東方魂恋録   作:狼々

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どうも、狼々です!
前回、「長くならないよう気を付けます」と言いましたね。
……あれは嘘だ。 いや、本当に申し訳ないのですが、今回も長くなりました。
そのわりに物語の進行が遅いという……
皆さんはどのくらいの長さがいいのでしょうか?
とりあえず、長さには気を付けたいものです。
それでは、本編どうぞ!


第4話 巫女と魔法使いと外来人と

紫のスキマから出て、地面に降り立った。

光が瞳に突然差し込み、眩しくなりながらも辺りを見回す。

一面は森に囲まれているが、その中に建造物を見つけた。

鳥居と、拝堂。この組み合わせは……

 

「……神社ってことで、いいのか?」

 

「ええ、そうよ。ここは博麗神社っていうの」

 

瞬間、俺の無意識に出た独り言に返事があった。

咄嗟に声のした方に顔を向ける。

 

「こんにちは、外来人さん」

 

目の前には、清楚な赤白の巫女服を着た少女がいる。

肩と腋を露出しており、赤のリボンで暗茶と黒の間の色の髪を結んでいる。

……赤白の巫女服。恐らくこの子が紫の話にあった巫女だろう。

とりあえず、お世話になるわけだから、敬語の方がいいかな……

 

「こんにちは、あなたが紫の話していた『赤白の巫女服を着た巫女』であってますか?」

「ええ、たぶんそうよ。あと、敬語もいいわ。私も使わないから。」

「わかった。紫には、幻獣ってやつに対抗する力をつけるには、その巫女に聞け、って言われたんだ。

具体的には俺は何をすれば……」

 

そこまで言ったところで少女に手で制された。

 

「まあ、待って。とりあえず、自己紹介から始めましょ。お互いに呼びにくいでしょ。

私の名前は、博麗(はくれい) 霊夢(れいむ)。呼び方は下の呼び捨てでお願い。慣れてるからね」

「よろしく、霊夢。自己紹介が遅れてすまなかった。俺は新藤 天だ。名字で呼ばれるのは嫌いなんだ。

できるだけ下の名前で呼んでくれるとありがたい。」

「わかったわ、天。こちらこそ、宜しく。」

 

そこまで会話したところで拝堂の方からこちらに向かって足音がしていることに気づく。

霊夢も俺と同じく気づいたようで。

足音の方を見ると、やや黄色よりの金髪ロング。白リボンのついた大きな三角帽を被っていて、

黒の服の上に白いエプロンを着ている(ほうき)を持ったの少女がこちらにやってくる。

 

「なあ、霊夢、そいつが噂の外来人か?」

「ええ、この人がその外来人、新藤 天よ」

 

……え? なに? 俺って噂になるほど有名人なの?

 

「よう、私は霧雨(きりさめ) 魔理沙(まりさ)、人間の魔法使いなんだぜ!

よろしく頼むんだぜ!」

「ああ、よろしく頼む、魔理沙。知ってるようだが改めて、新藤 天だ。

下の名前で呼んでくれるとありがたい。……上の名前は嫌いなんだ。」

「了解なんだぜ。」

「じゃ、魔理沙との自己紹介も終わったわね。早速だけど魔理沙、例の準備をお願い。」

「わかったんだぜ。んじゃ、とっとと行ってきますか!」

 

魔理沙はそう言うが早いか持っていた箒に飛び乗って……

 

()()()()()()()()。相当な速度で飛んでいった魔理沙は、

1秒もかからないうちに姿が見えなくなった。

俺はたっぷり5秒程口を開けて呆然としていた。

 

「……はぁ!?」

「魔理沙は箒にのって空飛べるのよ。ちなみに私も飛べるわよ。箒なしで」

「……それは、紫の境界のヤツみたいな能力の一つなのか?」

「ええ、私はね、『主に空を飛ぶ程度の能力』。でも魔理沙は、『魔法を使う程度の能力』よ」

「じゃあ、何で魔理沙は能力じゃない飛行が使えるんだ?」

「何て言うか……特技っていうか、副次的なものなのよ」

 

へぇ……何か現実離れしてるな……慣れていくしかないか。

幻獣を倒さなきゃいけないしな… あれ……?

俺も幻想郷で過ごしてたら能力開花はあるのか?

攻撃的な感じだったら幻獣に対して有利になるし、何よりかっこいい。

男の子の夢の1つだよな。自在に能力使うの。……使ってみてぇ……!

 

「なあ、能力って才能みたいな感じで先天的なものに限るのか? それとも後天的なものもあるのか?」

「ん~……なんとも言えないわね。見たことがないし。ただ、可能性がゼロでもないと思うわよ?」

「そうなのか……」

 

まあ、外の世界と同じように地道な努力は欠かさない方がいいか……

それはそうとして……

 

「魔理沙は何しに行ったんだ?」

「外来人がやってきたしね。それもかなり大役の。天も早く幻想郷の皆と交流を持った方がいいでしょ?

だから、交流の場を設けるのよ。魔理沙はその招待にいったってわけ」

「交流の場って言っても……具体的に何すんのさ?」

「決まってるじゃない! ()()!」

 

へぇ……面白そうじゃないか……!

ま、幻獣が来るのは5年後だ。初日くらい、楽しんでもいいだろう。

 




ありがとうございました。
次回は宴回ですかね……
メインヒロイン妖夢が登場していないという深刻な事態に……!
できるだけ早く出します。
私はラブストーリーは好きになる過程がけっこう好きなので、
間を長々と書くと思います。そこには目を瞑って頂きたいです。
あらすじに、「創り変える『者』」と書いてますが、
幻獣は人ではありませんよ。
かといって、あらすじに間違いがあるわけでもありませんよ。
ではでは!

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