if~刹那君は操縦者~   作:猫舌

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けじめフレンズ・・・鉄血のオルフェンズも終わってまう・・・。
オルフェンズのED聞いてると涙腺がマジで崩壊するんですけど。
OPに彼岸花でEDにフリージアはアカン。
獣は居てものけものは居ない。ただしイオク、テメーは駄目だ。


第15話

刹那サイド

 

 

あの地獄の様な臨海学校から帰って来た僕達は、もうすぐ夏休みに突入しようとしていた。だが諸君、よく考えて欲しい。夏休みの前にはある一つのイベントが存在する事を。それは・・・。

 

 

「刹那!勉強を教えてくれ!」

 

「帰れ」

 

 

定期テストである。

傷も完治して、白鋼の整備も終わった僕は自室で勉強しようと荷物を纏めた瞬間、織斑が目の前に駆け込んで来た。勿論、僕はそれを一蹴する。

だって織斑に教えてると自分が勉強できないし・・・。

 

 

「頼む!今回のテストで赤点取ったら補習なんだ!」

 

「篠ノ之さんとか鈴に教えてもらいなよ。幼馴染なんでしょ?」

 

「箒は自分の勉強が忙しいって言うし、それに鈴は最近付き合い悪いんだよ」

 

「そうなの?」

 

「そうなのって・・・よく刹那と話したりしてるじゃないか」

 

「友達なら普通だと思うけど」

 

 

織斑の言葉に僕は首を傾げる。確かに、最近はよく一緒に食事をしたり、ISの訓練をしたりしたけど・・・。

 

 

「兎に角、俺に勉強を教えてくれ!」

 

「無理。夏休み、頑張ってね」

 

 

必死な織斑を無視して教室を出る。セシリア達も今日は自室で勉強を頑張るそうな。明日は皆で勉強会だ。進まない予感がするから今日の内に少しでも勉強しようと廊下を歩きだす。

すると突然、誰かに後ろから抱き付かれる。背中には柔らかい感触を感じ、お高いシャンプーか何かを使っているのか無駄に良い匂いがした。そして耳元に微かな吐息と声がした。

 

 

「坊や、模擬戦の日程がようやく決まったわ」

 

「・・・藤原さん。普通に話し掛けられないのかな?」

 

「ごめんなさい。貴方の反応が可愛くて、つい」

 

 

そう言って藤原さんが僕から離れる。色々言いたい事はあったが、言い出したらキリがないので、本題に入る。

 

 

「それで?何時やるの?」

 

「今からよ」

 

「・・・はい?」

 

「だから、今からよ」

 

 

そう言って藤原さんは微笑んだ。

 

 

 

 

 

~30分後[アリーナ]~

 

 

「準備は良いかしら?」

 

「良いよ」

 

 

僕はラファールをジャンク・ウォリアーで展開して、学園で貸し出している方のラファールを展開している藤原さんと向き合った。

ラファールとラファールって分かりにくいな・・・。

 

 

「ようやく貴方と戦える。さあ、貴方の全てを私に見せてちょうだい!」

 

「流石に本気を出す訳には行かないけど、なるべく君のリクエストには答えるよ」

 

「なら、本気を出させるまでよっ!」

 

 

試合開始の合図が鳴った瞬間、藤原さんが先制射撃を開始した。両手に持ったマシンガンから弾丸が放たれる。僕はそれを避けながら接近する。そして右手のスクラップ・フィストを構える。

だが、突如その拳は弾かれた。あのマシンガンの威力ならば弾かれる筈は無い。そう思いながら藤原さんへ目を向けると、彼女の持っていたマシンガンの一つがショットガンに変わっていたのだ。僕とラファールでも気付かないレベルの早撃ち。その実力に僕は思わず笑みを浮かべてしまった。

 

 

「どう?本気を出す気にはなったかしら?」

 

「・・・良いね。久しぶりに骨のある人と戦えるよ!」

 

「っ・・・!」

 

 

此処最近、決まった人達と模擬戦しかしていなかった僕は正直不完全燃焼だった。だが、今目の前に僕をワクワクさせる様な相手が居る。思わずテンションが上がってしまうのは仕方ない。

 

 

----マスター、楽しそうだね。

 

----ちょっと、いや、かなりワクワクしてる。

 

----あまり無茶しないでね。病み上がりなんだから。

 

----分かってる。

 

 

脳内での会話を切った瞬間、ラファールの装甲が姿を変える。

黄色の装甲と、両腕にショベルとドライバーを模した武装が展開され、背中にはウイングパーツが取り付けられる。

これがラファールの形態の一つである《パワー・ツール》だ。

 

 

「また私の見た事の無い形態ね。幾つあるのかしら?」

 

「そこは企業秘密で。それじゃあ、行きますか!」

 

 

パワー・ツールのワンオフアビリティーを発動すると、頭上に三つのエネルギー球が現れた。そしてそれらはグルグルのその場を周り出す。そしてその内の一つが破裂して、中から武装が飛び出した。

ドリルと丸型のチェーンソーで構成されたそれは、パワー・ツール専用装備《ダブルツールD&C》だ。両手の武装と換装させて構える。

ランダムに機体に登録された武装を装備するワンオフアビリティー《パワー・サーチ》。

一見ただのルーレット形式に見えるこの能力。実は自分の受けるダメージを代わりに武装を破壊する事で無効化出来るのだ。またパワー・サーチで武器は手に入る。それぞれの武器を三機ずつ積んでいるので、運が良ければ選択肢が全て同じ武装になる可能性もある。

 

 

「せいっ!」

 

「くっ!(さっきよりも早い!)」

 

 

左手のチェーンソーで攻撃すると、藤原さんは小型のシールドを装備して防御する。

ギャリギャリと火花を散らしながらシールドへと刃が喰い込んで行く。そして見事にシールドを切断すると同時に左腕の装甲にも皹が入り、それは他の部分にも広がって行く。そろそろ彼女のSEが切れる頃だろう。

 

 

「やっぱり貴方は私が見込んだ通りの男だわ。もっと欲しくなっちゃった」

 

「残念ながら僕は今の所、恋愛に興味は無いんだ。他を当たってくれると嬉しいな」

 

「あら、振られちゃった。でも諦めないわよ。必ず貴方を私の物にしてみせるから」

 

「期待せずに待ってるよ」

 

 

その会話を最後に、藤原さんの機体のSEが0になり、試合が終了した。

互いにISを解除して、手を握り合う。

 

 

「さっきはあんな事言ったけどまた、戦ってくれるかしら?」

 

「ああ、何時でも」

 

 

こうして持ち越されてた僕と藤原さんの模擬戦は僕の勝ちで幕を閉じた・・・。

 

 

~数時間後[自室]~

 

 

「・・・」

 

 

食事と風呂を済ませた僕は、イヤホンを耳にしてお気に入りの曲を聞きながら無言でノートにペンを走らせる。会長も僕の隣で勉強をしており、普段とは違った真面目なッ表情を見せる。

誰にも邪魔されないこの空間では、凄く勉強が捗る。そりゃあ、もう捗る。

 

 

----マスター、構ってください。

 

----暇だぞ、主殿。

 

----ええっと・・・ごめんね、マスター。

 

----うん、知ってた。

 

 

脳内に声が響く。なんとなく予想はしていたので、休憩がてら冷蔵庫から水を取り出して飲みながら会話をする。

 

 

----五分だけね。そしたら残りやるから。

 

----では、何気ない世間話を。

 

----はいはい。何ですか?

 

----福音事件の犯人を馬鹿兎が潰しました。

 

 

「マジでなにやってんの!?」

 

「ふ、不動君?どうしたのいきなり?」

 

「あ、ごめんなさい。ちょっと幻聴が聞こえただけなので」

 

「大丈夫じゃないわよそれ!?不動君、今日はもう休みなさい。分からない所があれば、明日の勉強会で教えてあげるから」

 

「それじゃあ、お言葉に甘えて。お休みなさい」

 

「ええ、お休みなさい」

 

 

歯磨きをしてから僕は布団に入って会話を再開する。正直、続きが気になって眠れない。

 

 

----さて、どう言う事かな?

 

----あの後、馬鹿兎が独自に犯人を探してカチコミしたんです。

 

----映像を見たが、それはもう凄かった。

 

----人ってあんなに飛ばせるんだね。

 

----なにそれkwsk。

 

 

すると頭の中に映像が流れだす。セシア達に記録された映像が僕に共有されたのだ。映されたのはとある浴室。そこに一人の人物が入って来る。白い髪に赤い目の人物が鼻歌を歌いながら体や頭を洗った後、湯船に浸かってリラックスしている映像だった。

うん、どう見ても僕ですね!

 

 

----やっべ、間違えた。

 

----セシア暫く部屋に置き去りにするから。

 

----本当にすみませんでした。

 

----綺麗な土下座だな。

 

----うわぁ・・・。

 

----ラファールのそんな目、初めて見た。

 

----この冷たい視線・・・ちょっと良いかも。

 

----反省しろこの変態ISが。

 

----はぅんっ♡

 

 

僕の言葉に何故か嬌声を上げたセシア。それから映像が切り替わり、ちゃんとした映像になる。そこは何処かは分からない施設の内部。束の視点であろうカメラの映像が進みだす。

すると、見張りなのかドアの前に数人の女性が銃を持って立っていた。その前を通り過ぎるが相手は気付かない。大方、迷彩システムでも使ったのだろう。束なら余裕だ。

気が付けばとある一室の前で止まった。そしてそのドアを・・・

 

 

『はい、ドーンッ☆』

 

 

あろう事か素手の拳で破壊した。なんてダイナミックな入室なんだろうか・・・。

土煙が晴れると、そこにはISを展開した数人の女性が居た。

 

 

『し、篠ノ之束?』

 

『篠ノ之束だよ!この中で、福音を暴走させたり、IS学園に無人機を送り込んだのはぁ、誰かなぁ?』

 

 

画面越しでも分かる位の殺気が束から流れ出す。話し方こそ何時もの束だが、絶対に目が笑っていない事が予想出来た。

そんな束に対して、女性達のリーダーらしき人物が命知らずにも白を切った。

 

 

『一体なんの事だか分かりません。何かの誤解なのでわ?』

 

『そんな事も分からないと思った?・・・調子に乗ってじゃねえよ虫けらが』

 

『っ!?』

 

『束さんはね、ISの開発者であり母でもあるんだよ。自分の娘には愛情があるし、軍とか筋の通った目的だったら別に文句は言わないよ。でもさ、君達みたいなただ力を振り回すだけの馬鹿共に好き勝手されるのは我慢ならないんだよ』

 

 

それからはもう酷い物だった。ISを展開した女性達を素手でバッタバッタと薙ぎ倒し、挙句の果てには顔面パンチで空の彼方へと吹き飛ばしたのだ。

それを僕はポカンとしながら眺めていた。そして施設を壊滅させた束は一息吐いていた。

組織の構成員は全員半殺しにされた後、束の発明品か何かによって記憶を改変された状態で近くの病院に放り込まれた。

 

 

『そろそろ帰ろっかな~。なんでも鑑定団の再放送始まっちゃうよ』

 

 

そう言って、束は人参の形をした乗り者に乗ってその場を後にした。此処で映像は終わっている・・・。

 

 

----どうです、マスター?

 

----束さんマジかっとビング。

 

 

彼女には一生掛かっても勝てない気がした。その後、疑問も解消した僕はあっさりと意識を手放した。この日はセシア達の空間にお邪魔する事は無かった・・・。

 

 

~翌日[図書室]~

 

 

翌日の放課後、僕とセシリア、シャロ、ラウラ、簪、会長、のほほんさん、鈴の8人は図書室の机で教材を開いていた。

織斑は篠ノ之さんのISの特訓に巻き込まれますた。

福音戦で僕が倒れた後、篠ノ之さんの専用機である赤椿は結果没収されなかった。代わりに武装が殆ど取り外され、耐久も落ちた。残った武装は二本の刀のみ。今の彼女の専用機は打鉄の性能と大差無い状態だ。

そしてその原因が僕にあると篠ノ之さんにめっちゃ怒鳴られた後に治り掛けの腹部を殴られた。解せぬ。

 

 

「さて、それじゃあ始めようか」

 

「簪ちゃん、不動君、分からない所ない?お姉ちゃんが手取り足取り腰取り教えてあげる」

 

「お姉ちゃん、ちょっと黙ってて」

 

「会長、シャラップ」

 

「はい・・・」

 

 

ショボンとする会長に苦笑いを浮かべながら僕達も勉強を始める。暫くすると、セシリアに質問される。

 

 

「刹那さん、此処の問題がよく分かりませんの」

 

「ああ、此処はね・・・」

 

「なるほど。ありがとうございます」

 

「いえいえ。あ、僕も此処を聞きたいんだけど」

 

 

セシリア達は古文と言った類の教科が苦手らしく、簪とのほほんさんは英語が苦手だった。僕は少し自信の無かったISに関する基礎学等を教えてもらう。自分の動きに癖が出て来るとそう言うの忘れる時があるんだよね。気を付けなきゃ。

暫くして、辺りを見回すと何時の間にか人が居なくなっていた。どうやらかなりの時間居たらしい。

 

 

「あら、もうすぐ図書室も閉まるわね」

 

「それじゃあ、今日はこれでお開きかな」

 

「では刹那。夕食を食べに行くぞ」

 

「別に良いよ」

 

 

ラウラに手を引かれ、食堂へと向かう。取り敢えず部屋に荷物を置きたいんだけど。

臨海学校以来、ラウラのアプローチが積極的になった気がする。事あるごとにキスされたり、下着姿の自撮りが送られて来たり、この前は布団の中に入ってた。

当然、会長に見つかり説教。何故か僕の貞操は会長が貰う事になっていた。解せぬ。

荷物を置いた僕とラウラはセシリア達と再び合流してから食堂へ向かった。食券を渡して、出て来た料理を持って席に座る。

 

 

「相変わらずの食欲ね、アンタ」

 

「此処の食事が美味しいのが悪い」

 

「今日もプリンおまけしてもらってたもんね」

 

「・・・女子としては複雑」

 

 

鈴、シャロ、簪が僕を見ながら頬を引き攣らせる。セシリア達も苦笑いしていた。唯一、のほほんさんだけがボーッとしていた。そしてこんな事を言い出す。

 

 

「ふーちゃんのお嫁さんになったらご飯が大変だね~」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

「ああ、確かに」

 

「だから、ふーちゃんのご飯は私が作ってあげる~。これでもお料理は得意なのだ~!」

 

 

そう言ってのほほんさんは偉そうに胸を張る。僕もくすくすと笑いながら相手のおふざけに答えた。

 

 

「それじゃあ、お願いしようかな?」

 

「ふへっ!?」

 

「ふへ?」

 

「せ、刹那さん!食事でしたら私が毎日作りますわ!」

 

「因みにサンドイッチ以外のレパートリーは?」

 

「この前、野菜炒めを覚えました!」

 

「レパートリーが無さ過ぎ。却下」

 

 

のほほんさんが奇声を上げて顔を伏せる。そしてセシリアが何故か張り合い出した。

流石にサンドイッチと野菜炒めだけで毎日過ごせとか地獄すぎる。

 

 

「私なら色んな中華料理を作れるわよ」

 

「僕日本食が食べたいから、それは織斑に作ってあげなよ。僕は君を応援してるからさ」

 

「(オワタ・・・)」

 

「ぼ、ボクも料理頑張るね!」

 

「うん、頑張って」

 

「そうじゃなくてぇ・・・!」

 

「刹那、料理はせずとも軍用レーションと言う物があってだな」

 

「ごめん無理。あれ一回だけ食べたけど毎日は嫌だ」

 

「そうか・・・ならば刹那の嫁として料理の訓練に励むしかないな!」

 

 

そう言ってラウラはグッと拳を握った。彼女の中では最早僕に嫁ぐのは確定らしい。

 

 

「だったらこの生徒会長である私が、不動君の食事を保証してあげるわ」

 

「聞きますけど、どんな物を作れますか?」

 

「鰻の蒲焼にレバニラ炒め、ニンニク料理は大半作れるし・・・これで不動君に夜の模擬戦を・・・!」

 

「誰か摘み出せ」

 

「お姉ちゃん、ちょっと校舎裏行こう?」

 

「簪ちゃん!?」

 

 

簪は会長を連れて食堂を出て行き、一分もしない内に戻って来た。服に赤い染みが付いていたが、きっとケチャップでも飛んだのだろう。

会長?知らない子ですね(すっとぼけ)

 

 

「ごちそうさまでした。それじゃあ皆、また明日」

 

 

一足早く食事を終えた僕は部屋に戻って勉強の続きを始める。ある程度進めて、今日はもう休もうと思った時、部屋がノックされた。恐らく会長が何処かから戻って来たのだろう。そう思ってドアを開けると・・・。

 

 

「刹那!助けてくれ!」

 

 

馬鹿が居た。当然僕はドアを閉めるが、コイツはあろう事かドアの間に足を挟んで来た。

 

 

「嫌だ帰れ二度と来るな」

 

「そんな事言うなよ。俺達は友達だろ?だから勉強を教えてくれ!」

 

「誰が友達だ。良いから離れろ」

 

「お前が入れてくれるまで離れないからな!」

 

「だったら織斑先生を呼ぶだけだ」

 

「あっ、ちょっ、待てよ!」

 

「いたっ!?」

 

 

携帯を取り出して入学書類に記されていた織斑先生の番号を登録してあったので、それを入力しようとすると、織斑が馬鹿力でドアを開けて来た。その勢いに僕は後ろに倒れ、その上に織斑が乗る形になった。

 

 

「ちょっと、早く離れてよ。重い」

 

「わ、悪い!(い、良い匂い・・・)」

 

「何顔紅くしてるのさ。キモイ」

 

「う、うるせえ」

 

「とっとと出てけ!」

 

「いってえ!?」

 

 

織斑を廊下へ蹴飛ばし、鍵を閉める。外でドアをバンバン叩く音が僕の心にストレスを溜めて行く。僕は天井を見上げながら織斑先生に電話を掛けた。

 

 

『私だ。どうしたこんな時間に』

 

「お宅の弟さんの回収をお願いします。押し倒されたりもして限界です。これはもうスクラップ・フィストして良いと言う事でしょうか?」

 

『ま、待て!今すぐ向かうからそれはまってくれ!』

 

 

その後、織斑先生が駆け付けて愚弟に無言の腹パンを決めてから回収して行ってくれました。僕はドッと来た疲れに溜息を吐きながら就寝した。

その後は特に何も怒る事なくテストを迎えた。織斑は地獄だった様だが・・・。

 

 

~数日後[一年生校舎・廊下]~

 

 

「刹那さん、今回のテストの結果を見に行きませんか?」

 

「良いよ。シャロ達も行く?」

 

「勿論。今回は結構自信あるんだ」

 

「私も行くぞ」

 

「じゃあ私も~♪」

 

 

教室へと向かっていた僕達は廊下に張り出されたテストの結果を見る。

ディスプレイに表示された名前の中から自分の名前を探す。すると隣に居たセシリアがあんぐりと口を開けて居た。

 

 

「どうしたの?」

 

「せ、刹那さんが一位・・・」

 

「ん?あ、本当だ」

 

「しかも全科目満点とかバケモノか何か?」

 

「あ、鈴おはよう」

 

「おはよう。・・・よし、ギリギリ赤点は回避ね」

 

「うわぁ・・・」

 

「な、何よ!」

 

 

僕は無言でディスプレイの一角を指差す。そこには夏休みに補修を行う生徒の名前が記されており、織斑の名前が記されていた。鈴もあと数点低ければ間違いなく補習対象だっただろう。いや、でも織斑と入れるから良いのか?

そんな事を考えながら鈴を見ると、

 

 

「あっぶな・・・本気で勉強しよ」

 

 

冷や汗ダラッダラでした。

セシリア達も上位に食い込んでおり、2位は簪だった。流石だね。

教室に歩き出すと途中、とある男の嘆く声が聞こえたが無視した。ざまあ。

 

 

「そう言えば皆って夏休みはどうするの?」

 

「私は最初の内はイギリスへ戻りますわ」

 

「私もちょっと中国に戻って報告やらして親に顔出して来るわ」

 

「そっか。僕達はイリアステルでひたすらテストだよ」

 

「うう・・・ボクもフランスに戻らないと」

 

「シャルロットはフランス支部の所属だからな」

 

「本社のラウラが羨ましいよ」

 

「日本の夏は一線越えるチャンスと雑誌に載っていた。安心してくれ。お前が戻って来る頃には刹那と一線を越えてみせる!」

 

「ラウラ、意味分かって言ってる?」

 

「よく分からんがつまりは刹那との距離が縮まるのだろう?おそらくこう、ぎゅっとしてもらえば問題ない。・・・何故全員頭を撫でるのだ?」

 

 

僕達は無言で彼女の頭を撫でる。なにこの子、控えめに言って可愛い。

 

 

----そうでしょうそうでしょう。

 

----お前じゃない、座ってろ。

 

 

脳内で誰かが会話していたが気にしない事にした。あれ多分関わったら数時間は解放されないパターンだ。

暫くすると予令が鳴って鈴がクラスに戻る。それから織斑先生と山田先生が入って来た事で今日の授業が始まった。と言ってもテストの返却をして解散だが。あっという間に時間は過ぎて本日最後のHRが始まり、織斑先生が話を始めた。

 

 

「テストの学年順位を確認してから帰る様に。夏休みだからと言って遊び過ぎるなよ。新学期早々にテストがあるからな。それと補習者は合格点を取るまで休みは無いと思え。私からは以上だ。山田先生は何か?」

 

「それでは皆さん、楽しく健全な夏休みを過ごしてくださいね」

 

「では、解散!」

 

 

こうして僕達の夏休みが始まった・・・。

簪のISの魔改造・・・楽しみで仕方が無い!

 

 

刹那サイド終了


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