竜の騎士八幡の闘い~敵はネイバーフット   作:春の雪舞い散る

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 プロローグ


 俺は比企谷八幡、夏には13才の誕生日を迎えるはずだった

 あの日、あの悪夢の始まりまではそれなりに色々有ったが… それでもあの日までは普通の生活を送れていたんだと思う

 あの日、俺達は東三門に住んでいた爺ちゃんの葬式に行くハズだったがパーキングエリアで休憩中の俺達の前にいきなり現れた化け物達が皆を襲ってきた

 一瞬にして大勢の人が命を奪われ…

 そして、小町を襲う化け物を見た瞬間… 俺の中で何かが弾けてスイッチが入った

 ーライデインっ!ー

 間一髪のところで俺が放った雷撃が化け物を邪魔だと言わんばかりに打ちのめし動きを止めるのを見て俺の目の前にいた化け物を殴り飛ばしてから

 「 親父っ、母ちゃんと小町を車に乗せろっ! うるせぇっ、良いからごちゃごちゃ言ってねぇでさっさと乗せろっ!

 助かりたかったら… 小町と母ちゃんを守りたかったら早くしろっ!! 」

 車に近寄って来る化け物どもを殴り、蹴りつけ、蹴り飛ばしながらそう言って三人が乗り込むのを見て俺も乗り込むと

 ールーラっ!ー

 そう、瞬間移動の呪文を唱えて帰り着いた自宅前

 溜め息を車を降りる俺に

 「 八幡… 何処に行くつもりだ? 」

 親父がそう聞いてきたから

 「 東三門に行く、婆ちゃんが心配だからな… それに母ちゃんと小町が俺の事を見る目、あの目はあの化け物達を見る目とおんなじだ…

 さすがの俺も、あの二人にそんな目で見られていはるのはキツいし俺の事キライな親父にゃ俺が出ていくのになんの不都合もねえだろ?

 取り敢えず婆ちゃんの無事を祈ってろ、間に合うかは知らんが助けに行く 」

 そう言って

 ールーラっ!ー

 そう呪文を唱えた俺は、多分二度と帰ることのない家と家族に別れを告げることなく東三門に居る婆ちゃんの元に跳んだ



 ーギガディンっ!ー

 爺ちゃんの葬式に集まった人達が震えて立て籠る家の周りを埋め尽くす化け物達に雷撃の雨を降らしてその動きをを鈍らせ殴り飛ばしていたが効率が悪い

 拾ったバットで殴ってみたんだが… ただ単に俺の手が痛いだけでギガデインは動きを止め、鈍らせてるだけでぜんぜん倒せていないのだけはわかっている

 身体の固い、無駄に丈夫な化け物達に全くダメージを与えていないのだけはわかっているがナニもしないよりはましだろう?


 「 敵は二種類、小さい方 ( モールモッド ) をデカイの ( バムスター ) にぶつけりゃちったダメージ与えられるんじゃねぇの? 」

 全くダメージの通らない敵に苛立ちながらそう呟くと小型の方の脚を掴み思いきり投げつけてみた

 小型の方は大破で大型は小破、そして俺は気持ちが少し晴れたから次から次へとぶつけまくっていた


 大きく荒い息を繰り返しながら、新手の接近に気付いた俺は再び


千葉を去る八幡

 

 ーギガディンっ!ー

 

 そう呪文を唱えて動きを鈍らせると動きの鈍った化け物達を切り伏せながら近付いて来る二人の剣士が近づいてくるのが見えた

 

 「 今の雷は君が呼んだのかい? 」

 

 一目見て仲良くなれそうにない爽やか系イケメンがそう声を掛けてきたが

 

 「 そんな事を詮索してる場合じゃねぇだろがよ? 俺の呪文は後何発撃てるかわからないからデカイのだけに限定したいがそれで良けりゃ暫くは一緒に戦う

 

 魔力が尽きりゃ、剣の使えない俺はただの足手まといだからな 」

 

 そう言って化け物同士をぶつけ合わせる作業を再開し時々ライデインを放つ俺の戦い方に呆れつつも

 

 「 忍田さん、こいつのフォローはアタシがしますから… 「 この先の民家に逃げ遅れた人達が居るから逃げさせろ 」

 

 そう言って、デカイのが居る方に向かって歩いていった

 

 あれから何発のライデインを放ったのか… 東三門がどうなり、婆ちゃんが無事なのか… 途中に意識の跳んだ俺には何一つわからない

 

 気が付いたら 『 知らない天井だ… 』 状態だったからな

 

 身体中からミシミシと言う効果音が聞こえてきそうな位に痛いが気にすまい

 

 気にしたら負け、気にしたところでどうにもならん事だからな

 

 ハンガーに掛けられた学ランの上着を羽織り寝かされていた部屋を出ると戦場で出会った美少女と鉢合わせしちまって

 

 「 アンタ、そんなフラフラな身体で何処に行くつもりなのさ? 」

 

 そう聞いてきたから

 

 「 化け物だからな、俺は… だから人間に迷惑掛けないような場所でひっそりと隠れて魔力の回復待つつもりだ

 

 そーゆー訳だから、俺の事は気にするな… 少なくとも今までは普通の人間として生きてきたんだからこの先も人間に敵対する意思はない俺の事は放っておいてくれると助かるんですがね? 」

 

 そう言ってフラつきながら歩き 君は人間だろ? 我々の想像を越えた魔力を持っているだけで… 「 あの化け物達とは違うだけで魔族、化け物、最悪… 魔王とか呼ばれるンですから化け物である事に違いとゆーかもう誰も人間として扱ってはくれないんですよ

 

 だから、こんな俺の事なんか放っておいてもらえませんかね? 」」

 

 淡々とした口調で言う俺に

 

 「 アンタここを…ボーダー基地を出ていって行く宛はあるの? 」

 

 そう聞かれて段々面倒臭くなってきた俺は

 

 「 特に無い…が、呪文で空飛んでどっか適当な無人島を探すから心配するな

 

 それとひとつだけ断っておくが… 人間に迷惑を掛けないようしたいのは人間を信じていないからで、変に目立ったり反感買ったりしたらろくな事になりはしないんからな

 

 だからこそもう誰とも関わる気はない… 関わりたくないし、関わってほしくないんだよ… 面倒臭いだけだからな? 」

 

 そう言ってその部屋を出ると都合よく辺りは真っ暗な夜の闇で

 

 ートベルーラっ!ー

 

 そう呪文を唱えた俺は宙に舞い上がると夜の闇に消えていった

 

 

 

 

 

 あれから一年以上が過ぎ ( たと思っていた ) 、修行三昧の俺は結構レベルが上がっているハズだ…

 

 俺の修行の基本はランダムに現れるダンジョンで修行する日々と夜通し夜釣りに励み、食料の確保及び良いのが釣れたら漁船に買ってもらい現金収入にして必要な物はその都度買いに跳んだ

 

 まぁ衣類や多少の雑貨は早い段階で実家絡もって来たがな… 小学生の頃に買ったあまり出番なかった釣具とか金属バットとかもな

 

 だから俺の初期装備は学校指定のジャージに野球のヘルメットを被って金属バットを武器にしていたけど今はダンジョン見付けた銅の剣を装備しているし防具も革鎧と皮の盾を手に入れている

 

 最初は身体が勝手に反応して動いてる… 学習システムがオートで対応… 的な何処か他人事な感覚があったんだが最近は俺自身で動いてるのが実感出来るようになってきた

 

 今ならギガディン五発撃つ自信があるがそんな事態には直面したくねえ

 

 使える呪文はルーラ、トベルーラ、リリルーラ、リレミト、モシャス、ホイミ、キアリー

 

 メラ、メラミ、ギラ、ヒャダルコ、バギ、ライデイン、ギガデインと、こんなとこだが肝心の全く心許ない

 

 そんな俺の元に再びボーダーのアノ二人が現れた

 

 面識のある二人ともう一人、若い男が同行していたが気にする必要はない

 

 ナゼなら二人の名前も聞いて無いのだからそれが三人に増えたところで大差はないんだからな

 

 「 やぁ、久しぶりだね… 南の島に居る割りにはあまり焼けてないけど体調が悪かったのかな? 」

 

 そう軽い調子で言われたから

 

 「 企業秘密、ノーコメントだ 」

 

 そう答えたら女の子に睨まれたが恐らくこの地図に無い島の事についてはむやみやたらに人に話してはいけない気がするから答えられない俺は悪くないから

 

 「 住んでる俺だって全く把握出来てないこの不自然きわまりない島の事をどこまで話して良いのか? どう話せば良いのかすらも全くわからないんだよ

 

 それが気に入らないってんならアンタ一人先に帰れ、基地に送ってやるからっ! 」

 

 そう言って睨むと

 

 「 そんな事よりお前、強いのか? 」

 

 そう聞かれて正直に

 

 「 ここにきてそれなりに鍛え上げたつもりだけど未々アンタ等の足元にも及ばない

 

 剣の修行に関しては所詮、素人が指導者も無しでただ闇雲に棒切れ振り回してるだけに過ぎんからな…

 

 剣士のアンタが言う強さはないし剣士相手に修行もして無いから対応できるかも不明だから多分強くない

 

 あん時だって化け物を行動不能にはできたけど実際に倒した数は少ないはずだ…

 

 今の俺は未々ここにいて修行した方が良いと思うが俺の条件を飲めるなら今すぐにでも入隊するけど? 」

 

 そう答えたら続きを… そう言ってるみたいに頷いたから

 

 「 ルーラ、瞬間移動の呪文が使える俺は基本的にここで過ごすから家は要らない

 

 過去を捨て、全てに見捨てられたいま俺に名前はないから学校に行けと言うのなら適当に新しい名前と経歴をでっち上げてもらう必要がある

 

 そして、最後にこの島を出る時には ー モシャスっ! ー 」

 

 そう呪文を唱えると俺の記憶より若干幼い小町に良く似た深紅の長い髪とルビーの色の瞳を持つハーフの幼女が現れて

 

 「 この姿で生活する、以上が俺からの条件だが聞いてもらえるか? 」

 

 俺がそう聞くと

 

 「 わかった、その全ての条件を満たそう 」

 

 そう言ってくれたから

 

 「 なら、その場合は名前と保護者代理もお願いしますよ… ここじゃ要らないんだけど人間社会にゃ色々面倒臭いモノが要りますからね 」

 

 そう言って頭を下げると

 

 「 なんで元の姿じゃダメなわけ? 」

 

 そんなアタマが痛くなる様なことを聞いてくるから

 

 「 過去を断ち切るために必要に決まっているっ! 俺はもう元には戻れないし何事もなかったようには振る舞えないからな… あの化け物を見るような目で見られた事実は忘れ様がないし今も時々うなされている

 

 笑いたきゃ笑えよ? 泣きながら目を覚ますんだぜ? あの目が夢に出てきて俺を 『 化け物っ! 』 っなて無言で睨んでるんだよ 」

 

 そう言って遠くを見る俺に

 

 「 他人になら平気だけど家族や親しい人間にそう言う扱いを受けるのは辛いからね 」

 

 そう言われて

 

 「 そうゆー事です、この先ボーダー隊員として人の世で生きれと言うのならそれ位の労は惜しんでほしくないのと…

 

 最後にもうひとつ、言い忘れていたのが格好だけ変わったってダメなわけだからこの格好に相応しい、それらしく振る舞えるよう躾てくれる人とを紹介してほしいし料理も習いたいですね 」

 

  そう言って笑うと女の子は苦い顔をしていたが

 

 「 俺の素顔を知る数少ない一人で妥協してもらうしかないけど? 」

 

 そう言って溜め息を吐くと

 

 「 木崎レイジ、料理についてはそれなりに自信があるから俺に任せろ 」

 

 「 小南桐枝、私もカレーには煩いよ 」

 

 そう二人が名乗ると

 

 「 忍田正史だ、立ち居振舞いについては心当たりが有るから任せなさい 」

 

 そう三人が名乗ったから

 

 「 未だ名前が無いから今は未だ名乗れ無いから竜の騎士と呼べば良い 」

 

 こうして俺はボーダーの一員になる道を選んだ 

 




 ドラゴンクエストに関しては主にダイの大冒険を引用し藤原カムイ先生の作品はほとんど知りませんので悪しからず  俺は比企谷八幡、夏には1

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