③ 頑張れとんぬら?
とんぬら親父のダンジョン ( 仮称 ) は少し変わっていてB5迄は必ず共通の吹き抜け部分があり日の光を取り込んでいるため地下であるにも関わらずに多種多様な植物が生い茂り
一種独特な生態系を形成していて食用可能な物も数多く存在しているんだそうで、その捕獲及び採取を依頼されて料理の仕込みや調理の手伝いをする俺と月見さん
そして騎士気取りの陽太郎以外の皆は明後日からとんぬら親父とダンジョンに潜ることになり明日は仕入れの手伝いで村に同行する
前の晩に粗方の料理や食材が底を突き掛けている状況だったので… 仕込み期間が終わってないものは別で仕入れに奔走するとんぬら親父
そして、それに付き合って情報収集する城他二名とノノさんの仕込みの手伝いに奮闘する俺と月見さんの二手に別れる予定だ…
昨晩、ナゼかとんぬら親父と意気投合して飲んでいた城戸さんが
「 そろそろダンジョンの食材が切れそうだったんだが親しい冒険家が訪れず… かと言って一人で捕獲は勿論身の安全面を確保しなからで採取もままならんのですよ 」
と、とんぬら親父が愚痴るのを聞いて
「 差し支えなければ私達が手伝うが? 」
その思いもよらない申し入れに驚いているとんぬらに変わってノノさんが
「 何故そのようなご厚意を? 」
そう聞かれた城戸さんは
「 私達が娘や妹のように可愛がっている六花と親しい方達だから… では理由になりませんかな?
それにとんぬら氏とはこうして酒を酌み交わしてもいる… 」
そう話すのを聞いた月見さんが
「 そう言われてみればこれ程リラックスした様子でお酒を飲まれている城戸さんは初めて見ますね 」
そう言って驚きを隠さなかったし
と、まぁそんな感じで依頼を引き受ける事になったのでしばらく滞在することとなった
「 あの… 、ナンでボクはこんな格好をして居るのでしょうか? 」
そう言った俺が着ている服、それはは俺達の世界じゃチャイナドレスと呼ばれているモノで着ている俺は鏡に写る自分の姿がすんごい違和感ナンですけども…
ヘアスタイルもシニョンを使って左右にお団子くっつけている
もちろん、俺が自分で出きる訳じゃないからノノさんにやってもらったに決まっている
すっかり茅の外と化している俺は、そう言って戸惑うボクを眺めていた
気分はすっかり他人事だからな、俺からしたらな…
二重人格とでも言うのだろうか?
もちろんそんな事を素人の俺には良くはわからないけど、多分そんなところなんだろうと思う事にしている
取り敢えずお昼のメニューは炊き込みご飯風かお好み焼きのどちらかを選び 「 スープと揚げ物はお好きなだけお取りください 」 と、なっている
人によっては未だお昼になったばかり… だと言うのに、既に飲み始めているお方も居るわけで店内は賑やかで活気に溢れ始めていた
④ このダンジョンで食用出きる生物講座
モンスター化していない種
猪ブータン… 俺の知識によればカバサイズのイノブタらしい
アナイグマ… 穴熊の一種らしい
沢及びB5の地下湖迄の水棲生物は、普通に食用可能であるし植物と共にそれらを補食する生物も集まってくる
モンスター化している種
ワニガーメン… ワニの頭部を持つガメラととんぬら親父に教えられたがもちろん狂暴
ジャイアントバット… 非常食のレベルであまり美味しいとは言えないらしいけどコラーゲンたっぷりな皮膜は人気が高くて結構高値で売れるらしい
一角ウサギ… 角と魔力を持っている以外はとても美味しい食材らしいしもちろんその毛皮は高級素材で売りに出せば引く手数多なんだそうだ
因みにこのダンジョンの場合、この世界間の誘いの扉はB5にのみあるためそれより深い階層に足を踏み入れる者は殆んどなく生体調査も殆んど手付かずの状態らしい
猪ブータンのさばきかたや塩漬け、味噌漬け等の保存食造りの時の注意事項
毛皮のなめしかたや干し方
有毒種との見分け方や人やその他の動物を捕らえて糧とする種類の植物の存在…
食虫植物の大型種や、B6以降に存在して徘徊しているらしい吸血蔦は有名らしいけどそんな事言われも俺は知らんがな…
野草の干し方や灰汁抜き時の注意事項等々レシピと共に書き記したノートも貰っていたな
因みにこの際に持ち帰ってきたアイテムは、マジックボゥガン10挺、ライデインの杖、ヒャダルコの杖、バギクロスの杖幻影マント ( 戦闘時にオートで発動されているマヌサにより敵を惑わす ) 、砂金六㎏、巻物50本、アイスソード、真空の刃、イカヅチの弓矢
ゴールド ( 共通通貨 ) 約一万G ( ゴールド ) 、マジッククローゼット、魔法の氷冷箱 ( ツードア冷蔵庫でヒャドの冷凍室とその冷気で冷やされる冷蔵室 )、 肉の熟成庫