なんにでも変身できるヒーロー志望ですが何か 作:輝く羊モドキ
入学前に『個性届』『身体情報』を提出すると学校専属のサポート会社がコスチュームを用意してくれる素敵なシステム!
「さー!今年の一年共はどんな素敵なアイデアを見せてくれるんだろうなぁ!」
サポート会社は新しい発想を取り入れるのが大好きなのだ!
…
「うんうん。一通り見たけどどれもフレッシュ!って感じだね!」
「先輩。追加の『要望書』です。」
「ありがとう後輩!さてさて!どんな要望が来たのかな!?」
遊戯融剛
どんな悪路でも怪我しない靴。履きやすく、動きやすく、かつ薄く。
「靴だけ!?」
「 ユニーク!! 」
「居るんだよねー!たまに自分の個性を万能だって勘違いして完全に機能だけを重視したようなコスチューム要望出す奴!お前ヒーロー何だと思ってんの!!」
「そんな君には嫌でもかっこいいコスチュームを作ってやろうじゃないか!!覚悟しろよ!」
「次だ!コレの後ならどんな要望でもイケそうな気分ッッ!」
殺生石化太郎
いらない
「…」「…」
「我々サポート会社の意味……」
午前は必修科目や英語等、普通の高校としての授業がある。
『おらエヴィバディヘンズアップ盛り上がれーー!!!』
「イエー!!」
(((またお前か…)))
「オーケーオーケー!じゃあ仮面リスナーこの問題の答え言ってみようかーー!!」
「分かりません!!」
(((あ、こいつアホだ。)))
昼は大食堂で一流の料理を安価で頂ける!
「でも私はお弁当派なんだよね!!」
「殺生石!一緒に食べよー!」「やほー芦戸ちゃん。今日も可愛い角だね!」
「私も一緒にいい?」「いいよー葉隠ちゃん!今日もメイクばっちりだね!」「解かるの!?」「勘!」
キャアキャア
「…お前はあそこに入らないのか?測定不能マンの保護者。」
「誰が保護者だ。俺はいつも食堂派だからな。というかあんな女子の輪に入る勇気はねえよ。」
「お前そこはPlusUltraで…」「校訓汚すな。」
「お弁当っていつも作ってるの?」
「ん~ん。作ってもらってるの!」「やっぱお母さんとかに?」
「違うよー。お母さんはあんまりそういうのやんないから。でも居候の子が毎日作ってくれてるの。」「「居候。」」
「ほら、この子」
「わっかわいい!」「めっちゃ照れてる!」
「でしょー?もう毎日なでなでしたい。そんでこの子が作ってくれるお弁当がコレ。」ドン!
「「重箱!?」」
ザワッ
「……もしかして殺生石ってめっちゃお金持ち?」「別にそんな事無いよ。ふつーよふつー。」
「いやいやいや!お弁当で重箱持ってくる人とか漫画でしか見たことないよ!」
「…エンゲル係数がほかの家より高いだけなんだよね……。偶には外食とかしてみたい…。」
「…ああ。うん…」
「ほ、ほら!そんな事より食べよ!時間なくなっちゃう!」
「そだね!ねえねえ!おかず交換しようよ!」
「いいよー!中身ぎっしりだから選び放題だよっ!」
「えっとねー!じゃあこのコロッケ頂戴!」
「いいよ!じゃあ私は……。芦戸ちゃん?」
「ん?なーに?」
「私の目が狂ってなければ、弁当に納豆入ってるように見えるんだけど…。」
「入ってるね。」
「……」
「……?」
「(まいいか。)じゃあこの肉団子貰おうかな!」
「あ、それ中身オクラだから!」
「ネバネバだらけじゃねえかお前の弁当!」
「ねーねー!このポテトサラダちょーだい!」
「いいよ!」チラッ
「…?どうしたの?」
「(よかった。葉隠ちゃんは普通のお弁当だった…)」
キャアキャア
*****
午後からはヒーロー基礎学!楽しみ!
『わーたーしーがー!!』
『普通にドアから来た!!!』HAHAHAHA
キャー!オールマイトー!!本物だー!やっぱ本物は違うなー!!!
「(…なんだろう。いつも化太郎で見慣れてるから本物に会っても感動しねえ。)」
そんな訳で早速戦闘訓練!いつも親友と友人とで訓練してるから結構いけるんじゃないかな。
そして誰よりも早くグラウンド・βに到着。私は着替える必要ないし仕方ないか。
そして順次到着するクラスの皆を観察する。おお、やっぱヒーローコスチュームはかっこいいな!
「あれ?殺生石ちゃん。あなたコスチュームはどうしたの?」
「私にコスチュームは猫に小判、豚に真珠、オールマイトに日本刀だぜ。蛙ちゃん。」
「梅雨ちゃんと呼んで。」「じゃあ私の事はバケちゃんで良いわ梅雨ちゃん。」
「ケロ。」
「私はいつも服ごと変身しちゃうからな。無いのと一緒さ。」
「なにィ!つまり殺生石はいつでも全裸だってぇ!?」ハァハァ
「そうだけどお前この格好見ても同じこと言えるのか!」モリムキィ!
「…ナンデモナイデス」
「すげえ、2日で理解できるほどのエロの権化を一瞬で黙らせた。」
「…殺生石さん…御見苦しいのでやめて頂けますか?」
「しょうがないなー」プシュュー「あれ?融剛お前その恰好…」
「…おかしいな。要望では靴だけ頼んだはずなんだか…。」
「無駄にケバケバしてる!受ける!」
「笑うな。シバくぞ…!」
『みんな揃ったようだな!始めようか有精卵共!!!!戦闘訓練のお時間だ!!!!』
さてさて、屋内での対人戦闘訓練か。私の最も得意とするところではないでぃすか。
ふむ。チームに分かれての訓練か。というかオールマイトは先生としてのスキルは低そうだなぁ。
…チーム分けはクジか。良かった。好きに二人組作ってって言われるんじゃなくて…
体育……二人組つくってー……余り……う、頭が。
クラス人数は22人。二人組で作っていったら11組、チーム分けしたとき一組余るね。
二組だけ3人チームってのが妥当かね。
やっぱりそうなった。3人組チームになったのは私、上鳴君、耳郎ちゃん組。融剛、常闇君、砂糖君組か。必然的にここと当たるよねやっぱ。
制限時間15分。ヒーローチームは
「おい。」「なんだい融剛君。」
「核爆弾に変身するなよ。」「……まさか、そんな事考える訳がないじゃないか危ないなぁHAHAHA。」「(考えてたな…)」
◇
一番手は出久君チームと爆豪チームか。ワタシ、バクゴウ、キライ。
とはいってもあっち側は私の事は覚えてないみたいだ。まあそれならいいか別に。
……お、あの奇襲に対応できるとは、中々やりますね出久君。しかしあまりにお粗末。屋内で、ヴィランの陣地なんだからもっと警戒するべきじゃないのか?
「爆豪ズッケェ!!奇襲なんて男らしくねえ!!」
お前は何を言ってるんだ(真顔)
戦いにらしいもらしくないもあるかい。結局は勝った方が正義なのさ。
ただヒーローは勝つために手段を択ばざるをえないだけで…。
しかし出久君は結構頭が回るみたいだなぁ。
「どう思う、融剛。全体的に。」
「…麗日は気が抜けてんな。飯田の奴は相手の対策が出来てる。緑谷の奴は…まだよくわからねえ。爆豪は…あぁ、ありゃ駄目だ。」
「あー、やっぱりそう思うか。」
私の勘だけど多分そろそろ…
ド
オ
オ
ォ
「うわわ!なになに!?」
「授業だぞコレ!」
「何たる威力…!」
あー、やらかしたねぇ。屋内戦なのにぶっぱなすかね。
「アイツ遠距離戦も出来るのか。」「ね、意外。」
「冷静かお前等!」
「おっ!今の攻撃は面白いな。器用な事するねぇ。」
「型にはまらないって言うかなんて言うか…多分ありゃ独学だな。無駄が多いが、身体能力と個性を上手く合わせた体術だ。」
「才能マンだ才能マン。ヤダヤダ…」
しかしアイツ、妙に熱くなってるな。
出久君も熱くなってるが…あの位置は……ああ、なるほど。個性使ってぶち抜くのかな?
ボ ゴ オ ォ
うわーお激しいぃー!核爆弾置いてる施設で使う技じゃないよね!
麗日ちゃんも激しい攻勢だけど核に当たっちゃうよ…。
そんなこんなでヒーローチーム勝利。出久君はまた保健室にお世話になるのか。このままだと私が指導室にお世話になった回数超えるんじゃないかな?!「いや、それはねえよ。」ですよね!
講評の時間、ポニーテールのおっぱいちゃんがチラチラ融剛の方をみながら講評してた。
お”お”ん私の融剛になんかあるんかゴラァ!痛い!殴っちゃらめぇ。
「なんとなく殴りたかったから。」
冗談を考えるのもあきまへんか…。
そんなこんなで第二戦。葉隠ちゃんは全裸で挑むらしい。
「うおおお神様オレに透明人間が見えるようになる力をくれええええ!!」
五月蠅いぞブドウ。轟君こいつも凍らして冷凍ぶどうにしてやれ。
「なあ化太郎。お前がアレ相手ならどうする?」
「とりあえず不凍液スライムになって戦いながら考える。」
「…おう。」
◇
「さぁってようやく我々3人チームの出番って訳ですたいね。」
「…もうちょっと口調安定させてくれない?」「善処しまーす!」
「さてさて、俺ぁ『上鳴電気』個性は帯電!めっちゃ電気ビリビリできるぜ!」
「ウチは『耳郎響香』個性はイヤホンジャック。このプラグを伸ばして小さい音聞いたり相手に爆音を届けたり出来るよ。」
「私は殺生石化太郎。個性は変質!基本的に何にでもなれるよ!」
「なあなあ、めだかちゃんに変身したのもその個性だろ?他に何に変身できるんだ?」
「そりゃあもう色々さね。とりあえずジャンプ主人公なら一式いつでもおっけーね!」
「はー。すっごい個性ね。アンタ一人でも余裕なんじゃない?」
「ところがどっこいそうはいかないんだよなぁ!なんてったって相手に融剛がいるし!」
「融剛ってあの58mだろ?確かに強力な個性だけど屋内であの威力は出せないだろ。」
「のんのん、確かにあの威力は融剛の真骨頂ではあるけど、それ以外にもっといろいろできるんだよん。」
「…例えばどんな?」
「んー。ぶっちゃけ私たちがヒーローチームじゃなくてヴィランチームだったら詰んでる。」
「え?」「はぁ?」
「制限時間は15分もあるでしょ?融剛ならこの建物全部と自分を融合しきるのに3分もいらないからね。何処かに隠れて融合始めちゃったら私たちの拠点だったはずの建物が融剛の体内と変わらなくなっちゃうぜ。」
「はああ?!なんだそのふざけた個性!どうやって勝つんだよそんなもん!」
「だからウチたちがヴィラン側だったら詰むって話でしょ。でも実際そんなこと出来るんだったら既にこの拠点は遊戯の支配下になってるんでしょ?どうすんの。」
「まあ実際には私たちの居場所が常に融剛に知られて、融剛が何時でも何処からでも奇襲を仕掛けることが出来るって”程度”のハンディさ。大したことない大したことない。」
「いや、十分あるだろ…」
「それと二人とも、融剛と正面切って戦うのは絶対に避けてね。相性云々以前に勝てないだろうし。」
「…はぁ?どういう意味だそりゃ。」
「そのままの意味だよ。対人戦闘で一番重要なのは経験さ。次点で慈悲の無さかな。」
「…ちょっと。ウチらだって雄英の試験を合格してるんだからそんくらい「じゃあ聞くけど。」
「貴方たちは他人の顔を躊躇せず、全力で、殴れる?」
「「…え?」」
「時に相手の骨を折ったり、急所を撃ち抜くのにも躊躇しないって言える?」
「…いやいや、だってお前そんな事する必要が「無いって言いきれるの?本当に?」
「戦いっていうのはね、とどのつまりは殺し合いなんだよ。ただヒーローは相手を殺さずに生かして捕らえるってだけで、不慮の事故くらいあるさ。」
「「…!」」
「貴方たちが相手を攻撃するときに躊躇した一瞬で、私たちは相手を仕留めるくらい訳無いんだ。それだけの対人戦闘を繰り返してきたからね。」
「だから融剛を相手するのに正面から戦わず、必ず搦め手を使ってね。じゃないとすぐ捕まっちゃうから。」
「あ、ああ…。」
あ、それと常闇君と砂糖君の個性について何か知ってる?え?個性把握テストで見た以上の知識は無い?そっかー。
「常闇踏影、こいつは相棒の『黒影』だ。」『オ前等ヨロシクナ!』
「俺!砂糖力道!個性は『シュガードープ』!少しの間筋力が5倍になれるぞ!」
「俺は遊戯融剛。個性は融合。自分とそれ以外ならすぐに融合できる。自分以外を融合するのにはちょっと時間が掛かる。」
「…遊戯。恐らくこの中で最も強いのはお前だろう。お前が指揮を執ってくれ。」
「分かった。作戦を考える前に一つ言っておくことがある。」「おお。なんだ!リーダーとしての意気込みか!?」
「化太郎に出会ったらすぐに逃げろ。」
「…!?それはどういう意味だ?」「説明しろ。」
「単純な話。化太郎は俺が知る中で最も屋内戦闘が強いからだ。」
「…なるほど。話は理解した。だが納得はしない。相手が強いから逃げるではヒーローとしての矜持にかかわる。」
「そうだぜ!確かにあの測定不能マンは見たところ何でも出来て強力な個性の持ち主だが、付け入る隙がないって訳じゃないだろ!?」
「いや、無い。」「「!?」」
「アイツ、化太郎は変身できる個性の持ち主だ。言葉通り、何にでも、な。」
「…それがどうしたって?戦いになれば隙は出来るだろう?」
「例えばで聞くが、砂糖。お前幽霊ってどんなものか知ってるか?」
「幽霊がどんなものって?そりゃあなんか透明で、フワフワ浮いてる…くらいか?」
「じゃあ幽霊を殴ったり、捕まえる事は出来るか?」
「はぁ?何言ってんだ、出来る訳無いだろう。それと今の話が何の関係が…!まさか!」
「ああ、そのまさか。奴は実体を持たない何かにも変身できる。」
「「なんだと…!」」
「幽霊。お化け。妖怪。ガス生命体。呼び方はなんでもいい。とにかくそういったモノに変身できる。お前等はコレをどうやって捕まえるんだ?」
「それは…じゃあどうするんだ!そんなやつから逃げ続けろってのか!?」
「いや、その必要はない。何でか知らないが実体を持たないモノに変身してる間は極端に足が遅い。ナメクジ以下だ。だけど手を伸ばして確保してくるから距離を取れって言ってるんだ。」
「つまり殺生石を捕まえるには距離をとって、追いかけてきたところを反撃すれば…」
「それも無理だ。言っただろう、屋内戦闘では最強だって。もしアイツに捕捉されたなら捕まるのは覚悟しとけ。それくらいの実力差がある。」
「…舐められたものだな。そんなに俺等が弱いと思ってるのか?」「ドーナンダヨハッキリイエ!」
「ああ、弱いね。ハッキリ言って個性を使わなくても俺はお前達二人に勝てるよ。」
「「!?」」
「理由は二つある。
一つ。身体能力の差。
二つ。対人戦闘経験の差。およびそれに伴う躊躇の無さの差だ。」
「……なんでお前がそんな事解かるんだよ…!」
「観察眼の違いかな。お前等、俺達より前の戦闘訓練を見ていてどう感じた?」
「何?…どうもこうも無い。皆実力者であると感じた。」
「ああ、個性使った拠点防衛とかすげーなって思ったぐらいか?」
「それだよ。見ただけで相手がどれほどの力量を持っているか。どうしてあの時ああ動いたか。また自分ならこう動いて相手を倒す、等。それが分からない程度にしか経験値が無いって事だ。戦闘において一番重要な事は経験だからな。次点で容赦のなさか。」
「…」
「まだ納得いかないって顔だな。やってみなきゃわかんねえだろって思ってるな。」
「…!」
「相手の先を読む。相手の動きを読む。そして、相手を支配する。それが対人戦闘の経験って事だ。俺と化太郎は間違いなくこのクラスで一番経験豊富だよ。」
「ぐっ…」「…」
「悔しいか?まあそうだろうな。そうじゃなきゃ男じゃねえ。ま、今はいいよ。これから経験を貯めればいい。折角無線があるんだ。俺が化太郎が居る場所を言うから其処に近づかないようにすれば捕まりようもないだろ。じゃあ作戦を言うぞ。異議があったら遠慮なく言え。」
折角だ。ここで一回白黒つけようぜ。化太郎。
*****
「作戦は?」「猪突猛進!」「行き当たりばったりって事ね…」
「じゃあ遊戯に捕まらないうちに核の場所突き止めようか。」
「ちょっと待ったぁ!じろちゃん!壁にプラグ差し込むのは止めたほうがいいよ!」
「え?なんで?」
「ここは既に融剛の体内!プラグ突き刺したところを狙って爆音をお届けされちゃあマズいでしょ!それに融剛が素直に核爆弾の部屋を教えてくれるとは思えないしな!」
「あ、なるほど。それもそうか…」
「対人戦闘の基本は相手の気持ちになる事!相手が嫌がる事を進んでしようねぇ!」
「…なんだか別の意味に聞こえるな。」
「と言うわけで此処は二手に分かれて核探そ!なんかあったらすぐ連絡してねっ!文字通り飛んでいくから!じゃあね!」スタコラ
「…冗談に聞こえないんだよなぁ。」「冗談じゃないんだろ。」
「作戦は理解したな。」「…ああ。」「納得は出来ねえけどな。」
「無理にでも納得しろ。それだけの実力差がある。勝つにはより成功率の高い作戦だ。」
「…分かってるぜ!」
「早速階段に向かっているようだな。砂糖、合わせろ。」
「クソッ。やってやるよ!」
「融剛の事だからせっかちな私がいきなり5階に行った時用の保険を入れて4階に核爆弾を置いてあるはず…まずはそっからいきますか」ゴゴゴゴゴゴ「うわあなんだ!階段か!?」
バ ガ ア ア ァ ァ ン !!
「おおおおおらああああああ!!」
「ギャー!タラコ唇お化けが降ってきたあああああ!」「誰がタラコ唇お化けだ!!」
「おおお!食らえ!」
「わお!増強型個性から繰り出されるテレフォンパンチ!直撃したらただでは済まないッ!」
「直撃したらね。」フッ
「ッ!やっぱり遊戯のいった通りか!」
「ふはははは!名付けて『ゴーストリックモード』!!如何な物理干渉を受け付けない!」
「クソっ!やっぱこうなるか…仕方ねえ、作戦通りに行かせてもらうぜ!」
「ふははは!掛かって来い!どうしたオラァ!どこ行くねんオラァ!ちょっともしもーし!」
「(殺生石はいったん無視!先に上鳴と耳郎を捕まえる!)」
「もしもしじろちゃん!?そっちにたらこマン向かったから!よろしく!」
『たらこマン!?砂糖の事?!っち、既に常闇と戦って手一杯なのに!』
「マジでか!ソレ言ってよ。おっけーたらこマンはこっちで何とかするから…
ねっ!!」
「どおおお!いつのまに横に並走してんだ!!!」
「いつの間に?今の間にですけど?それとよそ見していいのかなぁ?前前。」
「?!前だとっ…?何も「あ、ごめん。私から見て前だから横だわ。」えっ?」
「っ砂糖っ!?」「常闇っ!?」
ドダタッ
「っく!すまない!」「わりぃ常闇!」
「走る時はちゃんと周りを見ないとねぇ。」「お前が余所見させたんだろ!」
「そーで~す。敵の言葉に翻弄されるなんてまだまだよのう。」
「…どっちがヴィラン役だか分からんな。」
「あと砂糖君、腕。腕。」「腕…!いつの間に確保テープが!?」
「常闇君とぶつかった瞬間だね。隙だらけだったぜよ。」「…!クソっやられた!」
「ナイスファイトだぜジロちゃん!」
「ふぅ。ウチもなかなかやるでしょ?じゃあ常闇を3人で確保して「それなんだけどジロちゃん。」
「上鳴君何処に居んの?」「え、さっきまでそこに…居ない?!」
「…ふっ。想定外もあったものの既に貴様らは我らが術中に陥っている。」
「…なるほどねぇ。融剛が考えそうなことだぜ。ジロちゃんこっち来な。離れるよ。」
「え、でも先に常闇を確保したほうがよくない?2対1だし。」
「いや、常闇君に意識を割かれる分融剛の奇襲の警戒がおろそかになっちゃうん。現に意識を割いてるうちに上鳴君は融剛に捕まっちゃったんだろね。」
「…ふっ、舐められたものだな。俺から素直に逃げることが出来るとでも?」
「出来るさ。空を飛ばんでも、常闇君から逃げるくらい。ジロちゃん失礼しますね。」ヒョイッ
「わ、わっ!」「あはは!気分は姫を抱えて移動する勇者かな?」「バッ!何言ってんの!」
「逃がすか!ダークシャドウ!」『アイヨッ!』
「逃げるんだよぉ!ランニングデュエル!アクセラレーション!」「ちょ、ま!キャアアアァァァァ……」
『ハヤッ!』「クッ!逃げられたか。追うぞ!」「ちょいまち。」「!?」
「貴様か遊戯…。脅かすな。」
「悪いな、ちょっと急ぎだからな。予定変更だ、核爆弾の部屋の守護を頼む。」
「何…?殺生石を捕まえなくてもいいのか?」
「ここでの最悪は相手が二人に対して俺一人で戦う事。挟み撃ちにされたら流石にマズい。出来れば1対1に持ち込みたい。1対1に持ち込んでもフリーとなった耳郎が核を回収するのもマズい。そこで核部屋をお前がやってくれ。」
「…了解した。ところで上鳴はどうした?」
「今それ重要か?まあ、俺の隠し玉になってる、と言っとく。」
「ちょっと!殺生石!下ろして!」
「まだ駄目だやぅジロちゃん!せめて核爆弾置いてある部屋見つけてからじゃにゃーと。」
「じゃあせめて抱え方変えて!こんなんウチ恥ずかしい!!」
「え!?なんで?!この抱え方のほうが運びやすいんだけど!」
「だって!これ…
お姫様だっこじゃん!!」
「いいじゃん!女の子なら誰でも憧れるでしょお!」
「憧れんのと実際にやられんのとでは違うんだよお!!それにこれ皆にモニターされてるんでしょ!」
「いいじゃん!羞恥プレイって奴やで!誰もが経験できるもんでもなかとよ!」
「経験したいなんて言ってないんですけど!いい加減にして!鼓膜破るよ!」
「何それ怖い。…!ほら4階についたぞ!ジロちゃん!核探すよ!」
「ぅぅぅ!もう何でもいいから早くして!」
「おっけーね!ノックしてもしもーし!」バゴーン
「…」「…」
「「核あるぅぅぅぅ!」」
「よっしゃぁ!核確保!ただちに確保せよ!」
「見つけたから!下ろして!下ろして!」
「シャドー・ヘッジホッグ!」
「ッ危ない!」 ドゴォォォン!
「…今日は建物が良く壊れる日だぁ…」
「・・・!あれは遊戯!?いや、常闇…?」
「…っち!お前は本当に予想通りに動いてくれないよなあ!」
『まさか一直線に核のある部屋に向かうとは…な。』
「やっべえ!あれは融剛の真骨頂その二!『フュージョンヒーロー』!」
「なに!?その必殺技みたいなの!?」
「みたいなの。じゃなくて実際必殺技でござる!」
「悪い常闇。融合解除してる暇ないわ。ちょっと負担やばいけど我慢しろ」
『問題ない。』
「自分と他の一人以上の人を融合することで戦闘力倍増の必殺技!当然のように融合した人の個性を使ってくるよ!」
「マジか!」
「唯一の欠点はダメージフュージョンが使えないって所かな!?」
「なにそのダメージなんちゃらって必殺技!」
「攻撃を相手に返す奴!とにかく殴れば勝てる!ハズ!!」
「ダークシャドウ!頼むぜ!」『暴れろ!ダークシャドウ!』
「どおおお!なんか黒いのキター!」
「アレは常闇の個性!たぶん影か何かだよ!」
「っ!ジロちゃん!とりあえずアイツにダメージ与えて!」
「分かった!『爆音ビート』!」
「っ!ぐぅ!!」『!大丈夫か遊戯!』「まだ問題ねえ!ダークシャドウを使え!」
「よし!案の定効いてるな!やっぱり常闇君の個性じゃ音の防御は無理みたいだ…な!」
『ギャン!』
「ダークシャドウ…強いっちゃ強いけどまだまだ動きが単調で読みやすいぜ!」
「『爆音ビート!』」
「いいぞジロちゃん!相手に近づかず、相手の嫌がる事をし続けるんだ!」
「…なんか納得いかない…!」
「ぐぅ!クソ!」『遊戯!無茶するな!俺の分までダメージを受けてるんじゃないのか!?』
「問題ねえって!ここで粘れば勝てるんだ!最後の切り札使うぞ!『ッ!了解した。!』
「…!動きが鈍った!」「チャンス!確保テープで一網打尽にしてあげる!「あ、ちょ!ダメだジロちゃん!」
ビリッ
「え?」
B Z Z Z Z Z Z Z Z Z T !!
「・・・え?」
「あばばばばば…だ、だいzz丈夫かzzzジロちゃん?」ビリビリ
「…え。ウチは大丈夫だけど…」
「行け!ダークシャドウ!」『ヒーン』シュッ
ドッ「ぐえぇ」
「!殺生石!」
「融合解除。常闇、化太郎を確保しろ。」「了解した。」
「ぐぬぬ、まだまだ…!」
「!まだ立ち上がるのか!」
「でももう手は無いだろ。常闇、耳郎を足止めしとけ。制限時間まで粘るぞ。」
「だが、…いや、了解した。」
「おいおい…いい加減上鳴君返してくれへん?」
「まだ駄目だね。お前達を確保したら返してやる。」
「おぉぅ、男のヤンデレは怖いなー。」「ほざけ馬鹿。」
「っく、ごめん殺生石、ウチのせいで。」
「っふ、反省は確保されてからするのだな。」
「(流石に今から相手二人を確保するのは厳しい…なら核兵器狙いしかないか。)」
「化太郎、お前の考えは読めてるぞ。核兵器を狙おうってもそうはいかないぜ。」
「…はは、流石だな私達。まさに以心伝心?」
「…殺生石…」「ジロちゃん。核兵器を確保しに行くぞ。なあに、真っすぐ行くだけが能じゃない。色々暴れてみようぜ。」
「…うん!」
「常闇、うまく抑えておけよ。あと一分もしないで制限時間だ。ダークシャドウも頼むぜ。」
「任せろ。」『オッ、オウ…』
「いくぜぃ!メタモルチェンジ!スライムモンスター!」
「!エレキチャージ!」BZZZ
「爆音ビート!」
「ダークシャドウ!」
ズズゥン!
「!ジロちゃん!床にビート叩き込んで!」
「!?分かった!」
「…何を。!ヤベエ!常闇、耳郎を止めろ!」
「!?ダークシャドウ!頼んだ!」『ガンバル!』
「爆音ビート!!」
バゴォォン!!
「何っ!大穴を開けただと!?」 F A
「くっそ!落ちる!!」 L
「……って核爆弾も落ちてるじゃん!!」 L
「だいじょーぶ!!何故なら私は飛べるからぁぁ!!」CATCH!!
『ヒーローチーム WIIIN!!!!』
*****
「…全く情けないなぁ上鳴。あっという間にやられた上に相手に利用されるなんて。」
「面目ねえ…」
「いやー、ぶっちゃけ融剛相手なら仕方ないねー。でもあの電撃は結構効いたけども。」
「う、ごめん。考えなしに飛び出して。」
「ああ!ちゃうねん!別にジロちゃん攻めてるわけじゃないの!」
「…悪い。取り仕切っておいて結局負けちまった。」
「いや、お前だけのせいじゃねえよ。俺なんか開始早々に空気だったからな。」
「…俺もさらに精進しなくては……。」
「もう終わってる雰囲気出してるところ悪いけどこれから講評だからね!」HAHAHA
「さあ、今戦のベストは誰だか分かる人!!?」
「…つってもなぁ。正直レベルが違い過ぎて何が何やら……」
「殺生石君じゃないの?強かったし!勝ったし!」
「でもよー、遊戯の個性制御も凄かったぜ!何せ建物一つ融合したんだからな!」
「それなら殺生石のあの判断力と器用さだろ!緑谷の度胸も凄かったが殺生石の鮮やかな確保も凄かったぜ!」
「確かに殺生石少年も遊戯少年も君たちどころかプロと比較しても負けないくらいに素晴らしい能力だった!恐らく普段から似たような訓練をしているのだろう?目まぐるしく変わる現状に対応し続け、常に最善手を打つ判断力と、相手の策を見抜く観察力、そして戦闘力は抜群だったね!だが…
今戦のベストは耳郎少女だ!」
「……え?ウチ!?」
「さあ何故だろうな~~~~分かる人!!?」
誰も手をあげない。オールマイトがちらりと八百万さんを見て明らかにほっとしている。
「分からないかー!!でも仕方ない!これは実はプロでもなかなか出来ることじゃないからね!」
「いいかい?確かに殺生石少年も遊戯少年も素晴らしい戦闘力だった。だけど足りなかったものがある。それは仲間とのコミュニケーション!お互い自分一人で戦ってるんじゃない、チーム戦なんだ!それなのに自分の考えを仲間に伝えるのをかなり疎かにしていただろう?」
うーん心当たりが多いぜ…
「勿論長年の付き合いである君たちの間ならばそれでも十分だったのだろう。けど今回は初めてチームアップする相手がいたんだ。いつも通りじゃ相手に自分の考えは正しく伝わらないぜ!」
ゴホッ
「一方耳郎少女は少ないやり取りの間からでも何とか相手の意図を察しようと努力できた!これは褒める所だ!」
…確かにオールマイトの言う通り、相手に考えてる事の説明が足りなかったかなぁ。
でも状況は刻一刻と変わってるんだから一々伝えるのも……いや、これは言い訳か。
というかオールマイト。最後の最後で先生っぽいこと出来たーって顔に書いてある…なんか台無しだよもう!
「さて、これで最後だね。お疲れさん!!緑谷少年以外は大きな怪我はなし!しかし真摯に取り組んだ!!初めての訓練にしちゃ上出来だったぜ!」
相沢先生の後だからあれだけど実に真っ当な授業だった。
真っ当な授業もまた私たちの自由って…真っ当な授業しか出来ないの間違いゲフンゲフン
そして出久君に講評を聞かせないとって言って凄い勢いで去っていった。
…さーて授業終わったし。帰ろっかな
「ちょっと待った!」あぁんやっぱり捕まっちゃったか。
「なあ!お前達滅茶苦茶動けんのな!俺あんなの初めて見たぜ!!」
「お、おう。そうか。」
昼飯あれだけ食ったけどちょっと小腹空いてきたんだよぉ。
「今から皆で反省会しようと思ってるんだけどよ!俺達の講評をしてくれないか?!」
「…オッケー。まーかせといてー。」
「よっしゃぁ!」
ああ、おやつ食べたい。
…それと出久君の怪我も気になるなぁ。ここ連続でリカバリーガールの所に行ってるからなぁ。
……見に行っちゃだめかなぁ。だめそうだなぁ。
11336文字。普通だな(白目
途中キャラの書き分けが出来てないかもしれません(今更か)。
許してぇ。
次回、飯田君票と轟票が揺れる!?ご期待ください。
仕方ないよね今回もはっちゃけちゃったし。