リリカルなのはvivid もう1人の聖王のクローンの人生   作:アテナ(紀野感無)

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今回はリリカルなのはvividに挑戦してみました。

基本的に原作通りに進んで行く予定なのですが
他の作品でも言ってる通り、言ったこととやることが180度違うことがありますが、それはご了承ください。

それではどうぞ!


本編
プロローグ


いつも夢に見るのは、失敗しなかった日々。

 

とある好奇心から発生してしまった

 

右腕と左目の負傷。それによるほぼ確実な現役引退。

 

それが何もなく、今でも現役でバリバリ戦っている自分。

 

だけど夢なはずなのにそれは嘘であるということがよくわかる。

 

だが、全ては自分の責任だ。

自分の実力と相手の実力の違いもわからずただ戦ってみたい、という好奇心から生み出した

右腕と左目の負傷。

 

そう、全ては自分の責任だ。

 

そう言い聞かせると夢の世界から現実に引き戻される感覚が強くなってくる。

 

そして、いつもの少しうるさい音が聞こえてくる……

 

 

 

 

「ねぇ、いまどういった状況でしょうか?」

 

いま、少女の目の前には、墨のつけられた筆を持ちいまにも顔に落書きをしてきそうな姿勢の---自分と養子縁組をしてくれた八神はやてがいた。

 

「いやー、ユタが随分と気持ちよさそうに寝てたからいたずらしてみようおもてな?」

 

「私、これでも女子であなたの子供だよ⁉︎」

 

寝ていた少女の名前は八神ユタ。地球出身で金髪の髪を肩まで伸ばしている。ちなみに中等部1年。年齢は12歳。この少女は八神はやてと血の繋がりがあるわけではないが()()で裏路地をさまよっていたところをはやてに拾われた。

ユタの過去についてはユタ自身もよく知らなかった。数年ほど前までは。

はやて(母さん)に聞いたこともあったが【あの事件】が起こるまでは話してくれなかった。

 

あの事件とは、「JS事件」と言われており聖王のゆりかご、それについてとユタ自身の出身について詳しく教えてもらった。

ユタはその事件の時に使われた聖王オリヴィエのクローンの前に試験的に生み出された最初のクローンらしい。聖王オリヴィエの血をしっかりと引き継いでいるらしいので右目は緑、左目は赤という虹彩異色だがゆりかごへの適正値が低すぎたからか捨てられたらしい。その情報を手に入れた当時は六課のリーダーだったはやて(母さん)が見つけて保護したらしい。

 

 

まあ、生まれについてなどは正直どうでもよかったけどね。

 

 

閑話休題

 

「まあまあ、そんなことより今日からまた練習するんよね?」

 

「う…、覚えてたの?今日まではゆっくりしたかったのに」

 

「そら、我が子の復帰戦までの道のりをサポートするって決めてるからな!」

 

と、明るい笑顔で言ってくる。

 

「それはありがたいけど、はや…母さんにもいろいろと仕事があるでしょ?」

 

「大丈夫大丈夫!シグナムやザフィーラにも手伝ってもらうから!」

 

「いや、ザフィーラはともかくシグナム姉さんは命の危険しか感じないよ⁉︎」

 

と、はやてさんがさらっと余命宣告をしてくる。実際、ザフィーラはこちらにあわせてくれるのだがシグナム姉さんは最近容赦なくなってきている。道場の子にはとても優しいのだが。と、ここで時計を見るともうそろそろ朝食を食べないと始業式に遅れそうになっていた。

 

「とりあえず、学校の準備するからどいてよ。あ、私の愛機(プライド)は?」

 

「あ、それはいま調整中やて。あと、なのはさんが話がある言うてたから放課後に病院行った後によって上げてーな。デバイスも終わるころになのはさんの方に届けとくわ」

 

「わかった。病院行って許可もらえなかったらバックれてやる…。あ、それと今日からはまたいつも通り自分の家で寝泊まりするから」

 

「わかった。でも」

 

「はいはい。週2は帰ってきてからちゃんとご飯は作るよ。それじゃあ行ってくるね」

 

「行ってらっしゃーい」

 

 

 

 

そのあと、朝食を食べ歯も磨いた後は普通に学校――—St.ヒルデ魔法学院の中等部まで来た。時間はSHRが始まるジャスト15分前。

まだちらほら登校している生徒もいる。

 

「と、目の包帯忘れてた。ちゃんとつけないと」

 

と、包帯を取り出し左目がきれいに隠れるように巻く。別にもう見えるようにはなっているのだが、左右の瞳の色が違うのを隠すのと、あとは単純にこの姿の私かっこいい!みたいになっているからだ。家ではもちろんそんなことしないが。理由はもちろんたぬ――じゃなくて母さんにいじられるからだ。

 

さて、それはいいとして

 

「今回こそ学年主席の座を奪ってやる…」

 

私は格闘技にしても魔法戦にしても勉強についてもなんでも一番を取りたい性分なのだが勉強に至っては毎回2位になっている。

1位は、名前だけは知っている。アインハルト・ストラトスだったか。同じクラスにはなったことないがうわさは聞いたことがある。

 

なんでも高嶺の花らしくぼっちなんだとか。

 

「と、クラスは…1組ね。にしてもまた主席と取れなかった…。アインハルトって人、どんな頭してんのよ…」

 

「あの…私がどうかしましたか?」

 

「わっ!」

 

急に横の席の人に話しかけられた。ん?私がどうかしました?ってことは隣の人が

 

「失礼しました。アインハルト・ストラトスです。あなたが私について何か言ってたと思ったので」

 

「あ、あーごめんなさい。いや学年主席を取りたかったのにまた取れなかったから悔しがってただけだよ。あ、私は八神ユタ。よろしく、アインハルトさん。今はいないけど明日とかに私の愛機も紹介するね」

 

と、形式上の挨拶を済ませるとチャイムが鳴った。

 

「(にしても、きれいな虹彩異色だったなあ。少しうらやましい)」

 

 

 

 

 

 

「え?それは本当ですか……?」

 

「はい、本当です」

 

いま、ユタは行きつけの病院に来ていた。そして、診察をしてもらっているのだが…

 

「本当ですか?後で嘘でした〜とかっていうはやて(母さん)みたいなオチだったら許しませんよ?」

 

「正真正銘、本当です」

 

「…………」

 

 

 

「やったぁぁぁぁぁ!やっと復帰ができる!!!!」

 

「はい、おめでとうございます!まだ完全とは言えませんが右腕も、左目もほとんど治っています。本当におめでとうございます!」

 

「いえ、こちらこそ!ほぼ諦めてたのに先生が辛抱強く治療を続けてくださったおかげです!」

 

「いえいえ、それじゃあまだ無理はしないよう気をつけてくだいね?」

 

「はい、わかりました!今までお世話になりました!」

 

「はい、お大事に〜」

 

 

 

 

はやて(母さん)、シグナム姉さん、ヴィータさん、ザフィーラ!やっと完治できたよ!これからもよろしくね!」

 

『おお!おめでとう!』『よかったなぁ!』『よかったな』『じゃあ、これからまたお前とやりあえるんだな!楽しみにしてるぞ!』

 

と、病院から出てすぐに完治報告を母さんたちにすると、シグナム姉さん、母さん、ザフィーラ、ヴィータさんの順で祝福してくれた。

 

「あ、そのことをなのはさんにも伝えてくるからまた後でね」

 

『うん、また後でなー』

 

 

「はぁー、ようやく体を動かせる!」

 

私はいま飛び跳ねながら高町家に向かっている。周りからおかしい子のように見られているがこの際関係ない。

 

「ととっ、ついたついた」

 

いつの間にか家の前についていた。そして、呼び鈴を押すと はーい と緩やかな声が聞こえてきた。

 

「あ、ユタちゃん。ちゃんと来てくれたんだ!」

 

「はい、ご無沙汰しています。なのはさん。あとは、報告もしにきました!」

 

「そう!その様子だと……」

 

「はい!今回ので…」

 

「あ、その前に会わせたい子がいるから入って入って」

 

「お邪魔しまーす」

 

と中に入るとフェイトさんと一人、子供がいた。

 

「あれ?ユタちゃん?」

 

「あ、フェイトさん。お邪魔します」

 

「いえいえ、ゆっくりしてねー」

 

「あれ?フェイトママ、なのはママ。その人は?」

 

とフェイトさんに挨拶をしていると子供が挨拶をしてきた。そして、その様子を見て私は驚いた。だって…

 

「え……虹彩異色…?ていうかなのはママとフェイトママって…。お二人共どうやって子供作ったんですか⁉︎」

 

自分と同じ目の色+女2人なのに子供ができていたことだ。

どちらかというと後半の方が驚いた。

 

「あれ?ユタちゃんにはヴィヴィオを紹介したことなかったかな?ヴィヴィオ、挨拶しなきゃ」

 

「あ、ごめんなさい。えーと、高町ヴィヴィオです。st.ヒルデ魔法学院の初等科4年生です」

 

「わざわざありがと。私は八神ユタ。st.ヒルデ魔法学院の中等科1年。よろしくね」

 

と、自己紹介を終えるとヴィヴィオがそわそわと落ち着かない雰囲気でこちらを気にしている。

 

「ん?どうかした?」

 

「あのー、違ってたら申し訳ないのですが…。ユタさんって一昨年のインターミドルの都市本戦2位まで最年少で上り詰めた、あのユタ選手ですか?」

 

「あ、あー。うんそうだよ。出てた出てた。にしてもよく知ってるね」

 

「やっぱりですか!名前を聞いたときからそうなんじゃないかって思ってたんですよ!」

 

と、超が付くほどの純粋な眼差しでこちらを見てくる。すっごい照れる。

 

「あれ?でもなんでユタさんがウチに?」

 

「ああ、そういえば。忘れてた。なのはさん、大丈夫です?」

 

「うん、いいよー。その後にはヴィヴィオにもサプライズあるよー」

 

「わかりました。それでは……」

 

 

 

「約一年ほどの治療の結果、右腕と左目はほぼほぼ完治いたしました!これで体も思いっきり動かせますし大会なんかにも顔を出せるようになりまっす!」

 

「お!やっとお医者さんにも許可もらえたんだ!よかったね」

 

「よかったねー。ユタちゃん。」

 

と完治の報告をするとなのはさんもフェイトさんも喜んでくれた。

ヴィヴィオちゃんは1人だけわかっていない様子だった。

 

「実はさっき言ってた一昨年のインターミドルの都市本戦決勝で左目と右腕が潰れちゃってね。それで去年はほぼ丸一年治療に専念してたんだ」

 

「え?!そうだったんですか?!あれ?でもその目の包帯は…」

 

「あーうん。かっこいいからつけてるだけ」

 

と、真面目に答えると3人にポカーンとされた

 

「と、とにかく!話は別にそんな大した意味ないのでなのはさんたちの方もどうぞ」

 

「うん、そうだね。ヴィヴィオ。ヴィヴィオはもう四年生だよね?」

 

「そーですが?」

 

「魔法の基礎も大分できてきた。だからそろそろ自分用の愛機(デバイス)を持ってもいいんじゃないかなって」

 

「ほ…ホントッッ!?」

 

おお、まさかの初の愛機手渡しか。にしても、こんな場面にお邪魔させてもらっていいのだろうか。

 

「実は今日私がマリーさんから受け取ってきました」

 

と言いながらフェイトさんが箱を持ってくる。

 

「あ、ユタちゃんのデバイスも預かってるよー。これだよね?」

 

と、手渡されたのはウロボロスの紋章の形をした私の愛機(プライド)だった。そういえば高町家のほうに送っておくって言われてたっけ。

 

「ありがとうございます!いやー、久しぶりだねぇプライド!」『お久しぶりです。マスター』

 

「ヴィヴィオも開けてみて」

 

「うん!」

 

と、ヴィヴィオが箱を開けるとそこには…

 

「うさぎ…?」

 

可愛らしいうさぎのぬいぐるみがあった。

 

「あ、そのうさぎは外装というかアクセサリーね」

「中の本体は普通のクリスタルタイプだよ」

 

と、なのはさんとフェイトさんが解説をしていると何やらうさぎが自力で箱をよじ登っている。

 

え?このうさぎ動くの?

しかもなんか浮き始めたよ?!

 

「とっ…ととと飛んだよっ?!動いたよっっ?!」

 

「それはオマケ機能だってマリーさんが言ってたよ」

 

「あ…」

 

とうさぎがヴィヴィオの前にくる。

 

「いろいろリサーチしてヴィヴィオのデータに合わせた最新式ではあるんだけど中身はほとんどまっさらの状態なんだ」

 

「名前もまだないからつけてあげてって」

 

「えへへ…実は名前も愛称ももう決まってたりして」

 

あれ?私すっごい邪魔者じゃない?本当にいていいのかな?

 

「なのはさん。私帰ったほうがいい気がするんですけど」

 

「まあまあ、もう少しいてよ。それにこの後のヴィヴィオの練習にも付き合ってくれると嬉しいな」

 

「まあ練習ならいくらでも付き合いますけど」

 

「そうだママ!リサーチしてくれたってことはアレできる?!アレ‼︎」

 

「もちろんできるよー。セットアップしてみてー」

 

「「………?」」

 

とヴィヴィオとなのはさんが話しているが後半はフェイトさんもよくわかっていなかった。

 

 

 

マスター認証などは庭ですることになりヴィヴィオが庭に移動する。

 

「マスター認証。高町ヴィヴィオ。術式はベルカ主体のミッド混合ハイブリッド。私の愛機(デバイス)に固体名称を登録、愛称は『クリス』。正式名称『セイクリッド・ハート』。いくよ、クリス」

 

と、ヴィヴィオの足元には術式が展開されている。

 

「セイクリッド・ハート!セーーット・アーーーーップ!」

 

その叫びとともにヴィヴィオが光に包まれる。

そして、その少し後には

 

 

大人モードになったヴィヴィオがいた。

 

 

にしても、どっかで見たことあるような……

こう、何か母さんの事件の主要人物ファイルを覗き見した時に見た気がする。

 

「ん…!やったあーーー!ママありがとー!」

「あー上手くいったねー」

『excellent!(お見事です)』

「………」

 

と、なのはさんとそのデバイスは褒めているが唯一フェイトさんだけ口を開けて戸惑っている。そして、そのまま床にへたーーっと座り込んだ。

 

「思い出した…。JS事件の時にいた聖王のクローンだ」

 

小声で思わず言ってしまう。がそれがなのはさんにも聞こえてたらしく

 

「どう?ユタちゃん。自分以外のクローンを見た感想は」

 

「へ?いや別に何もないですよ。クローンだろうがなんだろうが人間なんですから」

 

「うんっその答えが来ると思ってた。これからも仲良くしてね」

 

「はい、もちろん」

 

と、すぐそばではフェイトさんがやけに慌ててヴィヴィオとなのはさんの間を行ったり来たりしている。

なんで聖王モードに⁉︎とか色々と言っている。よほど混乱してるのだろう。

 

「フェイトちゃん、落ち着いて。これはね?」

「ちよ…なのはママ!なんでフェイトママに説明してないのー!」

「いやその…ついうっかり」

「うっかりってー!」

 

 

「賑やかな家庭だなぁ」

 

 

 

 

「「「連続傷害事件?」」」

 

『ああ、まだ事件ではないんだけど』

 

「どゆこと?」

 

と、ナカジマ家では今噂の連続通り魔の事件について話していた。

部屋にはノーヴェ、チンク、ウェンディがいた。

 

『被害者は主に格闘系の実力者。そういう人に街頭試合を申し込んで…』

 

「フルボッコってわけか?」

 

ノーヴェが答える。

 

「あたし、そーゆーの知ってるっス!喧嘩師!ストリートファイター!」

「ウェンディ、うるさい」

 

『ウェンディ正解。そういう人たちの間で話題になってるんだって。被害届が出てないから事件扱いではないんだけど。みんなも襲われたりしないように気をつけてね』

 

「気をつける。つーか来たら逆ボッコだ」

 

「で、これが容疑者の写真か」

 

『ええ』

 

と、映し出されていたのはバイザーをした、少し大人びた女性だった。

 

『自称【覇王】イングヴァルト。古代ベルか聖王戦争時代の王様の名前ーーー』




はい、原作でいうアインハルト初登場までかけました。まあこちらではしょっぱなでてるんですがw

オリキャラをすでにあるストーリーに組み込むのって意外と難しいんですね…。
これからも努力します!

読んでくださりありがとうございました!

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