魂魄妖夢と二振の刀   作:深澄麟

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お久しぶりです。うp主の深澄麟です。第一話から一ヶ月も過ぎてしまい、前途多難感が濃厚なこの作品。待っていてくれた方(がもし仮にいたら)大変申し訳無いです。出来ればもっと更新ペースを上げたいのですが、どうにも他にやることが…。出来るだけ頑張ります。
それでは、どうぞ。


第二話 『命名』

妖夢「えええええええ!!!!」

 

妖夢は傍から見ていたらわざとなのではないかと疑いたくなるような勢いで驚いた。

もっとも、この少女は自分を妖夢が使っていた二振の刀だと言うのだからまだ当り前の反応の範疇ではあるだろう...多分。言われてみれば妖夢が何時も身につけていた刀が見当たらない。

 

妖夢(刀が見当たらないと言う事は、まさか本当に?)

 

いや、待てよと妖夢は少し冷静になってみた。確かに物に命が宿るという事は幻想郷ではたまにある。代表的な例で言えば付喪神などがそうだ。付喪神は長く大切にされた道具やそうでなかった道具に魂が宿ったもののことを言う。その中には人の形をとり、一種の妖怪ようになる者達がいる。この少女もその可能性はあることにはある。しかし、いくら大切にしていたからといって自分の刀が付喪神化したとは信じられなかった。よって、他の可能性を考えてみた。

 

まず、盗まれた可能性だ。あの二振はそもそもが相当な業物である上に、片方は妖怪が鍛えた妖刀でもう片方は迷いを断ち切るという大変珍しい刀だ。扱いや手入れが難しいとは言えどひとによっては盗む価値のあるものに十分なり得る。

しかし、ここで妖夢はふと思った。ではなぜこの少女はこんな真似をしているのかと。もしこの少女が犯行グループならばこんなことをするはずが無い。かと言って無関係の者ならさっきのような事を口走る意味がわからない。

 

??「おーい、ご主人ー?聞いてますか?」

 

少女が何かを話していたらしいが考え込んでいて全く聞いていなかった。

 

妖夢「あっ、すみません。考え事をしていて聞いてませんでした。」

 

??「はぁ…。誰か来てますよ。」

 

妖夢「?」

 

振り返ってみれば、丁度誰かが入ってくるところだった。

 

??「五月蝿いわね。何よ、大声出して。」

 

そう言いながら部屋へ入ってきたのは霊夢だった。

 

妖夢「あっ、霊夢さん!すみません。昨日から迷惑掛けてしまって。」

 

霊夢「ほんとよ、全くめんどくさい…ってそいつ誰?」

 

妖夢「それが…

 

〜少女説明中〜

 

という訳なんですよ。」

 

霊夢「で、ホントかどうか分からないから困っていたと。」

 

妖夢「はい。」

 

すると、それまで黙っていた少女が呆れ顔で口を開いた。

 

??「はぁ…。わかりました。そんなに信じられないなら証明しましょう。」

 

妖夢・霊夢「「??……!!」」

 

そう言うと少女は目を閉じた。しかし、すぐに少女の身体を光が包んだ。光は淡い桜色をしていて、妖夢はつい見とれてしまった。

少しすると光が収まり、そこには二振の刀があった。妖夢は驚いたが、慎重に刀に近付くと手に取り、それが自分の愛刀である事を確認した。

 

??(ね、言ったでしょう?)

 

妖夢・霊夢「「!!」」

 

突然、どこかから声が聞こえてきたのを二人は感じた。先程の少女の声だった。しかし二人の脳内に直接響いてきているようで、声の出どころが掴めない。

 

??(こっちですよ!二人とも鈍すぎません?)

 

二人はイラッとしつつも不思議と声が刀から聞こえてきたように感じて刀を見た。

 

妖夢「えっ、まさか本当に?」

 

霊夢「みたいね。」

 

??(はぁ…。やっとですか。やっと信じてくれましたか。もう、長いですよお二人さん。)

 

こうなっては現実を受け入れるしか無かった。この刀がさっきの少女なのだ。

 

妖夢「付喪神って元の姿に戻れるものなんですか?」

 

霊夢「知らないわよ。」

 

??(結構簡単でしたよ?)

 

その後の会話で二週間程前から自我が芽生えつつあったこと、それより前のことは記憶としてあることなどが分かった。ちなみにもう人型に戻っている。

 

妖夢「そういえば、貴女のことなんて呼べばいいんでしょうか?というより貴女としての名前ってあるんですか?」

 

霊夢「言われてみれば。そこの所どうなの?」

 

??「私には白楼剣と楼観剣の名しかありませんが…。」

 

霊夢「じゃあ、考えてもらえばいいじゃない。妖夢に。」

 

妖夢「わ、私ですか!?」

 

霊夢「あんた以外に誰がいるっていうのよ。」

 

妖夢「え、えーと…幽々子様とか…?」

 

妖夢がそう言うと、少女は妖夢の方へ向き直り、妖夢の目をしっかりと見て言った。

 

??「ご主人。私の主人はご主人です。ですからご主人に決めてもらうのが筋かと。」

 

妖夢「まぁ、そうと言えばそうだけど…。」

 

妖夢は悩んだ。確かに少女のいうこ事は正しい。しかし、妖夢はひとの名前なんて考えた事は当然無いし、ひとが一生名乗る大切なものを自分が決める自信もない。それに、自分には主人がいる。その主人を差し置いてそんな事をしてしまってはいけない気がした。

 

妖夢「やはり、ここは幽々子様が名付けたほうが…」

 

霊夢「もう、じれったいわね。堅苦しいのよ。さっさと名前くらい考えなさい。」

 

??「もし幽々子様のことが気にかかるなら仮の名前という事にしてはどうでしょう?」

 

妖夢「ま、まぁ、それなら…」

 

霊夢からの後押し(脅迫)もあり、妖夢は仮の名前を考えることにした。が、いいものが思いつかない。

 

妖夢「どんな名前がいいんでしょうか?」

 

??「出来ればかっこいい系がいいですけど、いい名前なら大丈夫ですよ。」

 

妖夢「う〜ん…かっこいい名前…」

 

霊夢「剣の名前とかもじってみたら?」

 

妖夢「う〜ん……!!」

 

霊夢「何か思いついた?」

 

妖夢「はい、思いつきました。…では、恐縮ながらこの魂魄妖夢、命名させていただきます。あなたの名前は…

 

 

『白楼 神奈』です。」

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?いかんせん知識が中途半端ですから、おかしな所があったら教えていただけると幸いです。
次いで内容についてですが、うp主の霊夢のイメージはぶつくさ言って面倒くさがりながらもなんだかんだ付き合ってくれる人と言った感じです。妖夢は礼儀正しく、真面目で一所懸命だけどちょっと薄幸体質で天然が入ってる感じです。やっと名前が出せたオリキャラ、神奈の性格はお楽しみということで。名前が安易なことその他には触れないでおいてください。では、また次回。

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