アマツさんの大冒険   作:死神 零@8928

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アマツさんって海竜骨格だから水の中に居ても違和感を感じないのは私だけだろうか?

訂正(2017.01.21)
内容
・ロアルドロスは雌ではなく雄で、ルドロスは雄ではなく雌でした。指摘ありがとうございます。
・タイトルにて数話の入れ忘れを訂正しました


渓流篇
第三話 水を持つ者の集い


突然だが、水獣【ロアルドロス】はジト目であるものを見て威嚇していた。

 

それは渓流エリア7にてそいつはいた。

 

嵐龍アマツマガツチ、その二代目は水竜【ガノトトス】がよく泳ぐと言われている水場に……浮いていた。

 

泳いでるんじゃない。浮いてるんだ。水面に。

 

頭は水面に浮き、下半身はだらし無く水に沈んでいる。

傍から見れば死んだ魚のような格好だった。

 

これはこれでシュールの光景だが、自分の縄張りに入ってる事に変わりはないと判断し、ロアルドロスはただただだらけ切ってるアマツマガツチを威嚇する。

 

それだけではなく、そこら辺にいたルドロス達も威嚇する始末である。

 

 

ー兄貴?アレなんすか?

 

ーシッ!!見ちゃいけません!!

 

 

……なにやらそんな会話が聞こえそうな雰囲気になっている。

 

そして肝心のアマツマガツチと言えば……。

 

 

ーzzz……

 

 

もうお決まりになってるのか寝ている。

 

もはや寝る場所があるならば問答無用で寝れると言ったところだと思いたいが流石に水面の上で寝るヤツが何処にいるのやら。

 

というよりも敵であるロアルドロスの前に寝れるその精神が凄いと思う。

 

そしてロアルドロスは痺れを切らしたのか追い出そうと水に飛び込もうとした、その時だった。

 

 

ー!!

 

 

アマツマガツチが突然、首を上げキョロキョロし始めたではないか。

 

その目は今までにないほどキリッとしており、その目つきは本来の古龍種に相応しいほど輝かせている。

 

突然のアマツマガツチの行動にロアルドロスはビクつき、警戒する。

 

やっと戦闘に入るのか?

 

……と思うだろうが、再び首をだらし無く下げて前足を伸ばし、戻す。

 

また伸ばしては戻すの繰り返しだった。

 

何をしてるかわからないと思うので説明すると、どうやら自分の角裏に痒みが起きたらしく、かこうとしても届かず、戻しては勢いをつけて伸ばそうと必死になってるだけだった。

 

つまり…アマツマガツチはロアルドロスの事なんて一切気にしてなかった。

というよりも視界に入ってない始末だ。

 

だが、この行動を繰り返していくうちに前進している。

 

それもそうだ。

今アマツマガツチがいる場所は水。

 

前足を前後に揺らすことで運動エネルギーが働き、その推進力で進んでいる。

 

もはや傍から見れば手漕ぎボートにしか見えない。

 

この様子を見たロアルドロスは呆れる事はなく、ただじっと見つめている。

 

ロアルドロスにとって、これは好機でしかない。

 

何故なら、このまま勝手にエリア9に流れ着く可能性があるからだ。

 

 

 

 

けれど、何でも上手くいかないというのが人生。

それもまたハンターだけではなくモンスターも同じだ。

 

 

 

ーザバァッ!!

 

 

もう少しでエリア9に流れる前に水面から何かが飛び出してきた。

その者はアマツマガツチを吹っ飛ばして現れる。

 

アマツマガツチはそのまま吹っ飛び、陸地へ落とされる。

 

だが未だに角裏をかこうと必死にバタバタと腕を振る。

 

そんなアマツマガツチを他所に水面から飛び出したのは魚と竜を合わせ持ったような姿をしている水竜【ガノトトス】である。

 

ガノトトスは飛び出す勢いと同時にアマツマガツチを吹っ飛ばしたんだろう。

 

突然の乱入者に驚いたルドロス達は「ひぃ!お助け」と言わんばかりに撤退する。

 

……ボスであるロアルドロスを差し置いて、だ。

 

だがボスの故、また元々の縄張りの主であるプライドなのかロアルドロスは退かない。それどころかガノトトスを睨みつけ威嚇している。

 

対してガノトトスも瞳孔のない目でロアルドロスを睨み、威嚇。

 

……アマツマガツチは未だに前足をバタバタさせ、エリア4から現れた泡狐竜【タマミツネ】にガン見されている。

 

 

ー俺の領域から出ていきな!!

 

ーうるせぇぞこのスポンジ野郎!!

 

 

なにやらロアルドロスとガノトトスの間からそんな会話が聞こえそうな気がする。

 

 

ー届かない……(´・ω・`)

 

ーなんだこいつ?

 

 

……なにやらアマツマガツチとタマミツネの間からそんな会話が聞こえそうな気がする。

 

そうこうしてるとガノトトスとロアルドロスは争いを始めた。

 

ロアルドロスはその立派なスポンジ状のトサカに含まれている水分を使い、ガノトトスに突進を仕掛ける。

 

しかし、ガノトトスは腹で滑り、それを避ける。

避けた後、ロアルドロスに体を丸め、勢いよく体当たりをする。

 

直撃はしたものの、怯むまでのダメージではないらしく、方向転換して水ブレスを撒き散らしながら突進。

 

今度はロアルドロスの攻撃がヒットする。

 

だがそんなの効かぬ、と言いたげそうに今度はガノトトスの尻尾がロアルドロスを捉える。

 

けれど、当たる寸前に大ジャンプ。

なんと飛び越えた。

 

 

ーこいつ……なかなかやりやがる。

 

ーテメェもな……。

 

 

再び互いを睨み合い、低い唸り声を上げる。

 

……アマツマガツチとタマミツネはというと…今度は仲良く魚を取り、食べている。

 

 

ー………………。

 

ー………………。

 

 

その様子をガン見する二頭。

 

そして意気投合したのか互いを見て頷くとそれぞれ口に水ブレスを仕掛ける。

 

ガノトトスがタマミツネに、ロアルドロスがアマツマガツチに命中する。

 

結果的にタマミツネは驚いて怯むものの、アマツマガツチは攻撃を当てられてるのにも関わらず餌を食べる。

 

……余程お腹が空いてたらしい。

 

だが、食事の邪魔をされて苛立ったのかタマミツネは桜色の鰭を真っ赤にさせ、咆哮を上げる。

 

けれど、その咆哮にビックリしたのかアマツマガツチが食べていた魚が一斉に逃げ出した。

 

 

ーあっ…( ´・ω・`)

 

 

それに反応したのかアマツマガツチは魚を追うように宙を舞い、水辺に向かう。

 

……もう一度言うがこのアマツマガツチ、本当にマイペース過ぎる。

 

そんなアマツマガツチを見てる暇なんてないのか三頭による乱闘が行われた。

 

アマツマガツチはただ魚を追うだけで興味が無いらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

乱闘は数時間で終わった。

 

まずロアルドロスは「もうどうにでもなれ」と言わんばかりに撤退。

後にエリア6を新たな縄張りにする。

 

対してガノトトスとタマミツネだが、勝者はタマミツネだった。

 

理由としては単純でタマミツネは海竜種であるが陸の活動に適応されており、そのしなやかな動きでガノトトスを翻弄していた。

 

対してガノトトスはどちらかと言えば水中で真価を発揮するタイプだ。

 

陸戦ではあまり力を出せなかった。

 

よって、タマミツネの思うがままにされ、絶命。

 

これによりエリア7は新たにタマミツネの縄張りとなる。

 

……ちなみに主役であるはずのアマツマガツチは道に迷ったのかエリア9の廃墟した寺子屋の上にて寝ていた。

 

 

ー続くー




察しの良い方なら気付いてると思いますが作者の好きな属性は水属性です。

だって音とか気持ちいいし、エフェクト好きだし(´・ω・`)

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