東方英雄伝 ~ラノベの主人公が幻想入り~ 【完結】   作:カリーシュ

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プロローグ
1話 主人公の幻想入り


 

―??神社前

 

―此処は何処だ?確かオレは、ちゃんと自分のベッドで寝たはず…

 

五河士道は、重い瞼を開けると、そこは見慣れた自室―ではなく、雪国―など勿論なく。

 

「はく…れい…神社…?聞いた事もない所だな」

 

それにしても紅葉が綺麗だな。桜の木が少し寂しい事になってるけd―は?

 

「ちょっと待て桜の木ぃ!?」

 

今日って確かもう春だよな!?なんで紅葉が!?

よく見れば、装いもパジャマでは無く、つい先日入学が決まった高校の制服だった。

 

「おおお落ち着け! こーいう時は誰かに聞けば―」

 

周りにあるはひたすら木、木、

そして正面に寂れた神社。

 

「どうすりゃいいんだよ…取り敢えず人が居そうなのは神社か?」

 

 

〜精霊移動中〜

 

 

―博麗神社

 

「鳥居はくぐった訳だけど、人の気配が全然無いな…?

―ん?」

 

ふと目に入ったのは、異様な気配を持つー

 

「賽銭箱……だよな?」

 

なんか執念というか怨念というか、殺気のようなものを感じるんだが。

 

「…せっかくだから幾らか入れていくか。

―しまった。 この間、月末だからって細かいの全部貯金箱に突っ込んだんだった」

 

若干後悔しつつ、それでも一番額の小さい500円玉を放り込み―

 

 

パシッ

 

「ぃいヨッシャァァッ!!500円!ゲットォォォオ!!」

 

「」

 

 

―賽銭箱の中から、腕が出てきた。

 

 

「あらいらっしゃい参拝客ねようこそ博麗神社へお茶でも飲んでく?それより見た感じ外来人ね賽銭入れるなんて良い心掛けじゃないきっと良いことあるわよ」

 

賽銭箱からは、脇が大きく開いて裾が別になっている紅白の巫女服を着た少女が出てきた。

…寒くないのだろうか。 それより物理的にも骨格的にも、どうやって賽銭箱に入ってたんだ?

 

「…えっと、ドウモ?

あの、此処が何処か教えて欲しくて」

 

「あら、良いわよ」

 

 

〜巫女説明中〜

 

 

―博麗神社 縁側

 

「―まあ、こんなところかしら」

 

「…」

 

幻想郷。人の他に妖精妖怪怨霊幽霊神がいる、二重の結界で隔離された『忘れ去られた存在』の場所。

 

「……じゃあ、オレは忘れられたってことか?」

 

「それか、むこう側で言う神隠しにあった場合ね」

 

神隠し……ジブ○映画で出てきたアレか?

 

「帰る方法はあるのか?さっき博麗さんが、現実と幻想郷を隔てる結界の管理者の片方って言ってたけど」

 

「霊夢で良いわよ。

うーん…それが、今何故か結界が管理を外れて自立している状態で…紫も最近見かけないし……早い話、誰も出入り出来ない状態(・・・・・・・・・・・)なのよ。日付がズレているのも多分そのせい」

 

「……オレの事を疑わないのか? 今の話を聞く限りは、幻想入り?出来たオレはおかしいってことになるけど?」

 

「それは考えてないわ」

 

「……何でだよ?」

 

「それはね―」

 

腕を組んで、ドヤ顔で―

 

「―カンよ!!」

 

―トンデモナイことを言ってくれたよ、この巫女。

 

「は!? カン!? んなアバウトな!?」

 

「いいのよ。 私のカンは当たるから」

 

「だーかーらー、それがアバウトなんだろぉぉぉぉお!?

て言うかさっきはツッコまなかったけど、お前どうやって賽銭箱に入ってたんだよ!?」

 

「え? それはもう、ぎゅっと…

説明するのも面倒くさいから、入ってみなさいよ。 思ってるより快適よ」

 

「普通無理だから!? だとしても何で賽銭箱!?」

 

「お金は大事よー。 なんのご利益があるか分からない神さまに祈ってもお腹は膨れないし」

 

「それでいいのかよ!? お前一応巫女だろ!? 言ってることは正論かもしれないけど!?」

 

「そもそも、幻想郷には神さまだって溢れてるのに、何でウチのは姿眩ましてんだか」

 

「前言撤回そういえばココ人外魔境だった!? 神さまいんじゃん!?」

 

「うるさいわね。 賽銭いれて無きゃ今頃お祓い棒でド突き回してるわよ」

 

「なにこの巫女さん!?

一般的な巫女からかけ離れ過ぎだろ!?」

 

「外の常識なんて知らないわよ」

 

「………なんかもういいや」

 

ツッコミ疲れた………

 

 

 

 

「―さてと、これでも結界の管理を任されてるんだし、何か心当たりはないかしら? お姉さん話くらいは聞いてあげるわよ? 変なBBAに会ったとか目がそこらじゅうにある空間にボッシュートされたとか紫色のBBAに会ったとか」

 

「お婆さんになんの恨みがあるんだよ。 後お前多分オレより歳下だろ。身長も低いs」

 

バキっ

 

 

「で、思い当たることは?」

 

「お祓い棒で人を殴るな。

…可能性としては低いけど、もしかして空間震に巻き込まれたのか?」

 

「何よ、その『くうかんしん』って?」

 

「詳しくは分かってないけど、突発的に起こる『空間の揺れ』でな、余震があるからそれで避難ー」

 

「ちょっと待って!私今まで何人か外来人に外の話を聞いたことあるけど、『くうかんしん』なんて単語1回も出てきたことないわよ!」

 

「なっ!?」

 

「…もしかして、結界の異変と関係があるのかしら?今度いっぺん紫をとっちめて聞き出さないと」

 

……帰るまでに時間がかかりそうだな。

―幻想郷、か。どうやって生きていこう?

 

「ところで、士道はこれからどうするの?」

 

「ああ、その人里ってところでなんとかしようと思ってる。

これでも家事全般出来るしな」

 

「そのことなんだけど、ちょっと試してみたいことがあるのよ」

 

「?何だ?」

 

「手を前に出して、こう、エイって、力を込めるような感じ?をやってもらっていい?」

 

「何で疑問形なんだよ」

 

言われた通りにやってみる。

何時ぞやの黒歴史の時みたいに、掌に血液が集中するイメージで……

 

力むために目を瞑っていたら―

 

 

「わ、ちょ、士道!? やり過ぎやり過ぎ!」

 

「へ……ヘャ!?」

 

右腕が砲門になってました。マル。

なんか先端から光ーというか炎が漏れてるのは多分幻覚だ。

というか思いっきり溢れてる。

 

「どうすんだよコレ!?いかにも発射5秒前なんだけど!?」

 

「わ、私に聞かないでよ!」

 

「じゃあどうしろってー」

 

ドンッ

 

ごくシンプルな爆音をたてて砲が暴発、ビームが発射された。

とっさに真上に向けたおかげで被害は無かったが。

 

 

「…」

 

「…」

 

「…士道」

 

「…何だよ」

 

「アンタココで働きなさい」

 

「何でそうなる!?」

 

「だってスッゴイ霊力じゃない!何よアレ!?幽香のマスパ並に火力あるじゃない!カンで霊力あるのは何となく分かってたけど!」

 

「ちょと待てココで働くってことは、」

 

「当然―異変解決も手伝ってもらうわよ!じゃあまずはスペルカードルールを教えないとね!」

 

「オレの意見は?」

 

「無い!!」

 

「デスヨネーじゃねえよ!HA☆NA☆SE!」

 

「I☆YA☆DA!」

 

 

〜巫女精霊を連行中〜

 

 

 

 

 

―ちょっとだけその後。

 

「……お前、ここ最近どんな飯食べたんだ?」

 

「えっと、水増ししか食べてないわよ?」

 

「……金出すからなんか人里で買ってこい。 出来るだけ常温で日持ちする奴」

 

調理器具すらボロボロ……どんな生活してたんだよ?

 




どうもおはこんばんちわ。
カリーシュです。

ここまできて思ったこと…
…結構、大変だコレ…
三桁話書いてる人はガチで尊敬します。

一応補足。
デアラは原作前なので、士道はイフリートの能力のみ持っています。

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