東方英雄伝 ~ラノベの主人公が幻想入り~ 【完結】   作:カリーシュ

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26話 士道編:幻想郷のお値段以上

 

―妖々夢後 ある日

―博麗神社

 

 

ザ、ザ、

 

 

「はー。霊夢のヤツ、境内の掃除押し付けやがって。まだ寒いの―」

 

「―士道、出掛けるわよ」

 

「によぉぉお!?ど、どこ行くんだ?」ドキドキ

 

「? 白玉楼よ。異変後の話し合い」

 

「はぁ……そりゃいいけど、なんでオレまで行くんだ?」

 

「え?それは、ええと…

 

と、兎に角ついてきなさい!!」

 

「? ハイハイ分かったよ」

 

「私も行くのだー!」

 

「アンタは留守番」

 

「ケチなのかー」

 

「…霊夢とルーミアって姉妹みたいだよな。リボンも似てるし」ボソッ

 

「なんか」「言ったのかー?」ジトー

 

「いや何も」

 

 

 

〜巫女精霊移動中〜

 

 

―白玉楼

 

 

「―にしても、改めて話すことなんかあるのか? 幻想郷のルールは向こうも分かってるだろうし」

 

「この世と冥界を分ける結界についてよ。元々は扉みたいになってて、通る時だけ開け閉めすればよかったらしいんだけど…」

 

「……そういえば、くる途中なかったな。そう言うの」

 

「全く、どこのバカがぶっ壊したのやら」

 

 

 

 

 

 

「ふぁ、ハーックションっ!!」

 

「うお!? 大丈夫かいニイチャン?」

 

「うぅ、誰か噂してんのか?不幸だー。あ、その鶏肉下さい」

 

 

 

 

 

 

「…直せるのか、結界?」

 

「完全遮断なら」

 

「いやダメだろ!?」

 

 

チャキッ

 

「止まれ!此処は生ける者の来る所じゃ―

って、霊夢に士道かみょん」

 

「お、妖夢か。

 

……ボロボロだけどどうしたんだ?」

 

「あはは……さっき試合でちょっとボコボコにされちゃったみょん」ボロッ

 

「あんたも大変ね。ちなみに相手は?」

 

「フランだみょん」

 

「「は!?」」

 

「『最近新しい技習ったから試させて!』って…両手剣(レーヴァテイン)の二刀流で27連撃とかバケモノ過ぎるみょん……」

 

「うわぁ……ん?キリトも剣士だよな?なんでわざわざ白玉楼に?」

 

「今まで全部流されて返り討ちにあったらしいみょん」

 

「」

 

「……何処を目指してるのよ、あの人間辞め人間」

 

「それはともかく、どうしたんだみょん?」

 

「冥界の結界をどうにかしに来たのよ。あのままじゃ幽霊が大量発生することになるわ」

 

「あー、トーマがぶっ壊したヤツかみょん。でもアレなら藍さんがどうにかするって聞いてるみょん」

 

「えーー!! か、完全なる無駄骨……!」

 

「ま、まあ、よかったんじゃないか?」

 

「その分謝礼とか言って毟り取るつもりだったのにぃぃ…」

 

「この間の西行妖の件でガッツリ持ってったくせにかみょん!?」

 

「ふ、ふふ、ふふふ……妖夢。

 

1週間蕎麦だけで生活したことがあるかしら……?」

 

「1ヶ月水と塩だけで生活したことがある人なら知ってるみょん」

 

「桁が違う!?

 

……って、あれ?士道は?」

 

「毟り取るのあたりでどっか行ったみょ」

 

「お・し・え・な・さ・い・よ!!」ガクガクガクガク

 

「ふこーだみょん!」

 

 

 

 

 

 

―魔法の森

 

 

「…霊夢の奴、金の亡者過ぎるだろ。

霊夢はきっとあのまま白玉楼で昼飯済ませてくるだろうし、オレまで御馳走になるのもなあ……」

 

(そういえば、妖怪の山の方には行ったこと無いんだよな。山の中は天狗が襲ってくるから入れないって聞いたけど…)

 

「…麓の河童がどんなのか見に行くか。キンジの話だと機械まみれらしいしな」

 

 

〜精霊移動中〜

 

 

 

―妖怪の山 麓

 

 

「―ほい到着っと。

にしてもデカい滝だなぁ…」

 

(…そういえば、修行っていえば滝に当たるっていうイメージがあるけど…)

 

 

試しに霊夢で想像してみる。

 

 

 

……

 

………

 

 

「うん、無いな」

 

(『寒い寒い懐も寒い。どうせならお湯か銭でも流しなさいよ!』とか言って直ぐに出てきそうだな)

 

「…えっと、盟友? 1人そんな所でニヤニヤしてどうしたんだい?」

 

「……」

 

「呆れ顔!? 私何か盟友にしたっけ!?」

 

「いや。幻想郷の人達は、なんで揃いも揃っていきなり側に現れるかなと思ってさ」

 

「それは私に言われてもなぁ」

 

 

(見たところ、小学校3、4年生くらいに見えるけど……

機械のアームっぽいのがリュックからはみ出てるし、この子がそうみたいだな)

 

 

「なあ、河童…でいいんだよな?」

 

「おお! そうだよ!幻想郷1のエンジニア、河童の河城にとりとは私のことさ!」

 

「……お値段以上?」

 

「外で流行ってんのかいそれ!? この間の盟友にも言われたよ!?」

 

「悪い、条件反射みたいなもんだ」

 

「どんな条件反射だよ…もうそれ売り文句にしようかな…」

 

「えっと、その、頑張れ?」

 

「あはは!心配してくれるのかい盟友?私は大丈夫だよ。それより今は盟友の方が危ないよ」

 

「? なんでだ?」

 

「いやー私も詳しくは知らないんだけどね? なんか最近新手のバケモノが、いきなり現われて天魔を襲撃したらしいんだ」

 

「!? 無事なのか!?」

 

「幸い、天魔本人は無事らしいよ」

 

「……本人は、か」

 

「友達の白狼天狗に聞いた話だと、後遺症が残るようなダメージや死人はいないらしいけど…

 

以来、行方が分からない奴が何人もいるんだ」

 

「そこは断定なのか?」

 

「…いなくなっちゃったんだよ。私の知り合いも1人、ね」

 

「…ごめん」

 

「盟友が気にすることじゃないさ。

 

それより、今妖怪の山は、同士討ちが起こるレベル極限の緊張状態だよ。麓のここも危ない」

 

「……分かった。離れるよ。

 

ああそうだ。にとり?」

 

「なんだい盟友?」

 

 

「落ち着いたら案内してもらってもいいか?妖怪の山」

 

 

「…ああいいさ!」

 

 

 

 

 

―行っちゃったか。

 

「…椛ー。いつまで隠れてるんだよー?」

 

「……人間は、信用しきれない」

 

「あはは……そっか、文さん盗られたk」

 

「〜〜〜〜!! わ、私、もう行くから!!」

 

 

バビュン!

 

 

おー早い早い。

 

…椛の奴、思いつめなきゃいいけど……

 

「ハァ…

 

何処行っちゃったんだよ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はたてぇ……」

 





ク「……発狂者1名様ご案なーい」
あーあ。山まで敵にしたのか。
ク「ウルセェどれもこれもあのクソ風野郎が……って、オイうp主!?お前この話、24話で『士道がひたすら幻想郷のメンバーと戯れる話』って言ってたよな!? なんで妖怪の山、しかもにとりだけなんだよ!?」
おいおい白玉楼には行ったろ。
ぶっちゃけた話、士道が行ったことなくて、かつ現段階で行ける場所って、もう山くらいしかないんだよな。
ク「…地霊殿…天界…守矢神社…
あーまどろっこしい!」
という訳で、かなり短めの26話でした。ではまた次回!

補足説明
冥界の結界:もちろん細工します。
水と塩だけで1ヶ月:とある原作でそんなことを言ってたような気がする。
お値段以上:河童の科学技術は世界一ィィィィィイ!!

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