この世界の果てにあるものはきっと良いものだ   作:白宮仙狐

3 / 6
見誤りはだれにだってあるものだ

聳え立つ壁はとても大きく物凄くかたい...破壊は無理だろう。

進入路を探る空仙は少し悩んでいた...

 

「どうしようかな、来たのはいいがどうしよう...」

 

その壁は近くで見ると外側に反っていてネズミ返しになっている。

 

「ふむふむ、そう言う事か。ならば仕方がない...」

 

空仙は天高く手を上げ拳を作りその拳に有り余る力を込めた。

 

「さてさて、壊せるかなぁ」

 

戦車やジェット機のミサイルでも傷すらつかないこの壁を殴りで壊すなど凡人にまず思いつかないだろう。

だが空仙はやろうとしている。

その拳が壊れるかもしれないのに...

 

「よし、行くぞ!!」

 

力を込めるその拳にエネルギーが込められるのを感じ取れる。

今にも弾けそうなそのエネルギーの凝縮された拳にまだ力を込め、限界まで高めそして...

 

『 消え失せろ!!! 』

 

ため込んだエネルギーの凝縮された拳が解き放たれ壁に激突し、壁は消し飛んび帝国アイギス全土に鳴り響いた。

それはまるで巨大隕石が衝突するかのような爆音だ。

 

それを聞いた国民は茫然と壊れた壁の方を向き、目を点のようにしている。

この爆音を聞いた帝王アイギス=ヴァーミリオンは直ちに国家非常事態宣言を発令。

鳴り響く危険信号音は国民を恐怖のどん底に落とした。

 

「きゃぁぁぁぁ!!」

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

聞いたことのない音に慌てふためく国民。

それはそうであろう、帝王すら使うことはないと思っていたのだから。

帝王は部隊をまとめ、壊れた壁の方へ向かう。

そして空仙は行動にでる。

 

「さて、行きますか。国民は関係ないから殺さなくていいか...」

 

城の方角へ足を歩め、気配を消し息を殺す。

 

「任務は絶対に成功させる」

 

その声には感情はこもっておらず唯の死神の囁きともとれる。

徐々に近づく城を前にして逃げ惑う国民がとても邪魔だと感じあることをふと頭に浮かんだ...

 

 

《あっそうだ、やっぱり殺そう...》

 

そう思い、老若男女すべての人間を殺し始めた。

悲鳴、泣き声、嘆き、まるで地獄絵図だ。

無感情に人を斬る...情を捨てる...人間をやめる。

唯々人々は無情にも空仙の前では肉塊。

 

「どけ、私の目の前に立つな、殺すぞ」

 

死神?、悪魔?、魔王?、そんな生易しい者ではない。

恐怖、絶対なる恐怖、人は本当の恐怖を目の前にするとどうなるかわかるか。

大体のやつ気は失い、ある人はショック死する。

 

「やっと現れたか...」

 

目の前には大勢の敵兵。

目で見える範囲では約500人後方に敵の気配を確認約500人左右に500人づつ。

 

「ふっ、囲まれたか」

 

すると敵の隊長らしい人が空仙に近づく。

 

「おい、お前があの壁を壊したのか!?。どうやって壊した!!」

 

敵の隊長が問いかけるがそんなこときくよしもないだろう。

 

「邪魔だ...雑魚は引っ込んでろ...」

 

重々しい口調で罵倒する。

 

「この状況を見てよくそんなこと言えるな。全員!!かかれ!!」

 

「「うぉぉぉぉ!!」

 

大量の兵士が攻撃し始めた。

 

「バカが...」

 

その瞬間大量の血が飛び散った。

それはほんの一瞬、唯の一瞬、それは刹那の如く...

淡い隊長の恐怖が本当の恐怖へと変わる。

 

「そんなバカな、あの兵の数を一瞬で。そんな、そんな...くそおぉぉぉ」

 

血だまりの地面を恐怖の顔で襲いかかってきた。

だがそんなことは無駄なこと。

 

「華麗に殺してやる。死ねっ」

 

隊長は気が付かない、自分が斬られたことに。

 

「一の刀 八重桜...」

 

その太刀筋は華麗で人間では目視できない。

 

「とても奇麗だ、人は欲にまみれとても醜い...だが血は奇麗、まるで宝石のルビーのようにとても赤く透き通り私の穴の開いた心を満たしてくれる」

 

隊長の視覚が分かれて目の前が見えなくなり頭部の半分が斬り離れた...

 

「お前..にん..げ...」

 

言葉は途切れ途切れになり隊長は唯の肉塊になった。

隊長が死んだことにより兵の統率がなくなりのこった兵士は空仙が肉塊にした。

 

「こんな雑魚だけの集団だっけ?」

 

帝国軍を圧倒したが帝国軍はファントムをまだ戦闘には出していなかった。

徐々に減る敵の軍勢はなにやら儚かない。

だが空仙は知らないであろう...間もなく、試練が訪れることを。

 

 

...一方その頃壁が壊れる数分前...

 

 

姫道衆の残り7人は指定された場所にそれぞれ向かっている。

向かっている途中で爆音が聞こえ、帝国中に非常事態警報が鳴り響く...

 

「団長、壁を壊しちゃったか」

 

「まぁ、それが妥当だにゃ」

 

初々しい声が行き交う、冥明と櫻のようだ。

 

「やっぱり、そうなっちゃたか。仕方がないね」

 

「そうだにゃ、ネズミ返しになっていて入口が見当たらないからね」

 

走りながら会話をしている。

 

「えっと、空仙さんが合図をしたら突撃だったよね」

 

「合ってるにゃ。合図って何をするんだにゃ」

 

呆れた様子で答える冥明

 

「そんなこと私に言われても分からないわ。でも、私達に分かる合図だと思うよ」

 

「ふーん」

 

そんな会話をしながら目的地向かう二人

するとなにやら遠くの方で大勢の足跡が聞こえる。

彼女たちは獣人族中でも一二を争うくらい耳が良く勘がいい。

 

「何かたくさんの足音がこちらへ向かってくる」

 

「何か重いキャタピラの音も聞こえるにゃ」

 

二人の脳内に最悪の場面が過ぎった。

 

「まさか...」

 

「に、にゃ~ん」

 

 

...壁の東...

 

こちらでは舞と庵が待機している。

 

「合図が来るまで暇だぜ」

 

「そうやね、合図が来るまで精神統一でもしていればよかろう」

 

暇すぎる二人に近づく者がいた。

 

「お嬢様方何をしているのですか?」

 

若い男性が舞と庵に話しかけてきた。

 

「なんだ?テメェェ」

 

ケンカ腰で言葉を飛ばす。

 

「やめるでありんす。申し訳ない、貴殿は一体誰なのじゃ?」

 

謝り、若い男に質問する。

すると男は応答してくれた。

 

「申し訳ない。私はアイギス帝国、ファントムが一人イーロン=マルクスよろしくね」

 

その名前を聞いた瞬間、舞と庵は戦闘態勢に入った。

 

「おいおい、まさかトップ5の一人が来てくれるとは有り難いぜ」

 

「申し訳ないが貴殿には消えてもらうでありんす」

 

物凄い殺気で周りの空気が急激に重くなり常人にはとても耐えられまい。

しかしその殺気を涼しい顔で受けるマルクスを見て、二人は彼を強者と認めた。

 

「おい、庵。こいつ強いぞ...」

 

「そうでありんすな、あちきらの殺気をあんな顔で受け止めておる」

 

「いくぞ!!」

 

舞と庵の戦いが始まった。

するとマルクスも攻撃を開始した。

 

「仕方がありませんね、私は女性を傷づつけたくはありませんが致し方ない。

 

激しい激闘で空気を裂け、目に見えないほどの速さで攻撃を繰り広げる三人。

人の領域を超えた戦いといえばわかるだろう。

唯一見えるのは刃先が当たり飛び散る火花と斬撃のみである。

 

「やりますね、貴方達は人間ですか?」

 

一旦攻撃をやめるマルクス。

それを見た二人も攻撃をやめ、話す

 

「そうですね、わっちらの事も話しておくのが道理でありんすな」

 

「俺らは大日本神國、天皇直下の御庭番。姫道衆が一人異善 舞だ」

 

「同じく姫道衆の神薙 庵でありんす」

 

自己紹介をして道理を合わせた

 

「俺らは人間だが人間ではないんだぜ」

 

意味の分からないことを聞いたマルクスは少し強張った。

 

「なに意味の分からない事を言うのかね。ちゃんと教えてほしいのだが」

 

舞の意味の分からない答えに質問を重ねた。

 

「そうでありんすね...こう言えば分かるかもしれなねぇ」

 

マルクスはその庵の重々しい口調に少し息をのんだ。

 

「一体何者なんですか...」

 

恐る恐る口を開け言葉を放った。

 

「わっちらは、科学が産んだ化け物じゃ」

 

すると庵の周りの空気が凍り始め、あたりの地面や草、木々や原子も凍り始める。

すると舞が即座に庵のそばから離れた。

 

「おいおい、庵。それを使うのなら先に言ってくれ」

 

少し震えた声で言い放った。

それもそのはず、庵の能力は不老不死と『 凍結 』万物全てのものを凍らせる。

 

「何なんだ一体、身体が...凍り付いていく...」

 

マルクス身体が足から徐々に凍りついていっていく。

 

「あ、足の感覚がない...腕も、身体も、やだやめてくれ。殺さ...な...」

 

途切れいく言葉は無情にも届かなかった。

そして凍り付いたマルクスを庵は蹴り壊した。

 

「あぁ~あ、やちゃった」

 

「仕方ないでしょ、こやつが子供扱いするから」

 

ファントムの一人を倒した舞と庵だがまだマルクスはまだ下っ端だった。

 

 

...西の壁...

 

ここでは、雷華と裁牙と塵が待機している...だが

 

「はぁ~、なんで雷華と同じ組なのかしら」

 

深いため息つき何ともけだるそうに雷華を見つめる。

 

「こっちのセリフよ、なんでこんなチームにしたのかわからないわ」

 

裁牙を睨みつけながら言葉を放つ。

 

「お、落ち着いてください裁牙さん、雷華さん。今はそんなことしてる場合ではありませんよ」

 

裁牙と雷華の中に入り二人の口喧嘩を止めようとする。

 

「そうね、空仙様の言うことは聞かないと」

 

「まぁ、団長の命令ではなかったらこんな奴と組まないわ」

 

「それは私が言いたいことよ!!」

 

いつもながらこんな状況なのにいつ通りの風景が続く。

 

「本当に仲がよろしいのですね」

 

塵が言うと

 

「全然仲良くありませんよ!!」

「全然仲良くありませんわ!!」

 

息ぴったりに言い返した。

 

《ほら、息ぴったり。本当に仲がよろしですね》

 

こんなことが続き、ここにはファントムは来なかったようだ。

 

 

...帝国アイギス内...

 

「全軍に次ぐ、国内にいる敵は強敵だ。禁止兵器の使用を許可する!!これは国の危機だ仕方がない必ず首を納に来い」

 

アイギス帝王は兵士やファントム達に禁止兵器の許可を出した。

国内のすべての兵士を空仙に向かわせた。

 

迫りくる軍勢は1億9999万8000人の兵士。

そう、ほんとは1人であいてにするつもりだった。

そして終わったらみんなを呼ぶという作戦なのだ。

 

「仲間一人たりとも殺させない」

 

 

そして...時は来た...

 

 

瓦礫の中を進む空仙。

そして囲まれた。

 

「とまれ、貴様が反逆者か...私は帝王アイギス。私が直々来てやったんだ、ありがたいと思え」

 

とても上から目線の言い方に少し苛立ちを感じる。

 

「ありがとね、手間が省けた。お前は殺さないといけないな」

 

「そうか、ならやってみろ。全軍に次ぐ、目標反逆者...」

 

兵士たちが武器を構え、エネルギーをためる。

この数のV8-S 核閉砲をくらえば普通なら消し飛ぶどころではない。

だが姫道衆にはそれぞれ不老不死のほか個人の能力も手に入れる。

 

「エネルギー充填完了」

 

エネルギーが高まった核閉砲は今にもその力を出そうとしている

 

「よし...。撃てぇぇぇぇ!!!」

 

核閉砲のトリガーが引かれた。

そのエネルギーの塊が四方から飛んでくる。

 

「そんなものはきかない...」

 

エネルギーの塊が空仙にあたり、閃光に包まれた瞬間。

エネルギーの塊が戻ってくるそれも撃った直後より速さは格段に上がっている。

その塊が兵士たちに返ってくる。

そして、直撃して兵士、ファントム、帝王そして空仙を巻き込み弾け飛んだ。

それはまるで天そのものが崩れ落ちてくるような爆音。

 

空仙の能力『 方向転換 』物体の方向を変える能力

 

後に『 flash of demise 』と呼ばれる

 

帝王は見誤った、核閉砲の威力を...その威力は120万ギガトン...

帝国の領土のほとんどが消滅した...

 

壁のおかげで助かった七人は思った。

 

 

 ()()()()()()()()()()()()() ()

 

 

そう思いたくないがあの爆発音と閃光は帝国の中心から、空仙がいるところから発せられた。

 

「ま...まさか」

 

「死なないっていたのに。。。」

 

「そんにゃ」

 

「うそ、でしょ」

 

「うそだよな、な」

 

「僕は信じませんよ」

 

「団長はん、、、」

 

 

悲しい雰囲気が姫道衆達を襲う。

 

 

そして、連合軍は決断を仕入れられた。

 

消滅した帝国アイギス、兵力はあの爆発消し飛び。

残った兵はバラバラになり帝国アイギスはなくなった。

 

 

そして...

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

なんか展開が早くてすみません。

 ...書くことないや                          

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。