奉仕部で駄弁るだけ   作:ひょっとこ_

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六駄弁り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーー奉仕部は今日も駄弁る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ではでは、先輩、よろしくでーす」

 

 

「ああ……」

 

 

「彼女、今度はどんな要求を?」

 

 

「うん、なんか、今度の日曜に外出に付き合えって」

 

 

「……だんだんと建前もなにもなくなってきてるわね。もはや隠す気ないのね、あの子」

 

 

「……なにがだ?」

 

 

「……ここは一つ、がつんと年上の格を見せつけてやるのはどうかしら、比企谷君」

 

 

「あ、おい、なんだよこれ。なんかの、受信機……? おい、雪ノ下っ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、先輩、今日はずいぶんと早いんですね」

 

 

「ああ、お前に寒い思いさせるのもアレだしな」

 

 

「なるほど、なるほど。非常にグッドな心がけです」

 

 

「そりゃどーも。……それと、その服、似合ってるな。特にそのヘアピン、俺は好きだぞ」

 

 

「あっ……えへへ。そういうの、ポイント高いですよ、先輩」

 

 

「……おう。じゃあ、行こうぜ」

 

 

「え、あの、せ、先輩? 手、つ、つなぐんです、か……?」

 

 

「いいだろ、べつに」

 

 

「は、はい……」

 

 

「行くぞ」

 

 

「……はひ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、このネックレス、お前に似合うんじゃないのか」

 

 

「はい、か、かわいいですね……」

 

 

「だろう。よし、会計してくる」

 

 

「はい……」

 

 

「…………ん、戻ったぞ。とりあえず、この店は出るか」

 

 

「えっと、じゃあ、あの、少し座りたい、かもです……」

 

 

「わかった」

 

 

「すみません……」

 

 

「なんだ、やけにしおらしいな」

 

 

「だって、先輩が……」

 

 

「俺が? なんだよ」

 

 

「え、えっと、その……。いつにもまして強引というか、なんというか……。あう……」

 

 

「声小っちゃくて、なに言ってんのか聞こえねぇよ。……ほら、座るぞ」

 

 

「はひ……」

 

 

「……ん、ほら、こっち向けよ」

 

 

「ふぇ……?」

 

 

「よ、っと……。これで、いいか……? うん、似合ってるな」

 

 

「え、あの、先輩……?」

 

 

「買ってよかった。そのネックレス、やっぱり似合ってるぞ」

 

 

「ふぇっ!? ……あ、あの! えっと! あ、ありがとうございましゅ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっく、くふふ……」

 

 

「……先輩、笑いすぎです。もういい加減、忘れてください」

 

 

「あ、ああ、悪い……。くふっ……」

 

 

「…………」

 

 

「くっくっく、そう怒んなよ。ちょっとした、いつも意趣返しだって」

 

 

「……先輩が、今、私にやるのは洒落になりません」

 

 

「どうやら、そうみたいだな……。ふっふっ……」

 

 

「……もう! 先輩!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『どうかしら、楽しめた……?』

 

 

「……程々にな。ただ、お前、俺の演技力を過大評価しすぎじゃねぇ? あんな事細かに、しかも急に指図されても、咄嗟に動けねぇよ」

 

 

『そういうわりに別段大根でもなかったし……。ふふっ、案外才能、あるんじゃないかしら』

 

 

「やめろ、空恐ろしい……。あと、雪ノ下。お前、今度一色に謝りにいくの、付き合えよ?」

 

 

『ふふふっ。ええ、考えておくわ』

 

 

「ホント、頼むぞ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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