銀魂 赤獅子篇   作:to.to...

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第六訓 本人のいない所で勝手に人の過去を話したり家を漁ったりするな

「旦那、大丈夫ですかい?」

 

「え……」

 

 

 大成が自身と似た境遇という事実に、少し銀時は呆然としていた。

 松陽と出会う前の己を想起していたのだった。

 

 

「(親も何も記憶にすら無い。気付けば俺は戦場でただ一人、屍の上に佇んでいた……)」

 

 

 一方大成には、全てを焼かれた際の記憶は残っているのだろう。

 沖田達にそれを話しているのだから。

 それ故、真の意味で傷を共有することはできない。

 

 

「あ……あぁ。続けてくれ」

 

 

 だがどちらも、生きるために手段を選びなかったのは変わりない。

 そうして銀時は、齢に不釣り合いな強さを得てしまった。

 大成も同じなのだろう。

 

 

「それやって、大成は赤獅子と呼ばれるようになったのか?」

 

「いえ違いやす」

 

 

 即答。

 

 

「あの人は赤獅子じゃない」

 

 

 今までの口振りや態度から、沖田達は大成に一目置いていると感じられた。

 その為銀時は、大成はそこそこ腕が立つのだと推測していたのだったが。

 

 

「確かにあの人は攘夷戦争時代、天人達相手に力を振るい、周囲からはその異名で呼ばれた。だが、大成さん自身はその称号を得ることに納得していない」

 

「何故?」

 

「赤獅子達に、赤獅子だと認められていないからでさァ」

 

()……ってことは、赤獅子は大成だけじゃないのか?」

 

 

 その通り、と沖田は頷く。

 

 

「攘夷戦争の開戦を機に、とある村を天人の手から護らんと決起した者達……それが、赤獅子と呼ばれた集団です。大成さんの親世代がそれに当たりまさァ」

 

 

 銀時は桂の台詞を思い出していた。

 ――――赤獅子とは、攘夷戦争初頭から終幕まで活躍した志士の異名。

 大成は見たところ二十台前半。

 攘夷戦争の開戦は二十年程前であるため、よくよく考えれば確かにおかしい。

 

 

「それについて、まずは大成さんの村……『江和村』の事から話させていただきやす」

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

「なァ、父さん」

 

「ん?」

 

 

 刀を手入れしている最中、袖を引かれる感覚に男は振り返る。

 そこにはその男の息子が、気がかりのあるような表情でこちらを見ていた。

 

 

「どうした?下の毛が生え揃わないって悩みの相談なら……」

 

「ばっ……!違ェよ!何いきなり下ネタぶち込んでんだバカ親父!」

 

 

 僅かに赤面し早口で声を荒げる。

 その様子を見て、父親はからかうように笑った。

 

 

「おう、恥ずかしがっちゃって。髪赤くなってんぞ」

 

「元からだし、顔赤くなってるぞみたく言うな!てか髪の毛が赤いのは皆もだろ!」

 

「聞きたいのはそれか?」

 

 

 前触れもなく現れた真剣な声色に、少年は泡を食わされる。

返事もしどろもどろになってしまった。

 

「えっ……ああ、うん」

 

「やっぱり毛の悩みじゃんか」

 

「そうじゃなくて!」

 

 

 軽くあしらわれている感じがして、少年はややムキになっていた。

 

 

「この村は……江和村は何だって聞いてるんだよ!」

 

 

 少年は予てより気に掛けていた。

 なぜ自分達の住む江和村は、周囲の集落と関係を断っているのかと。

 何故村人の半数近くが、赤い頭髪をしているのかと。

 そして――――

 

 

「なんで……父さん達は戦うの?」

 

 

 今も刀の手入れをしている、そんな父親達の戦う理由が気になっていた。

 

 

「なんでって……今は戦時中だろ?関西は関東に次ぐ攘夷戦争の激戦区だから、この村も例外なく襲われる」

 

 

 少年を横目で見ながら、そう語る。

 

 

「そりゃあ、お前も含めた女子供を護るため、俺みてェな村の若い衆が剣を取るのは当たり前じゃねーか」

 

「それだけじゃないでしょ」

 

 

 江和村は大和国の山奥に位置する、辺境の村。

 激戦区とは言えど、本来はこんな人里離れた場所に天人が襲いに来ること自体おかしい。

 ……それも、大軍を率いているなら尚更。

 幼いながらも少年は、その違和感を感じ取っていたのだ。

 

 

「赤獅子なんて名前を付けられる程、みんな、天人を殺したんだよね?」

 

「そうだな」

 

 

 事実、この父親を頭領とした赤獅子達は、その軍勢を開戦後十数年経ってもなお凌ぎ続けている。

 

 

「だけど……そんなに大勢の天人が来るのは、この村に何かあるからなんじゃないの?天人が狙っている、何か――――」

 

 

 ここで父親は身体を少年に向け、その幼き眼に視線を合わせた。

 そして、冷やかに言い放つ。

 

 

「……君のような勘のいいガキは嫌いだよ」

 

「ッ……!」

 

 

 あまりにも豹変した表情を見せる父親に、少年は思わず目をそらした。

 その視線の先は父親の手元。

 そこには、鋼の○金術師第2巻が……

 

 

「ただのショウ・○ッカーの台詞じゃないか!てかその漫画はどこから仕入れてきた!?」

 

「いやァ俺はね、錬金術の類いは本当にあるのではと思うんだよ。いつか両手をパンッってやって、槍とか造り出してみたいのさ」

 

「聞いてねーし!」

 

「なァ、母さんもそう思うだろう?」

 

 

 と、家屋の奥にいる母親に声を掛ける。

 

 

「そう……ね。広い宇宙の何処かには、そういう一族が住まっていてもおかしくはないかもね」

 

 

 との返事が。

 もしやと思い、少年は母親のもとへ駆ける。

 そこには、鋼の錬○術師全27巻をとてつもない速さで閲読する姿が。

 

 

「アンタ等ハガレン好き過ぎか!」

 

「この錬成から水0.750L、炭素1.560kg、石灰0.108kgを取り除いて、新たに加える物質として……」

 

「もしかして人体錬成成功させようとしてる!?もう嫌だこの両親……」

 

 

 そう項垂れる少年の頭に、一冊の本が小突いてくる。

 見上げると、父親の包容力ある無邪気な笑顔が、少年を迎え入れてくれた。

 

 

「今のお前はのんびりと、このハガレン1巻でも読んでればいいのさ」

 

「さりげなく布教させんなって」

 

 

そう言って、わっしゃわっしゃと少年の頭を掻きむしる。

大きく硬い手の感触が、鬱陶しくも馴染んでいく。

 

 

「だが……そうだな。お前がもちょっと大きくなって、俺達が認めるくれェ強くなったら――――」

 

「強く、なったら?」

 

 

 父子の微笑ましい様子に、母親も本を閉じ、穏やかな眼差しを二人に向けていた。

 

 

「そん時にゃあ……ちゃんと全部教えてやるよ、大成」

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

「後半ほぼハガレンの話じゃねェかァァ!!」

 

「そういえばハガレンも実写やるんでしたよねィ。一体どーなることやら」

 

「他作品より銀魂の実写を心配しろ!!」

 

 

 実写銀魂の公開日は7月14日。

 既に4ヶ月を切っている。

 更に同月の7月には『劇○版ポケットモンスター きみにきめた!』等の作品の公開も控えている。

 そのため小栗旬を始めとした俳優陣、監督や制作スタッフの方々には、他作品に引け劣らず良い作品に仕上げて欲しいと期待する。

かつ、銀魂らしさも失わないでもらいたい。

 月並みな言葉だが、そう願うばかりだ。

 

 

「なんか地の文が意思持って語り出しちゃてんだけど!?」

 

 

 と、ツッコミを吐く銀時。

 対する沖田は、再び話の続きを語り出そうとしていた。

 

 

「これからでさァ、重要なのは。この後……」

 

 

 その時だった。

 

 

「……なーに話してんの」

 

「あ"」

 

 

 声と共に背後から伸びた手が、沖田の頭を鷲掴み揺さぶった。

 

 

「大成さん、いたんですかかかかかか」

 

「本人のいない所で、人の事情を勝手に話すんじゃーありません」

 

 

 突如現れた大成は間延びした喋りで、沖田の髪を掻き乱した。

 悪戯気溢れる動作だが、その表情は妙に形容し難い。

 

 

「まァ、大したこと話してなかったからいいけどさ」

 

「よくねェェェ!」

 

 

 そこで銀時は机に身を乗り出し、大成を指差した。

 

 

「おうさ、また会ったな銀さん」

 

「匿われてる身だろ!?なんで普通に歩き回ってんだお前!」

 

 

 狙われてる者ならもっとそれらしく、大人しく身を潜めてろ――――

 と内心思う銀時だが、肝心の大成はあっけらかんとしている。

 

 

「隊士達の飯作ってるんだよ。世話になってんだから、非番でもそれくらいやってやんないと」

 

 

 確かによく見れば大成は、普段着ではなく調理服らしき着物を羽織っていた。

 

 

「それにそろそろ料理描写入れないと、料理人(笑)とか言われちまうからな」

 

「誰に!?」

 

 

 そうツッコミを入れながらも、変わらぬ大成の調子に銀時は少なからず安堵していた。

 だが同時に、途中で切れてしまった沖田の話……それは銀時の中で渦巻く大成に対する謎を、より一層深めるのであった。

 

――――とりあえず、得た情報を整理しろ。

 

 そう自分に言い聞かせ、沖田の語った内容を振り返る。

 

 

「(大成は江和村という集落出身。江和村付近は特に天人に狙われたらしく、村を護る為に村の若者達が立ち上がる。そいつらは皆赤い頭髪で、天人相手に猛威を振るい、赤獅子と呼ばれた。だが……)」

 

 

 沖田曰く、後に江和村は天人の手によって壊滅させられている。

 つまりそんな猛者の集まりでも、敵わない天人がいたということ。

 

 

「(そこから辛うじて逃げた大成は戦場に放り出され、死体を剥いででも生き延びた。そうして過ごしていくうちに、大成自身も赤獅子と呼ばれるようになった。が……)」

 

 

 実力を認めてくれる大人達がいない以上、自ら赤獅子を名乗る訳にはいかない。

 そんな曖昧な現況に、大成はいる。

 

 

「だが、詳しい事は分からなかったか……」

 

「さほど良い話でもねーぞ?」

 

 

 心の声で済ますつもりが、思わず口から漏れていた。

 それに対して大成は小さな笑みを溢す。

 

 

「言うて俺も詳しくは知らない。結局あの村は……天人の狙いは何だったのか」

 

 

 教えてくれる人はもういないから――――

 とは言わなかったが、銀時には大成の自嘲気味な笑顔がそう告げているように受け取られた。

 

 

「だけど知る手立てを失ったワケじゃない。小さいけどまだ、ちょっとだけ希望は残ってる。それに……」

 

 

 視線を手元に移すと、ポンポンと沖田の頭を気安く叩いた。

 

 

「今は俺の身を案じてくれる奴らがいる。それだけでもう十分、幸せもんさ」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

「とっつぁん、そいつァ一体どういう事だ……!」

 

 

 警察庁の長官室にて近藤は大呼した。

 珍しくも、あの人情深い近藤が激昂している。

 

 

「仲間の一人が殺された。だから今度こそ、警察狩り事件捜査への参加許可を貰いに来たんだ……!なのにッ……」

 

 

 拳を握り、語気を強めて訴え掛ける。

 

 

「代わりに下された命令が、『日原大成を捕まえろ』とはどういう了見だ!」

 

 

 距離は離れているのに、鼻先に唾が掛かるような怒号。

 だが、それを浴びる松平片栗虎はたじろぐ様子すら見せない。

 

 

「とりあえず落ち着け、近藤さん」

 

 

 これが落ち着いていられるかと憤慨する近藤だが、そこを土方は上手く宥める。

 

 

「――――しかし、納得できねェのも確か。これまでは不満を抱きながらも、真選組は命令に従い、捜査から離れてきた。……だがよ、身内にも手が及んだとなれば話は別だ」

 

 

 心做しか、身内という単語に語調が強まる。

 つまり落ち着いているように見えて、近藤に引け劣らず土方も憤っている。

 

 

「そして経緯も告げられず、別の身内を捕らえろって命も、簡単に受け入れられるモノじゃねェ。とっつぁん、まずは言い分を聞かせてもらおうか」

 

「……確かにお前ら、仲間意識の高い狂犬共には解せねェよなァ」

 

 

 土方の鋭い視線も省みず、松平は卓上で足を組む。

 そのふてぶてしい態度と相変わらずの粘りある喋りは、神経質になっている二人を更に逆撫でした。

 

 

「だがよォ、お前らに無理難題押し付けんのは、今に始まった事じゃないだろう。んなに青筋立てんでもいいじゃねェか。なあ、近藤よ」

 

「俺が本当に許せねェのはそれじゃない……!」

 

 

 近藤の肩が微かに震える。

 

 

「大成とは!俺達よりもとっつぁんの方が付き合い長ェんだろォが!!」

 

 

 もう土方も止めようとはしない。

 近藤は激情に任せ、沸き立つ自身の思いを吐き出した。

 

 

「攘夷志士だった大成とどういう経緯で知り合い、警察(こっち)の世界に引き込んだのか、深くは知らない。だが……アンタ達二人の間には、何か大切な繋がりがあるんだろう!?」

 

 

 松平の眉が微かに動く。

 

 

「ならなんでアイツを信じてやらねェんだ!!」

 

「おじさんはただ大成を捕らえろっつっただけで、何も警察狩りの犯人だとは言ってねェだろ」

 

 

 だが松平は至って冷淡であった。

 

 

「それとも何か。まさかお前ェら、思う所でもあんじゃねーのか?」

 

「い、いや……」

 

 

 不意の問いに近藤は言い淀む。

 大成を屯所に匿うことを認可したのは、近藤その人であるからだ。

 

――――このまま近藤さんに喋らすとボロが出るな。

 

 そう判断した土方は、話を切り上げようと前に出る。

 だがそれを遮るかのように、背後の自動ドアが開いた。

 そんな機械の擦れる音とともに、土方の最も嫌う男の声が発せられる。

 

 

「目撃者がいる以上、犯人であるにしろないにしろ、彼に事情聴取をするのは当然でしょう」

 

「佐々木……!」

 

「奇遇ですね土方さん。昨日と言い、出先ではよく貴方と遭遇する」

 

 

 白い隊服を靡かせ、佐々木は二人の横を通り抜けた。

 そんな佐々木の背中に近藤は尋ねる。

 

 

「目撃者……?」

 

「凄惨な現場に居合わせてしまった、買い物帰りの主婦です」

 

 

 土方の内で疑問が沸き上がった。

 何故、目撃者の存在が露見した――――?

 土方達は事件直後、見廻組が到着するまでに、大成の身柄とともにその女性も保護していた。

 そして順当に事情聴取を行い、他の警察機関に悟られぬよう帰したのだ。

 故に事件発生から半日程しか経過していないにも関わらず、その人物が特定されているのはあまりにも早過ぎる。

 

 

「婦人の証言によると、刀を手にした日原さんが真選組隊士の首を刎ねた。そして直後にアナタ方が現場を押さえた」

 

 

 大成の証言とも、前日の聴取とも違う……つまり、事実がいいように捻じ曲げられていやがる。

 または端からあの女も、コイツらの手の者だったか――――

 土方は舌を鳴らしかけたが、下手に疑われないよう、ここは堪えた。

 

 

「ですがその後日原さんは、一体何処に消えたのでしょうね?」

 

 

 わざとらしく、佐々木は首を傾げる。

 

 

「……そんな思慮の浅い工作で誤魔化せる程、エリートは馬鹿じゃありません」

 

 

 真選組の目論見を看破しているかのような、佐々木の発言。

 近藤と土方には返す言葉は無い。

 だが、そんな二人に続けて放たれた言葉は想定外のモノだった。

 

 

「まあ、今日の所は見逃してあげましょう」

 

「……どういうことだ」

 

「我々はアナタ方とは違って忙しい。後来の無い狂犬に構っている程、暇ではないのですよ」

 

 

 普段通りのあっけらかんとした口調から、嘘の気配は感じられない。

 この男は真選組の企てをそこまで把握しておきながら、看過するというのだ。

 

 

「犬は大人しく犬小屋へお帰りなさい。きっとそこではお仲間が、美味しい定食でも用意しているのだから」

 

 

 そう、皮肉を滲ませて退室を促す。

 何か物申した気な面持ちの土方だが、逆に落ち着きを取り戻した近藤がそれを制止した。

 

 

「トシ、ここは言葉に甘えよう」

 

「……ああ」

 

 

 小さく一言吐き出すと土方は踵を返す。

 近藤も松平に一瞥だけくれ、その背中に続いた。

 ……退室後、警察庁を後にするまで二人は言葉は交えなかったが、同様の考えを抱いていた。

 

 こうなったら俺達が先に真犯人を炙り出し、捕らえるしかねェ――――

 

 

 

 

 

 

「――――とでも画策しているのでしょうかね」

 

 

 二人が立ち去った長官室で、佐々木は呟いた。

 少々呆れた口調だ。

 

 

「……で、家宅捜索の結果はどうだったんだ?出てきたのか?」

 

 

 そんな佐々木からの報告を、松平は催促する。

 

 

「『鍵』は」

 

「松平公」

 

 

 松平の発言に対し、諌めるかのように名前を一言。

 

 

「長官室とは言え、誰に聴かれているか分かりませんよ?両肩にフェアリーがいる可能性も捨ててはいけません」

 

「その二人のフェアリーも、聴かれちゃ困る連中も。もうあらかた消えただろうに」

 

「……確かに」

 

「で、どうだったんだ次期警察庁長官様よ」

 

 

 慣れた手つきで懐から煙草を取り出し、点火する。

 佐々木はため息混じりに口を開いた。

 

 

「部下の報告によれば、それらしき代物は無かったと。どうやら持ち出されたようですね」

 

「……そうかい。大成の身柄を押さえるんなら……いや、鍵さえ確保するだけなら簡単なんだがなァ」

 

 

 達観したかのように天井を仰ぎ、煙を吐き出す。

 お馴染みの銘柄が放つそれは松平の鼻腔を、目を刺激した。

 

 ――――右も左も知らねェガキだったお前が、また随分と面倒なモン抱えちまったな。

 

 目頭が疼いたのを誤魔化すように、松平は立ち上がった。

 

 

「真選組屯所に強制捜査を掛けたとして、アイツらが素直に応じるとも思えねェし、衝突も起きるだろう。これ以上の軋轢が生じるのは避けてェところだな」

 

「かと言って後手に回ることは許されません。天を相手取るには、永々と出し抜き続けなくては」

 

 

 気付けば佐々木は、松平の横に位置していた。

 共に江戸の街並みを高層階から遠望する。

 

 

「そのためにはやはり、今夜にでも仕掛けましょう」

 

 

 その視線の先には、昂然たる出で立ちのターミナルが聳えていた。




2018/2/1追記
まさか実写銀魂がここまで……

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