なんにでも変身できるヒーロー志望ですが何か 作:輝く羊モドキ
最近さとりんはデレ期に突入したんじゃないか?!
そう思って朝、髪をわしゃわしゃ撫でていたらアゴに鉄拳を御見舞いされました。
デレ期と思ったがそんなことは無かったぜ!気絶した。
気が付いた時には遅刻しそうだったのでハヤブサに変身して登校。
既に時間はギリギリだ。このまま窓から侵入しようかと思ったが眼下に人だかりが出来ている。
祭りかなと思って近づいてみると仰々しいマイクやカメラを持っている人間の集まりだった。
マスコミじゃねえか糞が。フンでも落としてやろ。
……我が事ながらヒーロー志望のやることじゃあねえなあ……。
鐘が鳴ると同時に教室に飛び込む。相澤先生に殺されかけるほど睨まれた。インガオホー。
◇
「学級委員長を決めてもらう。」
『 学校っぽいのきたーー!!! 』
「委員長!!やりたいですそれ俺!!」「ウチもやりたいス。」「ボクの為にあるヤツ☆」
「オイラのマニフェストは女子全員膝上30cm!!」「リーダー!!やるやるー!!」
うるせえええ!なんだこのハイハイ合唱!なんで皆学級委員長やりたがるんだ?
しょうがない、皆が学級委員長やりたいって言うのなら皆学級委員長だ。その代わり私が学級委員長の総まとめ役ね。
なんてアホなこと考えてたらメガネ君が投票で決めるべきと発言。腕がそびえたってなかったら良かったんだけどもね…。
「投票ってのに賛成。ただしやり方に提案がある。それぞれが用紙に自分の名前と推薦者の名前を書くってのはどうだ?自分=推薦者は無効票にして。」
融剛の提案。切島くんの発言に対して、だな。確かにそれなら公正な投票になるねぃ。ただ問題がある。
「1、梅雨ちゃんの言う通り私たちは誰かを信頼してると言うにはまだ早すぎる。
2、記名投票は公正かもしれないけどだからこそ誰かの名前を書くのに躊躇する。
以上の点から時間内に委員長が決まるかどうか疑問を呈します。」
「何キャラだよお前…。」「エセインテリですわ。」
「つまり投票用紙に推薦者の名前だけ記入すればよいのではないでしょうか。もし、自分以外の誰も委員長にふさわしくない。委員長が務まる訳がないと、本気でお思いなのでしたら、自分の名前を書けばよろしいかと。」
「悪意満載の言い方ね化太郎ちゃん。」「エセインテリですので。」キリッ
「インテリ関係ねえよ。」
で、
出久君が4票で委員長に、ももっちが3票で副委員長に決定しましたとさ。
「思いのほか結局自分に入れてたと思われる票があったねー。」殺生石・3票(辞退)
「……まぁ、結局のところ自分がやりたいって思ったんじゃね?」遊戯・2票
「で、化太郎は誰に入れたんだ?」
「出久君だけど?頭回る方だし、視野も広い方だし、個性の反動を無視してまで勝利をもぎ取る所がイイと思った。融剛は?」
「八百万だな。」「相思相愛かよ!ボケが!」「何が?!」
*****
待望のお昼休憩。今日もさとりんの手料理いただくぞい。
「ご一緒してもよろしいでしょうか?」「ウチも、良い?」
「私はいつでもうぇるかむ。お二方は?」
「いいよー。」「オッケー!」
「すげえ!ももちぃもお弁当が重箱だ!」
「(…ももちぃ?)えぇ、しっかり食べないといざという時に個性が使えませんので。」
「驚きの重箱率!」「そんなに食べて太らないの?」
「いやいやー個性でエネルギー食う分、しっかりがっつり食べないとガリガリの人体標本になっちまうでな。ねえももりん。」
「(ももりん…。)え、ええ。人体標本は言い過ぎですが…。」
「今更だけどここだけ女子人口密度高いよね。」
「ジョシジンコウミツド。」
「言われてみればそうだねー。麗日ちゃんと梅雨ちゃんも誘う?」
「お茶子ちゃんはいつも食堂派なんだって。ツユちゃんは…あれ?昨日はお弁当だったのに今日はいないね。」
「遊戯さんと食堂に行ったみたいですわ。」
「何?!ここでも融剛が出てくるのか?!」
「そういえば殺生石って遊戯と仲いいよね。中学校一緒なんだっけ?」
「うん、一緒。それどころか3年間クラス一緒だったんだぜ。これはもう運命の赤い糸で結ばれてると言っても過言ではない!」
「スキなの?」「好きやでー。」「「「ええっ!?」」」
「そりゃあ3年間も一緒だったし、それによく融剛ン家に行ったしね。もはや家族公認の中よ。」
「(なんだろう。付き合い浅いけど別に色っぽい話は無いんだろうなって分かる…)」ヒソ
「(無性と公言してるだけあってかそういう気が無いんだろうねー。)」ヒソヒソ
「(遊戯も別に意識してないんじゃないのかな…)」ヒソヒソヒソ
「「「((( つまんない!! )))」」」
「…どうしたのあいつ等急にかたまって。」
「いえ…さっぱり分からないですわ。」
ウ ウ ~ ~ ~ ~ !!
「わあっ!なになに!?」
「何コレっ!警報!?」
『 皆静かに! 』「「「ッ!?」」」
《セキュリティ3が突破されました 生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難してください》
「せ、セキュリティ3ってナニ?!」
「たしか、雄英の最後のセキュリティですわ!」
「それが突破されたって!?つまりどういう事!?」
「わ、分からないけど…なんかヤバイ事がおきてるんじゃ…!?」
「ど、ドウシヨ殺生石!これなんか……」
「…」モグモグモグモグ
「落ち着いて飯食ってる場合か!!!?」
んゴクン「落ち着いて飯食ってる場合だよ。」
「?!何言ってるんですかこんな時に!!」
モグモグ「君が一番冷静になるべきだよ八百万。さあ、副委員長?この非常事態に何をするべきかな?」
「!?なにをって……!!」
「先生は現在不在。学級委員長も不在。教室内は小規模ながらもパニックが起きてる。廊下の方でも慌てふためいている声が聞こえるね。先生は教室までは恐らく来ない。改めて聞くけど、この非常事態に、どうする?」
「っ!……教室にいる皆さん!!落ち着いて黒板前に集合してください!人数を確認でき次第避難を開始します!!」
「ん。」
*****
「大変だったなぁ。」
「あんだけのパニックを一言で済ますってお前どんな生活送ってきたんだよ…。」
「どんな?音も無く忍び寄るハンター相手に朝食と夕食を死守しながら毎日過ごしてる生活ですが?」
「まるで意味が解らんぞ…。」
「おい、教室で食ってた連中は何事も無かったか?」
「あっ遊戯。…お前その顔の赤いモミジはなんだ?」
「…気にするな。察しろ。」
「おっおう。(食堂で一体何が……。)」
「まあ八百万の奴が皆をまとめて上手く避難したよ。流石は副委員長だぜ。」
「そうか。こっちはパニックだったが飯田が活躍したおかげで最悪の事故は無かったぜ。」
「そうそう!非常口みてえになってたよな。」
「非常口?…ま、皆大きな怪我がないようだし良かった良かった。……ところで融剛。」
「ん?なんだよ。」
「さっきから梅雨ちゃんがチラチラこっち見てる割には融剛と目を合わそうとしないんだけど。」
「………知らん。」
「…ふぅん?」
「(融剛と一緒に食堂へ向かった梅雨ちゃん。パニック。融剛の顔の赤モミジ。目を合わそうとしない梅雨ちゃん。ここから見えるたった一つの真実とは…そう!)」
「ラッキースケ」トスッ「ペゥッ!」
「少し…黙れ…。」
「ヒュッ。(のどに指がメリメリめり込んでるぅ!)」
「お前ら、いつまで遊んでいる…とっとと席につけ。時間がもったいない。」
結局、なんだかんだあって委員長は出久君から飯田君に変わることとなった。
…いやいいけどね?メガネだし。でも出久君に投票した人の気持ちとかさ……いやいいんだけど。メガネなんだから…。
「(…飯田はあの時ただのマスコミと言った。だが雄英のセキュリティを突破するマスコミって何だ?どうやってセキュリティを突破したんだ?………
「まかせたぜ非常口!!」
「非常口飯田!!しっかりやれよー!!」
主人公と女子会フラグが立った。
八百万の自信喪失ゲージが上がった。
融剛はトラブルボーイの称号を得た。
鉄は熱いうちに打て。熱意があるうちはメイン小説の投稿遅らせてコッチ優先しよ(