竜の騎士八幡の闘い~敵はネイバーフット   作:春の雪舞い散る

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筋斗雲?

 

 

 

 ⑨  陽太郎と筋斗雲

 

 

 俺は今、筋斗雲に陽太郎を背負い月見さんと乗って馬車のすぐそばを飛んでいるんだが… なんでこうなった?

 

 陽太郎が愚図りだしたからオムツを換えミルクもたっぷり飲ませたけど泣き止まずナンか外を指差してるっぽいから

 

 「 陽太郎、もしかして… アレに乗りたいの? 」

 

 そう聞いたらキャッキャと笑いだしたから月見さんに手伝ってもらっておんぶ紐で背負い筋斗雲に飛び乗ると

 

 「 六花ちゃん、手を貸して 」

 

 月見さんにそう言われてナニも考えずに手を月見さんに差し出したらそれを掴むと

 

 「 引っ張ってっ! 」

 

 そう強く言われてビックリして引っ張ると筋斗雲に飛び乗って来た月美さんは

 

 「 このまま飛行を続けて 」

 

 そう言われて慌てて城戸さんを見たら拳を握り親指を突き出してるよ…

 

 「 但し、モンスターの気配がしたらすぐさま馬車戻る様にしなさい 」

 

 とは言われたんだが…

 

 で、この状態俺の隣に座ってぴったり張り付く月見さんに戸惑う俺をよそに幼い子供のようにはしゃぐ月見さんと幼い陽太郎

 「 空を翔ぶ… 六花は憧れなかった? 空を翔びたいって 」

 

 そう聞かれたから

 

 「 翔べたら良いけど翔べる訳ないでしょ? って思ってたから特に憧れた事はなかったですね 」

 

 うん、身も蓋もない言い方かも知れないけども実際にそう思ってたんだから嘘を言う気もないから正直にそう答えると

 

 「 夢も希望もないんだね? まあ私もそんな夢を見ていたのは10歳位までだけでパイロットに憧れてたかな? その次に夢見てたのわね 」

 

 「 ボクは特になかったですね… 強いてゆーなら平穏無事… 位ですか? ボクが望んでいたのはですね

 

 小さいときから色々あって、それすらありませんでしたからね

 

 今はまぁ、こうして戦いの中にいるの… ダンジョンの中に居るのに陽太郎を構ってるとかえって平和を強く感じますけどね… 」 

 

 そう言って肩を竦めて苦笑いする俺に月美さんは

 

 「 母性愛に目覚めてきてるんじゃないのかな? 」

 

 そんな以外な言葉に驚いて

 

 「 母性愛… このボクが? ナンかピンと来ないですね… 似合わなさ過ぎてねっ♪ 三輪さんだってそう思うよね? 似合わね~っ… ってね 」

 

 そう三輪のヤツに振ると

 

 「 え、あ… な、ナンか言ったか? わ、悪いが話を聞いてなかった…… すまない 」

 

 そう言って謝るから

 

 ( な、なんだと? み、三輪が俺に謝るだと? )

 

 そう思っている俺とは関わりなく

 

 「 そうですか? 疲れてるならホイミでも掛けましょうか? よろしかったら城戸さんもどうですか? 」

 

 そう笑顔で聞いたら

 

 「 次の休憩の時にでも頼む 」

 

 そう答えた城戸さんに対してはっきりしない三輪はなんかボソボソ言ってるだけではっき聞こえないから三輪に向かって左手をかざして

 

 ー ホイミ ー

 

 そう回復呪文を唱えると驚いた表情の三輪が面白くてクスッと笑い

 

 「 どうしました… 鳩が豆鉄砲を喰らった… ってゆーんですか? そんな驚いた顔をして… 」

 

 そう言ってイタズラっぽい笑みを浮かべたんだけどその表情が一瞬で引き締まり

 

 

 「 前方に大魔人の軍団が待ち構えてます 」

 

 そう言ってから馬車に戻りナゼそうしたかはわからないけど

 

 ー マヒャドっ! ー

 

 筋斗雲に手を添えてそう呪文を放つと魔力と冷気を取り込んだ筋斗雲はもくもくと大きく膨れ上がりやがて四体に分裂するのを見て

 

 城戸さん、太刀川さん、三輪さん、三人の指示待ちですから乗って指示を与えてやってください 

 

 そう俺が言ったら真っ先に三輪が飛び乗り大魔人の群れに向かうのを見て

 

 ー バイキルト ー

 

 ー スクルト ー

 

 ー スクルト ー

 

 ー ピオリム ー

 

 そう三輪のいる間に重ね掛けをしてやり

 

 ー バイキルト ー

 

 ー バイキルト ー

 

 と、城戸さんと太刀川さんにもバイキルトを施し最後に自分にも

 

 ー バイキルト ー

 

 そう唱えて攻撃力を上げてボゥガンを構えて馬車の防御と後方援護の体制をとることにした

 

 先制攻撃は俺のギガデインからで、そのすぐ後を追って氷の矢が大魔人達を襲いホンの少し… 極々僅かではあるが前頭の大魔人達のライフを削ってゆき

 

 開戦直後の一撃、太刀川さんは一太刀をそれぞれ別の大魔人に浴びせ三輪も隼の剣の連撃を一の太刀と返す刀の二の太刀をそれぞれ別の大魔人に切り付けたので一気に5体の大魔人を葬り去ることができた

 

 

 その一方で、別口のモンスター達に馬車を襲われたから

 

 「 硬弾、月見さんをお願いするねっ! もっすい ( モススライム) 、ダンクっ ( スタンダードなスライム ) 、出番が来たよ? 筋斗雲も張り切っていこうっ♪ 」  

 

 と、こちらはこちらで戦闘が始まり混戦模様の様相をを呈してきた

 

 

 

 ⑩  モンスターバトル

 

 

 取り敢えず俺達の闘いは…………… お化けキャンドルとメラゴーストに提灯お化けか…

 

 ( 例えどれだけ数いてもねぇ… コイツらじゃ全然相手にならないよな? )

 

 そう思いながら、コイツきちんと除霊してやればメラゴーストは魔導師の杖の玉石なるしお化けキャンドルは高級品のローソクだし提灯お化けも本来なら神聖なる物のハズ…

 

 等と思いながらも

 

 「 筋斗雲、凍り付く息 」

 

 指示の通りに凍り付く息を吐くと宝玉とロウソク… そして未使用のまま人に顧みられなかった提灯になりその姿を見た時に身に摘まされる思いがした

 

 ドロップアイテムはマジカルスカート、バニースーツ、シルクのビスチェ、ピンクのレオタード、巻物10巻

 

 

 大魔人達を倒してアイテムを回収した三人がロウソと赤い宝玉達を拾い集めている俺と月見さんを見て手伝ってくれた

 

 大魔人達のドロップアイテムは魔神の斧、魔神剣、魔神の鎧、魔神の兜、魔神の盾、巻物29本

 

 ロウソクは百本近くに赤い宝玉13個、提灯56の収穫でダーマの神殿や魔工師が、魔導師の杖の素材… 杖の宝玉に使うから結構良い値で引き取ってくれることを教え更に奥深く目指す事にした

 

 

 

 

「 こんにちは旅の商人さん、あなたはどんなものを売っていますか? 」

 

 トルネコ似の親父が 『 ひいひい 』 言いながら山の様な荷物を背負いながら歩いていたからそう声を掛けると顔見知りの旅の行商人のとんぬらだった

 

 「 ナンだとんぬらさんか… 」

 

 そう言ったら

 

 「 酷いなぁ、六花ちゃん… いくらワシだからって、ナンだはないだろう… ナンだはさ… 」

 

 そう泣き言を言うけどスルーして

 

 「 ナンか面白いモノ見付かった? 」

 

 そう聞いたら

 

 「 これなんかどお? 」

 

 そう言って見せてきたのは、全長50㎝位の人形でデザインは一見西洋風のフルアーマーだけど違和感がありナニかが違う… んだけどとそう思いながら考えていると

 

 「 あ、オーラバトラーっ! 」

 

 俺がそう声を上げるのを聞いて

 

 「 何だ? そのオーラバトラーと言うのは? 」

 

 そう聞いてきた太刀川さんに

 

 「 ロボットアニメの一種なんだけど剣と魔法の世界観が混じるチョッと変わった… 結構旧いヤツでガンダムみたいに脚光を浴びることなく忘れ去られた作品ですね…

 

 で、これのどこが面白いの? 」

 

 「 これはパペットマンの一種で主人の命令をオートで遂行してくれるんですよ

 

 なりは小さくともメラゾーマクラスの火力を誇り、キラーマシンを上回ると言われる切れ味鋭い剣技で…弱点は耐久性の低さだね 」

 

 そう説明されたから

 

 「 種類と数はこれだけ? 」

 

 そう聞き返す俺に

 

 「 店に戻れば未々色々あるんだが… 」

 

 そう言って表情を曇らせるとんぬらに

 

 「 リレミトの巻物が見つからないんだ? 」

 

 そう笑って言って

 

 「 この人のお店なら、又、このフロアに戻れますからチョッと寄り道しても良いですか? 」

 

 そう四人に聞いたら

 

 「 取り敢えず気分転換に一度ダンジョンを出た方が 良いと思います

 

 多分ですけど忍田さんから聞いている時間より長い時間をダンジョンで過ごしてますからね…

 

 慣れている六花ちゃんには平気でも私達は未だ慣れてませんから無理はしない方が良いと思いますが未だ戻る気はありませんよね? 」

 

 そう月見さんに聞かれて頷く三人を見て

 

 「 この人のお店なら休憩できるし、天然の岩ぶろと温泉が店の近くにあるから確かに気分転換にはちょうど良いかもね? 」

 

 そう言って四人が頷くのを確かめてから

 

 「 じゃあ、とんぬらさんのお店に行こうか? 」

 

 そう声を掛けるととんぬらさんに巻物を開いてもらって呪文を発動した


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