奉仕部で駄弁るだけ   作:ひょっとこ_

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十三駄弁り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――奉仕部は今日も駄弁る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ねぇ、なんでここにいるの、小町ちゃん」

 

 

「え、威力偵察?」

 

 

「威力っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで、全国のお兄ちゃんのラブリーエンジェルこと、比企谷小町でーす」

 

 

「全国のお兄ちゃん……」

 

 

「わー、小町ちゃん! やっはろー!」

 

 

「いらっしゃい、小町さん。紅茶は飲むかしら?」

 

 

「え、なんで歓迎ムード?」

 

 

「結衣さん、雪乃さん、やっはろーです! お紅茶、いただきます!」

 

 

「ええ、わかったわ。あら、そこのぬぼーっとした彼は、昨日のことさえ覚えていられないほどなのかしら……。粗大ゴミ扱いも視野に入れるべきかしらね」

 

 

「やだ、捨てるのにさえお金掛かっちゃうあたり、俺マジ金食い虫」

 

 

「その上、無駄飯食いだわ。さすが、ふふっ。ヒッキー、というだけあるわね」

 

 

「まぁ、引き篭もりはあんまし否定できねぇな」

 

 

「あ、ちょ、ゆきのん!? ち、ちち違うよ!? ヒッキーっていうのはそういう意味じゃなくてっ! えっと! と、とにかく違うの! もうっ、ヒッキーのバカ!」

 

 

「なんで俺……」

 

 

「相変わらずだね、お兄ちゃん」

 

 

「おう。で、お前はなにゆえここにいるの?」

 

 

「高等学校見学の一環です。だってほら、小町来年ここに入学するからさ」

 

 

「妙に自信ありげだな」

 

 

「そりゃね。お兄ちゃんの妹だし」

 

 

「お、おう……」

 

 

「む。平塚先生の許可もちゃんともらってるし、いいよね!」

 

 

「おう。わかった、わかった……」

 

 

「むぅ……」

 

 

「なんだよ……」

 

 

「あ、ん、な、い! して!」

 

 

「……雪ノ下の紅茶、飲んでからな」

 

 

「ん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つっても、そんなに広いわけでもねぇからな。ほら、今ので一通りは見て回ったぞ」

 

 

「そうね。……後は、あそこくらいじゃないかしら」

 

 

「だねー。あ、今、ちょうどいい時間なんじゃない?」

 

 

「ええ。行きましょうか、由比ヶ浜さん、小町さん」

 

 

「うんっ」

 

 

「はいっ」

 

 

「あ、なに、まだどっかあったっけか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……で、なんでまた俺のベストプレイスに」

 

 

「ベストプレイス……。まぁ、いいわ。ぼっちのあなたは知らないのだろうけど、ここ、結構景色もいいし、物好きな輩がよく居座っているので噂高いわよ」

 

 

「え、マジか……」

 

 

「あはは、一応あたしも、ここ、好きだよ」

 

 

「そうだったのか……。てっきり、俺だけが知ってる場所だと思ってたのに……」

 

 

「唯一の居場所を奪われてしまったのね。かわいそうな比企谷君」

 

 

「……口元吊り上がってるぞ、これ以上ないくらいに」

 

 

「デフォルトよ。今だけの」

 

 

「……さいですか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ。お兄ちゃん、風が止んだよ……」

 

 

「夕凪だな。いつも風が吹き抜けていくここだと、感じられやすいのか。俺も初めて知ったわ」

 

 

「ね、結構いい場所だよね」

 

 

「ええ、そうね」

 

 

「……はい、あたしも気に入りました」

 

 

「なら、よかったわ」

 

 

「だねー」

 

 

「はい、これで勉強のモチベーションも維持できそうです!」

 

 

「うん、頑張れ! 小町ちゃん!」

 

 

「はい、結衣さん!」

 

 

「……さ、日も落ちてきたし、帰ろうぜ」

 

 

「ええ、そうね」

 

 

「おー、帰ろー!」

 

 

「ですー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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