久しぶりぃ!(*´ω`*)
風邪やらテスト期間やらで忙しかったんです(言い訳)
今日はもうテスト二日目なんですが、投稿しちゃうぜ~!
では、本編どうぞ!
程よい肌寒さを感じる十二月末。
寒さに慣れただけかもしれないが、地球温暖化の影は、ここ幻想郷には微塵もない。
思えば、環境としては優しいわけだ。
心地よさを感じる昼下がり。
つい笑顔を漏らしてしまう今日、十二月三十一日。
四人総出で、白玉楼の大掃除。
異様なほどに広い白玉楼。
朝から掃除を開始しているのだが、丸一日かかりそうだ。
さすがに応援を呼ぶわけにもいかない。
雑巾を水に浸けて絞る度、寒さが針になって手を刺される。
顔を顰めながらも、自らを叱咤するように雑巾で廊下を拭き上げる。
「こっちは終わりましたよ~!」
「わかった、こっちが終わったら行くよ!」
妖夢の報告に、長い廊下に向かって声を張り上げて、手を動かす。
気持ち早めに動かして、早々に切り上げ、別場所へ。
それを幾度も繰り返して、全員で幽々子の部屋で休憩を数度。
あと何回これを繰り返せばいいのか、見当もつかない。
見当がついたところで、果てしない先を見ることは約束されているのだが。
「翔、調子はどうだ?」
「こっちはオッケー、幽々子さんも、中々に頑張ってくれているお陰でね」
「えぇ、途中で作り置きされていたお菓子を、ちょっと食べただけよ? 褒めて褒めて」
いやおかしい。騙されるな。
食べることはむしろ褒められるものでもない。
「天君、騙されてはいけませんよ。お菓子、ちょっとどころじゃなく減ってますから」
「――とのことだが、幽々子。弁解は?」
「え、えぇっと……き、気のせいよ、気のせい」
いや嘘かよ。吐いちゃうのかよ。
せめて正直に話せばいいものを。嘘の必要性皆無なんだが。
はぁっ、と密かな溜め息は胸中に留める。
吐き出す息に使う予定だったエネルギーを原動力に、畳から立ち上がる。
「さて、もうそろそろ再開するぞ~。このペースじゃ、日と年が変わってしまう」
「えぇ、わかりました。もうひと頑張り、ですね」
「りょーかい。本当に間に合わなくなりそうだから怖い」
「は~い。お菓子お菓子~」
一人だけ休憩モードのままですが。
ちょっと問題ありませんかねぇ? 本当に終わらんよ?
「「「終わったあ~!」」」
随分と時計の針は進み、ようやく終わりは訪れた。
元々薄暗い白玉楼も、完全に自然光は落ちた。
俺達を照らすは、灯りのみ。
今日一日で溜まった疲れを全面に出して、四人が四人、円になって畳に仰向けに。
大の字になって、声を投げかける。
「……で、今何時だ?」
「……十一時過ぎ」
あと、一時間もない、かぁ……
どうやら、休む暇もなさそうだ。
こんなことなら、もう少し前から大掃除は進めておくべきだった。
「よっし、年越しそば用意してくる。妖夢は休んでていいから」
「そ、そうさせてもらいますぅ~」
かなりお疲れのご様子の妖夢ちゃんでございます。
そんなうちの彼女を背に、一人、廊下を通って台所へ向かう。
……え? まだ早すぎるんじゃないか、だって?
やだなぁ、うちには胃の中ブラックホールの亡霊お嬢さんがいますやん。
「皆、いるな~?」
「心の準備もいいですよね~?」
俺と妖夢の呼びかけに、皆で笑って返す。
年越しそばも作り終わって、幽々子の部屋に戻ってきた。
年が明けるまでも、あと残すところ数分となって――
「あ、天、私のそばがないわ~」
「ふざけんな。最初からなかったみたいな言い方すんなよ」
まぁ、こんな予想もついていたので、大鍋ごと持ってきたんだけどね。
幽々子の丼型の器を手に取り、結構な量を盛って渡す。
……そんなに笑顔になられると、こっちも嬉しいというかなんというか。
「っと、もうカウントダウンも始まりそうだな」
「私のそばのカウントダウンは、もう終わっちゃったわ」
「ふざけんなおい」
えぇ本当に、吸引力が凄いですねぇ。
どこかの掃除機並に定評がありそうだなぁ。
もう箸をつけないように、と釘を刺しておかわりを渡す。
どこか不満そうながらも、箸を置いてじっと待つ。その時を。
「「「――三、二、一! あけまして、おめでとう~!」」」
「おかわりぃ~!」
「飛ばしすぎだろうが!」
かくして、一風変わった大晦日を迎えた白玉楼。
――ということで、数時間後。
四人でやってきました、神社。
まずは博麗神社に来て、お参り。
時間としても、場所としても、最高の初日の出がバック。
「あら、本当に来るとは思わなかったわよ、天」
「心外だぞ、霊夢」
……少し、多めにお賽銭入れてやるか。
おみくじも引いて、絵馬も書こう。
――そしてまた神社。
四人でやってきました守矢神社。
同じように、お参り賽銭におみくじ、絵馬。
「お、おぉぉ……! 天君、二回大吉ですよ……!」
「えっすげぇ。俺二回とも中吉だわ」
普通にも程があるね。うん。
あ、翔は中吉・吉。幽々子は、末吉に凶らしいね。
亡霊の幽々子に関しては、運勢が通じるのかどうかは、定かでないのだが。
「そ、天く~ん、私、もうねみゅいですぅ~……」
突然に、ふらふらとしだした彼女。
いや、さっき大吉二回目ってはしゃいでたじゃん。……嘘か。
「はいはい、おんぶね~。……よっと」
「えへへぇ……はふぅ~」
心地よさそうでなによりですはい。
嘘とはいえども、気持ちがよさそうだ。
朝焼けに微笑みを返して、四人で白玉楼へと帰宅。
「……んんぅ」
「あ? あぁ……ホントに、寝ちゃったのね」
背中からは、安らかな寝息。
か細くも可愛らしいそれは、聞くだけでもかなりの癒やしだ。
さらに深みを増した笑みを携えて、ゆっくりと浮遊。
遊覧するように、穏やかに。
――平和。
――自由。
――希望、未来、尊重、恐怖。
――全てが、塗り替えられた。
目を疑うような、絶望。
耳を疑うような、破裂音。
自分の認識さえも、騙されそうになる。
そんな、
……それは、四ヶ月後。
桜舞う季節。丁度、檮杌戦と同じような時期に。
『絶望』は、桜と同じくして、舞い降りる。
―*―*―*―*―*―*―
「……そろそろか」
刀を取り、幻想郷へ。
――『
ありがとうございました!
今回はいつもの半分くらいの長さ。
反省の色が見られない(´・ω・`)
次回から、ついに不知火は動き出します。
それにあたり、一話あたりの文字数が少なくなるかもです。
引きをよくしたいので。かもですが。
ではでは!