奉仕部で駄弁るだけ   作:ひょっとこ_

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いらっしゃいませ。
会話文のみのお送りになります。ご了承ください。


一駄弁り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――奉仕部は今日も駄弁る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうすっかり冬って感じだねー。朝学校来るときちょー寒いの」

 

 

「そうね、冬だもの」

 

 

「……ああ、冬だからな」

 

 

「それでね、あたし、冷え性なんだけどさ。冬って毎年ヒビとかアカギレになっちゃったりするの、あれ困るんだー……」

 

 

「それは大変ね……。もしかして今もそうだったりするのかしら」

 

 

「あ、うん、あはは。実はそうなんだー……」

 

 

「そうなの……」

 

 

「…………ほら、ハンドクリーム。使えよ」

 

 

「わ、ヒッキー。こんなの持ってるんだっ」

 

 

「あー、まぁ、ちょっとな。小町もよくやるんだよ、ヒビとか」

 

 

「本当、マメというかなんというか。いえ、ただの妹脳ね……末期だわ……」

 

 

「わ、悪かったな。……使いたきゃお前も使えよ」

 

 

「……ええ、そうね。ありがたく、厚意に甘えさせてもらうわ」

 

 

「……おう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、ヒッキー。これ、ありがとう」

 

 

「構わねぇよ」

 

 

「にしても、由比ヶ浜さん」

 

 

「なぁに、ゆきのん」

 

 

「いえ、たいしたことでもないのだけれど、あなたも女の子なのだし、肌には気を配ったほうがいいというだけの話よ」

 

 

「あー、うん、お母さんにも言われてて、あたしも保湿クリームとかよく使ってるんだけどねー……」

 

 

「洗い物とか、水仕事してたらどうしてもなっちまうもんじゃねぇの」

 

 

「うん、そうそう、そうなの。ゆきのんも一人暮らしで家事とかしてたら、経験ない?」

 

 

「いえ、私はない、わね……」

 

 

「……まぁ、お前、綺麗な肌してるもんな」

 

 

「い、いえ、それほどでも、ないわ。ええ」

 

 

「むぅ……」

 

 

「ん、どうかしたのか、由比ヶ浜」

 

 

「なんでもなーいー」

 

 

「なにヘソ曲げてんだよ……」

 

 

「大丈夫よ、由比ヶ浜さん。あなたも十二分に綺麗な肌をしているわ」

 

 

「わっ、びっくりしたー。ゆきのん、肌スベスベー」

 

 

「ちょっ、く、くすぐったいわ、由比ヶ浜さんっ」

 

 

「ここー? ここがいいのかなー?」

 

 

「くっ、ふふっ……や、やめっ……!」

 

 

「お、おい、由比ヶ浜、もうやめとけって。後が怖ぇよ」

 

 

「あ、うん」

 

 

「おい、大丈夫かよ」

 

 

「ふーっ……ふーっ……」

 

 

「ゆ、雪ノ下……? こ、怖ぇよ? そ、そんなにじり寄ってくるなよっ。ていうか、由比ヶ浜っ、俺の後ろに隠れてんじゃねぇ!」

 

 

「あ、あははー……」

 

 

「お前……!」

 

 

「ゆきのん、ごめん……!」

 

 

「あっ、逃げやがった……!」

 

 

「…………比企谷君」

 

 

「ひゃ、ひゃい!?」

 

 

「…………今度、由比ヶ浜さんの弱点(・・)を教えてあげるわ。ふふっ、ふふふ……」

 

 

「こ、怖ぇよ、お前……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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