なんにでも変身できるヒーロー志望ですが何か   作:輝く羊モドキ

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緑谷出久に死柄木弔がいるように。
オールマイトにオール・フォー・ワンがいるように。
主人公にも宿敵となる存在がいるようです。

そしてここから少年誌的な内容から離れていくんじゃないかな。


主人公の宿敵登場的な第五話

~とある場所~

 

「これ以上この地に狐狸共をのさばらせておく訳にはいかぬ。」

「そうだ。」「然り。」「奴らを駆逐するのだ。」

「…」

 

ザワザワザワ

 

「あの禿狸と女狐が手を組んでから何一つうまく行っておらん!」

「西だけでなく東にまで勢力を伸ばしおる。」

「おとなしく片田舎に籠って居れば良かったものを。」

「彼奴等さえ居なければ我等が天下を取っていた。」

「…」

 

ザワザワザワ

 

「今月に入って我らが傘下が5人もやられおった。」

「ワシらの若いのは半数が既に奴らの手に…。」

「あれから先詠のとも連絡が取れん。奴はわえ等の期待の星だったのじゃが。」

「……」

 

ザワザワザワ

 

あーだ

こーだ

「……!」

 

ザワザワザワザワザワ

 

 

 

「やっかましいんじゃジジババ共がぁぁあああ!」

 

 

 

「何だ何だよ何ですかァ?!老害共が揃いも揃ってブツブツザワザワダラダラベラベラ無駄話してェ!僕は此処で『経立会(ふったちかい)』の未来について話し合うって聞いてるんですがァ?!」

「おぉおぉ旧鼠の、そいつがお前の孫かい。中々元気がいいじゃないか、あ?どれ、アメでもやろうか?」

「なにいってるんじゃ、今時アメに釣られる子供が居るかい。ほら坊や、チョコレェトがあるよ。」

「馬鹿共が、そんなもんじゃ食った気がせんやろがい。ホレ、するめなんてどうだ?」

「どれもいらねェんですけどォ!!」

 

 

「あのよォ、こんな下らない話ばっかりだったら僕はもう帰るぜェ?暇じゃねえんだよォ。」

「全く最近の若いもんは余裕というもんが無いのう。わえ等の若い頃はもっと落ち着きがあったわい。」

「はん、貴様も若い頃はもっとろくでもない馬鹿野郎じゃったろうに。」

「あ”あ”ん?お前なんてマトモなお供すらもてんかったやろ。」

「「…」」

 

 

「「表出ろやぁ!!」」ギャーギャー

 

 

「僕は帰るぞォ?」「まあ待ちな。」

「んだよババァ。こんな下らねぇ会合なんてブッチしてジャンプ読みたいんですけどォ?」

「ほら、急くんじゃないよ。この写真を見な。」「んァ?」

ピラ

「なんだァ?このザコそうな奴はァ。」

「殺生石化太郎。ソイツがわし等のシマを荒らしているやつさ。」

「はァ、コイツが例のか。見えねえなァ。」

「油断するんじゃないよ。こんな見た目だが、あの『傾国』のと『島引き』の子供なんだ。」

「あァ?誰にモノを言ってんだァ?」

 

「僕こそが『鼠浄土(ねずみじょうど)』の次の王になるんだぜェ!油断?慢心?上等じゃねえかァ!」

 

「…カァーッ!大した自信じゃのう!それでこそ我が孫、旧鼠の血を持つ者よな!」

「フン!貴様が王になるころには我らの同胞(はらから)全て奴ら狐狸共の腹の中に納まってなきゃいいがな!」

「バカかァ?手前等が勝手にザコ動物共を手下に揃えてるだけだろうがァ。これからの経立会にザコは要らねェ。弱者はおとなしく腹に納まりなァ!」

「なんじゃと!?貴様、経立会が今の今まで続いてきたのは誰のおかげだと思っておるか!」

「うるせえんだよ老害がァ!誰のおかげで続いてきただァ?手前等ザコ共が何時までも昔は昔はなんて言ってるからここまで衰退したんじゃねえのかァ!!」

「!!貴様ッ!殺してやる!」「おやめっ!」

 

「死ねええええあああああ!!」

 

 

「っくはァ。」

 

ぶちっ

 

 

「あ、か、 。」ドサッ

 

「三井寺ぁ!」

「お前ぇ!何故同胞を殺した!」

「あァ?殺されたザコが悪いんだよォ。」

「キサマぁ!」

「野郎共ォ!入ってこいやァ!!」

ドダン!ドタドタドタドタドタ!!

「っ!何のつもりだ!」

「あァ、邪魔な老害共にはとっとと消えてもらおうかと思ってよォ。」

「っな!こんな事をして只で住む筈が「うるせえよォ」ドスッ

 

 

「はァ、ザコが粋がってんじゃねえよォ!これからは弱肉強食。狐狸共が鼠を喰う時代は終わりだァ!さあ屑共、腹を鳴らせェ!声を荒げろォ!今こそ我等が食物連鎖の頂点に君臨するのだァ!」

 

「「「「「「「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」」」

 

 

「おいィ。」「ハッ」

 

「経立会の他の幹部共に伝えなァ。『今より、旧鼠 公星(きゅうそ こうせい)が経立会会長に就任する。従うなら良し。従わなければ死を。』となァ。」

「御意に。」

「っくはははァ!これで僕は経立会を手中に収めた。もはや鼠浄土の王となるのに然したる障害は無いなァ。あとは現国王がとっととおっちんでくれればいいだけだァ。ははっ、折角だァ。殺生石とかいう奴の首でも王座に飾ってやるかァ?いい考えじゃぁねえかァ。ははは、今週号のジャンプ読み終わったら早速狩りに行ってやろうじゃねえかァ!!ハハ、ハハハ、ハハハハハァ!!!」

ゲホッゲホッ

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

やぁ。早いもので中学校に入学してからもうじき3年になるぜ。つまり私は3年生ってわけだぜ。

 

思えばあれからすったもんだあったが大きく変わった事と言えば、志望校はやっぱり雄英高校だよなってところかな。変わってないと言えば変わってないのかも。

 

あ、それとヒーロー志望友達が増えました。やったね。

 

多くは語らないけどのっぺりぼでーがちゃーみんぐだぜ。

 

そんな友人と融剛と私の3人で放課後よくトレーニングをしている。

 

…それとよく勉強も教えてもらっている。

 

仕方ないんじゃ!雄英って滅茶苦茶倍率高いんじゃ!体鍛えるだけじゃなく頭も鍛えなきゃいかんのじゃ!

 

 

 

…試験日当日だけ天才キャラの頭に変質しようかな。ダメですかそうですか。

 

ずるいやずるいや。友達はその個性からして一度覚えた物は忘れそうもないし、親友は生まれつきか頭の出来が人とはかなり違うらしい。

 

そして私は生まれつき謎の記憶を持っているが残念な事に勉強において全く生かせてない。詐欺だ。

 

悲しみのあまり最近見かけたMt.レディ(私服)に変身しながら雄英の過去問と共に帰宅していた。

 

 

「イヤアアアアア!!」

 

 

?!

 

この声は…さとりん!?

 

大人顔負けの毒舌砲をブッパしてくるさとりんの悲鳴とか新鮮!

 

じゃねえよ馬鹿か!何かあったんだよすぐ行くぞさとりん!

 

 

 

 

 

「寄らないでっ汚らわしい!」

「おいおいィ、そりゃねえだろォ。かれこれ5年ぶりの再会だってのによォ、嫌われちまったもんだぜェ。あ、8年だったかなァ?まあいいや。ギャハハァッ!」

「ッ!下衆め!」

「んァ?ああ、そういやァ心が読めるんだったよなァ。それで僕等がかくまって(・・・・・)やってやったんだっけェ。」

「かくまった、ですって…?!監禁した、の間違いでしょう!」

「あァ、まあ変わんねえだろォ?実の親からバケモノ呼ばわりされるのに比べたらなァ。」

「っ~!」

「おっほォ怖い怖い。」

「私はお前達の所には絶対に戻らないっ!」

「あ~あ~そう言うのほんといィから、まあしばらく見ない間に随分可愛いく育ったよなァ。僕はそんな趣味は無いが、まあ旺盛な子分共の相手にはちょうどいいかァ?」

「!相変わらず最低ね!」「そう褒めるなよォ。」

 

「さあてェ、子供らしく可愛いケツ振りながらのオニゴッコはお終いだァ。いい加減僕について来いよォ。そうすれば痛い目にあわすのは勘弁してやるよォ?」

「…今は。ですよね?」

「っくはははァ!そうだよォ!残念だったなァ。手前には経立会から逃げたオシオキを受けてもらうんだからなァ!もう二度と逃げようなんて思わない様に徹底的にヤらせてもらうぜェ?」

「誰が下衆共なんかについて行きますか!」ペッ

「…」

 

 

「よォ、人に唾を吐きかけるなんてシツケがなってねえなァ。あ”ァ”?」

「…!」キッ!

 

 

「…まァ、手前を見かけたのは偶然だしィ?個性を使うのも最悪生きていればいいしィ?子分共の相手をさせるのもアナがあいていればヤることヤれるしィ?」

 

 

「手前の両手足を捥ぎ取っても別に問題無いなァ?!」

「?!!」

 

「ひ、嫌ぁ、ぁ。」

「はははァッ!どうしたァ、怖いのかァ?どうしようかなァ、手前が無様に土下座して命乞いをするなら助けてやってもいいんだがなァ?」

「ッ!誰がするもんですか!この悪臭低脳穀潰し!」

「…」

 

 

「苦しんで死ねやァ!」

「嫌っ、助けて!化太郎!!」

 

 

DETROIT…

 

 

「ふぇ?」「あァ?」

 

 

 

  S  M  A  S  H  !!!

 

 

 

「ぐっガハァ!!」

 

「もう大丈夫だ、さとりん!」

「あ、あぅ。」

 

 

 私が来た!

 

 

「お、遅いんですよ、バカ!」

 

ごめんごめん。ちょっと叫び声が反響してて居場所の特定に時間掛かっちゃった。

 

怪我は無いかい?…うん、どこも怪我はしてないみたいだね。

 

「ぐっゲボッ、ぉ、オールマイト…だとォ…?」

「オールマイトではない。通りすがりの仮面ヒーロー(志望)だ。」

「仮面…?はァ!手前が殺生石化太郎か!」

如何にも私は化太郎でございます。そう言うお前は・・・

 

「随分汚いカピバラだなぁ。」「ハムスターだァ!!」

 

お前のような小汚いハムスターが居るか。

 

「舐めやがってェ…!僕は経立会が会長!旧鼠 公星だァ!手前をぶっ殺す!!」

「貴方が会長ですって…?」「経立会…だと…?!」

 

 

 

「さとりん、経立会って何だ?」「そこからですか!?」

「…経立会というのは最近貴男が倒したヴィラン達を擁していたヴィランによる組織です。」

「なるほど、つまり私がその経立会の構成員をボコボコにしていた所為でそこのトップがお礼参りに来たって訳か。ヤクザみたいな奴らだな。」

「貴男妙な所で察しの良さを発揮しないでください。馬鹿なくせに。」「酷いや。」

「僕を無視してお喋りしてんじゃねえよォ!!」

 

「ここまでコケにされたのは初めてだァ…!仲良く血祭りにしてやん「遅いゼヨ。」ドッ「ごオッ!」

 

フウン。偽物とはいえオールマイトの一撃を耐えて、さらにボディーの追い打ちをかけてもダウンしないか。なるほどヴィラン共のカシラなだけは有るか…。

 

「て、手前ェ…!」「どうした?さとりんを泣かせた罪はこんなもんでは済まないゼヨ?」

 

「舐めんなァ!噛みちぎってやるゥ!」

「おお、怖い怖い。」

 

かなりの速さで飛びかかってくる。しかしその速度よりもっと速い組手相手がいたおかげで反応することは十分に可能だった。

 

相手の突進に合わせて毛むくじゃらの横顔を蹴り飛ばす。獣型の個性のおかげか中々に耐久力があるみたいだ。

 

壁に叩き込むが衝撃を上手い具合に殺し、すぐに反撃に移ってきた。そして今度は私の脚をめがけて噛みついてきた。

 

ガジィ!!

 

 

「っ~~!な、なんて硬さだァッ!!」

 

噛みちぎってやる。という言葉を受けて相手の行動は大体読めていた。相手が噛んできそうな部分を予めタングステン合金に変質させておいた。しかしそれでも相手の歯は欠けないとは・・・。普通の人が齧られたらきっと骨ごと持ってかれたんじゃないか?

 

未だに足に齧りついている奴ごと振り上げる。旧鼠と名乗ったヴィランは空中に放り上げられ、ジタバタもがいている。

 

落ちてくるタイミングに合わせて空中コンボを決めてやろうか。

 

 

 

「昇!!」

 

 

   「龍!!」

 

 

      「拳!!」

 

 

 

クリティカルヒット!相手は綺麗な放物線を描きながら何処かに吹っ飛んでいった。

 

一連の流れを見ていたさとりんからの一言。

 

「コンボっていったい…。」

 

あ、いけね。アイツ確保しなきゃマズいじゃないか。

 

さとりんに警察を呼んでもらうように頼みながら奴が飛んで行った方向に駆け出した。

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 やれやれ、最近受験勉強が捗り過ぎてやる事が無い。今日は家で訓練をやる日でもないし、家についたら完全にオフになる。まあ、偶には息抜きは必要だよな。

 そう思いながら帰り道を歩いていると誰かの声が聞こえてきた。どんどん近づいてくる。………空?

 

「あああああああァ!!!」

 

 上空からモサモサした何かが叫びながら落ちてきた。俺はこの現実を一瞬受け止めきれなかったが、すぐに現状を把握。このままではアレが地面に激突してしまう。アレが何かはひとまず置いといて、俺はモサモサした何かを受け止めに行った。

 

 何とか受け止めることは出来た。人ひとり程の大きさもモサモサは、その見た目に反してかなり軽かった。

 

「おい、大丈夫か!?」

「っうぐゥ。」

 

 よく見るとかなり怪我をしている。ほっといても死にはしないだろうがヒーロー志望としては放置するのは間違っているだろう。俺はカバンから救急キット(常に所持している)を取り出した。

 

「ッ!放せェッ!なにしやがるゥ!」

「落ち着け。今から応急処置をしてやるから。」

 

 モサモサした何かはかなり興奮しているようだ。なんとか宥めないとマトモに治療が出来ない。

 

「ほーらどうどう、落ち着いて、落ち着いて。」

「ふあ。」

 

 こういう時は優しく語り掛けながら手で相手の目を覆う。動物的な個性の持ち主なら大体本能でか落ち着きやすいんだよな。

 

「……」

 

 落ち着いたか。よしよし、早速応急処置を施す。両親に仕込まれた救急処置術はしっかり俺の血肉となっているみたいだ。本職にも負けない速さで処置を終えた。

 

「はい、終了。どうしてそんな怪我をしたのか知らないが、早く病院で見てもらいな。」

「ッ……。何なんだよお前ェ、なんで僕に優しくするんだァ?!何が目当てだァ!?」

 

 は?優しくするのに一々目的なんて持ってられるかよ。

 

「別に見返りなんて求めてねーよ。助けたいから助けたんだ。」

「嘘つけェ!何処にこんな見た目がボサボサのドブネズミモドキを何の見返りも求めずに助ける野郎が居るんだよォ!」

 

 自分で自分の事をドブネズミって言うのか………。こんなに捻くれるほどに気にしてるんだな、自分の見た目を。

 

「なぁに。俺の周りには人外どころか生物なのかよ、って見た目の奴が多いからな。見た目がどうとか拘らないことにしてるんだ。」

「な……。だ、だからって理由も無くこんな奴を助けるのかァ?!有り得ねえだろうがァ!!」

「理由がなきゃ助けちゃダメなのか?」

 

 助けたいから助けた。じゃあ納得してくれないかぁ……。うーん、こんな言葉あんま使いたくないけど仕方ないか。

 

「じゃあよ、可愛い女の子に良いところを見せたくなるのが男の性だから。ってのはどうだ?」

「…は?……あァ?……………はェ?!あ?え?お、女ァ?!!誰がァ!?何がァ!?!?可愛いィ?!?!?」

 

 なんか凄い混乱している。まあいきなりこんなキザったらしい言葉を言われたらこうなるか。むしろ無言で殴りかかってくるよりマシかもしれない。

 

「か、かっかかかか可愛いとか目が腐ってんじゃねえのお前ェ!こんなネズミ女なんかに何言ってんだボケがァ!」

「さっきも言ったが見た目がどうとかは拘らないんだ。でも可愛いと思ってるぜ。」

「ぁぅ。~~~~!!!」プシュゥ

 

 なんか煙出てきた。……まあ助ける理由云々は誤魔化せたし、結果オーライ?

 

「(何だ何だよ何ですかァ?!いきなり僕の事をか、可愛いなんて言いやがってェ…。そんな事言う奴なんて今まで…。)」

「おい、大丈夫か?怪我はもう痛んだりしてないのか?」

「っ!近づくんじゃねェ!」ブンッ「うおっと、危ないな。」

「(いいいいいきなり顔近づけんじゃねえよォ!ビックリしただろうがァ!……てかコイツかなりイケメンじゃねえかァ…。それに体付きも、ちょっと、イイ…。匂いも…。)」

「ん、それだけ動ける様なら大丈夫そうだな。ほら、立てるか?」スッ

「(うァ、こんな、ヤバイィ……。こんな、こんな凄いオスなんてェ……。)」キュッ

 

「ん?どうした?腰でも抜けたのか?それなら引っ張り上げるけ」グイ

「欲しくなっちまうよォ!!」ガシッ

「?!うわっ!」

 

 何だコイツ!?いきなり豹変したぞ!っくそ、なんて力してやがる!放せって!

 

「くはァ。ん。すんすん。あはァ♥やっぱりイイ匂いだなァ!僕のお腹の奥にじんじんとクる匂いだァ♥」

「!?」ゾワゾワ

 

 マジで何なんだよこいつ、有体に言ってキモい!!完全に少年誌じゃOUTなヤツだこれ!

 

「は、離れろ!」

「はァ。もっと、もォッとお前のオスを感じさせてェ。」

「っ!この…!」

 10%ディフュージョンキャノンナックル!「放せ!!」

「オア”ゥ!」

 

 よし!やっと離れ…

 

「っく、ふふッ。いたァい…♥」

 

 ?!何だよこいつマジで……。目がイってやがる…!もしかしてコイツヴィランか!?

 

「はァ…もっと。もっとキミの事を教えてェ…」

 

 ヤバイヤバイヤバイ!間違いなく今まで出会ったヴィラン共よりもヤバイ奴で、絶対強い……!どうする…どうする…!

 

 

 

「おーい!融剛~!こっちにネズミみたいなヴィランが飛んで…って居るじゃねえか!!!」

「!?化太郎か!助かった!」

 

 良かった。コイツ相手に俺一人だけだったら勝つことも、マトモに逃げることも難しかったところだ。

 

「あはァ。ゆうごうゥ。ゆうごうクンって言うんだァ。イイねイイねェ。イイ名前だねェ…♥」

 

「融剛、アイツ経立会とかいうヴィラン組織のトップらしい。」

「おお、素晴らしい情報じゃねえか。出来れば10分前の俺に教えておいてほしかったよ。」

 

 どうやら俺も軽口が言える程度に心に余裕が出来てきたみたいだ。やっぱりなんだかんだ言って化太郎は頼りになるなぁ……。

 そして相手はどうやら興奮が収まってきたみたいだ。ヤバイオーラが目に見えて下がっていく。それでもヤバイ奴には変わりないが。

 

「……ハァ。折角の逢引なのに邪魔するなんてェ、マナーがなってねえなァ?」

「ア”ア”ン?彼女いない歴イコール年齢の融剛が逢引なんて出来る訳ねえだろうがバーカ!」

「お前後でシメる。」

 

 頼りになるって思ったの撤回するわぁ……。

 

「はははァッ。流石に2対1は不利かァ。ここは一時撤退してやるよォ!次会う時は手前の最期だぜェ殺生石ィ。それと次会った時はドロドロの交尾しような♥ゆうごうクン♥」

「融剛貴男いつのまにそんなプレイボーイになったの!?」

「ちげえよ馬鹿!誤解だ!」

「五回!?五回もヤったの!!?この恥知らず!ヤリチン!」「お前マジで黙ってろ!」

 

 

 

「…ハ!アイツが居ない!」「お前がアホな事言ってるうちに逃げたんだよ!」

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「……会長、えらくまた上機嫌ですね。」

「ん?あァ、お前か。出先でなァ、滅茶苦茶良いオスを見つけたんだよォ。」

「…はぁ、それで?」

「捕まえ損ねたがまァ、いい。機会はこれから幾らでもあるゥ。次の時には向こうから言い寄ってくるようなイィメスになっていないとなァ♥」

「あぁ、なるほど。それでですか。」

「あァ?なにがだァ?」

「いえ、子分のオス共が会長に発情しだしましたので。」

「はッ。僕のカラダは既に売約済みなんだよォ。こう見えても僕は淑女だからなァ。」

「勿論、存じております。しかしこの状況が続きますとあてがいのメスが居なくなってしまいます。」

「あ”ァ?奴らそんなに消費してんのかよォ。」

「はい。既に大半のあてがいのメスは孕んで、残りのメスもおそらく…」

「ッチ。奴らは繁殖力は旺盛だが実力もセットでついてこねえとまるで使えやしねえ。」

「如何なさいますか?」

「今あてがってる奴が使えなくなったら我慢させろォ。」

「…しかしそれでは暴動が起きるのでは?」

「はッ。自分でメスを捕まえるオスならともかく、あてがいが必要なオス共なんて全部ザコだろォ。ザコがいくら集まろうが幹部にすら勝てねえんだァ。僕が直々にぶち殺してやるよォ。」

「会長の手を煩わせるまでもありませんよ。」

「そおかィ。あァそうだ。どォせならザコのオス共を去勢するかァ?今のとこザコの子もザコなんだろォ?」

「…大変心躍る提案ですが、他の幹部共の反感を無駄に買いますよ?」

「冗談だァ。…ッケ、先詠の奴を連れて来れれば解決する話なんだがなァ。」

「…アレですか。確かに孕む可能性も無いですし、使いつぶしても問題ないですね。」

「フン。どうせ連れて来れて無いんだァ。考えるのも無駄よォ。取らぬ狸のって奴だァな。ははははァ。」

 

 

 

 

 

「失礼、少々お話をよろしいですか?」

 

 

 

悪意と悪意が交差する時、物語はようやく始まりを迎える。

 




この話に入って時間軸はようやく原作1巻目でござんす。

ハムスター会長の事男と思ったろ。残念、僕っ娘だ。ははっ。

融剛君、実はたちの悪いタイプのジゴロかもしれない。



YUGO
YUGI

○個性

 融合

様々な物と自身を融合することが出来るぞ!
自分以外の物と物同士を融合するのは意外と苦手だ!
自分と他の人を融合することで戦闘力が倍算される!かもしれないぞ!


遊戯's顔-イケメンだが性格は悪そう。

遊戯's髪-つむじを中心に同じ方向に渦巻いている。

遊戯'sカバン-常に救急キット、非常食、常備薬、小型ろ過装置が入ってる。

遊戯's全身-手のひらに近ければ近いほど融合に掛かる時間が短い。逆に一番時間が掛かるのは足先。

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