とある傭兵と脚本家   作:子藤貝

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今回も短めです。
あと、今年の投稿はこれで最後だと思います。
年末のバイトが始まるので。


第十三話 学園都市と傭兵②

「よーやく到着ってとこぉ?」

 

アーサーとの戦闘から十数分後。

少女はようやく目的の研究所へとたどり着いた。

早速建物の中に入ろうとした所、フロントの

長椅子に座していた白衣の男性が近づいてきた。

どうやら、ここの研究所の職員らしく、

少女に依頼をした人物の部下のようだ。

 

「お待ちしておりました。で、例のものは?」

 

「これよ。で、報酬のほうなんだけど」

 

「そのことですが、それの効果を確認した後、

報酬を振り込ませていただきたいのですが」

 

少女が職員の質問に答え、ジュラルミンケースを

手渡そうとして、少女の予想とは違った返答が出たため、

彼女は手渡そうとしていたものを引っ込めた。

 

「・・・あの?」

 

「ふーん? 契約じゃあ手渡したらさっさと振り込むって

言ってたじゃない? それを反故にするってことは

それ相応の覚悟はあるってんでしょうねぇ・・・?」

 

荷物を引っ込められて、怪訝な表情をしている研究員に対し、

少女は目を細めつつそんなことを言い、

 

「ヒッ!?」

 

「あんたのとこから持逃げなんかした馬鹿を、ブツの回収

のついでに抹消までしてやったってのにその態度?

ふざけんのも大概にしろよこのヒョロもやしがぁ!!」

 

恐るべき殺気を伴った眼光と暴言を放つ。

ただでさえ先程の戦闘で疲れてイライラしていたのだ。

挙げ句の果てにこれでは少女のフラストレーションが

爆発しても無理のないことだった。

と、そんな時。

 

「まあ待てよ、せっかく来たんだ茶ぐらい出させろや」

 

「・・・あんたか、木原」

 

「そのとぉり、愛しの木原ちゃんだよー廿日市(はつかいち)ちゃん?」

 

「うわキモッ! 寒気がするからその喋り方やめろ!」

 

「ちぇっ、ほんのジョォォォクだろうがよ」

 

奥から現れたのは、所々に黒いシミのついた白衣を着た

20代ほどの男性。目は釣り上がり、口元は口角が大きく上がった

鋭利な刃物のよう。肌は幽鬼のように白く、充血した

目は悪鬼を思わせる。

総じて、地獄の底からやってきた悪魔だと言われても、

否定できる材料がないような顔だった。

彼の名は、木原弾指(きはらだんし)。学園都市に存在する数多の科学者の中でも

異常さが際立って高い、早い話イカれた人物だ。

そして彼女、弾指が廿日市と呼んだ少女、廿日市要(はつかいちかなめ)

の能力開発を手伝った人物でもある。

要が今回の依頼を請け負ったのも、彼に受けた恩を返すため。

だからこそ文句を言いつつも、人に従うことが嫌いな

彼女が態々後始末までして荷物を届けに来たのだ。

 

「で、私を実験に同行させようだなんてどういうつもりよぉ?」

 

「そりゃ着いてきてくれりゃ分かる」

 

「・・・あんたの一族がいたりなんてしないでしょうねぇ・・・ガッ?!」

 

彼女がそんなことを言った、その瞬間とほぼ同時。

弾指は要の喉元に勢いよく腕を伸ばし、彼女の首を絞めた。

 

「う・・・ぐぁ・・・!」

 

「今度んなこと言ってみろよぉ・・・殺しちゃうよん?」

 

「わ・・・分かった、か・・・ら・・・!」

 

要の返答を聞き、弾指は満足したように笑みを浮かべ、

喉に回していた手を緩め、彼女を下ろす。

万力のように締められていた彼女は、その束縛から

開放されたと同時に咳き込み、新鮮な酸素を取り込もうと

必死にゼイゼイと息を吸う。

そして彼女は呼吸をようやく落ちつけた後謝罪した。

 

「悪かったわねぇ・・・あんたあいつら嫌いなんだっけか」

 

「そりゃ、あんな人を人とも思えないような馬鹿共なんて

好きになれるわけないじゃーん」

 

軽薄なしゃべりとは裏腹に、弾指の言葉には真剣味が滲んでいる。

 

「んじゃ、早速実験に付き合ってもらおっか?」

 

「・・・もういいわぁ、最後まで付き合ったげるわよ」

 

そうぼやきながら、要は弾指の後をついていった。

後に残されたのは一連の行動を傍から眺めてポカンとしていた研究員

だけだった。

 

 

 

 

 

「ふむ・・・ここが彼女の目的地か・・・」

 

一般的な日本人とは一線を画す身長の高さをした青年が、

要の入った研究所の前に立っていた。

その姿は薄汚れたトレンチコートに、大きなカウボーイハット。

顔には、渦巻き模様を歪ませたような奇妙な模様が描かれた、

頑丈そうな仮面を被っている。

 

「・・・どこからか侵入してもいいですが、セキュリティが並では無いでしょうね」

 

そんなひとりごとをポツリと零す。実際、この研究所は見た目こそ

小さな研究施設だが、それは弾指が極秘に研究しているあること(・・・・)

隠すための目眩ましの一種にすぎない、内部は、それこそ学園都市でも

一般的な施設より遥かに強固な防護壁や認証システムがある。

万一侵入でもすれば、彼が独自のつてで雇っている能力者で構成された

警護部隊が出動するようになっている。

 

「なら、正面から行かせて頂きましょうかね・・・」

 

青年はそんなことを言いつつ、研究所の入り口へと進んでいった。

 

 

 

 

 

一方、要と弾指は研究所の地下へと足を運んでいた。

この研究所は1階は生命科学を主体とした、一見すれば真っ当な

研究を行なっているように見えるのだが、

一部の関係者のみが知っている地下へと続くエレベーターに

乗って地下へと行くとその正体を現す。

この施設では、置き去り(チャイルドエラー)と呼ばれる、

学園都市に預けられると同時に親から捨てられた、身寄りのない

少年少女を研究の実験協力者という名目で保護、そして

表向きは彼らを研究に携わせつつ社会復帰を支援して

彼らは実験施設から消えて行くという、裏の目的を

覆い隠すための方便を行なっている。

その実態は、彼らを強制的に麻痺や痙攣を起こさせる

薬品を投与してそのデータを採取したりしている。

その研究の(むご)さは下層に行くほど充実し、

酷いものでは精神や心を病んだ人を復活させる目的として、

彼らの心を恐怖やトラウマなどを起こすような残虐な

行為、例えば兄弟であればお互いに殺し合いをさせたり、

手足を切り取って筆舌に尽くしがたい実験を行うなどをし、

心が壊れた彼らをどうやって元の状態に戻すかの

実験を、薬品投与や痛みによる刺激などを用いて

研究し、完全に廃人となってしまった者達は

地下上層の実験施設に送られる。

おおよそ人間として考えられる地獄をスタンダードに

備えた、悪夢のような幽閉施設である。

そんな万魔殿のどこに彼らが向かっているのかといえば、

地下5階、最下層にして弾指の個人的な実験を行うために

特殊な機器を配備されている、地獄の底である。

 

「うぇ・・・鼻がひん曲がりそうよぉ・・・」

 

「そうか? むしろ爽やかな香りだと思うんだがよぉ」

 

「・・・やっぱあんたイカれてるわ」

 

「ヒャヒャヒャ、そりゃどうも」

 

到着と同時に、エレベーターの扉の向こうから

鉄臭い異臭が立ち込めてきており、要は思わず

顔を顰めて言ったが、弾指は意にも介さず

爽やかな香りなどど言い出した。

その言動から、彼がどれほどイッた人間かということを

要は改めて実感した。

開かれた扉の向こうは、一見すれば真っ白に統一された

清潔感あふれる病棟といった具合なのだが、

廊下の所々は電気が明滅し、一部の蛍光灯は

切れてしまっているのか点いておらず、不気味な

薄暗さを演出するのに一役買っていた。

 

「・・・ここに来るのも久々ね」

 

そうしみじみとした様子で漏らす。

彼女はとある理由でこの施設へとやってきて、

弾指が当時行なっていた実験の実験体として

協力し、彼に恩を受けた。

そう、彼女は一度此処にやって来たことがある。

 

「だがよぉ、結局アイツには勝ててねぇんだろ?」

 

「いいえ、いつか絶対に勝つ。その切欠をくれたあんたには

感謝してるわぁ、木原」

 

「だからよぉ、俺を苗字で呼ぶのやめてくんない?

まーじで不快感しか無いから」

 

「あれだけ私にやらかしたのよぉ? 当てつけだと思って

諦めなさぁい」

 

そんなことを言い合いながら、廊下を進んでいく二人。

やがてつきあたりに到達し、扉が目の前に現れる。

真っ白な廊下に似合わず、その扉だけは真っ黒な、

非常に不似合いな重苦しさを感じさせる扉だった。

 

「んで、今度はどんな面白いものを見つけたのぉ?」

 

興味本位で、要は弾指に聞いてみた。

すると、弾指は彼女が予想していたことよりも

遥かにぶっ飛んだ発言をした。

 

「なぁ・・・人類の敵を見つけたっつったら、お前どうするよ?」

 

 

 

 

先ほど要を出迎えた研究員は、地下へとやって来て

施設の同僚たちを眺めつつ、施設内を歩き回っていた。

ふと、彼は腕時計を眺めながら少し思案した風に目を閉じ、

次いで目を開くと早足で歩き始めた。

それを見た研究者の一人が、彼にそんなに急いで

どうしたのかと聞いた。

すると彼曰く、もうじきこの研究所に出資している

大物がやってくるので、所長を探している、

とのことだった。

事情を聞いた研究者は彼は地下5階、彼のプライベートな

実験を行うための場所に行ったと聞いた。

彼はそれを聞くと研究者に感謝し、地下へと向かうべく、

エレベーターへと早足で去っていった。

研究者はそれを眺めた後、自分の実験結果を

レポートにまとめるべく自分の部屋へと戻ろうとしたが、

 

(・・・あれ? あの人ってあんな歩き方だったか?)

 

そんな違和感を覚えたが、どうでもいいことだと結論づけ、

そのまま部屋へと戻っていったのだった。

 

 

 

 

部屋の中は凄惨な光景とは言い難い、それこそ地獄の釜の蓋

が開いたとでも言うべき光景だった。

壁中に誰かしらの血痕が飛び散り、所々には

肉片のようなものもこびりついている。

床には大勢の少年少女が横たわり、誰一人として呼吸をしておらず、

誰も彼も体から血を流して冷たくなっている。

何人かの体はどこかしこが欠損しており、痛々しい傷を

残したまま死んでいる。

頭がもがれた者、腕が千切れた者、内臓が引き摺り出された者。

おおよそ人の考えうるグロテスクな死に方をこれでもかと

披露しているかのようだ。

そんな光景に顔を顰めつつ、要は弾指に質問する。

 

「ねぇ、これなんなの?」

 

「んー、人のなりそこないを出来るだけの方法で殺してみました!」

 

「・・・なりそこない、ねぇ」

 

弾指の言葉に、ますます怪訝な顔をする要。

こんな光景を実現させるほど弾指は狂人的な思考を持つ科学者だ。

だが、彼は決して人を実験生物のようには扱わない。

彼は人を用いて実験を行うようなことは一切していない。

何故なら彼は人を尊敬し、人を愛しているからだ。

それ故に彼は自身に関わる一族と意見が対立し、

結果として彼らと袂を分かつほどだった。

一見すれば余りにも矛盾した主張だろう。

彼は人間を平気で実験に利用するし、それに何の感慨も浮かべない。

そんな彼がどうしてそんな恥知らずなことを述べられるのか。

それは彼自身の思想からして、普通の人間とはかけ離れた考え方だからだ。

 

人間(・・)()は違う・・・あんたの持論だったっけ?」

 

「そーそー、人間は人が含まれるカテゴリでしかなくて、

人ってのはもっとすんばらしいもんなんだよねぇ」

 

彼は人間を唯の哺乳類の一種としか見ていない。

彼にとってはその程度の認識でしか無いのだ。

では人とは。彼のいう人とは、理性を持ち、

唯の哺乳類とは違った生命体のことだ。

彼にとっての人とは、向上心を忘れず、

進化し続ける存在であることが条件だ。

非常に独善的かつ身勝手な考え方でしかなく、

世の中の誰彼からも非難されてもおかしくない。

実に狂った考え方だが、倫理観を無視した

うえで考えた場合、彼ほど人を愛する存在もそういない。

なにせに人という存在に可能性を持ち続け、

決して絶望などしない。決して信じて疑わないのだ。

今やっている実験も今までやってきた実験も、

(ひとえ)に人の発展のためを思ってやっている。

そのためならば彼は一切容赦はしないし、

自分が人の害になる存在だと思ってもいる。

善悪というものを取っ払って考えたら、

彼はそれ相応の信念を持って行動する人物である。

その基準が、かなりズレたものであることは否めないが。

 

「んで、人大好きなあんたが人類の敵って言うことは、

よっぽどのモンが見つかったってことぉ?」

 

「・・・要ちゃんってさぁ、人と動物との違いはどこだと思う?」

 

「はぁ? また唐突ねぇ・・・。理性があるってとこかしらぁ?」

 

「チッチッチ、それじゃあ人間だろうと人だって言えちゃうじゃん?

俺が思うにねぇ、精神にこそ答えがある思うんだ」

 

「精神に? あんたがそんな非科学的な人間とは思わなかったわぁ・・・」

 

「ノンノン、極めて科学的な考え方だと思うよーん。

俺はさあ、理性ってのは所詮意識のおまけでしかないと思うわけよ。

んでもって、その意識を形成させてるものってのは何だと思う?

俺たちが精神っていう存在だと、俺は仮定したのさぁ。

人の人たる決定的な違いは、精神の強さにあるんだと、

俺は考えてるんだよねぇ。人ってのは誰であれ俺の知る限り

強い意志ってのを持ってる。そして意志は意識から成る。

ここまで来れば分かるだろう?」

 

「理性は意識に根ざし、意識は精神によって形成される。

そして強い意志を生み出す根源たる強い精神を持つのが、

人であるってとこぉ?」

 

要の回答に満足気な顔を浮かべて、弾指は話を続ける。

 

「そそ、んでその精神を研究するのが俺の最近のテーマ。

幸いにして、人の類似品ならいくらでも存在するからねぇ。

人ほど強くはないとはいえ、それに準じる精神を持つ人間を

更に強い精神にすることが出来れば、

まさに生物の進化につながる大成功だろう?

"人間"程度から高潔な"人"になれるんなら、

"人"は更にその上に、それこそ"神"にも近づける!」

 

「・・・面白い仮説だけどさぁ、それがどう『人類の敵』に

つながるわけぇ? 人類の侵略者(インベーダー)とでも交信したの?」

 

彼の独特な持論を展開され、多少の理解を示しつつも

さすがに引いていた要だったが、その話と先ほどの言葉が

どう関係しているのかを聞く。そのままにしていたら延々と

その持論を展開されそうだったからだ。

さて、要にそんなことを指摘された弾指は、

床に転がっている人類のなりそこないの死体を指さし、

 

「あれらがさ、もし"人"だったとしたら、どう思うよ?」

 

「・・・は?」

 

彼女は彼の言葉に一瞬呆けた表情になる。なにせ

彼は決して"人"は殺さないし、対等かそれ以上の

対応をする。それだけ、彼は"人"が大好きなのだ。

そんな彼が、"人間"を殺しこそすれ、"人"を殺すなど

ありえない。その上、"人間"を"人"と同列に扱うことを嫌う

彼が、なりそこないなどと揶揄した彼らを『人だった』

などというなど、それこそありえない話だ。

彼はそんな彼女を一瞥しつつ、更に話を続ける。

 

「さっきも言ったがよぉ、今の俺のテーマは『精神』・・・。

それを研究するために人間をそりゃもう色々と

実験のために費やしたんだよねぇ。

で、先日さ・・・俺は出会っちまったんだよ、『敵』とな。

そいつは此処に転がってる人間を"人"のようにしてみせた」

 

「・・・"人間"を"人"に?」

 

「そう、俺は驚愕したよ。最初は喜んださ・・・人間を

"人"に進化させる可能性を見つけたってな・・・。

だがな、違うんだよ。奴がやってみせたことは、

正確には全部同じ"人"にしてみせてやがった。

俺は恐怖した・・・奴は、自分と寸分違わず

同じ精神を形成させ、植え付けることができた。

コレを恐怖と言わずしてなんて言うべきかね?

なにせ奴は、精神を生み出し植えつけるバケモノだ。

それこそ、"人間"だろうと"人"だろうと関係ない。

まさしく、本当の意味で人類を抹殺できちまう」

 

意識の根底は精神。それが同じものとなってしまえば、

それはもう同一人物になることに他ならない。

学園都市の能力者には、その能力の土台となる独自の感覚、

自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』がある。

これは、能力者自身の持つ独自の意識と心の世界を構成する

重要なファクターであり、それは己の想像、妄想、信じる力

そのものとも言える。これが強烈であればあるだけ、

能力者は高位の力を備えることができる。

だが、彼が言ったことがもし本当であった場合、

能力者にそれを行うだけで完全に能力の無効化を行える。

いや、それだけならばまだいいだろう。あくまで

超能力は学園都市が掲げる最終目標、

『神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの《SYSTEM》』を

実現するための研究の副産物であり、あろうが無かろうが

別段人の機能を不全に追い込むほど重要なものではない。

あれば便利だが、無ければそれはそれでどうとでもなる。

 

問題であるのは、同一人物となった精神が前の精神と同調し、

超能力を行使することができる様になった場合だ。

考えてもみて欲しい。軍隊出会っても所詮は他人であり、

完全に一体とした動きをすることは不可能である。

あくまでそれに準じる動きができる、それが人と人の

協力の限界である。だが、彼らが全員全く同一の存在であるとなれば、

それは数千数万で一となる、群体によって成立する

生命体であるようなもの、文字通り『手足のように』動ける。

それが能力者であった場合・・・正に悪夢の軍隊、いや群体が

成立するのだ。能力者一人とっても低能力者でも無能力者よりも

圧倒的に優位を保てる。どれほどの強者であっても、

数の利は絶対に覆すことはできない。それができるのは

正しく神の域に至った存在ぐらいだろう。

それを見つけてしまった弾指にとってみれば、

狂ってしまったほうがまだマシだっただろう。

だがそれはできない。彼は"人間"ならどうでもいいが、

"人"に対しては絶対の愛情を持っている。

見捨てる選択肢など、鼻から存在し得ないのだ。

狂うか諦めないか、圧倒的なまでの葛藤が胸の奥で今も渦巻いている。

その表情は、まるで今生の敵を見つけたかのように、

憎々しげなものだった。

 

「・・・あんたがそこまで言うなんて、よっぽどの存在みたいね」

 

「確実に、人類の最大の敵たる存在だ。俺はそいつを根絶し尽くす

方法を考え続けた。そのために、あらゆる手段を使った。

だが無理だった。殺し尽くせなかったのさ。

どれだけのことをしても無理だった・・・。もう後は要ちゃんが

持ってきたコレ(・・)ぐらいしか手がないんだよ」

 

そう言って、持ってきたジュラルミンケースを開いた。

その中には、真っ白な何かが詰められたビニール袋が

大量に入っていた。

 

「ふーん・・・それがあんたの最終手段・・・ってわけか」

 

「そうだ・・・この学園都市の非合法研究が産み出した違法麻薬、

コレが俺の打てる最後の手段さ」




月林「ナゼナニ!」

子藤貝「傭兵質問コーナー!」

月「・・・まさか続くとは思わんかったわい」

子「私もだよ・・・んで今回のテーマは」

アーサー「原作キャラとの関わり方、らしいですね」

イ「私とかすているはもう登場してるんだよ。
でも他の人とかはどうなるのかな?」

子「姫神は絶対に出す、絶対にだ」

月「んおっ!? どうした、いつになく燃えておるの?」

子「黒髪ロングの巫女さんとか私得」

イ「うわっ、判官贔屓なんだよ! 私の立場は!」

子「あ、安心して。インデックスはちゃんと活躍させるつもり」

月「お主、ひょっとして原作で不遇なのが好きなんか?」

ステイル「らしいね。どんどん原作からフェードアウトしてく
人たちが何をしてるのかを妄想するのが好きらしい」

イ「・・・それはそれで気持ち悪いかも・・・」

子「酷い! せっかく出番多目に考えてあげてんのに!」

月「此奴が気持ち悪いのはいつも通りじゃろうが。そろそろ
時間じゃから今回はこれで終わりじゃ。ではの」

ロ「・・・私は原作でもあんまり出番なきたるのだけれど?」

子「え、主人公の上司ってだけ美味しいポジションじゃん」

ロ「それだけたるの!? もっと出番ほしきことよ!
でーばーんー!」

イ月子ス「「「「うるさい」」」」

ロ「・・・はい(シュン)」

子(あ、ちょっとかわいいかも。出番そのうちあげるか・・・)

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