東方英雄伝 ~ラノベの主人公が幻想入り~ 【完結】 作:カリーシュ
―妖々夢後 ある日
―博麗神社
ザ、ザ、
「はー。霊夢のヤツ、境内の掃除押し付けやがって。まだ寒いの―」
「―士道、出掛けるわよ」
「によぉぉお!?ど、どこ行くんだ?」ドキドキ
「? 白玉楼よ。異変後の話し合い」
「はぁ……そりゃいいけど、なんでオレまで行くんだ?」
「え?それは、ええと…
と、兎に角ついてきなさい!!」
「? ハイハイ分かったよ」
「私も行くのだー!」
「アンタは留守番」
「ケチなのかー」
「…霊夢とルーミアって姉妹みたいだよな。リボンも似てるし」ボソッ
「なんか」「言ったのかー?」ジトー
「いや何も」
〜巫女精霊移動中〜
―白玉楼
「―にしても、改めて話すことなんかあるのか? 幻想郷のルールは向こうも分かってるだろうし」
「この世と冥界を分ける結界についてよ。元々は扉みたいになってて、通る時だけ開け閉めすればよかったらしいんだけど…」
「……そういえば、くる途中なかったな。そう言うの」
「全く、どこのバカがぶっ壊したのやら」
「ふぁ、ハーックションっ!!」
「うお!? 大丈夫かいニイチャン?」
「うぅ、誰か噂してんのか?不幸だー。あ、その鶏肉下さい」
「…直せるのか、結界?」
「完全遮断なら」
「いやダメだろ!?」
チャキッ
「止まれ!此処は生ける者の来る所じゃ―
って、霊夢に士道かみょん」
「お、妖夢か。
……ボロボロだけどどうしたんだ?」
「あはは……さっき試合でちょっとボコボコにされちゃったみょん」ボロッ
「あんたも大変ね。ちなみに相手は?」
「フランだみょん」
「「は!?」」
「『最近新しい技習ったから試させて!』って…
「うわぁ……ん?キリトも剣士だよな?なんでわざわざ白玉楼に?」
「今まで全部流されて返り討ちにあったらしいみょん」
「」
「……何処を目指してるのよ、あの人間辞め人間」
「それはともかく、どうしたんだみょん?」
「冥界の結界をどうにかしに来たのよ。あのままじゃ幽霊が大量発生することになるわ」
「あー、トーマがぶっ壊したヤツかみょん。でもアレなら藍さんがどうにかするって聞いてるみょん」
「えーー!! か、完全なる無駄骨……!」
「ま、まあ、よかったんじゃないか?」
「その分謝礼とか言って毟り取るつもりだったのにぃぃ…」
「この間の西行妖の件でガッツリ持ってったくせにかみょん!?」
「ふ、ふふ、ふふふ……妖夢。
1週間蕎麦だけで生活したことがあるかしら……?」
「1ヶ月水と塩だけで生活したことがある人なら知ってるみょん」
「桁が違う!?
……って、あれ?士道は?」
「毟り取るのあたりでどっか行ったみょ」
「お・し・え・な・さ・い・よ!!」ガクガクガクガク
「ふこーだみょん!」
―魔法の森
「…霊夢の奴、金の亡者過ぎるだろ。
霊夢はきっとあのまま白玉楼で昼飯済ませてくるだろうし、オレまで御馳走になるのもなあ……」
(そういえば、妖怪の山の方には行ったこと無いんだよな。山の中は天狗が襲ってくるから入れないって聞いたけど…)
「…麓の河童がどんなのか見に行くか。キンジの話だと機械まみれらしいしな」
〜精霊移動中〜
―妖怪の山 麓
「―ほい到着っと。
にしてもデカい滝だなぁ…」
(…そういえば、修行っていえば滝に当たるっていうイメージがあるけど…)
試しに霊夢で想像してみる。
…
……
………
「うん、無いな」
(『寒い寒い懐も寒い。どうせならお湯か銭でも流しなさいよ!』とか言って直ぐに出てきそうだな)
「…えっと、盟友? 1人そんな所でニヤニヤしてどうしたんだい?」
「……」
「呆れ顔!? 私何か盟友にしたっけ!?」
「いや。幻想郷の人達は、なんで揃いも揃っていきなり側に現れるかなと思ってさ」
「それは私に言われてもなぁ」
(見たところ、小学校3、4年生くらいに見えるけど……
機械のアームっぽいのがリュックからはみ出てるし、この子がそうみたいだな)
「なあ、河童…でいいんだよな?」
「おお! そうだよ!幻想郷1のエンジニア、河童の河城にとりとは私のことさ!」
「……お値段以上?」
「外で流行ってんのかいそれ!? この間の盟友にも言われたよ!?」
「悪い、条件反射みたいなもんだ」
「どんな条件反射だよ…もうそれ売り文句にしようかな…」
「えっと、その、頑張れ?」
「あはは!心配してくれるのかい盟友?私は大丈夫だよ。それより今は盟友の方が危ないよ」
「? なんでだ?」
「いやー私も詳しくは知らないんだけどね? なんか最近新手のバケモノが、いきなり現われて天魔を襲撃したらしいんだ」
「!? 無事なのか!?」
「幸い、天魔本人は無事らしいよ」
「……本人は、か」
「友達の白狼天狗に聞いた話だと、後遺症が残るようなダメージや死人はいないらしいけど…
以来、行方が分からない奴が何人もいるんだ」
「そこは断定なのか?」
「…いなくなっちゃったんだよ。私の知り合いも1人、ね」
「…ごめん」
「盟友が気にすることじゃないさ。
それより、今妖怪の山は、同士討ちが起こるレベル極限の緊張状態だよ。麓のここも危ない」
「……分かった。離れるよ。
ああそうだ。にとり?」
「なんだい盟友?」
「落ち着いたら案内してもらってもいいか?妖怪の山」
「…ああいいさ!」
―行っちゃったか。
「…椛ー。いつまで隠れてるんだよー?」
「……人間は、信用しきれない」
「あはは……そっか、文さん盗られたk」
「〜〜〜〜!! わ、私、もう行くから!!」
バビュン!
おー早い早い。
…椛の奴、思いつめなきゃいいけど……
「ハァ…
何処行っちゃったんだよ、
はたてぇ……」
ク「……発狂者1名様ご案なーい」
あーあ。山まで敵にしたのか。
ク「ウルセェどれもこれもあのクソ風野郎が……って、オイうp主!?お前この話、24話で『士道がひたすら幻想郷のメンバーと戯れる話』って言ってたよな!? なんで妖怪の山、しかもにとりだけなんだよ!?」
おいおい白玉楼には行ったろ。
ぶっちゃけた話、士道が行ったことなくて、かつ現段階で行ける場所って、もう山くらいしかないんだよな。
ク「…地霊殿…天界…守矢神社…
あーまどろっこしい!」
という訳で、かなり短めの26話でした。ではまた次回!
補足説明
冥界の結界:もちろん細工します。
水と塩だけで1ヶ月:とある原作でそんなことを言ってたような気がする。
お値段以上:河童の科学技術は世界一ィィィィィイ!!