見えない。

 

「…っ!ゲヴェイア・クーゲル!」

「?!(魔力弾?かなり高密度?けどそれなら………)」

 

「ファイアッ!」

「ピンポイントリフレクト!ダブル!」

 

と、ジークが高密度の弾幕を打ち込むと同時にユタは反射魔法を使う。

 

「いたた。まさかそうくるとはなぁ」

「げー、もう少しダメージ食らっててくださいよ』

 

ユタはすべての弾幕を跳ね返すのは無駄だと考えたのか致命傷にならない程度に反射した。

ジークもそれは予想外だったのか反射された弾を何発か食らっていた。

 

ライフ

 

ユタ 15000→11500

ジークリンデ 15000→12500

 

「プライドー、残り時間は?」

『45秒です』

「おっけー。……流石に腕の魔法を構築する暇はないか……このラウンドはとにかく仕込みに行く。サポートよろしく」

『承知しました』

 

と、またユタはまた逃げ回りながら所々で迎撃をし、ジークは追いかける、の繰り返しになった。

ユタは目隠しも含めて足元を狙って攻撃していた。

 

が、それも長くは続かなかった。

 

「え?いつの間に⁉︎」

「逃さへんでー。せやっ!」

「つっ!」

 

ジークがいつの間にかユタの懐に入り込んでいた。

恐らく土煙に紛れて移動をしていたんだろう。

 

そして、そのまま脚を掴まれ投げ飛ばされる。

 

「がっ!」

「まだまだー!」

「くっ……!」

 

そして、そのまま関節技を脚に決められる。

 

「……ニッ、ようやく、ようやく近くまで来ましたね」

「?」

「忘れてますか?私の魔力の変換資質のこと」

「はっ……!」

 

と、ユタが笑ったかと思うとジークは即座に関節技を外しユタから離れようとする。

が、一足遅くユタの近くから出て来た影がジークを切り裂く。

 

「痛たた……。ふうーー、なんとかなったぁーー」

『アホマスター!無茶しすぎです!』

「しょうがないでしょ。無茶しないとジークさんには勝てないのはわかってる。それよりクラッシュの回復ナイス」

 

ライフ

ユタ 11500→8000 ボディ蓄積ダメージ 27%

ジークリンデ 12500→9700 クラッシュエミュレート 右肩部及び両腕 裂傷多数

 

 

 

カンカンカンカン!

 

『第1ラウンド終了!』

 

 

 

 

「ユタ、仕込みは終わったんか?」

「うん、終わった。あとは……いつそれに引っ掛けるか」

「それなら、いちど脚を止めてやれ。そうすればお前なら確実に捕らえられるだろ?」

「無茶言うなぁ…シグナム姉さんは。………まあ期待には答えてみせますよ」

 

 

 

『セコンドアウト』

 

ライフ

ユタ 8000→13000 ボディ蓄積ダメージ13%

ジークリンデ 9700→14500 クラッシュエミュレート 全回復

 

 

『第2ラウンド、始め!』

 

 

 

始まりと同時にジークはユタに向かって走る。しかしユタはそれを見てすこし下がっただけで逃げようとはしていない。

 

「(?なんかの作戦か?まあわからんもんを考えてもしゃーない。とにかく、先手必勝や!)」

 

「(逃げ回りながらじゃ、うまく捕らえられない。なら多少リスクを背負ってでも接近戦を…)」

 

と、近距離でのジークの【鉄腕】とユタの【影】の攻防が開始された。

 

「(あとは……出来るだけわざとらしくない隙を作っていって…)」

 

ユタはジークを引きつけながらリングの中心に近づいていっている。

 

「(よし、ここ!ここで耐えろ!)」

 

と腹をくくり影での攻撃を激しくする。

切りつけたり、打撃攻撃をしたり、バリエーションが広くなっていった。

 

しかし、ジークは鉄腕や弾幕を駆使してなんとか防いでいた。

 

「いまやっ!」

「!」

 

と、影の中を抜けて来たジークがユタに膝蹴りをする。そして、ぐらついたユタを絞め技で一気に意識を断とうとした。

 

「ぐぐ………」

「はよ落ちた方が楽やで」

 

「ぐぐ…勝った気になるのは早いですよ……寧ろ捕まえたのはこっちです。ぐぎぎ………闇の箱(ブラックボックス)!」

「え?!なんやこれ!」

 

と、ユタとジークを影でできた箱が覆う。

それに驚きジークは絞め技を外す。

 

そして、その箱の中は………

一筋の光すらない完全な闇だった。

 

「な、なんや⁉︎なんも見えへん!」

「一箇所に止まってると危ないですよーって、私の姿も見えないですよね?」

「!?」

 

と、多分観客とかからはわからないが(というかわかったら怖いが)ジークは四方八方から影での攻撃を受けていた。

 

完全な闇ということもあり反応しきれておらず次第にライフが減って来ている。

 

ライフ

ユタ 13000→8500

ジークリンデ 14500→10000 クラッシュエミュレート 全身裂傷多数

 

「ゲホッ、あとは、ゆっくりと」

「…………」

 

と、ユタが更に慎重にやろうとすると

 

 

 

 

突然なんとも言い難い恐怖がユタを支配した。

 

 

 

 

「ガイ……・ク……」

「は………?」

 

と、次の瞬間

 

 

ジークを閉じ込めていた影は跡形もなく消えていた。

そして、そこには

 

まるで機械のような冷たい瞳のジークリンデがいた。

 

「(は?ちょっと待てちょっと待て。あれ、相当強度高く作ったよね?)」

 

「ガイスト・クヴァール」

「⁉︎」

 

すると、ジークは突然ユタの目の前から消えた。

 

『マスター!後ろ!』

「えっ?!がっっ!!」

 

と、プライドの声により反応できて避けてはいたが………

 

「がっ……嘘ぉ、なにこの威力」

 

ジークの一撃は、ユタの右腕ごと、リングを綺麗に削り取っていた。

 

「あちゃー、これ本気で避けないといけないやつだ。うん?ていうかプライド?なんでクラッシュ治してくれないの?」

『違うんです!マスター!()()()()()()()!!』

 

と、プライドの言葉とともにまたジークがユタに向かう。

 

ゾオッという悪寒が走りユタはとっさに身構える。

がジークは四肢を攻撃して麻痺させた。

ユタは思わず膝をついた。

 

そして、また大きく振りかぶってユタに向かって…

 

「(え?ちょっと待って?あれ受けるの?嫌だ……死……)」

『マスター!避けて!』

「!」

 

と、プライドの声により顔をわずかにそらして直撃を免れた。

 

しかし、直撃を免れた だけであって、ジークの一撃は

 

こんどはユタの左目を綺麗に潰した。

 

「がっ、ゲホッ……」

 

そして、そのまま倒れこむ。

 

「はっ………!?」

 

すると、ジークは先ほどまでのように機械のようでなく、試合をしているときの、あの顔に戻った。

 

「(あー、これダメだ……調子乗った罰かなあ…)」

 

「…………ユタ、ゴメンな」

 

「…………!!!!」

 

 

(え?何で…私…謝られたの……?なんで……?ただお互いに全力を出して戦っただけなのに…何で?もしかして…私が弱かったから…最後の技は使うつもりなかったとか…?それで使っちゃったから謝られた…?)

 

カンカンカンカン!

 

『優勝はぁぁぁ、ジークリンデ・エレミアァァァァ!』

 

そして、ユタはそのまま意識を失った。




どうでしょうか?
ユタがジークを侮辱していたやつ
と言っていたのはここが絡んでたりしてます。


次は試合後 もしかしたらまた現在に戻るかもしれないです。


読んでくださりありがとうございます

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