東方英雄伝 ~ラノベの主人公が幻想入り~ 【完結】   作:カリーシュ

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推奨BGM:『Death to the World』


51話 異世界の鎮魂曲

 

 

―vs

 

 

―【大いなるものを超えたもの】―

 

―【ルルイエの暴君】―

 

―【『ありとあらゆるモノを狂わせる程度の能力』】―

 

 

 

―【クト】―

 

 

 

 

 

―ルルイエ

 

side士道

 

「―初っ端からデカイの行きますかぁ!

能力使用!闇の帝王!!」

 

宣言の直後、色取り取りの閃光が突如クトの右手に出現した杖から乱射される。

 

キリトとキンジはジャンプで躱し、当麻が幻想殺しでキャンセルしようとするが、あの宣言(・・)が本当なら―

 

「―当麻!! 念の為躱せ!! 即死系呪文だ!!」

 

「っとぉ!? マジかよ!?」

 

飛来した緑色の閃光を2人して躱していく。

 

 

「やっぱ有名所は簡単に見破られるか!! ならお次は、

「させるか!! 『桜花』!!」

「『ヴォーパルストライク』!!」

―だよねぇぇぇえ!!

インペディメンタ(妨害せよ)』!!」

 

杖を振ることで、2人の動きが極端に遅くなる。

 

その隙を逃すような相手ではなく―

 

「―かーらーのぉぉぉぉぉおお!!

能力使用!シスの暗黒卿!!

オラよっとぉ! フォース万能説万歳!!」

 

距離がある状態で左右に掌底を打ち、2人を吹っ飛ばすと、何処から出したか赤いプラズマの刃の光剣でキリトに斬りかかる。

 

 

ブォン!!

 

 

「―うぉ!? ライトセイバー!?」

 

「あったりー!! ついでにライトニングも持って行きー!!」

 

「!?!? ガァァァァ!?!?」

 

間一髪で躱したキリトに、手から発生した電撃が襲いかかる。

 

「テメェッッ!!」

 

「!? 元祖弾幕切りぃ!!」

 

バチバチバチバチバチバチ!

 

キンジの銃撃も、光剣によって全て阻まれるどころか、そっくりそのまま打ち返される。

 

「!? チッ!」

 

電撃から解放されたキリトと弾幕を躱したキンジが降りてくる。

 

「グゥ……想像以上にイテェ」

 

「ついでに、今のやり取りで魔力がカラだ。 予備弾倉もあと一つだし、こりゃチト厳しいな」

 

「マジかよ……」

 

最低限戦えた近接2人も、とうとう飛ぶ事すら出来なくなった。

 

マズイ、このままじゃ格好の的―

 

 

「作戦会議は終わったかい!!

能力使用! 虚無の担い手!!

―纏めて吹っ飛べ!! 『エクスプロージョン』!!」

 

光剣が消え、再度現れた杖から光弾が撃ち出され―

 

 

 

 

 

―ドッッッゴォォォォォォン!!!

 

 

 

 

 

「うわっ!?!?」

 

咄嗟に目を瞑る、が―

 

 

…? 閃光も、爆風も、来ない―

 

 

 

―あぁ、成る程。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―俺が相手だ、クト」

 

「カミヤンが相手かい!

イイネ、楽しみにしてたんだよ!!

能力使用! サンダーボルト!!

さーて何分持つ!?」

 

当麻に合わせ、地面に降りてきてボクシングの構えをとる。

両拳どころか、全身を電流が流れてる相手に、

 

 

「―その幻想をぶち殺す!!」

 

パキンっ!

 

「!? グポァ?!?!」

 

―右手が、突き刺さった。

 

 

 

 

 

 

 

「―やっぱり効くね、それ………

おーイテテ、キンジー格闘技かなんか教えたでしょー」

 

「当たり前だッ! 『桜花』ァッ!!」

 

「ギャポァ!?」

 

幻想殺しの影響で防御を失ったクトに、音速の拳が炸裂し、数十メートル吹っ飛んでいく。

 

 

「やったか?」

 

「……多分まだだ。 手応えはあったが、耐えてるだろ」

 

クトが叩きつけられた壁を見ると―

 

 

 

「―いったいなーもー。

アザになったらどうしてくれる?!

能力使用! 追跡者!!

無限ロケランの理不尽さに泣くがいi

「選択ミスだろ、それ」

デスヨネー」

 

 

 

ドッゴォォォォォォォン!!

 

 

 

湧き出てきた(もう驚かない)4連ロケットランチャーの砲門に容赦なく光弾が入り込み、榴弾ごと爆発する。

 

「ギ………プ………

焼けたぁ……ドラァっ!?」

 

「一気に決めるぞ!! 『桜花』ッ!!」

 

キンジが、再度桜花で吹き飛ばし、

 

 

「―『ソニックリープ』!!」

 

「ブッタァァ!?」

 

キリトのソードスキルがそれを叩き落とし、

 

 

「はいオーライオーライ―っとぉ!!」

 

「グペ………ちょ暑い熱いアツい!?!?」

 

残った霊力を全て使って、熱した手で掴み、投げ飛ばし、

 

 

「―これで、トドメだっ!!!」

 

「そげぶっ!?!?」

 

当麻の右ストレートが、再度顔面を捉え、再度別の壁に叩きつけられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんか、弱過ぎね?」

 

後頭部を抑えながら転げ回っているクトを無視して当麻に話しかける。

 

 

「確かにそうだけど、手加減してるってオチじゃないか?

キンジの桜花もいつもより目に見えてスピード落ちてるし、少なくともこれで終わりってことは無いだろ」

 

「それもそうだな」

 

何時でも回避行動が取れるように、慎重にクトの様子を伺うとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideキンジ

 

トドメに上条に殴られ、未だ悶絶しているクトに油断なく銃口を向ける。

 

さっき桜花を右手でやってみたが……

やっぱりスピードが出ないな。

 

最初の頃みたいに全身を使えば、辛うじて亜音速まで持っていけるが―

『鬼の腕』のパワーだけで殴ってるようなもんだな。 しかも、それすら思うように力が出ない。

 

 

……こっちがそんな状態なのに、こうもアッサリと、最後に現れた旧支配者を斃せるもんなのか?

 

クトを見ると―未だに悶絶している。 タンコブが出来たと叫んでいるが、あの調子なら直ぐに戦闘に復帰するだろう。

 

 

………トドメを、刺しておくか。 相手が動けない今がチャンスだし。

 

一応後方確認。

……分身すら無い。 てっきり攻撃を集中させた瞬間に、背後から襲って来るかと思ったんだが―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―って思うジャン、フツー。

でも私は正面から行く!!」

 

「ッ!?」

 

慌ててクトに照準を合わせ―

 

 

 

 

「流石にふざけ過ぎたよ。

満身創痍だから舐めプでもイケるかと思ったけど……

 

―サービスタイムはお終い」

 

パシュッ!

 

「うッ!?」

 

サプレッサー付きの黒い(・・)ベレッタM92FSから早撃ちで吐き出された銃弾が、ベレッタを弾き飛ばす。

 

「―能力使用。

―破壊王

―最強の拒絶タイプ

―シスの暗黒卿

―ウロボロス」

 

「ンなッ……!?」

 

聞き覚えのある異名無い異名が出て来ると同時に、クトから発せられる重圧が、ガクンと重くなる。

 

これまでのパターンから言って、おそらく宣言した人物の能力や武器を使えるといった具合だ。

 

今までいちいち宣言し直していたが、複数人分同時に出来るのかよ………ッ!!

 

 

 

 

 

 

 

―だが、まだ勝機がある。

 

「おい、さっきの名前、どれくらい分かるッ?!」

 

「…さっきもでた暗黒卿って、確かSW(スターウォーズ)のダース・シディアスってやつだよな? あれなら映画の再放送を見たから、まだ分かる。

フォースっていう超能力と、さっきもやってた電撃、剣術に注意だ。

他は……悪い、見当もつかない」

 

これは、キリト。

 

 

「拒絶タイプ……多分、ゼルエルってキャラだったハズだ。

……コア以外へのダメージは再生するってこと以外、詳しいことは忘れちまったけど。 それ以外は、オレも」

 

これは、士道。

 

 

「……ひとつも分からん。 不幸だ」

 

……これは、当麻。

 

 

「…俺は、ダースシディアスと、あとウロボロスなら、武器から言って多分ウェスカーだ。

化物じみた体力、精密射撃、銃弾を避けられるスピードでの体術、ニョグタみたいな黒い不定形での攻撃―

…ざっとこんなもんか」

 

……勝てるのか、コレ??

 

 

 

 

 

 

 

「そんじゃまぁー―

ダンスパーティーと洒落込みますかぁ!?!

伝説『トラップシューター』!」

 

キイイィィィィィィィ―

 

 

バシュシュシュシュシュッッ!!

 

 

右手に凝縮された緑色のエネルギー塊から、大量の光弾が発射される。

 

「オラオラオラ避けないとフツーに痛いよー!!」

 

「なら避けさせる気のある攻撃にしろよ!?!? げふぉ!!」

 

俺は躱し、キリトと当麻は防御していたが、士道が餌食となる。

 

「!! ヤロォっ!!」

 

「ぴょぉっとお!! ハデにトビなぁ!!!

天使『最強の十字架』!」

 

殴り掛かった当麻の拳を空中で3回転ほどしながら避け、そのまま髑髏のようなマスクを被る、と―

 

 

 

キュィッッ!!

 

ドォォォォォォォォォオオオン……

 

 

 

「!?!?」

 

ま、マスクの目の部分が奇しい閃光を放ったと思ったら―

 

 

 

 

十字の怪光線が、当麻の右手を避けるように、足元から炸裂していた。

 

 

 

「ッ―!? キリト! 合わせろッ!!」

 

「オーケー!!

―なっ?!」

 

あ、あのヤロ―

 

 

「おおこわいこわい。

一時退さーんと!」

 

仮面を付けたまま、空中に発生した六角形の光る板のようなモノを足場にして逃げやがった!!

 

 

「ヤロォッ! 何処に―

―ッッ!?!」

 

バスッ!

 

―ビシィッ!

 

 

反射的に真横に銃弾を撃つと、銃弾同士が当たる音(・・・・・・・・・)が聞こえた。

 

 

―狙撃かよッ!? 銃声が完全に聞こえなかったから、多少は離れているみたいだが―

 

気が一切抜けない。

 

 

 

「……キリト、進むぞ。 あのまま芋られたら埒があk―」

 

ブォンッ!!

 

「!! キンジ! 伏せろっ!!」

 

頭上から聞こえてくる特徴的な音に、正体を見るまでもなく指示通りに伏せる。

 

 

ギィインッ!!

 

 

 

「ヤッホイキリ君調子はどーだい!!」

 

ギィンッ! ギュィンッ!

 

「お陰で最高だよ。 エリュシデータは薪にされるわ一回ガチで死に掛けるわ異世界からストーキングされるわっ!!」

 

ギィッ! ガギィィィィイッ!!

 

「全部クトゥグアのことかい!?」

 

「喚んだのはテメェだろっ!!」

 

バギィィッ!! バチッ! バチッ!

 

 

 

 

 

……て、手を出すに出せねぇ。

 

この2人(特にクト)、

鍔迫り合い(怒鳴り合い付き)→派手に動きながら2、3撃打ち合い→鍔迫り合い

って動くもんだから、危うく踏まれるかと思ったぞ。 お前らはどこのジェダイにシスだよ。

 

……片っぽ似たようなモンだった!?

 

 

 

 

 

―さて、どうするか……?

 

鍔迫り合いの最中に拳銃で援護射撃でもするか?

 

 

 

「―キーくんちょい待ってや。 もーそろそろ片がつくから、さぁっ!?」

 

バキィッ!!

 

 

クトが俺の動きに気を取られた瞬間、キリトがライトセイバーを弾き飛ばす。

 

「―チェックだ、クト」

 

「そこでチェックメイトって言ってくれない辺り警戒されてるねー………」

 

首に刃先を当て、宣言する。

 

流石にあの距離なら、何かアクションを起こした瞬間に斬れるな。

 

 

……一応、狙いを付けておくか。

 

 

そんな俺を見て、溜息を吐いたクトは、―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―直ぐに片付けると言っとるのに、気が早いねーキーくんは」

 

「は?―」

 

laaa―

 

 

 

 

 

ズドンッッッッ!!!

 

 

 

 

 

「!?!?」

 

な、何が起きた!?!?

 

妙な、唄のような音が聞こえたと思ったら―

 

 

 

 

 

 

 

―なんでキリトが押し潰されてんだ?!?!

 

 

「―A.T.フィールドは攻撃にも使えるんだよ。 バリエーションも割と多いし」

 

「お……お前は何を―」

 

言ってるんだ、と言う前に、

 

 

 

「―バァ。 ヒステリアモードって、結構隙だらけだよね」

 

「?!!?」

 

い、いつの間に背後にッ!?

 

「おやおや。 折角知ってるキャラの技を使って見せたのに拍手の一つもナシかい」

 

「………ウェスカーの瞬間移動か!?」

 

「そっか、キーくんはバイオ映画派だっけ? ゲーム版はあれもっと鬼畜性能だからねー。 実際にタイマン張ってみたけど、もう早い早い」

 

「……?」

 

…『実際にタイマン張ってみた』?

 

 

「おーい、ちょっと前に話したことお忘れー?

『バイオハザードの世界』もあるに決まってるジャン。

それに私の能力的に、最低一度は戦う(・・・・・・・)斃した事のある奴(・・・・・・・・)の能力のマネなんだし、コレ」

 

「…つまり、お前が能力を使った奴と実際に戦った事があると?」

 

「さっきからそー言ってるじゃん。

ま、そーいうわけでぇ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―兄弟考える事は似てるねぇ」

 

パシュッ

 

 

―ッ?!

しまった、ベレッタが―

 

 

「『不可視の銃弾(インヴィジビレ)』―

私が警戒しないとでも?

そもそも、一か八かの記憶頼りの再現じゃ、オートマチック拳銃じゃなかったとしても弾き飛ばすのは簡単だったね」

 

「ッ―!!」

 

「おーい、させるわけ無いっしょー」

 

―パシッ

 

「うッ―」

 

拳銃を回収しようとスライディングをした瞬間、引き寄せられるように、俺の拳銃がクトの手に収まる。

 

ふ、フォースセコッ!

 

「煩い。

それじゃ、ま。

―肉体言語と行きますか?」

 

黒とワインレッドのベレッタ二丁をヒップホルスターに突っ込んだらしいクトが、棒立ちのまま手招きしてくる。

 

 

……上等じゃねぇか。

 

「―来いよ。 レディーファーストだ」

 

「えー、じゃ、遠慮なく」

 

―ビッ!!

 

 

!? は、疾い!!

一瞬消えたと思ったら、次の瞬間には打撃が鳩尾に直撃する直前だぞ!?

 

 

 

 

 

―だが、それは、

 

「予想通りだッ! 『絶牢』!!」

 

殴られる勢いを利用して、逆サマーソルトを叩き込む。

 

パキィンッ!

 

 

 

 

 

 

 

……なッ―

 

 

「……A.T.フィールド一枚突破、おめでとぉ。

やっぱり完全に使徒やエヴァの能力をコピー出来た訳じゃないから、未中和状態でも破れる、か」

 

 

―ノーダメージ、だと……ッ?!

 

 

 

「じゃ、そろそろ―

 

 

 

 

 

 

 

血祭りにあげてやるよ」

 

「な、―うぉッ!?」

 

突然、頭を鷲掴みされるような感覚と共に、持ち上げられる。

 

ま、またフォースかよ…ッ!?

 

 

「…クケケ―」

 

!?

 

頭の感覚が消えて、落ち始め―

 

 

 

 

 

 

 

―ドゴォッ!!

 

「が……ッ!?」

 

す、垂直に殴り飛ばされた……ッ!

 

落下しながらだから橘花は使えなかったし、重心を意識する時間もなかっ―

 

「―この始末、どうするキーくんよぉぉぉぉぉぉお!!!」

 

 

―バヒュゥゥゥゥゥゥゥゥン

 

ドゴゴォォォオオッッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

「……ご………はッ………」

 

な、何が起きた……ッ?!

 

ぶっ飛ばされた上空で、クトが一瞬で追い付いて来たと思ったら―

 

壁に、押し付けられてるのか……?

 

 

クソッ、ロクに受け身も取れない状態で後頭部を強打した所為で、意識、が―

 

 

 

「…終わった、か。

所詮、エネイブルと言っても、人は人だったか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideクト

 

「ん〜………暴れたりないな」

 

士道はブロリーの弾幕で倒して、

 

当麻はゼルエルの怪光線で吹っ飛ばし、

 

キリトはゼルエルのA.T.フィールドで圧縮し、

 

キンジはブロリーの頭鷲掴みアッパー→岩盤コンボで、物理的に沈めて、

 

 

「……ま、連戦で削れてたし、しょうがないか。

 

 

 

 

 

―待ってはあげないけど」

 

フォース(色々と万能能力)を使って、一応生存確認。

 

 

 

「………あれ、カミヤンの反応無くね?」

 

…………………………

 

 

文字通りマッハで爆心地に飛ぶ―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―ドンッ!!!

 

パキキキキキキィンッッ!!!

 

「!? な、7枚あったA.T.フィールドがぁぁぁぁぁあああ!?!?」

 

と、咄嗟に避けて、それでも避けきれなかったから受け流そうとしたのに!?

 

擦りこそしなかったけど、今のレーザー、一体何―

 

 

 

 

 

「―っ!?!? 嘘っ速すぎ―

いや、違う?!?!」

 

瞬間―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊力と、魔力と、妖力と、神力が、吹き乱れる。

 

同時に、圧倒的な重圧が私に覆い被さる。

 

 

 

一瞬、召喚魔法陣が機能して、喚び出す予定―あくまで予定―の『外なる神』が来たのかと思ったけど………

 

別々の方向から、重圧が来てる。

一箇所からじゃ無い。

 

 

 

 

 

一体、何が―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………なーんて、私らしくなかったね。 今こんなことが出来る連中は、彼奴らだけか。

 

 

―で、アンタらは何しに来た?」

 

 

重圧の発生地点―左右から挟むように現れた『ソイツら』は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―黄色い、風の塊。

 

【……久シイナ。

相変ワラズ、邪神ラシクナイ奴メ】

 

「……言ってろ、ハスター」

 

 

 

 

 

―紅い、焔の塊。

 

【―アレハ、我ノ獲物ダ。 横取リスルナラバ、貴様モ燃ヤシ尽クスダケダ】

 

「………関係無く炎上させんだろ、クトゥグア」

 

 

 

―風の神性に、炎の神性。

 

 

 

「……ンで? 何でわざわざ2神が此処に?

―まさか、人間を護る為、とか言い出すんじゃねぇだろうな、旧支配者?」

 

 

【―ソノマサカ、ダ。

クトゥグアハ、獲物ノ確保ノ意味合イガ、強イガナ】

 

言うが早いか、風と、焔が、それぞれ集まって、ヒトの形をし始める。

 

 

「……金髪のはたてに赤髪の妹紅とか……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―女の格好とか、お前ら、まさかアレか? 『惚れた』とか後から言い出さないよな??」

 

【【…………ソレハナイ】】

 

「即答しろよオイ!?!? て言うかクトゥルフ()ニャルラトホテプ()にアンタ達までとか、旧支配者のプライドどこ行った!?!?」

 

【【無論、向コウカラ屈服サセル】】

 

「言い方!? 屈服って言い方!?!? て言うかお前ら否定する気ゼロだろ!?!?」

 

こ、この私がツッコミ疲れるだなんて………

 

 

 

 

 

「……で、あいつらの力が高まってるのは、お前らが原因って事でおk? あ、手段は聞いてないから」

 

【…アア】

 

うおーいマジかー。

 

……ん? 連中と殺り合ったキリトとキンジは兎も角、上条と士道は?

 

 

 

 

 

 

 

……なるほど、士道は納得。 上条はオマケですか、不幸な。

 

 

「ハァ…………あいつらの準備が整うまで、私も手ぇ出さないから帰れ。 つーか私もやることが出来たから」

 

 

…ま、考えようによっては、この先やりやすくなるかな?

 

 

 

 

 




補足説明
クトの能力:解釈によっては、『変化させる程度の能力』になるから出来る荒業。キャラ専用なら武器も召喚可能。
なお、コピーは完全ではない。

一応、今回使用したキャラ一覧。

闇の帝王→ヴォルデモート卿(ハリポタ)
シスの暗黒卿→ダース・シディアス(SW)
虚無の担い手→ルイズ(ゼロ使)
サンダーボルト→ヴォルギン(MGS)
追跡者→ネメシス(バイオ)
破壊王→ブロリー(DB)
最強の拒絶タイプ→第10使徒(ゼルエル)(新劇エヴァ)
ウロボロス→ウェスカー(バイオ)

旧支配者勢:かなり前にタグにも追加しましたが、このssのクトゥルフ神話生物は、基本的にニャル子さんテンションです。
クトゥグアの態度?
ほら、好きな相手は虐めたくなるって言うジャン。(オイ)

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