異世界から捻デレさんも来るそうですよ!?   作:ユキ擬き

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はいどうもユキ擬きです!
やっとこさガルドまでいけました!
八幡のギフトの首飾りと村雨は確定とさせていただきます!
それでは第三話です、どうぞ!


第三話

黒ウサギたちが箱庭に向かっている頃

 

 

場所は箱庭第二一〇五三八〇外門。ペリベッド通り・噴水広場前。

箱庭の外壁と内側を繋ぐ階段の前で戯れる子供達が居た。

「ジン〜ジン〜ジン!黒ウサの姉ちゃんまだ箱庭にもどってこねぇの〜」

「もう二時間待ちぼうけで私つかれた〜」

口々に文句を言う友人にジンは苦笑しながら

「そうだね。みんなは先に帰っていいよ。僕はここで新しい仲間を待っているから。

リリは、みんなを連れて先に帰ってて。これ以上待ってたら、待ちくたびれた子達が迷子になるかもしれないから」

「わかった!」

リリと呼ばれた二尾の狐が人化したような少女が待ちくたびれた子供たちを集めて帰っていく。中には「ジン

もリーダーで大変だけど頑張れよ〜」等と声をかけてくれる。

 

リリ達が帰った数分後、黒ウサギの鼻歌が聞こえてきた

 

「あ、ジン坊っちゃーん!新しい方をつれてきましたー!」

 

「お疲れ様、黒ウサギ。そちらの女性二人と男性一人が?」

「はいな♪こちらの御四人様が・・・・」

クルリと振り返りそのまま、フリーズする黒ウサギ。

 

「あ、あれ十六夜さんは?」

「ああ、彼なら"世界の果てを見てくる"とか言って駆け出して行ったわよ」

 

 あっちの方に、と飛鳥が十六夜が走り去った方向を指差す。飛鳥が指を指した先には断崖絶壁があった。

 

「な、なんで止めてくれてなかったんですか!」

「"止めてくれるなよ"と言われたもの」

 

「どうして黒ウサギに教えてくれなかったんですか!」

「"黒ウサギには言うなよ"と言われたから」

「嘘です! お二人とも実は面倒だっただけでしょう!」

「「うん」」

 

「は、八幡さんは止めなかったのですか?」

藁に縋る思いで黒ウサギは八幡を見た。

「悪いな、黒歴史を人質に取られてしまって・・・・」

八幡は目を腐らせそう答えた。

 

頼みの綱の八幡が押さえられている事を知った黒ウサギはガクリ、前のめりに倒れる。

 

「た、大変です! 〝世界の果て〟にはギフトゲームのため野放しにされている幻獣が」

「幻獣?」

「は、はい。ギフトを持った獣を指す意味で、とても人間では太刀打ち出来ません!」

 

「あら、それは残念。もう彼はゲームオーバー?」

 

「ゲーム参加前にゲームオーバー? ・・・・・斬新?」

 

「あいつは多分生きていると思うけどな」

 

「冗談を言っている場合じゃありません!」

黒ウサギは溜息を吐きつつも立ち上がる。

 

「はあ・・・・・ジン坊っちゃん。申し訳ありませんが、御三人様のご案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

「わかった。黒ウサギはどうする?」

「問題児様を捕まえに参ります。〝箱庭の貴族〟と謳われるこの黒ウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやります」

 

黒ウサギは黒髪を淡い緋色に染めていく。

 

「一刻程で戻ります! 皆さんはゆっくりと箱庭ライフを御堪能ございませ!」

そう言って、黒ウサギは淡い緋色の髪を戦慄かせて弾丸のように飛んで行った。

 

 

 

一方その頃十六夜は森を抜け、見えてきたのは大河の岸辺。上空から落ちる滝の水は澄み渡り、周りを囲む木々たちは水飛沫によって輝いている。

「こんなにきれいなら八幡を無理矢理にでも連れてくれば良かったな」

 

しばらく大河を眺めていると、地面が鳴動し、湖から巨大な大蛇が現れた。

 

『貴様、此処で何をしている?』

 

大蛇は威厳のある声音に少しの怒りを込めて問う。

「世界の果てってやつをこの目で見たくてな」

 

『ほう、此処が我の縄張りであることを知らなかったのか?』

 

「ああ、なにせさっきこの世界に呼ばれたばっかりなんでな」

 

『…………成る程。知らないのであれば仕方ない。だが、此処は我の縄張り。ただで帰す訳にはいかん。故に試練を選ばせてやる』

 

「試練?」

 

『ああ、そうだ。さあ何を選ぶ?力か?知恵か?それとも勇気か?好きなのを選べ』

 

上から物を言う大蛇。十六夜がへえ、と口をニヤリとさせ大蛇に告げた。

 

「それじゃあ、俺を試せるか試させてくれよ・・・・・・・・・・・・・・・」

 

『何?』

 

その瞬間、大蛇の様子が変わった。

 

『貴様、それはどういう意味だ?』

 

「どういう意味も何もそのまんまさ。アンタが俺を試せるほどに強いのか試させてくれって言ってんだ」

 

『貴様…………ッ‼︎我を愚弄するか‼︎』

 

「おいおい、あれは試させてくれって言ってるだけだぜ?それとも、図星か?」

 

『…………よかろう。ならば!我が力をその身に刻んで逝けッ‼︎』

 

大蛇の咆哮が響き渡り、鳥たちが一斉に飛び立つ。

 

「ハッ!そうだよ、そうこなくっちゃなァ!」

 

十六夜も興奮させ、大蛇へと一直線に向かっていった。

 

 

数分が経過すると、髪の色を変えた黒ウサギが来た。

 

「あれ、お前黒ウサギか?どうしたんだその髪の色」

「もう、一体何処まで来ているんですか⁉︎」

 

「世界の果てまで来ているんですよ、っと。まあそんな怒るなよ」

「しかしいい脚だな。遊んでいたとはいえこんな短時間で俺に追いつけるとは思わなかった」

 

「むっ、当然です。黒ウサギは"箱庭の貴族"と謳われた優秀な貴種です。その黒ウサギが」

 

(黒ウサギが………半刻以上もの時間、追いつけなかった………?)

 

黒ウサギが首を傾げる。しかし今はそんなことどうでもいいように首を振る。

 

「ま、まあ、それはともかく!十六夜さんが無事でよかったデス。水神のゲームに挑んだと聞いて肝を冷やしましたよ」

 

「水神?————ああ、アレのことか?」

 

十六夜が指を指したのは川面にうっすらと浮かぶ白くて長いモノだ。黒ウサギが理解する前にその巨体が鎌首を起こし、

『まだ………まだ試練は終わってないぞ、小僧ォ‼︎』

 

「蛇神………!ってどうやったらこんなに怒らせられるんですか!?」

「なんか偉そうに『試練を選べ』とかなんとか、上から目線で素敵なこと言ってくれたからよ。俺を試せるかどうか試させてもらったのさ。結果はまあ、残念な奴だったが」

 

『貴様……付け上がるなよ人間!我がこの程度の事で倒れるか‼︎』

 

「十六夜さん、下がって」

 

黒ウサギが庇おうとするが、十六夜の鋭い視線はそれを阻む。

 

「何を言ってやがる。下がるのはテメェだろうが黒ウサギ。これは俺が"売って"、奴が"買った"喧嘩だ。手を出せばお前から潰すぞ」

 

 

黒ウサギは始まってしまったゲームには手出しできないと気づいて歯噛みする。十六夜の言葉に蛇神は息を荒くして応える。

『心意気は買ってやる。それに免じ、この一撃を凌げば貴様らの勝利を認めてやる』

 

「寝言は寝て言え。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ」

『フン————その戯言が貴様らの最期だ!」

 

蛇神が叫ぶと嵐のように川の水が巻き上がる。竜巻のように渦を巻いた水柱は蛇神の丈よりも遥かに高く舞い上がり、何百トンもの水を吸い上げる。竜巻く水柱は計三本。それぞれが生き物のように唸り、蛇のように十六夜に襲いかかる。

「十六夜さん!」

 

「———ハッ—————しゃらくせえ‼︎」

十六夜は竜巻く激流の中、ただ腕の一振りで嵐をなぎ払った。

 

「嘘⁉︎」

 

『馬鹿な⁉︎』

 

驚愕する二つの声。

「ま、中々だったぜオマエ」

 

蛇神の胸元に跳び込んだ十六夜の蹴りは蛇神の胴体を打ち、蛇神の巨軀は空中高く打ち上げられて川に落下した。その衝撃で川が氾濫し、水で森が浸水する。

 

「くそ、服が濡れちまった。クリーニング代ぐらいは出るんだよな黒ウサギ」

 

冗談めかした十六夜の声は黒ウサギに届かない。彼女の頭の中はパニックでもうそれどころではなかったのだ。

(人間が………神格を倒した⁉︎それに水柱を素手で⁉︎そんなデタラメが————!)

 

「おい、どうした?ボーっとしてると胸とか脚とか揉むぞ?」

 

「え、きゃあ!」

 

背後に移動した十六夜は黒ウサギの脇下が豊満な胸に、ミニスカートとガーターの間から脚の内股に絡むように手を伸ばしていた。押しのけて跳び退く黒ウサギは感動も忘れて叫ぶ。

 

「な、あ、貴方はお馬鹿様ですか⁉︎二百年守ってきた黒ウサギの貞操に傷をつけるつもりですか⁉︎」

 

「二百年守った貞操?うわ、超傷つけたい」

 

「お馬鹿⁉︎いいえ、お馬鹿!!!」

 

「そんな事より、俺の勝ちなんだから蛇神からなんかギフト貰えんだろ?」

「そうですね。ゲーム内容はどうあれ、十六夜さんは勝者です。蛇神様も文句はないでしょうから」

 

「あん?」

 

十六夜は怪訝な顔で黒ウサギを見つめ返す。黒ウサギは思い出したように捕足した。

 

「神仏とギフトゲームを競い合う時は基本的に三つの中から選ぶんですよ。最もポピュラーなのが"力"と"知恵"と"勇気"ですね。力比べのゲームを見する際は相応の相手が用意されるものなんですけど………十六夜さんはご本人を倒されましたから。きっと凄いものを戴けますよー。これで黒ウサギ達のコミュニティも今より力を付ける事が出来ます!」

「そいつは良かったな」

「はい!ありがとうございます十六夜さん!」

 

その後、蛇神から水樹のを貰い、黒ウサギの持つ"審判権限ジャッジマスター"の説明をされ、飛鳥達の元に向かった。

 

 

またまた場面は変わりジンに箱庭の案内をされている三人は

箱庭内にあるカフェに入り話をしていた

 

 

「それでは、僕のコミュニティについて何ですけど・・・」

「ああ、それなら気にしなくていいわよ。八幡君が黒ウサギの嘘を見破って全部知っているから」

「えっ、それでは僕らのコミュニティには・・・・」

 

「安心しろ。俺らはお前のコミュニティに入るよ。理由は後で話す。今は飯を食わせてくれ。

昼食前に呼ばれたから腹へってんだ」

「は、はいっ!ありがとうございます!あ、店員さんオーダーを

お願いします!」

「はーい。何を御注文しますか?」

「紅茶を貰えるかしら?」

「私も」

「俺はコーヒーを頼む。練乳と砂糖をスプーン五杯を入れてくれ」

【ニャー!(ネコマンマを!)】

「なぁ店員、ネコマンマってあるか?こいつが食いたいって」

八幡が三毛猫を指差す。

 

「はいっありますよー、それじゃあ以上でいいですか?」

「ああ、それで大丈夫だ」

「はいはーい、それではごゆっくりー」

「すごいね三毛猫。ここには私以外にも動物の言葉がわかる人がいるよ」

【ニャーニャー(良かったな、お嬢)】

 

飛鳥は八幡と耀に気になった事を聞く

「八幡君、耀さん、あなた達は動物の言葉がわかるの?」

「ああ、この首飾りのおかげでな。一部の幻獣とかには効かないが地球に存在

するものはだいたい大丈夫だと思う」

「私も同じ感じかな。それよりも八幡首飾りお揃いだね」ニコッ

「ッ!」プイッ

(耀の笑顔が可愛くて直視できねえよ」

「ふぇっ!」

「ん?どうした?」

「八幡君あなたそれわざとやっているの?口に出てわよ?」

「まじかよ・・・」カァッ

「八幡、それ、ほんと?」カァッ

「お、おう」

「そ、それより飛鳥さんはどのようなギフトなんですか?」

(ナイス切り替えだジン!)

「え?ああ、私のギフトは酷い物よ?だっt「おんやぁ?誰かと思えば東区画最底辺コミュニティ、"名無しの権兵衛"のリーダー、ジン君じゃないですか。今日はオモリ役の黒ウサギと居ないんですか?」

 

飛鳥が説明しようとした時、品の無い上品ぶった声が、ジンを呼んだ。

八幡達が振り返ると、そこには2mを超える巨体をピチピチのタキシードで包む男がいた。

不覚にも、本当に不覚にも、ジンの知った者の声だった。

「僕らは"ノーネーム"です。"フォレス・ガロ"のガルド=ガスパー」

「黙れこの名無しが。風の噂で聞けば、新しい人材を呼び寄せただと?コミュニティの誇りを奪われてなお、未練がましくコミュニティを自分の我儘で存続させているくせに────貴女達は、このことをどう思う?新しい箱庭の同士よ」

ガルドと呼ばれた男は、四人が座るテーブルに、わざわざ椅子を持ってきて座った。

テーブルにつく飛鳥達に愛想笑いを向けるが、相手の失礼な態度に四人は冷ややかな態度で返す。

「別に私は気にしてないわよ?」

「私も」

「俺もだな。だが、我が儘でもしっかりとジンはリーダーをしてるじゃねえか。この歳で

リーダーができるなんて大したもんだぜ?」

「クッ!し、しかし私はここら一帯のコミュニティに勝利し、地域支配者としてこの地域を治めています!」

「だからどうした」

八幡はイライラしながらも聞いた。

「単刀直入に言います。我々のコミュニティに来ませんか?」

「断る」

「拒否するわ」

「私も遠慮する」

「ッ!何故ノーネームなんぞに入るかお聞きしても?」

そう聞かれ八幡から話し始める

「理由は後でと言ったが丁度良い。俺は自分自身が困っている時にいろんなやつに助けて

もらった。だから困ってる奴は放っては置けなかった。それだけだ」

「私は友達を作りに来ただけだからコミュニティの名前とかはどうでも良かった」

「そして私、久遠飛鳥は裕福だった家も、約束された未来も、おおよそ人が望みうる人生の全てを支払い、その対価としてここに来た。それをたかだか小さな一地域を支配しているだけの組織の末端に迎えてやる、など慇懃無礼に言われて魅力的に感じるとでも思ったのかしら?だとしたら自身の身の丈を知って、顔を洗って出直してきなさい。このエセ虎紳士」

飛鳥にピシャリと言われ、ガルドは怒りに震える。

「お言葉ですがレデ

「黙りなさい・・・・・」

その声を合図に、ガルドの口がガチン!と閉じた。

「私の話はまだ終わってないわ。貴方からはまだまだ聞き出さなければいけないことがあるの。貴方はそこに座って・・・・・・、私達の質問に答え続けなさい・・・・・・・・・・・・」

飛鳥の言葉に力が宿り、ガルドは椅子にヒビが入るほど勢いよく座り込む。

ガルドはパニックに陥った。手足の自由が全く聞かず、抵抗することさえできないのだ。

その様子を見かねた猫耳店員が飛んで来る。

「お、お客さん!当店で揉め事は控えてくださ────」

「ちょうどいいわ。貴女も第三者として聞いていってもらえるかしら。多分、面白いことが聴けるはずだから」

首を傾げる店員を制して、飛鳥は言葉を続けた。

「貴方はこの地域のコミュニティに勝利し続けこの地域を支配したと言ったわね。だけど、それだと個人的に疑問が残るのよ。・・・・・・ねえ、ジン君。コミュニティそのものをチップにゲームをする事は、そうそうあることなの?」

「やむを得ない状況なら稀に。しかし、これはコミュニティの存続を賭けたかなりのレアケースです」

「まぁ、そりゃ自分や仲間の生活がかかっているのにそう簡単にはコミュニティは

賭けねえだろ」

「そうよね。訪れたばかりの私達でさえそれぐらいわかるもの。だからこそ、そのゲームを強制的にさせることが出来る"主催者権限"を持つものは、魔王として恐れられているのでしょう?その力を持たない貴方が、何故、そんな大勝負を続けることが出来るのかしら?教えてくださる?・・・・・・・」

飛鳥のその言葉の後ガルドは衝撃の事実を口にした。




はいどうも!ユキ擬きです!
やっとガルド出せました!次はガルドの罪、そしてギフト鑑定まで
行ければ良いと思います!
それではユキ擬きでした、また次の話で!

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