まさか俺の推しメイドがこんな近くにいたとは 作:ハイネ1021
この作品に登場する学校・人物は全て架空のものです。
それではお楽しみ下さい。
俺は席を立ち、席替えのくじを引きにいく。
今日も学校が早く終わるのでさっさとくじを引いて、また秋葉原のメイドカフェへ行く予定だ。
女子生徒1「キャー!○○ちゃんとお隣の席だー!やったー!」
男子生徒1「うおおお!やったぞ!!○○さんと席近いぞー!」
たかが席替えくらいでみんなギャーギャーいちいちうるさいのだが…。
全く、精神年齢が低くて困る。
ここには小学生しかいないのか?
ま、俺もななみんさんのお隣の席だったらどれだけ良いことか…。
そう思いつつ、くじを引いた。
真坂「14番…。てことは真ん中の一番後ろの席だな。ふああぁ〜…。」
俺はあくびをしながらその番号の席へと向かった。
そしてその席の隣には……、
野澤奈々が座っていた。
ご帰宅2回目!
元スケ番で金髪の時期もあったらしい学校の超絶美少女の1人。しかし人は見た目だけでは決まらないものである。
昨日彼女に助けてもらったのは事実だしな。
とまぁ、まずは挨拶からいこうか。
ついでに礼も言わないと。
真坂「はじめまして。野澤さんですよね?」
野澤「そうだけど。あたしになんか用?ふあぁ〜…。」
眠いのだろうか、なんだがめんどくさそうにそう言った。あくびもしてるし。
初対面の相手にそれはちょっと失礼じゃないかとは思ったけど、かわいさに免じて許してやろう。
こんなこと口が裂けてもいけないがな。
真坂「俺は真坂直人。昨日はありがとう。野澤さんって優しいんだね。」
と、とりあえずお礼も兼ねて褒めることにした。
褒めて誰も嫌な思いをする人はいないからな。
野澤「あー、あなたが真坂くんね。
あたしは別に…近くをたまたま通りかかっただけだし。そしたらちょっと頭にくる発言する輩がいたから注意してやっただけなんだから。」
と思ったが、
実際はそうでもないらしい。
褒めてもあまり効能はなかったとまやた。
この結果と今の発言から推測するに、
彼女はいわゆる「ツンデレ」または「クーデレ」といったどちらかの人種だろう。
まだ「デレ」をみせてないから断言できないが。
ちなみにツンデレとは、普段はツンツンな敵対的な発言だったり、(特に好きな異性に対して)素直になれなかったりする言動を示すが、時々ある条件下においては好きな人に対して過度に好意的、つまりデレデレする人種のことだ。(諸説ある)
クーデレについては…グープル先生に教えてもらうことをおすすめする。
インターネットの知識は偉大だぞー、なんでもすぐに教えてくれる。
決して説明するのがめんどくさいなどと思ってはいない…思ってないんだからね!(大事なことなので…ry)
しかし2次元の美少女にはよくいるのだが…
3次元の美少女でツンデレやクーデレはなかなかレアだぞ。
さて、どう立ち回るか。
ここは恋愛シュミレーションゲーム、俗にいう「ギャルゲー」をやり込んだ俺の腕の見せどころだな。
そうだ、俺だってただ単に美少女だが好きなだけでギャルゲーをやっているわけではない。こういうシチュエーションになることも想定した上でだなぁ……、……ホントだからな!!?
真坂「野澤さんはさ、なんか趣味とか特技ってあるの?」
野澤「ない。」
即答ぅ〜〜!?
なんなんこの子、俺と意思疎通というものをこれっぽっちも図ろうと思ってないぞ。さすがに傷ついたわ。
まぁ…気を取り直してテイクツーいくか。
真坂「そ、そっかぁ…あ、その筆箱かわいいね。」
野澤「あらわかってるじゃない。この筆箱、私のお気に入りなの。」
お、これには引っかかったぞ。
真坂「うんうん、すごくいいと思うよ。」
野澤「でも意外だわ。こういうのって女の子にしか受けないと思ってた。」
真坂「いやいや、そんなことないぞ。かわいいものはやっぱりかわいいし、特に俺はびしょ…かわいいものだったらなんだって好きなんだから。」
野澤「それはわかるけど、なんでそんなかわいいものにこだわるのよ。」
真坂「そんなの決まってるだろ?『かわいいは正義』。かわいいものを愛でるのは俺にとって呼吸してるのと同じくらい至極当たり前なことなのだよ!」
野澤「…やっぱり変わってるわ。よくそんな恥ずかしいことが言えるわね。」
真坂「変人だと思ってくれて構わないさ。それでも俺はかわいいものを追い続けるけどな!」
野澤「…あっそ。」
野澤さんはそう言ってそっぽを向いた。
これには意外な反応だった。
当然といえば当然だが、俺がこういうことを口にすると大抵の人間は一歩下がってしまう。特に女の子には。
しかし野澤さん、彼女は興味のない素ぶりは見せたが…それを否定する態度は見せなかった。
まぁ心の中では気持ち悪いと、多少は思われているのかもしれないが。
会話が途切れてしまったのも事実だ。
俺も俺でわざわざそんなこと口にしなくてもいいのではないか、と思われがちであるが…。
でもそんなことはない。
ーーどんな時にでもありのままの自分でいる、ありのままの自分をみせる。
俺はあの日以来、そうするように…そのような人間であるようにと心に決めたのだから。
その日の最初の授業があったがそれもすぐに終わり帰る準備をしていると、
伊原「あ、真坂くんいたよ。」
浜田「お、真坂!一緒に帰ろーぜ。」
この2人は浜田拓人と伊原蓮。
伊原は去年の春、ここの高校で知り合った俺の友達だ。
この3人の中じゃ1番まともな人間であろう。少なくとも世間の目からしてみたら、な。
そして浜田は俺の1番好きなTVアニメ『ニャブライブ!』の映画を観に行った時に映画館で知り合った。
なんでもその映画は上映中騒いでも良いという、いわゆる『絶叫上映』ってものに俺らは参加していた。
上映中に俺がコールをしながらペンライトを2本同時に振っていると、前の席にいたある男が振り向き彼はこう言った。
「おい、そこのお前。ペンライト一本貸せ。」と。
忘れもしない、
それが浜田拓人という男の第一声だった。
その後まさか俺と同じ歳で同じ高校でしかも同じクラスになろうとは…。
偶然過ぎて驚いたが、どうせなら美少女とそんな偶然の出来事が欲しいね。
こんな野郎とイベント起こしても需要なんてないし。まぁ浜田本人の目の前でさすがにそれは言えないが。
鞄を肩に背負い、俺たちは教室を出た。
伊原「3人で帰るのは久しぶりな気がするね〜。」
真坂「ほんとそれなー。」
浜田「てか真坂さ、」
真坂「ん?」
浜田「お前、一体どんな魔法使ってあいつと喋ったんだ?」
真坂「は?なんだよ急に。てか誰だよあいつって。それとどっかのアニメで聞いたことある台詞なのだが、その台詞…。」
浜田「察しろよ鈍感…。野澤奈々だよ。」
真坂「野澤さん?」
浜田「ああ、そうだ。あいつが他の男子と喋ってるところ初めてみたぜ。」
伊原「浜田くんは野澤さんと同じ中学だったんだもんねー。」
浜田「おうよ。中学ん時の野澤は学校で1番強かった、なんて噂だ。しかも美人加えて超絶クールときた。俺らみたいな一般ぴーぽーには口を聞けることすら極めて難しい高嶺の花…。」
浜田「…のはずなのだが!何故お前は平気な顔で野澤と喋ってんだよおおおお!!!」
伊原「確かにこの学校の5本指に入るくらいの美人さんかもね〜。」
真坂「そんなにすげえのか。美少女好きである俺も野澤さんの美人さは知ってたいたが、まさかこれほどだとは。くそぅ、俺もまだまだだな…。」
浜田「はっはっは!同じ美少女好きとしてあの真坂に一歩リードできた気分で鼻が高いぜ!」
真坂「今回の勝ちはお前に譲るわ、浜田。」
浜田「じゃあ勝者の俺に野澤さんを…!」
真坂「調子のるなハゲ。」
浜田「ハゲでもいい!美少女をくれええええ!!!」
みんな、覚えておくといい。
美少女好き変態2人が会話するとこうなる。このように現在非リア充、略して『非リア』な野郎が集まると特に。
伊原「はははっ、バカな2人をみてると僕も楽しいよ。」
真坂「バカは余計だろ、伊原。まぁ否定はできないけど。」
伊原、お前だけは健全で常識人のままでいてくれ。でないと俺らは本当の意味で終わる。社会的にな。
浜田「だいたい伊原は朴念仁過ぎるんだ。もっと年頃の男子だったらなぁ…、」
伊原「あ、ごめん。2人とも。」
真坂「なんだよ。」
伊原「僕、昨日彼女、できちゃった★」
真坂・浜田「…へ??」
一瞬、この場が凍りついた。
浜田「おいおい、それ魔剤ンゴ(マジ)?」
真坂「なぁなぁ浜田、この男処す?処す?」
伊原「テヘペロ★」
浜田「よし、わかった。伊原のリア充記念に東京湾に沈めてやろうじゃないか。問題ないな、同志真坂よ。」
真坂「ああ、今俺らの心は一つになってる!伊原、今のお前は全世界の非リアの敵だ。」
伊原「き、君たちもかっこいいんだしこの気になればすぐに彼女できるよ。まずはヲタクを…」
真坂・浜田「フォローになってねーんだよおおおおおおおおお!!!」
そんな非リアの叫びが心だけでなく近所の家にも響き渡った、そんな放課後の帰り道であった。
どうも!ハイネ1021です!
今回は主人公の友人(野郎)が出てくる回でしたね。
そして今回も作者ハイネの本音…いや、心の叫びが漏れてました(笑)
そうです、リア充は非リアの敵なんです!
伊原くん、許すまじ…。そしてリア充どもよ、東京湾に沈んでくれ…(冗談)ああ、リア充したい…(泣)
とまぁこんなふざけたハイネですが、これからも執筆頑張りますので何卒応援よろしくお願いします!
では次回も楽しみに!