注意、エロ話です。
めちゃくちゃ入ってます。それはもう。
限りなくR18に近いです。
が、例によって、他サイトやハーメルン等からR15の基準内だと思って書いてます。
恐らく大丈夫だとは思いますが……
では、本編どうぞ!
今年も終わりに近づいてきた寒冷の候。
針となって冷たさが突き刺さる風は、ただひたすらに冷たかった。
そしてどうやら、俺の手も限界のようだった。
いつも通り修行を終えて、夕食の時間。作る分には問題なかった。
――だが。
カラン、と木製の箸が右手から滑り落ち、軽快な音を立ててちゃぶ台に落ちた。
「あら、大丈夫? 箸替える?」
「……あ、あぁ、大丈夫だよ。畳ならまだしも、この上だし――」
カランカラン。
……絶望に等しかった。
目を見開いた。震える手と、横になった箸を見た。
息は気付かないくらいにだが荒く、間隔は短く。
「……ねぇ、だいじょぶなの?」
「あぁ、翔、大丈――」
「貴方、まだ隠すつもりなの? 何かあるんでしょ?」
ドキッとした。これが恋愛的な意味だったら、どれほどよかっただろうか。
緊張感は全身に巡り、心臓の鼓動が煩く聞こえてくる。
幽々子の声を、無意識的に自分の耳から入らないように遮断していた。
「……ねぇ、そ――」
「ご馳走様でした。俺は部屋に戻るよ」
逃げたかった。何も話したくない。
手早く夕食をかけこみ、空になった食器を持ってちゃぶ台から遠ざかる。
部屋を抜け出して、本当に逃げるように台所へ。
運んでいる間にも、食器を洗っている間にも、俺の精神が一つに留まることはなかった。
食器に当たる水流の音を聞いても、落ち着かない。
(天。もう限界なんじゃない? 早めに言った方がいいと思うよ?)
(……もう少しで、終わるんだ。だから。今心配かけるわけにも、いかないんだよ)
残る黒幕はあと一人。
ラストを飾るということは、今までで一番強いと考えてもおかしくはない。
そんな大切な戦いも、いつ訪れるかはわからない。
という状況で、俺がプラネット・バーストの怪我を引きずっている。
そんなことは……言えるはずがなかった。
「はぁ~……」
部屋に戻って、先程敷いた布団の上に寝転がって、天井を仰ぐ。
どう、しようか。どうすれば、いいんだろうか。
溜め息をゆっくりと重く吐くけれども、体から靄が出た気配は全くしなかった。
正直、バレるのも時間の問題だろう。ならばいっその事、言ってみるか?
いやでも、やはり余計なことを言う必要はあるまい。
「……失礼します、天君」
「……!? あ、あぁ、どうぞ」
心臓が跳ねて、驚きが前面に出た。
拙い返事をして、閉ざされた障子が開いていくのを見守る。
白髪の女の子が見えて、障子は彼女の後ろで元の場所へと帰っていく。
完全に空間が廊下と隔絶されて、辺りは静寂に帰した。
気まずい、というのが一番近しいだろうか。もどかしい。
ふと、布団から起き上がって座った姿勢になって、妖夢の手元を見た。
右手には湯呑みと……錠剤?
「……天君、この薬を飲んでください。その腕の震え、治りますから」
「……ッ」
やはり、敵わない。彼女に嘘は、どうにも吐ききれない。
吐いたとしても、こうして呆気なくバレてしまう。心理掌握されているみたいだ。
すると、右手に持っていた錠剤を、妖夢が飲んだ。
次に湯呑みの中の液体を飲んでいる。光の当たりで詳しくはわからないが、恐らく水だろう。
この幻想郷に、飲薬専用液体は存在しないだろうし。
こちらに来ると、同じく彼女も隣に座った。
……え? いやまさか――
――そのまさかだった。
彼女に顔を動かされ、半ばだが不意にキスをされる。
甘い匂いがふわりと漂った次の瞬間、自分の口が開けられた。
彼女の手で顎を少し下に下げられている。
彼女の口の中に含まれていた水と錠剤は、とぽとぽと俺の口へ。
しっかりと舌まで使って口移しされたそれらは、順調に俺の体内へと。
「……ぷはっ」
「……え、え~っと……どしたの?」
「そ、そのですね、どうしてもこれしかなかったんです。永琳が、『唾液が二種類必要だ』って……」
先程の緊張感はすっかり霧散して、冬の気温が感じられ始める。
そして、永琳の顔が頭をよぎった。さらに、察した。
――それ、絶対ウソ情報だわ。
何でそんな制約があるのかわからん。
あったとして、実用性が皆無だろうに。わざとそういう風にしたか、そもそも嘘か。
真偽の程は不鮮明だが、どちらかであることには違いない。
「おい。それ騙されて――」
「そ、その……天君?」
騙されている、と言葉を紡ごうとして、彼女の声によって途切れた。
見ると、座ったままもじもじとしていて、視線を泳がせまくっている。
「え、えっとですね……キス、しませんか?」
「は? いや、今更かしこまってどうしたよ。いいけどさ……んっ」
今度は俺が彼女の顔を動かし、キスをする。
甘美な匂いに、若干のめまいさえも感じてしまう。
あれだけ悩んでいたのが馬鹿らしくなるくらいだった。
来て、キスをしてもらえば、俺はどんなことでも悩みから解放されて――
「ん? ん、んんッ……!」
と考えがめぐっていたが、すぐに縦断された。
俺の唇を割って、彼女の舌が俺の口へと入り込み、懸命に動かされている。
当然俺の舌も彼女の舌に当たり、絡まれる。
くちゅ、ちゅる、と自分の口元で卑猥な水音が鳴っていて、どうしても反応してしまう。抵抗はしないのだが。
一方の彼女はというと、顔を真っ赤にしながらキスに夢中になっている。
手は俺の後頭部に、自分側に引き寄せている。
……可愛い。可愛いのだが……エロすぎやしませんかねぇ?
俺の彼女が、こうやって舌を使ってキスするのに夢中って……色々と、掻き立てられるよねぇ?
暫く――数分ほどそれが続いて、ようやく口が離される。
口元にはキラキラと光っている線ができて、俺と彼女の口を橋のように繋いでいた。
「……で、どうしたんだ?」
「そ、その、一回やってみたかった、と言いますか……さっき薬を口に入れる時、舌も使ったら、その……」
「え、えと――興奮した、と?」
依然に顔を赤くしたまま、俯いた状態で頷いた。可愛すぎだろおい、萌死してしまう。
いやいいんだけれども。正直思春期男子なんて、性欲の塊みたいなものだろ。
全国の思春期男子の皆さんごめんなさい。
俺もそれはないわけではないのだが。いや妖夢に限るけども。
「そうか」
短くそう言って、立ち上がって彼女を抱き締める。
二人共立ち上がると、やはり背丈の差は目立つ。が、この高低差も悪くない。
彼女の顎を上げるようにして、口を開かせる。――
俺の口で蓋をして、舌を思い切って入れる。
瞬間、彼女の目は見開かれた。すぐにその目は喜びに変わったのだが。
お互いに求め合い、先よりも大きな水音が響く。静寂の渦中であるため、それが余計に響いて興奮を引き立てる。
「――あっ」
口を離して白銀に光る糸ができあがった後、彼女の足が崩れた。
―*―*―*―*―*―*―
――キスだけで、気持ちよかった。
思考と理性は既に吹き飛んでいた。まともな思考など、できるわけもない。
そのまま本能の赴くままに、彼の舌に自分の舌を絡めた。
そして、離された瞬間。
「――あっ」
腰から力が入らなくなり、崩れた。
気持ちよかった。気持ちよすぎて、腰が抜けてしまった。
重力に従った落下は、彼の腕の中で止まった。
抱擁。暖かかったが、私の興奮を引き立てることにもなってしまった。
「そ、そら、くん……!」
「お、おい、どうした!?」
心配顔で見つめる彼が、愛おしかった。
「どう、しよう……気持ちよくて、力が、はいらないよぉ……」
「ッ! ……少し待ってろ」
彼の目がギラリと光ったのを合図に、私は布団に横たえられる。
彼の温もりが遠ざかったことに寂しくなっていると、照明が落とされた。
夜の光が窓から、障子からは薄く差し込むだけ。
布団の上に彼も寝転がる。そして、再びの抱擁。ドキドキが加速してしまう。
「そ、天君、もう我慢が……触って、ください……!」
私はついに奇行に出た。自分の寝間着のボタンを、外し始めた。
―*―*―*―*―*―*―
俺は、見ていることしかできなかった。
ボタンが外され、ピンク色の突起物が露出していく瞬間を。
「お、おい、さらしはどうした?」
「夜は、巻いてないんですよ、お願いですから、触ってくださいぃ……!」
懇願に、俺はすぐさま応じてしまう。
天使の悪魔のような囁きに惑わされてしまう。
触れると、少し柔らかい感触が手に広がり、指が沈んだ。
「あっ……あ、も、もうこれだけでも、すっごく……」
周りから中心に向かって、優しく。
俺の視線は、もうここから動かなくなってしまっていた。
釘付けになって、ただ手を動かすだけの機械となったように。
そして、突起物を少しだけの力で、優しく弾いた。
「んあぁぁぁぁぁああ!」
大きく嬌声を上げた彼女は、同じく大きく震えた。
弓なりのように、体は反られている。
今度は、弾くのではなく摘んだ。
強くも弱くもなく、我ながら絶妙な力加減で。
「あぁぁぁあ、それ、や、だめぇ……! 頭、飛んじゃうぅ……!」
俺はもう、我慢が効かなかった。
理性は吹っ切れて、獣の持つ欲をさらけ出してしまいそうになる。
が、それを我慢して、
彼女の表情は打って変わって、空虚の寂しさを表していた。
「え……? なん、でぇ……?」
「あ? いやぁ、だってさ、だめって言ったじゃん。俺も妖夢の嫌がることはしたくないよ」
と言いつつも、俺は心の中で笑っていた。
とんだS気質なのかもしれないと、自分の人格を振り返っていた。
でも――こうやって、妖夢を焦らすのは、最っ高に楽しいと思えた。
「そ、そうじゃないんです! も、もっと、やって……」
「ん? どうした? はっきり言わないと、わからないぞ?」
「も、もっと、いじって……くだ――ひゃぁぁあああ!」
恥ずかしく回答を渋っていた間に、応え終わる前に両の突起物を摘んだ。
不意の快感に身が跳ねる彼女を見て、楽しいと感じてしまった。
心の奥がくすぐられる感覚は、何物にも代え難いものがあった。
と、突然。
――キィッ、と。
廊下の方から音がした。まるで
「ほうら、あんまり声出すと、バレて見られるぞ~?」
「そ、天君、だったらやめて――くふうぅぅっ……!」
俺は手を止めることなく、むしろさっきよりも動かして。
控えめな漏れ出す声がたまらなく好きで、もっと聞きたい。その一心だった。
明らかに不純な感情だが……うん、男の子だし。便利だなおい。
「だ、だったら私も――」
「おっとっと。だめだよ? 俺が一方的にいじりたい」
誠に申し訳ない、我儘で。でもまぁ、先に彼女が誘惑紛いのことをしたのだし。
妖夢の伸びかけた両腕を片手で掴み、体で押さえ込む。
俺は両手が空いた状態だが、彼女は両腕を塞がれて抵抗もできない。このシチュエーションだけでも心がくすぐられる。
「ひぁん、ふぅっ、ふ、はぁ、ぁぅ、っ」
時には布団を噛んで自分の口を塞いでいた。
俺はその姿を見ながら手を動かす。本当に、彼女のこととなると意地悪になってしまう。
口角が釣り上がるのを感じつつ、廊下に耳を澄ませる。
足音はもう、聞こえてこなかった。
「……よかったな、もう行ったみたいだぞ?」
「……、ッ……」
妖夢からの返事がなくなった。
が、全身はまだぷるぷると震えている。意識も飛んでいない。
「どうした? ……あぁ、成程。我慢しなくていいんだ、ぞっ!」
スパートをかけるように、今までで一番の力で摘む。
その瞬間に、彼女の体はもう一度弓なりに反った。
「やぁぁぁぁああ! ひゃ、んあぁ、もう、イッ――!」
ビクンッビクンッ!! と比にならないくらいの跳ねが、彼女を襲った。
手は俺の腕を切なげに掴んでいる。それがまた、俺の気持ちを駆り立てる。
腕を含む全身から力が抜けた彼女は、ぐったりとしていた。
意識は朦朧としているようで、体には力が入っていないので、ただ横になっているだけ。
「……あ、ひあぁ、ぁっ……天君の、きちくぅ……」
「んあ? 誰がそうさせたんだよ。もっと要る?」
「い、いや、もういいです! いいですから!」
両腕を力強く振って、否定する。
彼女が力の入らない震えた腕で、拙くボタンをかけていく。
あまりにも遅く、不安定に。
「ほら、ちょっと待て。俺が着せてやるよ。じっとしてろ」
「あ……ごめんなさい」
そして、小声で聞こえるのだ。
「……そういう急な優しさって、やっぱりずるいです」
俺から言わせてみれば、その言葉の方がよっぽどずるいんですがそれは。
――さっきの様子を見る限りではそうだったが、まぁ一応聞こうか。
―*―*―*―*―*―*―
「どうだ? 気持ちよかったか?」
彼の問い。本当にずるい。
そんなの、応えは決まっているのに。
「……気持ちよすぎて、おかしくなるところでしたよ」
体中に電流が流れて、意識が飛ぶところだった。
途中、喘ぎを我慢していた辺りが、見られるかもしれないという羞恥で快感が増していた。
そう思うと、彼にいじめられるのが本当に好きなんだと、感じてしまう。
何度も思ってきた。
耳かきのときのように攻めるのも十分にいいけども。
やっぱり、彼には少し苦しいくらいに抵抗できなくされた方が、気持ちよかった。
……Mなのかなぁ? 彼に嫌われないか、不安になる。
「そ、その……いじめられて気持ちよくなる女の子って、嫌いですか……?」
布団に二人で入って、暖かさを感じたらつい聞いてしまった。
お互いに抱き合って、さっきのような感情はどこにもなくなっている。
そこにあるのは、ただ純粋な恋愛感情だけ。
そんな中、彼は不敵というべきか、面白いというべきか、そんな表情で笑っていた。
「ふははっ、俺が妖夢を嫌いになるなんてありえない。別にいいよ。むしろ大歓迎だ」
「……変態さんめ」
「あぁ、妖夢に関しては変態だな。でも、いじめられて気持ちよかった、なんていうどこかの誰かさんよりは変態じゃないことは確かだな」
あぁ、言わなければよかったと後悔してしまう。
その直後に、もっと強く抱き締められた。
手も一ミリも動かないで、拘束されている。
……何が起こっても、抵抗できない。
「……心臓、ドキドキしてんだろ。変態め」
「……しょうが、ないです。こういうのはともかく、天君が好きなんですから。好きな人に抱かれると、いつもドキドキです」
何かと抱き締められたらドキドキしている。
彼との密着度が上がったら、基本何でもそうなのだが。
彼がいないと生きていけないのでは? と最近思い始めた。ま、まずい……。
と、危機感を感じていると、急に耳元で囁かれた。
低い声で、私の脳内に擦り付けるように。
「じゃあ、次があったら……『達する』ごとに、一回ずつ数えていこうか」
ゾクゾクっとした。背筋にナニカが駆け抜けた。
あんなにいじめられて、ドキドキして、気持ちよかったのに。
それを、数えられる? ……あぁ、だめだ。もう心が揺らぎそうになる。
きっと、数が増えるにつれてもっといじめられていくんだ。
言葉責めされて、羞恥に身を染めることになるんだ。
そうしたら、もっと『達する』回数は増えて、もっといじめられて――
「……変態すぎだっての。おやすみ」
「へ? あ、はい、おやすみなさい……最後に一回、普通のをいいですか?」
何も言っていないのに、彼の方からキスをしてくれる。
舌は入れず、今まで通りのキスを。
彼の抱擁は優しく包み込むものとなり、いつもの恋人に戻ったのだと感じた。
「んっ……ありがとうございました。おやすみなさい、天君」
「あぁ、おやすみ。可愛いな、ホントに」
「……うぅ」
布団で恥ずかしさと顔を隠して、すぐさま寝ようとする。
が、如何せんすぐに寝られない。すぐに寝られるはずがないのだ。
……だって、彼の手が私の頭を優しく撫で続けているんだから。
ありがとうございました!
きちくぅ……と妖夢ちゃんに言われたらいくらでも鬼畜になれそうです。
言われたい(*´ω`*)
今回でエロ話は終わり。
次回からはイチャイチャが二、三回くらい続いて……ようやく、ラスボスです。
ではでは!