今回ちょっと長めです。説明が多いので、見るのが苦痛かもしれませんが、
ご了承ください。
あと、試しに今回ルビを振ってみました。
次回以降は程よい長さを心がけます。
では、本編どうぞ!
第3話 決断、そして……
とりあえず、今俺の置かれている状況を整理しよう。
家に帰って寝ていたと思っていたら、実際はたくさんの目のある空間のような何かの中で寝ていて、
起きたら知らない金髪美少女がモーニングコール。
……なるほど、わからん。
俺は自分の置かれている状況を警戒心を持って目の前の少女に聞くことにした。
「いや、まあ、俺の発言にも非はあると思うよ? けどさ、いきなりこんな状況に置かれて冷静に言葉を選ぶ余裕なんて、俺は持ち合わせていない」
「……ええ、普通そうよね。あなたもいろいろ聞きたいことがあるでしょう。質問なら受け付けますよ?」
……今の発言とこの少女がここにいることを考えると、十中八九この少女が何か関係していることに間違いないだろう。
「まず、ここは何処だ? そして、お前は誰だ?」
「お答えしますわ。ここは、『スキマ』の中。私は
スキマについては、私の持つ能力、『境界を操る程度の能力』で創った、まあ、隔離空間みたいなものです」
……スキマ。能力。境界。隔離空間。……わからない。
「あなたは今私が申し上げたことを信じられないでしょう。ですが、こうして目の当たりにしている以上、否定はできませんよ?」
「……わかった。お前の言うことも一理ある。とりあえず、それらがある前提で話を進めよう。
ああ、自己紹介がまだだったな。俺は新藤 天だ。よろしく頼む。名字で呼ばれるのは嫌いなんだ。
できるだけ、名前で呼んでもらえると助かる。呼び捨てでも全然構わない」
「ええ、了解しました。こちらこそよろしくお願いいたします。助かりますわ。名前も好きな様にお呼びくださいませ」
「了解した、紫。次だ。何が目的だ? こんなことになってるくらいだから、きっと普通な感じじゃないんだろう?」
「その通りです。話が早く、助かります。私の目的。それは……
あなたに、天に『幻想郷』という別世界を、迫るであろう危機から救って頂きたいのです」
……随分と突飛すぎやしないか。正直、そんなことを言われても意味がわからない。仮に意味がわかっていたとして、そんな義理はない。
そして、何故俺なんだ。……とりあえず、情報が欲しい。できるだけ詳しく状況を把握しろ、俺。
「正直に言おう。紫、あんたの話は突飛過ぎる。情報が足りない。判断材料が圧倒的に少なすぎる」
「ごもっともです。お教えしましょう、幻想郷について。天にしていただきたいことについて。
……そして、迫るであろう危機、『幻獣』のことについて」
俺は紫から幻想郷は実際は日本の山奥にあって、出入りできないように結界、というものが張られていること。
その結界は結界管理者である紫とその仲間が保っていること。
幻想郷の名の通り、俺の元々いた『外』の世界で幻想となっている生き物がいること。
その生き物とは別に幻想郷で荒れ狂い、被害をもたらす生き物が『幻獣』であること。
幻獣が幻想郷を支配し、結界管理者がいなくなる時が来たとき、結界を破壊して外の世界へ侵攻することを知らされた。
「なんだ? つまり、今ここで俺が紫の願いを聞かなかったら幻想郷、ひいては外の世界に少なからず影響が出る、と」
「ええ、そういうことです」
「そんな大問題俺が背負うべきじゃないんじゃないのか?」
「外の世界いる人間のなかでこれを解決する一番適任の方があなたなのです」
「そういうことなら俺は手伝わせてもらおう。ここで外に帰っても外が支配されるのも時間の問題だからな……」
「ありがとう……ございます……!」
紫は、俺に深々と頭を下げていた。
「では、今からあなたは、外の世界から来た『外来人』として、幻想郷に入る、『幻想入り』を果たします。
幻獣の侵攻は恐らく5年後。それまでの間、あなたには対幻獣のため、力をつけてもらいます」
「力をつけるったってどうすんだ? 一体何をすればいい?」
「そのことに関しては、幻想入りした後、神社にいる赤白の巫女服を着た巫女に。もう、事情は伝えてあります」
「わかった、とりあえず、俺は異世界暮らしを少し楽しみながら修行しますかね」
「ええ、そうしてもらえると」
「あと、敬語もいらねぇよ。次会ったときにはお互いタメ口で、な?」
「ええ、わかりま…… わかったわ。じゃあ、スキマを開けるわよ?」
「ああ!」
紫は幻想郷へのスキマを開いた。
――――俺はスキマに飛び込んだ。
第3話の閲覧ありがとうございました。
長さには反省しています。
……本当に申し訳ありませんでした。
さて、次回からは幻想郷でのお話が展開されていきます。
次回投稿を楽しみにして頂けると幸いです。
ではでは!