東方英雄伝 ~ラノベの主人公が幻想入り~ 【完結】   作:カリーシュ

20 / 56

ク「永夜抄か…うーん」
どうしたクト?
ク「…永遠亭のメンツって宇宙人じゃん」
まぁ、ザックリ言えばな。
ク「…こっちの情報(技能:クトゥルフ神話)持ってるって可能性はある?」
…流石に月から見てもゾスやフォーマルハウトは遠過ぎると思うぞ。
ク「ならいいや。
じゃ、永夜抄、スタート!」



『悪夢』の始まり
20話 永夜抄 開始


 

―数週間後 夜

―紅魔館 テラス

 

 

「…」

 

「レミリア様?どうされましたか?」

 

「…咲夜。今日の月をどう思う?」

 

「月、ですか?いつもと変わらぬ満月かと」

 

「そう……キリトと美鈴を呼んできて」

 

「承知しました」

 

 

―紅魔館 廊下

 

 

「キリト。お嬢様がお呼びです」

 

「レミリアが?パチュリーやフランじゃなくて?」

 

「はい。カリスマ状態だったので、何か重要な話かと」

 

「分かったよ」

 

「では、私は美鈴を呼んできますから先に行ってください」

 

「美鈴も?…何でだ?」

 

 

 

―紅魔館 テラス

 

 

「レミリア、来た、ぞ―!?」

 

「あら、キリト。やっぱり直ぐに気づいたわね」

 

「…この件ならそれこそパチュリーが適任じゃないか?

 

 

月が入れ替えられてるなんてよ」

 

 

「パチェには万が一に備えて、護りを固めてもらうつもりよ」

 

「…てことは、オレと美鈴を呼んだのは」

 

「異変解決よ。今回はフランも連れて行っていいわ。最悪ー能力を使うことも視野に入れて、ね」

 

「…オレら2人はむしろストッパーか」

 

「ハッキリした言い方をすると、そうなるわね。あの子の能力は、分からない事の方が多いもの」

 

「…」

 

 

「遅れました〜」

 

 

「「美鈴、遅い!!」」

 

「うぅ、すみません」

 

「まったく―ところで美鈴?」

 

「月ですか?気のせいだと思ってスルーしてましたけど、ガチですね。この空気だと」

 

「そうよ。それで、フランを連れてキリトと一緒に解決してきてほしいのよ」

 

「…マジですか」

 

「大マジよ」

 

「……分かりました。行ってきます」

 

 

バタンッ

 

 

「………頑張りなさいよ、フラン」

 

 

 

 

―博麗神社

 

 

「―しどーーー!!れーむーーー!!」

 

「何だよルーミア?」

 

「大変なのだー!月が入れ替わってるのだー!」

 

「月?…変わらないように見えるけどな」

 

「月からの妖力が全然違うのだー!」

 

「…霊夢、どうする?一応調べるか?」

 

「そうね…先に紅魔館に行きましょう。彼処が動いてるなら可能性は高いわ」

 

「私も行くのだー!」

 

「ルーミア!? 何もお前まで行くことは…」

 

「ついて行くのだー!」

 

「…分かったよ。はぐれるなよ?」

 

「そーなのかー!」

 

 

 

 

 

―白玉楼

 

 

「―大変何だよー!」

 

「お!橙だみょん!どうしたみょん?」

 

「月、月が!月が入れ替えられてるんだよー!」

 

「月が!?

 

…って、何かマズイのか?」

 

「み"ょん"!?」

 

「だよー!?」

 

「…とにかく、なんかヤバイのは分かったから移動しながらにしよう。異変だろ?」

 

 

「―それで、月が入れ替えられてるって言ったな。どういう意味だ?」

 

「そのまんまだよー。月がニセモノと変わってるんだよー」

 

「…どうやって変えるんだよ」

 

「…分かんないんだよー!」

 

「…じゃあそれはいいや。月がニセモノだと何がヤバイんだ?」

 

「月の光は妖力と一部魔力の元なんだよー。それがいきなり変わったら、妖怪は怒って暴れるんだよー。万が一人里で暴れたら大変なんだよー!」

 

「一部まだよく分かんねえけど、取り敢えず分かった。急ぐぞ!」

 

「みょん!飛べないトーマは走るペース考えるみょん!」

 

 

 

 

 

―魔法の森 霧雨魔法店

 

―カランカラン

 

 

「お!誰か来たんだぜ?」

 

「こんな夜にか?一体誰が―って、げ」

 

「げ、とは何ですかげ、とは」

 

「…誰なんだぜ?」

 

「貴女とは初めましてですね。犬走 椛。妖怪の山で歩哨をしています」

 

「…白狼天狗がこんな遠くまで何のようだ?」

 

「やはり気づいていませんでしたか。

 

…月がニセモノに変わっています。そのせいで今、妖怪の山は混乱しています」

 

「…今が攻め時?」

 

「アンタどれだけ文さん嫌いなの!?あ―ゴホンッ!

 

…攻め時では無くて、異変の解決を依頼しに来ました」

 

「ちょっと待て。妖怪の山―てことは天狗だろ?連中が誰かにものを頼むなんて、想像出来ないぞ」

 

「それに、なんでココに依頼に来るんだぜ?普通、霊夢にするんだぜ」

 

「私の能力で確認したところ、博麗神社、紅魔館、共にもう察して出ました。白玉楼も、冥界の切れ目から庭師達が出てきています。

 

…約1名、出てくると言うより落下していると言った方が正しいようですが」

 

「完っ全に出遅れたんだぜ!?」

 

「…で、天狗の意見は?」

 

「…今回の妖怪の山からの依頼は、正確には違います。この異変に関しては、その依頼の次いでです」

 

「異変が次いで…なんだぜ?」

 

「最近、幻想郷で行方不明者が続出しているのは知っていますか?その調査です」

 

「…いや、ぼちぼちいるのは知ってるが、続出なんてのは初耳だ」

 

「妖怪の山からも、何人か消えてしまいまして。実力者の鴉天狗まで被害にあったので、上層部が事態を重く見ました」

 

「尚更、なんでここなんだ?霊夢か、それこそ大老クラスの仕事だろ」

 

「…本当に何も知らないんですね」

 

「?」

 

「その大老クラスからも出てるんですよ。行方不明者」

 

「!?」

 

「マジなんだぜ!?」

 

「はい。スキマ妖怪に、フラワーマスター。以前からなので無関係でしょうが、常闇の妖怪もです。現在無事が確認されているのは、天狗の頭首様、西行寺の亡霊、天界の者ですね。ハッキリしないのは、地底の悟りと閻魔です」

 

「フラワーマスター――幽香もなんだぜ!?」

 

「そういう訳です。

 

―引き受けてくれますね?」

 

「…脅しは止めとけ。お前は顔に出やすい。

 

 

―分かったよ。ただ期待はするな」

 

「…ありがとうございます」

 

 

「それで、どうするんだぜ?」

 

「まずは異変だ。向かうなら―人里だな。ルールを忘れた連中が攻め込んでるとも限らない」

 

「オーケー!乗るんだぜ!飛ばすぜ!!」

 

 

 

 

 

 

〜巫女宵闇精霊妹門番剣士組〜

 

 

―魔法の森 人里付近

 

 

「急ぐのかー!急ぐのかー!」

 

「ちょっ、ルーミア!?待ちなさい!」

 

「待てないのだー!ヘンな匂いが人里からするのだー!」

 

「だからってそんなに急ぐと―」

 

 

ゴチンっ

 

 

「なのかー!?」

 

「痛ーい!?」

 

「…ホラぶつかった」

 

「霊夢さーん、痛そうな音がしたけど大丈夫ですか?」

 

「私はね。ルーミアの前方不注意よ。

 

……ていうか男2人。恥ずかしくないの、そのカッコ」

 

 

「ウルセェ霊夢。オレはそんなスピード出ないんだよ」

 

「士道さんって、見かけより軽いですよね」

 

「うるさいうるさいうるさーい!!」

 

「脇に抱えられてる状態じゃただの駄々っ子になってますよ」

 

「うぅ…」

 

 

「」

 

「れいむー。パチュリーの本で読んだんだけど、お姫様抱っこってコレであってる?」

 

「その抱えられてる顔真っ赤な黒い人に聞いたら?ぷぷっ」

 

「……フラン、恥ずいからそろそろ降ろして」ボソボソ

 

「ヤダ!」

 

「」

 

 

「痛い、のかー」

 

「うぅ、タンコブが…」

 

「あれ?ミスチーなのかー?」

 

「そう言うあなたはルーミア?どうしたのよ、そんなに急いで」

 

「そうなのだー!人里から変な匂いがするのだー!急ぐのだー!」

 

「ちょっと待ちなさいルーミア。

 

…後ろにいるのって、人間?」

 

「? そーなのだー」

 

「…ルーミア。

 

 

ー1人か2人、置いてってくれない?

 

今夜は何だか、血が騒いじゃって…!」

 

「!? ダメなのだー!」

 

「ねぇ…いいでしょ…ひと齧りくらい…!」

 

「…ルーミア、どきなさい。墜とすわ」

 

「ダメなのだー!ミスチーは友達なのだー!

 

―私がやるのだー!」

 

 

 

〜宵闇祈祷中〜

 

 

 

「ミスチー、目を覚ますのかー!

 

夜符『ナイトバード』!」

 

「ルーミア…お願い…

 

夜雀『真夜中のコーラスマスター』!」

 

「ダメったらダメなのだー!

 

しどーは…絶対に齧らせないのだー!」

 

「ルーミア…」

 

「私の分なのだー!」

 

「人の感動を返せ!?」

 

「…

 

『ブラインドナイトバード』」

 

「はわっ!?不意打ちはヒドイのかー!」

 

 

ピチューン

 

 

 

「なのか〜…」

 

「あは、あはは!今なら霊夢だって斃せる気がするわ!」

 

「…ルーミア」

 

「ケガさせちゃ、ダメなのだー…

 

ミスチーは友達、なのかー…」

 

「…分かってるわよ。ちょっと弾幕ごっこで力の差を再認識させるだけよ」

 

 

〜巫女戦闘中〜

 

 

「…しどーは何でめーりんの脇に抱えられてるのかー?」

 

「ルーミアたちが置いてくからだろ!?美鈴、そろそろ降ろしてくれぇ!!」ジタバタ

 

「ハイハイ分かりm」

 

「私が持つのだー!」

 

「え、ちょ、ルーミア!?何考えてるんだよ!?」

 

「…ああ、そういうことですか」

 

「美鈴なに1人で納得してんだよ!?そしてなんでにやけてる!?ルーミア、考え直して―」ガシッ

 

「獲ったのかー!!」

 

「ルーミア字が違う!?」

 

「…? めーりん、しどーがおっきくて抱えられないのだー」

 

「んー…フランさまみたいに横向きならどうですかね?」

 

「オイマジで辞めろなにが悲しゅうて身長半分くらいの女の子にお姫様抱っこされなくちゃいけないんd」

 

「しどーの顔が近いのだー」

 

「…お願い、降ろして//」ボソボソ

 

「わはー」

 

 

カプっ

 

 

「!?!?!?」

 

「おひひいもくゎー(訳:美味しいのかー)」

 

「…首を甘噛みって、それは恥ずかしいですね。

 

そういえば、キリトさんが静かな気が―」

 

 

振り向いた美鈴の視界に入ったのは―

 

 

「――」チゥチゥ

 

「フランっ、血を吸うん、やめ、」ビクッビクッ

 

「」

 

 

―首筋からキリトの血を吸いまくっているフランの姿だった。

 

 

 

―ちょっと前から

 

 

「…」

 

「…えっとフラン?オレの顔に何か付いてるか?」

 

「…」

 

 

(キリトは、外から来た人で、

 

いつかは帰っちゃうってお姉さまが言ってた。だから、頑張りなさいって)

 

 

「…おーい、フラン?」

 

「…」

 

 

(…フランのそばから、離れて…)

 

 

「フラーン?…ラグってる、は無いよな」

 

 

(―キリトのことを離したくない(ヒトジャナクナレバ、ソバ二イテクレル?))

 

 

「…」

 

「…なんか近付いてないか?フラン?どうなってr」

 

 

ガプッ

 

 

「痛、い!?」ゾクゾクッ

 

「――」チゥチゥ

 

「フランっ、血を吸うん、やめ、」ビクッビクッ

 

「」

 

「フランっ、何か変な感じ、がっ」

 

(血吸い過ぎだろ!何だか、あたまがぼーっとして、き、)

 

「ちょ、妹様!?それ以上はまずいですって!」

 

バッ

 

「――?アレ?キリトは?」キョロキョロ

 

「」チーン

 

「…士道といいキリトといい、私がミスティア撃墜してる1、2分の間に何があったのよ?」

 

 

(結局美鈴が2人とも持ってった。)

 

 

 

 

 

 

〜魔法使い武偵半霊猫又幻想殺し組〜

 

 

―人里

 

 

「…まだ襲撃はないみたいだな」

 

「無いに越したことは無いんだよ―」

 

「ならちゃっちゃと元凶潰しに行くんだz」

 

 

ズドンッ!

 

 

「「「だぜ!?」みょん!?」だよー!?」

 

「い、今のは何でせうか!?」

 

「この方向は、ー里の門近くなんだぜ!」

 

 

 

―人里 門

 

 

「…こりゃあ、一体、」

 

「何が起きたんだよー!?」

 

 

魔理沙達の前には、クレーターが出来ていて、その中央には、―

 

一頭の『獣』がいた。

 

 

「…女の人、なんだよー?」

 

「でも、あそこまでヒトに似たヤツなら、普通かなりの知性があるハズみょん。考えナシに地面を陥没させたりなんて―」

 

「――」

 

「…目が合っちゃったみょん」

 

「ツノが無ければ怖くなかったかもな。不幸だー」

 

「…もしかして、慧音なんだぜ?」

 

「? 知り合いか?」

 

「私が人里にいた頃、何度かお世話になったんだぜ」

 

「―!?その声は、魔理沙、か!?」

 

「やっぱり慧音なn」

 

「今の!私に!近づくな!!」キーン

 

「うお!?」

 

「…すまない、ただ…身体のコントロール、がっ―!アアアァァァ!!」

 

「…なあ橙、あれって月の影響でいいんだよな?」

 

「たぶんそうなんだよー」

 

「じゃあ、俺の右手で触ったら、あの人はどうなる?」

 

「………変身が解けるかもしれないんだよ?」

 

「よし、やるか!キンジ、手伝ってくれ」

 

「スペカじゃいけないのかよ」

 

「スペカ用の弾幕じゃあ抑えきれないだろ」

 

「…分かったよ。ちょっと待て。――

 

おし、『なった』」

 

「それじゃあ、始めるぞ!」

 

 

 

〜武偵幻想殺し祈祷中〜

 

 

 

「ーーーー!」

 

慧音の拳が真っ直ぐにキンジの腹部へと伸びる。

 

が、

 

「タメが長いし、振り抜きの動作にも無駄が多い。戦い慣れてない女性の手は、開かせてあげるものと俺は思うけどね。『橘花』」パシッ

 

「」

 

「おい当麻、止まってると当たるぞッ!」

 

「…話には聞いてたけど、性格変わりすぎだろ」

 

「…」

 

(…グゥの音も出ないな)

 

「ーーーー!!」

 

「おっと」パシッ

 

 

慧音の両拳を受け止める。

 

しかし、そのまま押し合いになってしまった。

 

 

「ーーーー!!」

 

「グッ…!当麻、早めに頼む!流石に力比べは分が悪い!」

 

「分かってーうお!?危な!」

 

「ーーーー!」

 

(む、胸ぇぇぇ!?)

 

 

慧音が、上体を仰け反らせ、ツノで上条を下がらせると―

 

全力で振り下ろした!

 

 

ブォンっ!!

 

ゴキィィイ!!

 

「しまっ―イデェ!!」

 

「ー!?」くらっ

 

「!? チャンスか!?おりゃあ!」

 

 

パキンッ

 

 

 

「ーーァァぁぁ、あ…」ドサッ

 

「慧音!大丈夫なんだぜ!?」

 

「…私は、大丈夫、だ。それより、私が頭突いてしまった、彼、は、」

 

「!! そうなんだぜ!キンジ!?」

 

 

「うぐぉぉぉ……橘花が間に合ってなきゃ死んでた…」

 

「…お疲れさまでせう」ポン

 

パキンッ

 

「「あ」」

 

 

「…こちらが痛くなるくらい思い切り頭突いたのだが」

 

ウチの一家(遠山家)は、代々頭突きが切り札になるくらい石頭だからな。多分それで」

 

「ハクタクより頭が硬いのか!?」

 

「…?」

 

「獣の妖怪の一種なんだよー」

 

「」

 

「…噂以上の人外でせうな」

 

 

 

 

「ところでキンジ、なんでさっきはマトモに喰らったんだぜ?」ゴゴゴゴゴ

 

「えーと、あのだな、」

 

「……胸か?胸なんだぜ?」ボソッ

 

「? どうしたんd」

 

「恋符『マスタースパーク』!!」

 

「なぜだあぁぁぁぁぁ…」

 

 

ピチューン

 

 

「…竹林の方に吹っ飛んでったんだよー」

 

「…ビリビリみたいだな。攻撃といい理不尽さといい」

 

「…ええと、魔理沙?頑張れよ」

 

「何をなんだぜ?ていうかうっかりマスパ撃っちゃったんだぜ!」

 

「…うんまあ、若いな」

 





ク「…うp主、椛の言ってる、落下してる奴って、」
もち上条。そもそも自機組で身一つで飛べないのはアイツだけ。
ク「…ん?でもキンジが魔理沙の箒の後ろに座ってなかったっけか?」
キンジ曰く、「ほっとくとブレーキ0で着地するから」だとさ。
ク「…それだけ聞いたら天子みたいなヤツだな。それと、キリトはどうなってるんだ?吸血鬼に直で吸われてたけど?」
セーフ。全部吸われたわけじゃないし。例え吸われてたとしても、それだけじゃゾンビになるのがオチ。
ク「…フランェ」
ただし吸われた側の合意があればその限りではない。
ク「…すると?」
キリトの種族人外フラグが立った。
ク「フランっ!?」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。