竜の騎士八幡の闘い~敵はネイバーフット   作:春の雪舞い散る

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 忘れていた事を思い出した… 思い出したくはなかったけど重要なことを

 そう、あれは未だ俺が妹愛に目覚める前の事だったと思う… そうだ、小町が暗い灯りのついていない家がイヤで家出して数日経った頃の事だ

 その日も学校が終わってからただひたすら宛もなく小町を探し求めていた俺

 だが… 俺が小町を見付けた時には既にスゴい熱を出してて俺の目から見ても一目でそのヤバさがわかったけど医者の診察時間はとっくに終わってる時間だったし…

 その日も… そう、そんな時すらも親父も母ちゃんも全く連絡が取れなくて途方にくれていたんだったよな、俺は…

 だけどそんな俺にはお構いなしに小町の容態は悪化していってついに息をしなくなっていた

 だから、その時俺は願ってしまいすがってしまった…その神とも魔王ともわからない相手に

 代償は俺の一番大切なモノを捧げると言う約束で小町の命を救ってもらったのを思い出した

 そう、そして今…あの約束通りに一番大切な小町、妹の存在そのモノを失ってしまったのだ

 例え俺があの家に帰ったところで決して埋める事の出来ない城壁みたいな堀と塀ができてしまった今、帰らないのがお互いのためなんだ

 そう…もう二度と、小町にあんな化け物を見るみたいな目で見られたくないからな…

 間違っても小町にだけは化け物だなんて言われたくねえし…

 だからそう…二度と会わないのがお互いの為だしあの家にも帰る必要も居場所も無いしボーダーとしての使命もあれば生き甲斐もある

 それに…ここにはあそこじゃいくら望んでも得られなかった家族と仲間がいる


 サラバだ小町… そして俺、比企谷八幡… サラバだ


 いつかこの痛みが消えるその日までサラバだ千葉の街よ





追憶… 忘れていたこと、そして…

 

 ① 林堂支部長の場合

 

 

 今回から八人編成でダンジョン攻略する事に

 

 林堂支部長装備はガンくブレード玉狛印の試作品

 

 柿崎さんの装備は氷の刃

 

 東さんの装備はマジックボゥガンとシールド

 

 仮入隊の二ノ宮さんの装備はマジックボゥガン、シールド

 

     加古さんの装備はマジックボゥガン

 

     オペレーター志望の国近さんは吹雪の杖

 

     六花はペガサス座の聖衣擬きとGアーマー?の太郎の八人になる

 

 馭者は林堂支部長でその隣に国近さん、馬車の屋根待機の柿崎さんと六花にコアブースターの陽太郎

 

 東さんと二ノ宮さんが進行方向を背に座り加古さんが陽太郎の空席の隣隣と言った配置で攻略スタート

 

 屋根の上で座禅を組み周囲の気配を探る六花がわずかに反応すると柿崎の警戒レベルが上がり陽太郎も静かになり… 「 右後方からキラーパンサー10体左前方からは動く石像が7体

 

 ー イオラっ! ー

 

 ー ベギラマっ! ー」

 

 と左手でイオラを動く石像に放ち右手のベギラマを続けざまにキラーパンサーに放ち

 

 「 動く石像は7体共に小破 、キラーパンサー10体は半減っ! 」

 

 そう六花が告げると瞳を輝かせた国近さんが

 

 「 加古ちゃん、行ける? 無理なら… 「 行くに決まってるでしょ? 」

 

 なら東さんと動く石像に向かって、六花ちゃんは柿崎さん連れてまだ少し距離のあるキラーパンサーの迎撃してくれる? 」

 

 「 二ノ宮君は馬車で待機、動く石像のレベル次第で応援に向かってもらうからそのつもりでいてっ! 」

 

 要は留守番の二ノ宮さんが不満そうに屋根を見ると柿崎さんと手を繋いだ六花が

 

 ー トベルーラっ! ー

 

 と、呪文を唱えると高速でキラーパンサー目掛けて飛び込み予想外の事に戸惑うキラーパンサー達に先制攻撃を仕掛ける

 

 「 正隊員なのに前回… 編成の都合で仮入隊の二人に先を越されたのが余程悔しかったのか、東さんと柿崎さんが弾けてますね? 」

 

 そう国近さんが呟くと

 

 「 迅や嵐山に先を越されたのもあるだろうな 」

 

 と、面白くもなさそうに言う林堂支部長に

 

 「 でも… 何故、陽太郎君を? 」

 

 そう一番難しい問題を問われて

 

 「 外の問題を言うなら陽太郎は六花が居ないとあやせる者が居ないから六花が連れて行くと言ってホッとしなかったとは言えんだろうな

 

 もうひとつは六花が、 『 陽太郎はもしかしたら世界を救う勇者候補の一人はなのかもね? 』

 

 そう言われて、まさかと思いつつ何と無く期待しているみたいなところがあるんだが…

 

 実はよくわかってないんが六花が当然の顔をして連れて行く事に明確な反論の出来る者はないし、実際の話… 既に俺達の理解を越えてるからな 」

 

 そう言って頭を掻く林堂支部長はただ、苦笑いするだけだった

 

 ールーラっ!ー

 

 キラーパンサーをサクッと倒した柿崎さんを連れて六花が戻り

 

 「 二ノ宮さん、柿崎さんと行ける? 」

 

 そう言われて

 

 「 行くに決まっているっ! 」

 

 そう答えるのを聞いて左手を差し出して

 

 「 一気に行くから手を握って… 」

 

 そう言って二ノ宮さんの手を掴むと握り返してきたのを確認してから

 

 ー リリルーラっ! ー

 

と、再び呪文を唱え動く石像達から少し離れたいちに降り立ち

 

 ー ライデインっ! ー

 

 そう呪文を唱えて一体の動く石像の頭上にイカヅチを落として

 

 「 取り敢えず一体の動く石像を弱らせたから実戦を経験して… 」

 

 そう言われて動く石像に向かう二ノ宮さんと、その二ノ宮を追い掛けてカバーに入る柿崎さん

 

 若干押され気味だった東さんと加古さんだったけど柿崎さんと二ノ宮さんの参戦で丈夫さとパワーだけの動く石像を翻弄し程無くして勝利をその手に納めた

 

 キラーパンサーが落とした宝箱には炎の爪とイカヅチの爪が入っていて動く石像達が落とした宝箱にはゴールドソード、魔法の筒20本… トリオン兵にも有効かな?

 

 アイテム回収後、見晴らしの良い所まで馬車を走らせてから休憩をとる事になり… ただ今お茶の支度をしているところ

 

 俺と加古さんに国近さんはティーパックタイプの紅茶林堂さん始め男達はコーヒーとお茶請けにクッキーでちょうど目を覚ました陽太郎には麦茶を飲ませ卵ボーロ食べさせている

 

 「 ?… な、ナンですか加古さん、国近さん 」

 

 二人の視線に気付いた俺は二人にそう問い掛けると

 

 「 陽太郎君… だったっけ? 六花ちゃんにホントなついているんだなぁ~って思って見てたの 」

 

 そう国近さんが言い

 

 「 何で六花ちゃんはKで始まらないのかなってって思っていたのよ 」

 

 そう言われて国近さんの方はともかく加古さんがナニを言いたいのかさっぱりわからないをだが… ってそう思っていたら

 

 「 いつかチームを作れる様になったらイニシャルにKみも付く人でチームを作りたいからイニシャルを気にしているんだけどねぇ… 」

 

 「 はぁ、頑張ってください 」

 

 うん、訳はわかったが全く理解できない話しだから打ち切るために間髪そう答えると

 

 「 そうだ、家にこない?私の妹になれば加古六花でイニシャルKに変わるわねっ♪ 」

 

 そんな、とんでも発言をされて 『 はぁ~っ? 』 ってそう思っていたら側で聞いていた国近さんも呆れて

 

 「 加古ちゃん、それはさすがに引くよ? それに、ご両親にナンの相談も無しに一人で勝手に決めるのもどうかと思うけど… 」

 

 そう痛い所を突かれて

 

 「 仕方無いなぁ~っでもね… 六花ちゃんっ!私は本気だから考えておいてね?

 

 私も親にちやんと六花ちゃんの事を話して、納得してもらうようにしておくからね? 」

 

 そう言われて 『 あ、あはははは… わかりました、頑張ってください 』 と、引き笑いして答えるしかなかったよ

 

 

 その後、お茶の休憩を終えた俺達は改めてダンジョン攻略を開始するために馬車に乗り込んだけど

 

 今度は俺が屋根にいるから柿崎さんは馬車の中に居てくれそう言ってさっさと上がり込んできて

 

 「 改めてよろしく頼む… 」

 

 そう言って右手を差し出してきたからその手を取り

 

 「 こっちこそよろしくだよ、二ノ宮さん 」

 

 そう言って軽く頭を下げると

 

 「 ちゃんと年相応の笑顔も出来るんだな… 」

 

 そう言われて

 

 「 悪いな… キモいもん見しちまってよ 」

 

 そう言って再び頭を下げると

 

 「 話に聞いていた通りに自己評価が低いんだな… 」

 

 そんな社交辞令を言われたから

 

 「 俺は正しく自己認識しているだけなんだが? 」

 

 そう言って苦笑いを浮かべると

 

 「 まぁ、変に自惚れているよりはマシなんだろうけどな 」

 

 そう言って溜め息を吐かれたんだが… 解せん

 

 「 まぁ良い、敵索を始めたいんだけど良いか? 」

 

 そう言って返事待たずに瞑想を始めた俺を見て

 

 ( っ!、今感じた気配みたいなモノ…… あれで、モンスター達の気配を察知したのか…

 

 スゴいキャラだがオペレーターをしていた菜の花って人も同じ力を持っているのか? 謎だ、謎の姉妹だ… )

 

 そんな風に思われている等とは露とも知らず、モンスターに対する警戒を続ける俺だった

 

 

 

 

 

 ② キラーマシンと鎧のはかば

 

 

 「 はぁ~っ…… 」

 

 と、盛大な溜め息を吐いて

 

 「 林堂支部長… この先の小さな広場で一旦馬車を止めてください、話がありますから… 」

 

 憂鬱そうに言う俺に、二人揃って首をかしげながら顔を見合わせた林堂支部長と国近さん

 

 馬車が止まり憂鬱の原因を説明する事にして

 

 「 この先の二股に別れててそれぞれ別のルートへの入り口に繋がってるんだけど問題はそこが右のルートはゾンビハウスになってて左はキラーマシン三体が住み着いた鎧のはかば…

 

 さ迷う鎧やリビングアーマーがウロウロしてる… そんな場所なんだけどどっちのルートが良いですか? 」

 

 そう皆に聞いたら林堂支部長と国近さん加古さんと国近さんは鎧の墓場を選び東さんと柿崎さんは強い方と答え二ノ宮さんはどっちでも良いと答えたので

 

 「 気配から感じる強さは鎧のはかばかみたいだから左の鎧のはかばルートへ入ってください、林堂支部長 」

 

 そう答えて左のルートを選択した

 

 

 はかばに侵入したものの暫くはこちらに気付いていないのかほぼフリーパス状態だったが一転して一斉攻撃してきたからギガデインで迎撃しそれが合図になった形で四人が飛び出した

 

 

 

 ( アレは… )

 

 一見朽ち果てたように見えるナゼか物凄く気になる一本の剣を見つけた俺はトベルーラで一気に近寄って間近で見ると更に気になって触れてみたら誰かが教えてくれた… コイツもモシャスの鎧だってね

 

 だから俺は鎧に触れたまま ーモシャスー と、唱えると朽ち果てた剣は甦って魔剣となり… 四人の元に向かうのを見てリリルーラで先回り

 

 誰の元に向かうのか様子を見ていたら魔剣は柿崎さんの元に行き地面に突き刺さったから

 

 「 柿崎さんが俺を信じてくれるならその剣を手に取り 『 アムド 』 と、言ってあげてよっ! 」

 

 俺がそう叫び柿崎さんが剣を手に取り

 

 「 アムド 」

 

 そう声を上げるとそれは例えるならばロン・ベルグの鎧の魔剣を元に作られた量産品…と、言ったところかも知れない

 

 もちろんオリジナルと比べる機会はないだろけどそれを身にまといその剣を振るい始めた柿崎さんが三人を引っ張り鎧の魔物達を駆逐し始めた

 

 それを見て林堂支部長の言葉を思い出しさ迷う鎧とリビングアーマーを三体ずつ魔法の筒に取り込んで馬車に帰還してそれを支部長に手渡すと

 

 「 これを研究して面白いモノに改造してみるから楽しみにしていたまえ 」

 

 「 六花ちゃん、柿崎さんの装備した鎧って鎧の魔剣だよね? 私は装備できないだろうけど帰ったら皆から羨ましがられそうだね? 」

 

 そう面白そうに言ってる国近さんに

 

 「 俺でも羨ましいからね… でも、柿崎さんを選んだのは魔剣の意思だし俺や辻君、出水がマジに羨ましがったらヤキモチ妬かれそうなんだけど? 」

 

 そう言って苦笑いするだけだった

 

 そしてついにキラーマシンが現れ再び劣性に追い込まれたから馬車からの援護射撃

 

 ー ギガデインっ! ー

 

 と、呪文を放ちさ迷う鎧とリビングアーマーの残党を一掃しキラーマシン達にもダメージを与え暫く動きの鈍った隙をついて一体に集中攻撃を加え撃破寸前に又呼ばれた…

 

 ー リリルーラっ! ー

 

 四人と集中攻撃を受けるキラーマシンの間に入り

 

 「 待って、コイツ…この子は任せて皆は他の二体を頼みますっ?! 」

 

 そう言って振り向いてキラーマシンに触れると

 

 「 やっぱりこのモシャスモンスター… 」

 

 そう呟いて

 

 ー モシャスっ! ー

 

 そう俺が呪文を唱えるとそれは黒い機体のガンダムで俺の持つスコーピオンのトリガーのチップにGの文字が浮かび上がっていた

 

 だから俺は迷わずにトリガーを再起動させたら俺はそれの中にいた

 

 そして俺は両肩のビームサーベルを手に取り斬りかかると一気に形勢逆転し残る二体は魔法の筒に取り込んで今現在動く敵は居なくなりその隙に下の階を目指す事にした

 

 

 

 


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