第2話です。二人の容姿を書いてみました。
具体的な表現と抽象的な表現、どちらが向いているんでしょうかね?
まあ、大事な所は終わりくらいなんですがね……
何より、たった1話で失踪という最悪なことは無くなったわけです。
よかったよかった。内心ホッとしています。
それでは本編どうぞ!
授業・帰りのHRを終え、俺と翔は帰路についていた。
自宅まであと半分というところで、こんな会話をしていた。
「天は、モテそうな見た目なのに、どうしてモテないかねぇ?」
「……いや、モテそうな見た目ってどんなんだよ。大体、俺には女子はおろか、男子も近寄ろうとしないぞ」
実際、俺はそこまでモテそうな見た目ではない。
灰色がかった少々くせのある短めの黒髪にエメラルド色よりの黒のつり目、一重の瞼。
身長は周りよりちょっと高いくらいで、体格は平均よりほんの少し良いくらい。
顔が整っている方だと時々言われるが、まあその程度だ。
「俺よりも翔の方が女子としては近づきやすいとは思うんだが」
「アハハ~☆また大層なご冗談を~」
本人はこう言っているが、俺だから過小評価、翔だから過大評価とかを抜きにして考えた結果だ。
俺とは違った完全な黒髪に、澄んでいる蒼い瞳と二重の瞼。
わりと中性的で端正な顔立ちに、この楽観的な感じの口調。
女子との交流は俺よりも多く、深いだろう。
「俺は冗談のつもりじゃないんだがな……」
「まっ、誉め言葉として受け取っておくよ」
そんな他愛のない会話をしていたら、いつの間にか翔の家に着いていた。
翔の家は俺の家までの帰路の途中にある。
「それじゃ、また明日ね~」
「ああ、また明日、学校でな」
翔と別れ、残りの道を歩いて5分程で俺の家に着いた。
普段ならすぐに勉強に取り組むのだが、今日は気分が乗り気ではなかった。
(1、2時間くらい寝るか……たまにはいいだろう……)
俺はそう思い、自分の部屋のベッドへと歩を進めていた。
(余裕綽々……か……)
今日クラスメートに言われた陰口が脳裏をよぎった。
そうしてまもなく、俺は眠りについていた。
―*―*―*―*―*―*―
文字通りのたくさんの『目』がある空間で、私は彼――新藤 天の様子を見ていた。
そして一人呟く。
「さあ、そろそろ『呼びに』行かなくっちゃ」
と、同時に、天以外誰もいなかった部屋の空間に裂け目ができ、私はその裂け目から降り立つ。
「――もう、『起きる』時間よ」
瞬間、天は先ほどの裂け目に音もなく、静かに吸い込まれ、姿を消した。
「天……あなたには、幻想郷に来てもらうわ。」
―*―*―*―*―*―*―
「ん……うぁ……」
情けない声を出しながら、俺は比較的浅い眠りから覚める。
少し重い瞼を擦り、睡眠の分を取り戻すため、勉強を始めようとした。が……
「何だ……ここ……?」
全く意味の解らない空間と呼べるかもはっきりしないモノが周りに広がっていた。
それは大量の『目』が張り付けてあるかのようだった。はっきり言って……
「気持ちわりぃ……」
それはそうだろう。普通こんな光景なんて見る機会がないのだから。
下を向き、頭痛を訴えるかのような姿勢をとっていた俺に、
人の足がちらっと見えた。それと同時に、
「いきなり『気持ちわりぃ……』は当然の反応かもしれないけど、いくらなんでも失礼なんじゃない?」
と、声が足の見える方から聞こえた。
声の主を知ろうと独りでに顔をあげた。
目の前には金髪ロングの少女がいた。
第2話終了です。
いかがでしたか?
もう大半の方が分かっているであろう最後の人物ですが……
視点変更は中々処女作で取り入れるには難しすぎな気がしますが、
どうしても書きたい表現があるので、頑張ります!
次回はプロローグを終え、ついに天が幻想入りを果たします。
因みに、もう彼の能力は考えています!