なんにでも変身できるヒーロー志望ですが何か   作:輝く羊モドキ

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遂に黒歴史が黒歴史になってしまった。
詳細は後書きにて。


ある日の放課後 ※最終話

ヒーロー科の生徒が体を売っている。

そんな噂を耳にしたイレイザーヘッドは、事実を確認するために職員室を飛び出した。ヒーロー足るもの、清廉であれとは言わないが不純な行いをするのならそれはヒーローではない。

未だヒーローの卵とはいえ、否、ヒーローの卵だからこそその誤りを正さなければならない。

万が一、噂が事実だった場合は如何なる理由があろうとも直ちに除籍処分にしなければ。イレイザーヘッドは考える。

腐ったミカンに割く時間など今のヒーロー科には在りはしないのだから・・・。

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

噂の真相はすぐに調べることができた。

神聖なる学校内で行為は行われていたこと。

主に同じヒーロー科の生徒をターゲットにしていたこと。

放課後は使われていない講義室を使っていること。

 

それをA組の生徒が行っていたこと。

 

イレイザーヘッドは現場に駆け出した。必ず現場を押え、売る方も買う方も除籍処分にすると。

噂の講義室の前に到着した。

漏れ聞こえる音から、中には複数人居ることが分かった。扉の小窓から中の様子を伺うと、どうやら複数の男子生徒が一人を取り囲んでいるのが見えた。顔はまだ判別できないが、些細な問題である。

イレイザーヘッドは迷わず室内に突入した!

 

「何をし「「「ギャハハハハハ!!!」」」

 

複数の男子生徒の笑い声に、突入の勢いが削がれた。

しかしどうやら向こうもこちらが部屋に突入したことに気がついていないらしい。

だがある意味では好機だ。接近する事で一網打尽にする機会が増える。イレイザーヘッドは気配を消し、足音を立てず、流れるように生徒の輪に近づいていく。

なんと、よく見ればその輪には女子生徒の姿まであるではないか。

イレイザーヘッドのヒーローとしての勘が告げる。『何かとんでもない”間違い”を犯しているのではないか』と。

 

そして次の瞬間、イレイザーヘッドは自分の目を疑った。

 

 

 

 

「ハイ次のお題ぅわぁと?YES!『B組、塩崎茨が絶対に言わない事』ね!オーケーオーケー、このオレッチとあんま接点の無いコをチョイスするなんてなんて意地汚いListenerだよHeyチェケラッ!!

 

『はい、ニンニクマシマシ、ヤサイアブラカラメでお願いします』」

「「ブフゥゥゥゥ!!!」」

「ギャハハハ!!!無えって!!あの見た目でジロリアンは無えって!!!」

「しかもよりによってニンニクドカ食いかよ!」

「ヒ、ヒ、ヒ……さっきから笑い過ぎて腹痛ぇ……!」

 

「Hyuuuu!!いぇーいぇーいぇー!エヴィバディ盛り上がってるか!?Next!!Ah-Ha。『A組、爆豪が心霊スポットに置き去りにされた時の反応』OhYeah!apICEoFcAKE!!

 

『あ”あ”あ”ァンなトコ怖くなんかねえんだよボケカスゴラァ!!幽霊共出てきやがれブッ殺してやるよォ!!!』」

「「ブグフゥゥゥゥ!!!」」

「ッ!!ゴホッ!ゲホッ!!ある意味で予想のど真ん中を突き抜けていきやがった……っく!!」

「幽霊ぶっ殺すって……既に死んでるじゃんか…プクク」

「ふっ……っ……!苦し……ッ!!」

 

「OHH!SO……GOOD!!おけぃ次ィ!……Oops!どうやら次のRequestでラストの様だ。Nafh...『相澤先生が本気で考えた一発ギャグ』...オゥ、イツソォォォォォオオオdFFICULT!!

 

 

『モヤシ(裏声)』」

「何やってんだ殺生石……」

「Howdy!相澤先生!今日もいい天気だネ!残念だけど今日のショーはもうすぐ終了するんだ。また明日きてネ!」

 

 

 

 

 

「え、相澤センセ?」

 

 

 

 

*****

 

 

 

職員室

 

「で?態々使われてない講義室の鍵を開けてまで何をしていた?洗いざらい吐け。」

「いや、違うんすよ。あれは殺生石が面白い事やるっつーんで皆で集まってただけで、やましいことは何も・・・」

「ーーッ!!ーーー!!!」

 

俺は殺生石が相澤先生の捕縛武器で縛り上げられるのを横目に、しどろもどろになりながら答える。

 

「やましいことは何も?ならこいつはなんだ?」

「あっ、それは・・・」

 

そう言って見覚えのある紙切れを取り出した相澤先生。

 

「これはなんだ?答えろ耳朗。」

「え、えっと・・・チケット・・・ス。」

「なんのチケットだ?」

「殺生石のステージチケット・・・です。」

「こいつはどうやって手に入れた?」

「えっと・・・も、貰いました・・・」

「貰った・・・ね。お前らも持ってるのか?」

「あ、はい・・・。」

 

俺はポケットから紙切れを取り出す。

 

「・・・で、この紙切れには300と書いてあるがなんの事だ?」

「・・・」

「・・・」

「なんの事だ上鳴?」

「あーっと・・・スね。これはそのー・・・チケット料・・・的な?」

「つまり300円でこの紙切れを買ったってことか?」

「う・・・ス」

 

相澤先生の目つきがヤバイ。

 

「・・・さて、殺生石。以上の事に対してなにかいい分あるか?」

 

殺生石の拘束が口元だけ解かれた。

 

「 これは こうみょうな わな だ ! 」

「ふざけてる余裕があるとでも?」

「違うんですせんせ!あたくしはただ個性制御の練習をしてたらですね!第三者目線の意見があればより本物に近づけるって気がついたんじぇす!」

「それで?生徒からチケット代を取って公演会をやっていたと?」

「チケット代については知らないのぉ!あ痛い!痛い!せんせぃ日本国憲法では拷問はみとめられなだだだだだだ!!」

「正直に言え。ふざけるのも無しだ」

「ふざけ無しでマジで知りませんでした!なんか毎日違うメンツで来るなぁとは思ってたけどチケット売られてるなんて知りませんでしたぁ!」

「どうなんだ切島?」

「お、オレ!?えっと、何度もチケットを買いましたッスけど……、殺生石が直接手売りした記憶は無いッス・・・。」

「他は?」

「ウチも無い・・・ス。」

「オレも・・・。」

「オレもっス。」

「なら、誰から買った?言え。」

「・・・」

 

「「「それは・・・」」」

 

 

 ◇

 

 

「・・・はい。確かにオレが売りました。」

「・・・お前が関わってるとは思わなかったぞ轟。お前は、コレが何なのか知ってて売ったのか?」

「・・・いいえ。知りませんでした。」

「何ィ!?轟お前殺生石のライブ見たことねえのかよもったいねえ!」

「黙ってろ」

「う、ス・・・」

「轟、知らないじゃ済まされない事がある事ぐらい理解してるよな?」

「はい、反省してます」

「・・・まあ、それについては後にしよう。何故轟がこのチケットを売ってたんだ?」

「代わりにチケットを捌いてくれるなら蕎麦奢ってやるって言われて・・・」

「ガキか、お前は。・・・それで、誰に言われた。」

 

「それは・・・」

 

 

 ◇

 

 

「遊戯、俺は疲れたよ。」

「お疲れ様です相澤先生。」

「お前が関わって無ければここまで疲れることも無かっただろうがな。それで、何故お前が轟にチケット捌くように言ったんだ?」

「あー・・・一応聞きますけど、黙秘とかって・・・」「除籍になりたいのなら構わん」「デスヨネー」

 

「あー・・・ある日ですね。下駄箱の中に怪文書が入ってたんですよ。」

「怪文書?」

「はい。『オマエ の 秘 密を 知 ッテ いる バラされ たく なければこの チケット を全部 売 れ』ってな感じのが。それにチケットが同封されてました。」

「何故それを教師に伝えなかったんだ。」

「それを言ったら秘密を喋ったも同然なんで言えません。」

「除籍されるとしてもか?」

「除籍されるとしてもです。」

「・・・そうか。それで?そのチケットが何なのか知ってたのか?」

「ええ、まぁ一応。だからこそ轟にも三分の一渡せましたし・・・」

「・・・三分の一?残りはお前が手売りしたのか?」

「いいえ、面倒なんで残りは緑谷と爆豪に押し付けました。」

「何?」

「緑谷と爆豪に『どっちが先にチケット捌き切れるか競争な』って言ったら案外乗り気になっちゃって。」

「はあ?あいつ等がか?」

「爆豪には『その程度も出来ないの?』って言ったらすぐ食いつきました。緑谷には『先に裁ききれたら俺の全能力使って個性制御特訓手伝ってやるよ』って言ったら言葉通り飛びつきました。」

「・・・あいつ等。・・・まて、それでお前の秘密を守れたのか?」

「ええ。俺の秘密を知り得そうなヤツは限られてます。そしてこのチケットのコピー、雄英のコピー機全ての履歴を見ても見つからない。なら近くのコンビニで?無いな。このコピーの精度は正直、コンビニコピーで出来る代物じゃない。そう、それこそ()()()の物じゃなければ、ね。なら後は簡単な事ですよ。正直なんでそんな回りくどい事したのかが分かりませんでしたけど。」

「・・・そうか。ブラドのヤツにも話を通さなきゃならんのか・・・」

「・・・お疲れ様です。」

「お前がもっと早く教師に言っていればこうはならなかったがな?」

「・・・善処します。」

 

 

 ◇

 

 

「呼ばれた理由はわかってるか?」

「・・・致シ方ナカッタ事デス。」

「何が致し方なかったんだ?」

「化ノ字ノ個性訓練。アレノプロデュースヲマカサレタノガ私デシタ。第三者目線ノ意見、ソレヲ効率的ニ集メルナラ衆人環視ノ下デヤルノガ一番ダト。」

「なるほど、確かにそれは合理的だ。だがなぜ金を巻き上げる事に繋がった。」

「私モハジメハ無料デヤルベキダト思ッテイタ。ムシロ、オ金ヲトルナド考エモシナカッタ。ダガ、『タダ』ハ無責任ノ始マリダト言ワレテ考エテシマイマシタ・・・。」

「誰にそう言われたんだ?」

「転々デス。」

「そうか。ブラド、今度は天のヤツを」「ソノ必要ハアリマセン。」

「・・・何?」

「何故ナラモウ既ニ連レテ来テイマス。」

「むーッ!!むぐーッ!!」

「・・・」

 

「連レテ来テ「二度も言わなくていい。」

 

「・・・天」

「ぶぁはー!オイコラァロイコォ!お前何いきなり縛りよる!!」

「ダマレ。品行方正ナ私ガ職員室ニ呼バレル理由ナド一ツシカ無イワ!」

「天」

「だぁからって放送でお前が呼ばれると同時に締め落とす必要は無いやろ!?ワイいきなりロイコの性欲でも刺激したんかななんて不安に思ったやんけ!いきなり連れ込まれて犯されるんかと思ったやんけ!」

「オマエヲ?・・・ハッ、冗談ハソノナイチチダケニシタラドウダ?」

「おまっ・・・言うてはならんことを!こー見えてもなー!需要はあるんやで!?現にこの前公園で青いつなぎのエエ男に声かけられたし!」

「・・・腐?」

「腐展開ちゃうわ!ワイ女の子ですぅー!掛け合わせても腐りようがないですぅー!」

「天!」

「オ前・・・知ラナイトハカクモ悲シイ事ダナ・・・。」

「なんや!?いきなり意味深な事言いおりよってからに!」

「塩崎ニ聞イタガ・・・流行ッテルラシイゾ。」

「何がや!」

 

「天×遊戯ノBL本ガサポート科デ」

「ヴォエ!!(嘔吐)」

「いい加減話を聞け」ザワッ・・・!

 

 

 ◇

 

 

「い、いやぁちゃうんよセンセー?ワイはただ化太郎はんの事思ってやなぁ」

「チケット代はどうした?」

「半額ワイの懐ですハイ」

「天お前・・・まて、()()?」

「え、えぇ。半分の150円はアイディア料でもろてん。残りの半額はチケ売りに任せとーよ?」

「・・・」

「あ!その150円だってほぼ全額化太郎に回してんねんで!?学食奢ったり購買奢ったりで化太郎のエネルギー補給に使ってんねん!」

「・・・安藤」

「誤解無キヨウニイイマスガ、内50円ハホボ印刷代ニナリマス。良イ紙、良イインク、ソモソモノプリンターノ作成費デヤヤ黒程度デス。ソノ黒分ダッテ化ノ字ニ渡シテイル。学校帰リニヤック奢ッタリ。」

「・・・遊戯」

「俺はそもそもチケ売りは轟、爆豪、緑谷に任せたからなー。むしろ個々に依頼する時にソバやかつ丼、カレー奢ったりで完全にアシでてるし。」

「・・・轟」

「殺生石がなんかやってるとは聞いていたから殺生石に全額渡しました。」

「あー。だから最近みんなやたら奢ってくれたんだー。そう言えばちょっと前に出久君もかっちゃんもいっぱい奢ってくれたことがあったなー。そっかあれそういう事かー。」

「・・・」

 

 

 

「殺生石。お前反省文な」

「なんでぇ!?」

 

 

 

今日も雄英は平和でした。

 

 




 皆様、ご愛読ありがとうございました。
 『なんにでも変身出来るヒーロー志望ですが何か』は本日をもって未完作品としてエタる事が決まりました。
 理由としては、作者がアホなせい(執筆中に他作品を書き進めたり一話書くのに時間掛け過ぎたり)で設定を忘れたり脳内でしかプロットをくみ上げていなかったりで今後の展開が大変厳しく・・・・・・えー・・・。

 正直言えば稚作(と書くべきか恥作と書くべきか)の表現がカスレベルなので書きなおしたいというのが本音です。

 始めて書き始めた時とは既に生活環境がガラっと大きく変わったというのも有りますが。匿名で色々書いてみればそれがまさかの高評価。ウケる。
 「お、オレ文才あんじゃーん」とか喜んだのもつかの間、古き稚作がこちらをじぃっと見るのです。
 「おまえ、この程度の文で何言うとりまんねん」
 正に黒歴史。うわぁぁあぁぁあぁぁあぁあっあっあっあっ。とはなったは良いものの、ではこの作品はどうする?

 よし、見なかった事にしよう。

 となるのは自明の理でした。そう、評価の数とお気に入り登録者数を見るまでは・・・。
 こんなにも稚作に期待をくださっている読者の方々が居る。それだけでただ高尚な自慰行為に過ぎなかった執筆作業にも意味が生まれたのです。
 ただ、嬉しかった。高評価がプレッシャーに感じるのではないかとも思っておりましたが、杞憂でした。
 ・・・しかし、そんな高評価に、そんな期待に、私は裏切り行為をしなければならないのです。広げた風呂敷は畳まなければなりません、たとえそれがどんな畳み方でも。広げた者の責任は最後まで残るのです。

 評価をくださった皆様。ありがとうございます。
 お気に入りに登録してくださった皆様。ありがとうございます。
 感想をくださった皆様。ありがとうございます。

 そして、稚作最期の後書きまで読んでくださった皆様。誠にありがとうございます。皆様のお陰で適度に見れる程度の文が書けるようになりました。
 当作品は、この話を持ちまして終話とさせていただきます。
 皆様さえ宜しければ当作品に引き続き、改稿版の方を愛読お願いしたいと思います。

 この話より後に投稿される改稿版の話
『なんにでも変身出来るヒーロー志望ですが何か 怪!』
はこのお話の世界線とはよく似た違う世界線のお話となります。
 大まかな流れは一緒ですが、細かい設定が違って行きます。また、現在の執筆環境には手元に原作が無い故に過分な脚色を加える事もございます。
 早い話、大まかな流れすら変わる可能性がございます。ご了承ください。

『なんにでも変身出来るヒーロー志望ですが何か 怪!』目次
https://syosetu.org/novel/164962/

 名残惜しくもありますが、これが当作品の最期の、最後になってしまいました。
 当作品すらまともに完結出来なかったというのに、改稿版の方も完結出来る訳が無いのかもしれません。作者とはいえ未だ未熟の身。自身の作品の未来にすら責任が持てません。しかし、一度まるっと改稿しておいて『表現がカスだから再度改稿します』はもう致しません。(勿論誤字脱字や大きな矛盾の発生等は別ですが・・・)
 この身が動く限り、細々とではございますが投稿を続けたいと思います。
 当然ですが他の連載作品も細々と更新するつもりです!

 何度も書いていることではございますが、最後に改めて。

 読者の皆様、今までのご愛読ありがとうございました!これからの作品もどうぞよろしくお願いいたします!






P.S. 切島君いざこれからって時に活躍ぶった切ってマジでゴメン!!!

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