この世界の果てにあるものはきっと良いものだ   作:白宮仙狐

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前回のあらすじ

副団長に殺されかけた団長だったが最終手段として残しておいたNNNウィルスを自分の体に入れ人間をやめた。
そのおかげで何とか死なずに済んだがなにやら心に空が開いてしまう。
過去を振り返らず未来ばかり追い求めていた空仙は新しい仲間と歩むのであった。



みんなに会うことはきっといいことだ

人は、愚かだ。

みんな自分に優しく他人に厳しい...欲にまみれ、大罪すらも受け入れる。

しかしそれが人間と言う生き物、欲にまみれてない人間などいない...

人は神に願いを頼むが大罪だらけの人間には答えてくれないのであろう。

照りつける太陽がなにやら人間たちを嘲笑って見える。

 

ガヤガヤと賑わう歓楽街を冥明と私二人で歩いていた。

 

 

「ねぇねぇ、空仙さん」

 

なにやら話してほしそうに話しかけてきた。

私は冗談交じりに

 

「なんだい、まさかトイレではないでしょうね。急ぎの用事だから早くいかないといけないんだけど...」

 

 

「違うよ!!、今回の任務は何か教えてほしいんだけど!!」

 

怒りながら私のお腹を殴りつけた

 

「痛いよ...わかったからちょっと落ち着け。え~と、今回の任務は『部隊全員で帝国アイギスを攻撃してほしい。頼んだ。健闘を祈る…』だそうだ」

 

「えぇ~、帝国アイギスってあの鉄壁の守りと世界を相手にすることもできる軍事力を持つ国。世界最強とまで称されたあの国に攻撃するの!?」

 

とても慌てふたむいて、答えた。

慌てている冥明はかわいいな...

 

帝国アイギスとは昔、第三次世界大戦を引き起こした国で軍事力はあのアメリカをも上まる国家。

一国で世界の半数以上をも相手をし、連合軍をも打ち負かした。

だが、連合軍は最終手段を使い、帝国アイギスに大ダメージ与えたがそれでも致命的ダメージは与えられなかった。

連合軍は帝国アイギスに停戦を申し入れ、帝国側もダメージを追っていたためその案に賛成した。

それで長きにわたる対戦は幕を閉じたがその数年後、息を潜めていた大日本神國がそれに乗じて世界に宣戦布告し世界はまた大戦を仕入れられた。

しかし連合軍は使える兵力は少なく、帝国アイギスと同盟を組むほかなかった。

連合軍と帝国アイギスを合わせ兵力は億を超えたが大半が帝国の兵士だった。。。

 

だから、冥明はとても慌ていた。

 

 

「勝てると思うの?」

 

 

「仕方ないだろ、天皇直々の頼みらしい」

 

 

すると冥明は落ち着いたのか。

 

 

「それなら仕方ないね」

 

 

天皇と言う言葉を放ったら覚悟を決めたらしい。

 

 

「もうすぐ迎えが来る。急ぐぞ」

 

 

「わかったよぉ」

 

 

急いで目的地に向かう二人だったが。

 

ばんっ、冥明が人にぶつかってしまった。

 

 

「あっ、ごめんなさい」

 

 

すぐ謝ったがぶつかった相手が裏の世界の人間で睨みつけながらこう言い放った。

 

 

「お嬢さん何ぶつかってんの?。あぁ~あ、お気に入りのシャツに汚れがついちゃった。どうするのお嬢さん?」

 

なにやら金を請求している様子のようだ

 

「お兄さん、申し訳ない。どうかここは場を治めてほしい」

 

 

「何言ってんの?、このシャツ高いんだよね。ねぇ、クリーニング代の40万払ってくれない?」

 

絶対にそんなに必要のないような金額を提示してきた。

 

 

「いやぁ、今急いでるんで払えない」

 

きっぱりと断った

 

「おいおい、払わねぇとこのお嬢さんもらうよ」

 

 

と手を冥明に近づけると、いきなり空仙が

 

「触っちゃだめだっ!!!」

 

大声で言ったがその男は触れてしまった。

その瞬間、

 

ぶちっ、彼の左腕が宙を舞いそこら中に血の雨を降らせた。

 

 

「ぎゃぁぁぁぁ、うっ腕がぁぁぁぁ」

 

耳を劈く悲鳴を上げた。

 

 

「だから、言いたのに...可哀そうだが仕方がないあなたが忠告を無視したから」

 

 

「なんなんだ...いったい」

 

 

「彼女は私以外が触れるのを極端に嫌うんだ。だから、触るなと言ったんだ」

 

 

呆れた様子で答える。

 

 

「今度触ったら、頭を吹き飛ばすわよ」

 

口調が変わった。

 

 

「落ち着くんだ、冥明」

 

 

「だってこいつが触るんだもん、下手に出たら調子乗るんだもん」

 

 

といつもの口調に戻ってしゃべる。

 

 

「私が手を出さなかったら空仙さんがあの男を消し飛ばしてたでしょ」

 

 

「まぁ、連れてこうとしたらね」

 

 

話していると男は全速力で逃げていった。

 

 

「さてと人が集まってきてしまうまえに急いで目的地に行くぞ」

 

 

「わかったよぉ」

 

 

シュン、まるで消えるように足音すら立てずに移動を始めた。

 

 

...一方その頃...

 

 

ここは目的地のゲイル大公国

 

ゲイル大公国とはゲイル=シャーロット大公が治める国。

商業で発展した国でもあり各国に武器やゲイル産の希少鉱石などで交易している。

あまり軍事力はないがほかの国が支援防衛をしているためあまり手を出せない国だ。

その国になぜ集まるかと言うと皆さんの想像通り...この国で武器や食料を確保して帝国アイギス望むわけだ。

 

『いらっしゃい、この武器はかの有名な...』ガヤガヤ、たくさんの人が行きかう街...首都ヴェール

 

 

「なにか、いい武器はあるかしら...」

 

 

「そうそうねぇだろう、てか団長遅くね」

 

 

「仕方がない、冥明を連れているんだ。なにかトラブルでもあったかも」

 

 

異様な雰囲気を出す六人組が道を歩いている。

彼らこそが空仙の部隊メンバー。

紹介は後程しよう。

 

 

「そうだよ、冥明がいるから仕方がないにゃん」

 

 

彼女は獣人族の双子、だがもう一人は空仙と一緒にいる。

とても仲が良く息もいつもぴったし...メンバーのムードメーカー」

 

 

「じゃぁ、みんな手分けして探してみましょう、僕は食料確保しときますね」

 

 

「あちきも行こう、一人じゃ大変だろう、、、」

 

 

彼女は、冷静でとてもおしとやかだが空仙のことが好きすぎて、空仙は少し困っているのが現状だが嫌いではない。

彼の方は、とても思いやりがあり、尚且つ男の娘なのだ。

最初に彼に会ったら絶対に女の子に間違られる...それが悩みなのは秘密

 

 

「では、解散」

 

 

みんなは各自、食料や武器などを集めることにした。

 

 

時間がたち、空仙と冥明らが到着した。

 

気配を消していた空仙がみんなに分かるように気配を半分くらい出した。

その瞬間空気が凍り付いた。

 

ピキィーーーーン

 

 

その気配はゲイル大公国全土に満ち渡った。

どんな凡人でも気が付くこの気配はまるで隕石の衝突のようとか、ブラックホールの中のようともいわれている。

だが一瞬っだたため衛兵には気が付かれなかった。

 

 

「「「団長が来た」」」

 

 

全員が一斉に気が付き団長のところに即座に集まった

 

 

「「団長!!」」

 

 

「全員いるか?」

 

 

「「全員います」」

 

 

「じゃ点呼をとるから返事をしてくれ」

 

 

全員いるか点呼をとる空仙

 

 

「では、一人づつ呼んでくぞ。神明 裁牙」

 

 

「いますわ...」

 

凛とした美しい声で返事をしたのはいいのだが

 

 

「空仙様ぁぁぁ~~~」

 

 

いきなり豹変して飛びついてきた。

 

 

「やめろ、ひっつかないで」

 

後ろから抱きついてきた。

 

「まっまぁいい、点呼を続ける。朱月 雷華」

 

 

「いますよ団長。それと裁牙は離れなさい」

 

無理やり引き離そうとすると裁牙はおもいっきり抱きつき胸が当たる。

 

ムニュ...

 

背中に感じるこの胸は裁牙なのか成長したなと感じる私がいる。

 

「ちょっと触らないでよ、私は久々に会ったからスキンシップをしているだけよ」

 

言い返すが雷華から飛んできた言葉が胸に刺さる。

 

「これだから乳がでかいだけの『 牛 』は困るんだよね」

 

それを聞いて怒ったのか。

 

「いやぁ~『 絶壁 』は、そんなことしか言えないんだよねぇ。うらやましいなら頑張ることね」

 

「なんだと」

 

「なんによ」

 

バシッ

 

空仙が二人の頭叩いた。

 

「コラコラ、けんかをするんじゃない。いつも言ってるだろ仲良くしろって」

 

不満そうにケンカはやめたがまだ睨みあっていた。

『はぁ~』とため息をつく

 

 

「じゃ続きいくぞ。冠八 冥明と千夢 櫻」

 

 

「二人ともいるよ」

 

「二人ともいるにゃ」

 

元気よく返事をした。しかもほぼ同時に。

 

「二人のシンクロ率はいつみてもすごいな」

 

 

「えぇ~と、永元 塵」

 

 

「はい、僕はいます」

 

いつも見ても男に見えない。本当に女の子みたいだ。

 

 

「時間がないから、いっぺに言うぞ。異善 舞、神薙 庵」

 

 

「いるぜ、団長さんと会うのひさしぶりだな」

 

「あちきはおるでありんす」

 

 

全員集合することができた。

この部隊の名は『姫道衆』この部隊は天皇直属の最強部隊である。

 

全員NNNウィルスを打ち人を超えた力を手に入れた者の集まり。

しかしNNNウィルスオリジナルを打ったのは月神空仙ただ一人...

NNNウィルスの改良版を打ったのが残りの七人

オリジナルは誰一人成功することはなかった...一人を除いては...

 

「全員、食料や武器は集めたか?」

 

問いかけてみると全員が一斉にしゃべり出だす。

何を言っているのかわからない

 

「おい、一人ずつ話してくれ」

 

すると全員黙り、裁牙が喋りだした。

 

「はい。武器、食料等は確保しています」

 

「そうか、なら行くぞ。時間は明日の六時ジャストみんな気合は入ってるか」

 

『もちろん』と顔で合図した。

 

 

準備が完了した空仙一行は帝国アイギス目指し移動した。

帝国アイギスとゲイル大公国はあまり離れておらず姫道衆であれば半日で着く。

だが途中にあるだれもより森『 人食いの森 』がある。

人食いの森は立ち入った者は必ず帰って来ない魔の森。

普通なら飛行機や飛行船などで行くのだがそれだと時間がかかるため、仕方なく通ることにした。

 

ヒュ~~~、冷たい風が吹く

 

「いやぁ寒いな、なぁ櫻」

 

「そうでありんすね」

 

「なにか、異様な雰囲気を感じるにゃ」

 

みんな雰囲気に流され自分たちが姫道衆なのを忘れている...

 

「皆さんどうなさいましたか、姫道衆なのに雰囲気に流されてはいけません」

 

裁牙が言ったのはいいが、言った本人が一番怖がっている。

 

ガサガサ

 

物陰から何か飛び出してきてびっくりした裁牙が

 

「きゃぁぁぁぁ~~~~空仙様ぁぁぁぁ~~~~た~す~け~て~」

 

おもいっきり飛びついてきた。

 

「ちょっ、裁牙何を」

 

裁牙に押し倒された。

すると手に柔らかいものが乗っかてきてつい

 

ムニュ...モミモミ

 

「あん、空仙さんのエッチ♡」

 

ダッダッダ、雷華が物凄い勢いで走ってきた。

 

「団長から離れろぉぉぉ」

 

グハッ

 

蹴りが裁牙にクリーンヒットしたが空仙も蹴りを受けてしまい裁牙と一緒に岩激突、岩が砕けた。

 

「あっ、ごめんなさい団長」

 

瓦礫の中から空仙が出てきて

 

「大、丈夫だよ...」

 

血だらけの顔で答えた...

 

 

そんなこともありながら空仙一行は森を進んでいく

行く途中では何も起きなかった。

それもそうだろう、自分より強い相手にケンカを売るバカはいない。

森に棲む主でさえ出ようとはしなかった。

 

森を数時間歩き目的地の帝国アイギスの壁まで来た。

 

「高いですね団長」

 

「そうだな、高さ200m、厚さ5mある」

 

「そんなにあるんですか!?」

 

びっくりする、姫道衆達。

 

「じゃぁ、時間が来るまで待機」

 

解散をして各々が準備をし始めた。

裁牙や雷華、舞や庵は武器の手入れをし

 

冥明や櫻は遊んでいる。

 

塵はみんなの朝食を作っている。

 

空仙は作戦を練っていた。

 

チクタク、チクタク

 

時がどんどん過ぎていく...戦いが迫ってくる。

そう思うと高ぶる戦意が空仙を襲う。

 

「みんな、来てくれないか!」

 

空仙の呼び声が夜の空気を渡ってみんなに伝わる。

 

「なんやね、空仙はん」

 

「どうかしましたか?」

 

「いや、みんなに確認をしてほしかっただけなんだけど。いいかな?」

 

全員が返事をした。

 

「じゃ初めに敵の数を確認するぞ」

 

「「OK」」

 

「まず、敵の総勢力は約5億5000万ほど」

 

「いつ聞いてもエグイ数だぜ」

 

「帝国アイギスを守る勢力は約2億ほどだ」

 

みんなの顔色が変わった...

 

「なんだって~~~!!!」

 

「やばいにゃん」

 

「ほんに、そんな数くるのかえ」

 

「エグイですね」

 

みんながかく乱している。

それも仕方がない、こんな数相手に出来るはずがない。

 

「落ち着くんだ、みんな」

 

「こんな数はあいてにするわけないだろ」

 

みんなは、ホッとして話の続きを聞く

 

「それで、これを使う。衛星兵器『エンビリオン』」

 

みんなは息をのんだ...

 

「それはを使うんですか...」

 

「いや、これは使わない」

 

・・・『え~~~!!』と言うみんなの声が響く。

 

「私が1億9000万人相手にする」

 

みんなは驚愕...

 

「団長!!、死ぬ気ですか!!」

 

「そうでありんす。あちきは団長と離れたくないでありんす」

 

「そうだにゃ、みんなで力を合わせてたおすんだにゃ」

 

「私もまだ空仙さんと離れたくないです」

 

「わたしだってまだ空仙様とXXXしてないし、XXもしてないよ」

 

「あんたのはただの願望でしょ。お願いよ、一人で行かないで」

 

「僕も美味しいごはん、食べてもらいたいです」

 

みんなは、必死に空仙の案に反対をした。

当然だろ寝る時もいっしょ、同じ釜の飯を食べ、家族より固い絆に結ばれている。

一人たりとも欠けてはいけないチームなのだ。

 

「みんなありがとう...でもな、私は死なない。安心しろ」

 

みんなは泣きそうな顔をしている...

 

「死なないんだから、そんな顔するな。さぁ、塵のごはんたべよう」

 

「「はい!!」」

 

みんなは食事をして楽しい会話、くだらない話、そんなこと話しながら空仙一行は迫りくる戦いに備えて気を張っていた。

 

 

そして...時は...来た。

 

 

「よし、私が先に行く。私の合図と同時に東西から攻め込め...」

 

なにやら不安そうな顔をしている。

 

「安心しろ...私は死なない...いいな」

 

「「はい!!」」

 

《お前達は絶対に殺させない...》

 

心の中で固く誓った・・・

 

 

「よし!!、行くぞ!!!!」

 

 

「「おぉぉぉぉ!!」」

 

 

姫道衆達は、大帝国に戦いを挑んだ...2億人V8人勝利の見えない無謀な戦いに彼らは自分たちの闘志を燃やし生きて帰ることを決意した。

 

人は、愚かだ。

自分に優しく他人に厳しい...

 

人は愚かだ。

欲にまみれ、大罪すらも受け入れる...

 

 

人は愚かだ。

危険なことを避け、嫌いな奴に押し付ける...

 

だが稀にいる...

 

他人に優しく、危険なことを受け入れ

 

自分を犠牲にする者が...

 

 




最後まで見ていただきありがとうございます。
なにやら変な作風になってしまった...

見る人は少ないと思いますが一人でも見ている、とてもやる気が出ます。

いろいろ迷惑かもしれませんがよろしくお願いします。

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