とある傭兵と脚本家   作:子藤貝

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投稿遅くなりました・・・。
最近筆の進みが遅いです。
テンション上がるとすぐ書ききれるのになぁ・・・。


第八話 パリでの出会い

さて、イギリス清教の暗部である『必要悪の教会(ネセサリウス)』から

去ったアーサーは、まず故郷に帰って家の使用人たち全員に

無期限の休暇を与えた。最初は何が起こったのかと

使用人たちは戸惑ったが、事情を知った者達は

皆名残惜しく思いつつも故郷へと帰った。

リディアはアーサーに心酔していたため、

旅についてこようとしたのだが、アーサーから

ローラを影から支えろと命じられ、渋々了承した。

現在、アーサーは海を渡ってヨーロッパ各国を

見て回っている。

アーサーは裏ではかなりの有名人だったため、

偽名を使っている。

さすがに、自分が原因でイギリスが不利なことに

なっては困ると思ったからだ。

 

 

 

 

 

「ごゆっくりどうぞ」

 

凱旋門を遠目に眺めつつ、立ち寄った喫茶店で紅茶を

注文し、一息ついているアーサー。

最初に訪れたのはイギリスとは因縁の深いフランス。

正体がバレないようフード付きのコートで顔を隠し、

魔術によって顔を変えている。

が、魔術は使っているとその国の魔術師などから

狙われる危険性があるため、追々別の対策を

講じようかと考えつつ、手元の鎖を弄る。

なんでも、『知恵の輪』という娯楽品らしく、

行きがけの店で売っていたところを見つけ、

興味が出たので買ってみたのだが、

これが中々に難しい。

一応難易度は一番簡単なものを買ったのだが、

アーサーは未だに解くことができず、

どうしたものかと四苦八苦していた。

 

(なんともまあ・・・気の抜けたことばかりしてますね・・・)

 

長年世界の裏で魔術師を狩り、謀略の中で生きてきた

アーサーにとって、こういったことは実に新鮮なことだが、

多少気が抜けすぎているように感じなくもない。

が、本来血で血を洗うような生き方のほうが異常なのであり、

アーサーの考え方は一般人からすれば実に異質だということを、

彼自身自覚していない。

そんなことを考えていた時。

 

「相席、よろしくて?」

 

「ええ、かまいませんよ」

 

女性から声をかけられる。どうやら、相席を望んでいるらしい。

特に断る理由もないので了承する。

 

「あら、知恵の輪ですか?」

 

「ええ、どうにも解けなくて」

 

相手の女性はこちらの持つ知恵の輪に興味が有るようだ。

 

「やってみますか?」

 

「よろしいので?」

 

「どうせ解けませんので。私はどうも柔軟な発想力が

不足しているようですし」

 

そう言って、アーサーは知恵の輪を相手に渡す。

すると女性はいとも簡単に外してしまった。

 

「・・・なんと」

 

「んー、意外と単純な構造ですね」

 

「ははは、どうも貴女のほうが私より発想力は

上のようで」

 

「ふふ、褒めても何も出ませんよ?」

 

そんなやり取りをしていると、アーサーが注文した

紅茶と、サービスなのか茶菓子が少し。

何故か女性の方にも茶菓子を渡しているが。

 

「こちら私からのサービスです、美しいお嬢さん」

 

「うふ、あらありがとう」

 

女性の方に優先的に茶菓子を渡すウェイター。

どうやら、彼女のついでで持ってきたらしい。

女性はそのウェイターにサンドイッチセットを注文した。

アーサーは黙って紅茶を口に含む。

 

(・・・少し薄い・・・)

 

英国出身であるアーサーにとって、紅茶は生活から切り離せない

も同然のもの。故に人よりも多少は紅茶に詳しく、

味についても違い程度はわかる。

運ばれた紅茶は普通よりも薄く感じた。

まあ、ここはフランス。イギリスであれば文句を言われても

仕方のないような話なのだが、紅茶になみなみならぬ情熱を抱く

彼の国と違い、諸外国ではこれが普通だという認識なのだろうと

アーサーは結論付け、茶菓子を齧る。

通りを走る車の音や、人々の喧騒とは裏腹に、二人は

特に会話をするでもなく静寂な時は過ぎていく。

アーサーは一度解かれた知恵の輪を女性にはめ直してもらい、

再び四苦八苦。一方女性はそんなアーサーを眺めつつ

本を開いている。

どれぐらいの時間が経っただろうか。いつの間にか、

店からは人が消え、通りの車も、人の姿もない。

店主は中のカウンターで常連と思しき客と話をし、

ウェイターは休み時間なのか姿がない。

 

「・・・苦労しているようね?」

 

不意に、女性からそんな言葉がかけられた。

アーサーは手元から顔を上げ、女性を見、

その後再び手元に死線を戻し、

 

「そうですね」

 

一言、それだけ言って話を切る。

何とも無愛想な、まるで対象を拒否するかのような

物言いだった。普段の、最低でも礼儀正しく接する

アーサーでは考えられないような行動だ。

しかし、女性はなおも彼と会話を試みる。

 

「貴方、どこからいらしたの? フランスの出身ではないわよね?」

 

「・・・ヨーロッパの出身、とだけ言っておきます」

 

またも適当な返答。ある程度丁寧な口調ではあるが、

質問された側の返答としては淡白過ぎる。

アーサーはあいも変わらず知恵の輪に苦戦している。

女性はそんなアーサーを眺めつつ、

 

「ふむ、口を割らないのはさすがね、『必要悪の教会』」

 

女性は、本来一般人が知らない、裏の組織を口に出す。

ピタリと。アーサーの手が止まった。

そして溜息を一つ漏らし、

 

「貴女相手に喋るわけ無いでしょう、『傾国』の」

 

瞬間。双方の雰囲気が一気に変わる。

『傾国』の、と呼ばれた女性は寒気のするような笑みを。

アーサーは恐怖で失神しそうな凶悪な眼光を。

アーサーは女性の名を知らないし、女性はアーサーの

名を知らないだろう。なにせお互いに面識など無い。

だが、二人は雰囲気だけで相手がどれほどの人物かを

理解できた。

片や、『必要悪の教会』幹部にして最大主教の腹心。

片や、フランスを影から動かす『軍師』にして『首脳』。

今此処に、フランス・イギリス両国の大戦力といえる

人物が会することとなった。

 

 

 

 

 

(・・・まずいわね。雰囲気からして確実に魔術師の類だとは思っていたけど、

まさかイギリス清教、それも魔術師抹殺に特化した『必要悪の教会』だなんてね)

 

実を言えば、この女性、フランス政府の上層部ですら名を知らない『傾国の女』と

呼ばれる人物が此処へやってきたのはただの偶然だったりする。

魔術を使っている人物を発見し、何者なのかと興味が出て近づいただけだったのだ。

が、蓋を開けてみれば相手はイギリス人。それだけならばまだ

ただの魔術師だと判断した。だが、雰囲気が違ったのだ。

幾多の死線を乗り越えたのだろうと感じる気配と、纏う臭いは錆びた鉄。

間違いなく、イギリス清教の極秘組織、必要悪の教会のメンバーだと確信した。

 

『(此処である程度情報を抜ければよし、駄目ならば理由をでっち上げて

貸しをつくれれば儲けものね)』

 

そう考えて傾国の女はアーサーへ情報を吐かせるよう誘導するため、

会話をしようと試みた。が、相手も中々の人物だと分かったのは

三度目に会話を試みようとした時だった。

 

『(意図的に会話を避けてる・・・やるわね)』

 

フランスの頭脳とまで称される彼女相手に、ただの会話程度でも許せば

いつの間にか情報を抜かれてしまう。

それほどの彼女で以ってしても、アーサーは非常に厄介な相手だった。

これ以上は不毛だと判断した彼女は、アーサーと直接対決したうえで、

情報をもぎ取る方向へとシフトした。

そして現在。

 

「驚きましたよ・・・てっきり幽閉されていると思ってたんですが」

 

「うふふ、さてね。一時的に鎖を解いたのかもしれないわよ?」

 

「・・・食えない方ですねぇ」

 

「あら、こんな美人をつかまえて食えないなんて情けないわね?」

 

「女性がそんなことを言うものではないですよ・・・」

 

「あら、ご親切にどうも。流石は紳士の国出身ですね?」

 

先程からいいように振り回されるアーサー。ローラのもとで

幾度と無く謀略を掻い潜ってきたアーサーでさえ、

超一級の頭脳と舌戦術を持つこの女性相手では太刀打ちできない。

『傾国の女』とはよく言ったもので、これならば本当に

本気を出せば国一つ傾けることなど容易だろうと、

アーサーは心の中で評した。

 

(まさか『ヴェルサイユの聖女』が野放しとは・・・フランス政府も

思い切ったことをする・・・)

 

下手をすれば、彼女によって自国が危機に陥りかねない危険性を

孕んだこの現状を、アーサーは想定していなかった。

度々噂を聞き、フランス政府が野放しに出来るはずがないと

考えていたのだ。

しかし、現に彼女はこうして自由の身。

彼自身の考察の甘さが招いた結果とも言える。

 

(なるべく情報を抜かれる訳にはいかない・・・極力会話を削るしか無いな・・・)

 

舌戦では不利だと判断し、アーサーは話題をそらすのではなく、

話題そのものを切る方向へと決めた。

 

「で、どうして貴方はここにいるのかしら? 必要悪の教会は

表立って活動はしていないのではなくて?」

 

「さて・・・どうしてでしょうね?」

 

含みのある言い方をしつつ牽制する。このまま彼女が

興味を失してくれればいいのだが。

 

「ああ、言わなくてもいいわ」

 

すると予想外の言葉。彼女が自分に本当に興味を失ったのか、

あるいは・・・。

 

「だって貴方、必要悪の教会の人間ではないみたいですし」

 

こちらの事情を知っているか。

 

 

 

 

 

「仰る意味がわかりませんね」

 

そういうアーサーの顔は険しい。そんな表情の変化を、

彼女ほどの人間が見落とすことなどなかった。

彼女のしたことは至極単純。鎌をかけたのだ。

だが根拠もなくそんなことをすれば相手から警戒され、

情報を抜くことが難しい。

しかし、彼女には明確な根拠があった。

 

「イギリスから情報を集めていましてね、必要悪の教会から

重役を任されていた人物が抜けたと」

 

イギリスとフランスは、よくも悪くも互いに近しい関係だ。

そのせいでお互いの情報がかなり得やすい。

もちろん双方は容易に情報を抜かれないよう幾重にも対策を

講じているのだが、それでも限界がある。

情報を集めるとは、そういった綻びを見つけられる

嗅覚が大事だ。そして、『オルレアンの聖女』は

人一倍その鼻が良い。

アーサーはその情報の早さに内心舌打ちした。

 

(まさかこれほどまでとは・・・!)

 

だが顔には出してしまった以上、向こうは確信してしまっただろう。

ならば、これ以上事態を悪化させないためにも

彼女の舌戦に乗る他無い。もし乗らなければ

イギリス清教に事実確認を行ったうえで

何らかの不利な条件をふっかけられるに違いない。

目の前の女性はやる、それを絶対にやる。

アーサーは出会って数時間程度の彼女の本質の一端に触れ、

彼女が躊躇うことなど無いということを確信していた。

 

「・・・で? そんな"はぐれ"の私に何の用ですか?」

 

正体がバレてしまった今、もう友好的に話をする理由はない。

アーサーは目の前の女性相手に、威圧的な眼光で睨む。

しかし、彼女はそんな程度では動じないとばかりに微笑み、

アーサーは完全に流れを握られているのを改めて理解し、苛つく。

 

(・・・苛つく、ですか。今までここまで思い通りにいかないことは

なかったですからね・・・)

 

思えば、彼は昔から優秀だったがゆえに、こういった感情的な怒りには

陥ったことがなかった。が、今彼は理解できた。これこそが、

苛つくという感情なのだと。不快感が強く、自分自身が抑え辛い。

 

(なるほど、イライラして暴力を振るうという人間は、

行為他不快感を拭うためにそういった行為に及んでいるのですね)

 

納得をしつつ、感情を抑えこもうと、冷静さを取り戻そうとする。

徐々に、頭から熱が引いていく。どうやら落ち着くことはできたらしい。

相対する『傾国の女』も、これには少し驚く。

 

(感情的になったところで誘導してってあげようかと思ったのだけど、

中々どうして優秀ね。なぜローラ=スチュアートともあろう女が、

彼ほどの人物を手放したのか・・・甚だ疑問ね)

 

そんなことを考え、方針を急遽変更。冷静になった相手に対し、

これ以上の誘導は逆に不利に陥りかねない。

 

「いえ、そんなことを噂に聞いただけですので。もしかして

間違っていましたか? もしそうでしたら謝ります」

 

「いえ、大丈夫です。少々思い出してしまって・・・」

 

「思い出したとは何を・・・あ、すみません。聞いてはいけないことでしたか?」

 

「いえ・・・前の所属で上司との折り合いが悪かったので・・・」

 

(ふむ・・・そういった事情ね・・・)

 

ここで彼女はミスを犯した。アーサーがでっち上げた理由、

上司との不仲を、先程の感情的な表情から判断して信用してしまった。

アーサー自身が今まで一度もそういった感情を抱いたことがなかったせいもあり、

彼女自身、情報をそこまで大きく把握できていなかったこともある。

 

(上手くいけば、こちらに引きこんで更に情報を得られる・・・?)

 

その可能性を考慮し、彼を丸め込めれば情報が更に引き出せる。

何より、優秀な人材を得られるという即物的な価値があるのだ。

そうと決まれば。

 

「そうなのね・・・よろしければ話してくれる? 幾分つかえが取れるかもしれないわよ?」

 

これで乗ってくればよし、駄目なら情報入手を優先すればいい。

そんな思考で、彼に話を続けるよう促す。

 

「・・・そうですね」

 

 

――数分後。

 

 

「ということで、追い出されてしまいまして・・・」

 

「そうなの・・・苦労してるのね」

 

アーサーが話した内容。それは事実とは全く異なる。

アーサーが仕事の能率が落ちて要らないと言われ、

無期限の休暇を与えられた事実をいくらか改変し、

ローラとの折り合いが悪く、アーサーを疎ましく思った

ローラによって必要悪の教会から追い出されたという

嘘の内容を話したのだ。

アーサーは彼女がまだ情報を全体的に把握していないと

考えていた。

 

(最初にネタばらしをした時に、私の名前を呼んでいなかった・・・。

つまり私が必要悪の教会元所属の人間だと知ってはいても、

私自身がどのような人物か、名前さえも分かっていない可能性のほうが高い)

 

つまり、偽の情報を握らせつつ、こちらの有利な状況へ

少しずつ流れを掴んでいこうと考えたのだ。

そして、この作戦は功を奏した。

 

「なら、私達のところに来ない?」

 

普通、敵対している組織の人間を招き入れるというのは、

かなりリスクが高く、良い手とはいえない。

相手がスパイだった場合、こちらから招き入れてしまう上に

より不覚の情報を抜かれてしまう可能性が高いのだ。

だが、彼女は自身が持つ情報の価値を理解し、

彼の異常さを見抜けなかったがゆえに、

彼を抱き込んで情報を得ようと考えた。

まんまと、アーサーの策に乗ってしまった。

 

「よろしいので?」

 

「敵対している組織に所属していたというのは大目に見るわ。

貴方と貴方が持つ情報は、それを補って余りあるもの」

 

しかし、アーサーとしてもあまり歓迎できない状況である。

このままフランス側についてしまえば、イギリス清教に

対して本当に敵対したと思われてしまい、最悪彼の敬愛する

ローラ率いる『必要悪の教会』と対立しかねない。

どうしようかと悩んでいた時。

 

「大丈夫よ、貴方を使いこなせなかった無能と違って、

私なら貴方の能力を十全に引き出してみせますよ」

 

無能? 一体誰が? 自分の元上司のこと? それは誰だ?

それは・・・。

理解した時、自然と彼の全身の血が沸騰したかのように熱を帯びた。

 

「貴女ほど無能ではないですよ、ローラ様は」

 

もう、止まれない。

 

 

 

 

 

「・・・なんですって?」

 

「おや分かりませんか、さすが三流の無能ですね」

 

豹変したアーサーの言葉を聞き、『オルレアンの聖女』とまで謳われる

彼女は一瞬動揺した。

なんだ、この異常なまでのうすら寒い殺気は。

なんだ、あれほどまでに冷静沈着な彼を変えた理由は。

一体何だ・・・この男は。

とにかく、三流の無能などと言われては、さすがに彼女も黙っていられない。

 

「言ってくれるわね、仕事もない敗北者」

 

彼女はフランスを影より動かす、国家の頭脳そのもの。

此処で舐められてしまっては沽券に関わる。

しかしアーサーは怒気を抑えることなくこう言う。

 

「まだ気づかないんですね、私に嵌められかけたというのに」

 

「・・・どういうことかしら?」

 

「私はね、確かに仕事ができないからと必要悪の教会から追い出されましたよ。

ええ、所詮私は無能です。ですが、私は忠誠を損なったわけではないんですよ・・・!」

 

「っ!」

 

「我が敬愛する最大主教様相手に、よくもまあ三流風情が無能などと・・・!」

 

周囲に人がいないことが幸いした。もしいたならば、この恐るべき殺意に

あてられて泡を吹いて気絶したことだろう。

というよりも、この状況をつくったのは実はフランス側なのだ。

『傾国の女』などと揶揄される彼女をそのまま放置するのはさすがに

国家の指導者としても問題があるので、魔術師を数人彼女の影の護衛として、

また監視として常に付かせているのだ。

そして彼女がアーサーに近づく時、彼らに命じて人払いを敷いた。

故に人っ子ひとり、通りにはいないのだ。

そして、影から彼女を見守っていた護衛の魔術師達の顔は、

酷く恐怖に塗れていた。

幾多の死線を乗り越えた彼ら精鋭ですら、必要悪の教会という

対魔術師に特化した組織において幹部にまで上り詰めた

ほどの実力者相手では、数の利があっても勝てる場面が想像できない。

そんな殺気を間近でぶつけられた彼女は、それでも正気を保ち、

彼と真正面から向かい合っていた。さすがに一国を背負う

女性である。それでも、彼女自身一瞬とはいえ彼に怯んでしまった。

これ以上彼を怒らせては不味いと判断した彼女は、

とりあえずはまず謝罪からすることとした。

 

「御免なさい、貴方がそれほどまでに敬愛する人物とは知らなかったの」

 

「・・・まあいいです。こちらも貴方を罠に嵌めるつもりでやっていましたからね」

 

「そう、ならこれでお互い様ね。それにしても驚いたわよ、凄い殺気だったもの」

 

「いえ・・・」

 

アーサーとしても、これほど激昂したのは久々だった。やはり、自分にとって

ローラという人物はとても大切な人なのだと実感できたとともに、

感情的になってしまったことを猛省する。

インデックスとの出会いから、彼の中で少しづつ変化が起こり始めていることに、

アーサーはまだ気づいていない。

 

 

 

 

「さて、これ以上交渉の余地も無さそうだし、私は御暇させていただくわね」

 

「・・・いいんですか? 私を捕らえれば情報を抜き出せるかも知れませんよ?」

 

「やめておくわ・・・貴方ほどの忠誠心のある輩を、あの最大主教(アークビショップ)

ただ手放したとは思えないもの。下手すればこっちが火傷するはめになるわ」

 

それに、と続ける。

 

「貴方が吐くとは想像さえできないわ、ただでさえうちの精鋭が怖がっているのに」

 

そう言って視線を別のところに向ける。視線の先にはガタガタと体を震わせる

魔術師と思しき人間が数人いた。

『傾国の女』はゆっくりと立ち上がると、そのまま立ち去っていく。

 

「私をコケにしてくれたツケは、いずれ払ってもらうからね」

 

ヒラヒラと手を振りながら、彼女はいつの間にかできた人ごみの中へと消えていった。

さて自分もそろそろ行くかと思い、ウェイターを呼んで勘定を

お願いしたのだが。

 

「13ユーロ(日本円で約1300円:2012年9月時点)です」

 

(・・・やられましたね)

 

彼女が頼んだサンドイッチセット代(12ユーロ)を、支払わされる羽目になったのだった。




アーサー「作者」

子藤貝「え、なに?」

ア「実はネタがなかったでしょう」

子「ギクッ! ソ、ソンナコトナイヨー」

火織「バレバレですね・・・」

子「ま、まあとりあえず書ききれたしいいじゃない!」

傾国の女「でも名前が判明してないせいでこんな状態だわ」

ローラ「いーじゃなきこと・・・私なんて出番しばらく無きことなるのよ?」

子「うーん、でもやっぱり書きづらい・・・名前考えてみよっかな?」

ロ「ちょ、よきことなの!? 一応原作沿いがコンセプトでありけるのよね!?」

子「ただし新説前までだけどな! 新説読んでないし!」

ア「原作についていけなくなったんでしたね」

子「うん、もうラノベ自体最近読んでないよ・・・」

ステイル「まあ、とりあえずアンケートでも出してみたら?」

子「やり方知らない」

一同「「「「「ググれ」」」」」

子「ハモった!? と、とりあえず意見のある方は感想にて
  ご一報いただけると幸いです・・・」

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