なんにでも変身できるヒーロー志望ですが何か   作:輝く羊モドキ

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ついムラムラしたから書いた。キャラ崩壊とかそんなレベルじゃないけど番外編だから許してちょんまg(SMASH!!
時系列とか気にすんなよ!絶対だぞ!

さあ。輝く羊モドキ先生お得意のR-15タグの本領発揮だ…!
そういうわけで本編とは

全く!
一切!
これっぽっちも!!!

関係の無い勢いで書いた番外編 はーじまーるよー!!



青少年の性的嗜好は99%女性ヒーローが影響してる

「第一回A組男子性癖暴露大会ッッッ!!!」

「イエーイ!!!」

「…え、何これ。」

 

ここは『ハイツアライアンス1-A』男子棟五階 遊戯の部屋

五階という立地条件なのにクラス男子の秘密のたまり場と化している場所である。

というのも、遊戯は何かと戦闘面において様々な相談に乗っている上に、部屋を自身の個性を使って異常なほどに改造した結果、狭いながらも防音・防衝撃設備の整った場所で、大暴れしても隣の部屋どころか下の部屋にすら気付かれない程の優良な訓練所になってしまったのだ。

放課後によくクラスの男子達が時に助言を貰いに、時に戦闘訓練をしに遊戯の部屋に訪れた結果として今の状況になった。

 

そして今の部屋の状態を説明しよう。少ないながら部屋の中にあった家具はほぼ全てベランダに出され、唯一残った丸テーブルの上には所狭しと卑猥な本が散らばり、テーブルを囲むように座るクラス男子14人。

部屋の主たる遊戯が入り口につっ立っている事を考えれば、この部屋にはA組の女子と無性を除いた全員が揃った事になる。

 

どうやって狭い部屋に15人も入れるのか?

考えてはいけない。ただそうなっている現状だと理解すれば良いだけだ。

 

 

「さあ遊戯が来たから始めんぞオラァ!!」

「…この際俺の部屋に男が集まってんのはどうでもいいがよ…さっきなんつった?」

「猥談しようぜっ!!!」

「分かった、お前馬鹿だろ。」

「という訳で此処に様々なジャンルのエ◇本用意したぞ!」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!!ボ…俺は此処で、クラスの今後についての大事な話し合いがあると聞いて来たんだ!!」

「俺もそうだ!お前等が『重要な話があるから遊戯の部屋に集合してくれ。』って言うからてっきり…」

「うっせえな!男が集まって話す事なんてエロい事しかねえに決まってんだルォ!!!」

「それによ、大事な話ってのもあながち間違いじゃねえよな?」

「あ”ぁ”~?猥談の何処が大事な話だってんだタコ助。」

 

「6人。いや、一応殺生石も入れておいて7人。これが何を意味するか分かるか?」

 

「…?」

「7人?何の数だろ…。」

「一応、A組の女子の人数が6人だな。」

「成程。化太郎入れて7人ってそう言う事か。」

 

「そうだ!A組の女子の数。つまり「攻略対象の数なんだよォ!!!」バッ!お前そう言う言い方すんなって言っただろ!」

 

「はーい全員解散ー。」

「待て待て待て!!だからこれは重要な話だって言ってんだろ!!」

「いいかお前等!A組の男子の数は15人!対して女子の数は6人!ついでに無性1人!分かるか!?仮に女子全員がクラス内で付き合ったとすれば男子は半分以上は彼女無しになんだぞ!!」

「「「 !!! 」」」

 

「 !! じゃねえよお前等ァ!!正気になれ馬鹿野郎共!!!」

「そう言う遊戯も正気になれよ!いいかよく考えろよ!高校生同士のカップルならかなり気楽に付き合えんだぞ!?仮にプロのヒーローになってから誰かと付き合ってみろ!一般人が相手ならメディアにバレた時点でもう結婚しなきゃいけないみたいな雰囲気になるんだぞ!!?同じプロヒーローが相手だとしても強烈なキャラ付けしてるような相手とか疲れるじゃねえか!!」

「お、おう。もうそれでいいようん。(超めんどくせぇ)」

「で、帰っていいか?」

「帰らせねえよ轟ィ!!てか何でこの流れで帰ろうとしてんだよ!!!」

「…?悪い。」

 

「いや待て。さっきの話なら何で性癖暴露会なんだよ。単純にクラス女子で一番タイプな奴言えばいいだけじゃねえの?」

「馬鹿だなぁ砂糖君。君は実に馬鹿だな。」「(うぜぇ)」

「いいか!俺等も仮免を取った以上ヒーローとして活動する事も多くなるだろ?当然今まで以上に知らない人と協力しなきゃいけない機会が増えるだろう。だからこそ!今ある絆をより強固にしたいって思ったんだよ!!」

「…それで猥談か。」

「おおそうだ!お互いの性癖を知ればより仲良くなれるだろ?」

「それは果たしてどうだろうか。」

「そうなんだよ!」

 

「ちょっと待て。話の流れからして性癖ってのはつまり自身の性的嗜好を指しているのか?」

「はぁ?」

「ああ、確かに性的嗜好の事を性癖って言うのは誤用だな。性癖ってのはもっと広い言葉だからな。例えばそれこそ女性の脚が好きって言う性癖から潔癖症、完璧癖、虚言癖、窃盗癖ってのも性癖だ。要は性別の癖じゃなく、性質の癖って訳だな。」

「へー。」

「知らなかった。」

「まぁ、よくある誤用だからな。覚えておいて損しねえよ。じゃあそういう訳で解散!」

 

 

「待てや!!!」

「っち」

 

「話を有耶無耶にして逃げんじゃねえ!!」

「うるせえな。もう終わりでいいだろこんな下らない話。はーい止め止め!」

 

「…良いんだな遊戯?」

 

「…はぁ?何がだ。」

「良いんだな本当に?この流れで解散してもいいんだな?」

「だから何がだ。しつこいな葡萄…。」

 

 

「床裏の写真(ボソッ」「っ!!?」

 

 

「お、おおお前…いつの間に…!!」

「遊戯ぃ…。お前こんなんが好きだとは思わなかったぜぇ…?」

「っ…何が望みだ…!」

「オイラはただみんなで猥談がしたいだけさ。」

「……………いいだろう。」

「…おい遊戯…?何をする気だ。おい。おい!!!!」

 

この状況こそ峰田の策略通りだったのだろう。

男子達が立ち上がり遊戯を止めるより先に、出入り口だった扉を壁と『融かし合わせる』。

この部屋の壁は並大抵の攻撃では傷一つ付かない様に魔改造されたモノだ。

残された脱出口であるベランダ側には上鳴が立ちふさがり、電気を纏っている。

更にはベランダに出る為の引き戸には峰田のもぎもぎが既に詰められ、ガラスの耐久力も爆豪の爆発にもヒビ一つ入らない様な強度を持っている。

もはやこの部屋は檻だ。出入り口が塞がれた檻。

脱出するには壁を破壊するしかない。しかし遊戯の個性によって異常なまでに強化された壁を破壊する事が出来るのはクラス内には二人しか居ない上に片方はこの部屋に不在。必然的に残りの一人に部屋中の視線が集まる。

この状況から脱出するために力を振るう

 

「緑谷。ここで部屋を破壊すると間違いなく先生達の信頼が地の底に落ちるだろうよ。」

「ッ!!?」

 

事が出来なかった。

もはや既に詰んでいたのだ。現状。

外部に電話しようにも上鳴の個性によりジャックされてしまう。

脱出するための出口も全て塞がれている。

唯一障害物を無視できる個性も相手側に居る。

残された手段はたった一つ…

 

「さあ。エロバナだ…っ!!!」

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「的な始まり方をしたわけだが、別に猥談自体やりたいってんならそこまで否定的じゃねえんだぞ?」

「まぁ確かに…。」

「ちょっと恥ずかしいけどね。」

 

改めて遊戯の部屋。

現在は皆思い思いの体勢で寛いでいる。そしてテーブルの上には卑猥書物の他に遊戯が持って来た菓子類やジュースの類が置かれている。

 

「ただし峰田は後でシメる。」「賛成。」

「ええっ!?なんでオイラだけ!?」

「日頃の行いじゃねえ?」

 

「ま、勿論この会を参画した奴から始めるんだろ?」

「てことは上鳴だな。ほら、早よ。」

「フリが雑だな!!ま、いいけどよ。」

 

そう言っては上鳴はテーブル上の卑猥書を一つ手に取って語りだす。

 

「ま、俺は面食いっつーか…。やっぱ顔が良いに越したことはねえんだけどさ。趣味つったらはやっぱコレだろ!」

 

そう言って掲げた本のタイトルは『イイチコ100%』。

内容はハーレム物だ。

 

「つまりあれか。沢山の女侍らせたいって訳だな。」

「なんつーか…予想のど真ん中を突き抜けてった感じだな。」

「つまんねえ。やり直し!」

「ちょ!酷くねえかお前等!!?」

「趣味なんてソイツの勝手でいいじゃねえか…。」

「そうだそうだ!という訳で次砂糖な!」

「…俺ェ!?」

「おう!砂糖って意外と趣味エグそうだし!」

「エグくねえよ!」

 

 

「俺は…やっぱ尻だな。」

「尻…イイよな…。」

「分かるか尾白…尻の良さが!」

「ああ…!やっぱこう…背中から肉の出てくるラインがグっとくる。」

「「分かる。」」

「急にくんな峰田。ビックリすっから。」

「でもオイラはやっぱ尻から内股にかけてのラインが好きだ!」

「「それも分かる。」」

 

「おお…良いぞ、盛り上がってきたな!」

「これでか?」

「おっし次瀬呂ぉ!」

「よ、部屋にこだわるショウユ顔。」

「怒るぞ俺でも!!」

 

 

「俺はなぁ…そうだなぁ。やっぱスカートから覗くフトモモが良いっ…!」

「太ももっ!」

「やっぱりフトモモだよね☆」

「なっ…青山、お前もフトモモ派かっ!」

「ちょっと意外だわな。」

「フトモモに顔挟みたい…」

「瀬呂お前ェ…やっぱミッドナイトのアレで目覚めたのか!!?」

 

 

「うーむ…オレは余り拘らないんだが…。」

「それでもやっぱ気になる所があるだろ障子。言ってみろってほら!」

「じゃあ例えば女の子が二人同時に告って来たらって考えたらどうだ?優先するポイントは何処だ?」

「む…や、やはりその………む、胸…かな…。」

「胸派!障子は胸派か!!」「叫ばんでも良いだろう!!」

「胸っ!それは浪漫が詰まった秘境!」

「分かるか常闇っ!」

「…」

「…」

 

ガシッ

 

「俺の勝手な考え言って良いか?」

「何だよ唐突に。」

「おっぱい派の奴ってコミュニケーションが独特だよな。」

「…まあ、分からんでもないけど。」

 

 

「さぁ、さっきからずっと気配を消してやり過ごそうとしてるお前等。逃げようったってそうはいかんよ。」

「非常口飯田!お前はどんな趣味してんだええおい!」

「っ!ぼ…オレは女性に対してそういった目線で見たことは…」

「模範解答ありがとう。だが今そんな回答は求められてねえんだよ。なあ飯田。もし仮にお前だけ自分の事を言わなかったとしたらそれはクラス内での不和に繋がるだろう。」

「い、いやだがしかし…」

「むしろ、こんな場が提供されたときに率先して自分の意見を言うのがクラス委員って奴なんじゃねえのか?」

「!!?」

「ちょ、飯田くん!?」

「さあ吐いちまえよ飯田ぁ…。お前がドコに興奮すんのかを…!」

「ぼ、僕は…。」

 

 

「運動少女が好きだっ!!」

 

 

「運動…」「少女…だと…!」

 

「日焼けした褐色の肌とちらりと見える日焼けしてない白い肌!走ると共に揺れるポニーテール!引き締まった脚!どれも好みだっ!!」

「お、おい飯田…。」

「さらに言えば朝のランニングの時に隣で一緒に走った後『疲れたねぇ。』と言われながらスポーツドリンクを分け合いたいっ!!!」

 

「「「 … 」」」

 

「…ハッ!いや、今行ったのは忘れてくれ…。」

「…そうか。ああ、俺はどうやら思い違いをしていた。」

「ああ、俺も思い違いをしていたぜ…。」

「胸や尻が好きだなんて話じゃない。もっと、もっとディープな話。そう、例えば俺はポニーテールが好きだという話っ!」

「性的嗜好とは何も好きなパーツだけを思うことじゃねえ。髪型、服装、性格、シチュエーション!!」

「その全てで語れずになにが猥談かっ!!!」

「ありがとう飯田。やっぱお前がクラス委員だぜ!」

「え、あ、うむ…?」

 

 

「という訳でそんな嗜好が最も映えるシチュエーションを考えろ緑谷ぁ!!!」

「えええええええ僕ううううううう!!!????」

「だってお前が一番妄想力有りそうだし。」

「妄想力!!!」

「緑谷。俺はお前の観察力はすげえって思ってんだ。そうだろ?お前は戦う時以外でも常に観察し、推測したことをノートに纏めている。」

「いやいやいやいや!これはそんな、大したことじゃなくてただの趣味みたいなものだし!!」

「それでもさ。現に観察して推測出来る事を戦いに生かせてるじゃねえか。」

「そ、そうかな…。」

「そうさ。自信もてよ。」

 

 

「という訳でまずは尻が映える場面だ。大丈夫、今こそお前の童貞力を見せる時だ!」

「童貞力って酷くない!!?」

「うるせえ何時も女の子と目を見て話せてねえコミュ症めいい加減治せ!」

「僕の心が壊れていく音がする…っ!!」

 

 

 ◇

 

 

「キャニオンカノン!!」「グアアア!!」

 

 

「はぁ、今日も疲れたわ。」ガチャッ

「お疲れ、Mt.レディ。」

「っ!ビックリしたわ。来てたんなら連絡しなさいよ。」

「あはは。ちょっと驚かせようかなって。」

 

Mt.レディ。僕の彼女だ。まだメディアには知られていないし、多分信じてもらえないだろう。僕だって未だに信じられない。

でも一度「僕なんかが彼氏で良いの?」と聞いたことがあるが、返答は「アンタだから良いのよ。」と返された。僕は夢なんじゃないかと疑ったが頬が千切れそうなほどに引っ張っても痛いだけだった。

 

「あーもー今日も大変だったわ~。」

「うんうん。今日も頑張ったね。」

 

僕は何時も忙しい彼女に代わって彼女の家の家事を手伝っている。

主夫みたいだなぁ。そう思うが、彼女が言うには「何時かアンタが私を養ってね。」と僕に期待してくれている。頑張らなくちゃ。

 

「…ねぇ、マッサージしてくんない?」

「ん、良いよ。」

 

「ん~♪未来のNO.1ヒーローにマッサージされると格別ねー。」

「アハハ。」

 

彼女はソファに寝転がり、だらしない姿を僕に晒している。テレビに映る彼女は何時も凛々しいけど、この姿を見れるのは僕だけだと思うと正直、グッとくる物がある。

 

「ん。もっと下ぁ~。」

「はいはい。ここかな?」

「もっと。」

「はいはい。」

「…もっと下よ下。」

「…えっと、これ以上はイロイロとマズいって言うか…。」

「…察しが悪いわね。」

「えっ?」

 

「つ、つまりそう言う事よ///」

 

彼女の鍛えられて引き締まったお尻はその見た目以上に柔らかかった。

 

 

 ◇

 

 

「「「「 グバァァァァァァ!!! 」」」」

「み、緑谷お前…なんというか想像以上の童貞力だったぜ…。」

「ちょ、無理矢理言わせておいて酷いな!!」

「いやいや、褒め言葉だぜ。というかMt.レディというチョイスがヤバイ。言葉に出来ないヤバさ。」

「というかなんでMt.レディチョイスしたんだ。」

「え、ええと…お尻って言われたから一番初めに思いついたヒーローがMt.レディだったから。」

「やっぱお前天才だわ。」

「しかもまるで幼馴染の如く慣れ親しんだ感…!外では見せないだらしなさと男のプライドを守る期待の寄せ方っ!それでありながら年上の雰囲気も見せる有り方。正妻感!!」

「見ろ緑谷!尻派以外の奴も血を吐いて倒れているぞ!」

 

「「「「 緑谷…GJ… 」」」」バタッ

 

「うわあああ皆ぁぁぁ!!!」

 

「フッ、流石だ緑谷…。だが、我々はまだ倒れてはいないぞ!」

「っ!常闇君…。」

「我等を倒したくば楽園の理想を見せてみよ!」

「なんか目的変わってる気がする!!」

 

 

 ◇

 

 

「っ!大丈夫ですかミッドナイト!!」

「っ~!これくらいなんともないわ!それより奴を逃がさないで!」

「「はいっ!!」」

 

「なにをしてるの!あなたも奴を追いなさい!」

「ミッドナイトを残して行ける訳無いでしょう!その怪我じゃ動くことも出来ないハズです!すぐに病院に!」

「私より優先すべきことがある筈よ!」

「既に相棒(サイドキック)が二人追っています!これ以上戦力を分ける必要も無い!!」

「っ!何馬鹿な事を…!」

「それに僕は貴女以上に優先することなんて何一つないっ!!!」

「っ!?」

「…ぁっ!?い、今の言葉は忘れてください!!」

「…///」

「え、えぇ~っと…///」

 

ピリリッ♪ピリリッ♪

 

「っ!如何した!!?」

『先輩!(ヴィラン)確保しました!!』

「そうか!よくやった!!」

 

ピ。

 

「ミッドナイト!敵《ヴィラン》確保したそうです!」

「っ、そう…良かったわ。」

「はい。…あっ!すぐに救急車呼びますね!」

「待ちなさい。救急車を呼ぶより、あなたが私を病院まで運んだ方が早いでしょ?」

「え?しかし…。」

「しかしも何も無いわ!いいから私を背負いなさい!」

「は、はい!!」

 

僕は数瞬どうするか迷ったが、ミッドナイトの言葉通り彼女を背負う形で病院に向かう事にした。

なるべく彼女の傷に響かない様に優しく背負う。

 

「だ、大丈夫ですか?」

「怪我人の運び方は学校で教えたでしょ!しっかり実践しなさい!」

「は、はい!」

 

自分にしっかり固定させるように彼女の身体をしっかり密着させる。

なるべく意識しないように…

 

「あ、当ててんのよ…///」

 

無理だった。

僕は病院に着くまでずっと薄タイツ越しの感触を背中に感じていた。

 

 

 ◇

 

 

「「 ブボァァアアアア!! 」」

「ば、馬鹿な…!まだ上がるというのか…童貞力が…っ!」

「褒めて無いよねそれ!!!」

「み、緑谷…。見事…だ…。」

「我等…一片の悔いなし…ゴフッ。」

「うわあああ障子君ー!!常闇君ー!!」

 

「…ダメだ。息をしていない。」

「ああ、あんな童貞力を直に食らったんだ。無理もない。」

「二人とも死んで無いよ!!」

 

 

「…!」

「っ!口田!お前…まさか!止めろ!」

「え、何?何が起きんの!?」

「口田の奴、緑谷に立ち向かう気だ!」

「ええええええ!?」

 

「くっ、口田の奴は無口だからいまいち性的嗜好が掴めないだろ。だが安心しろ緑谷!オイラがヤツの趣味を暴いてやる!!」

「まさか…峰田お前、使える(・・・)のか!?」

「使えるって何が!!?」

「ああ!見てろよ…。嗜好観察目(ライクサーチアイ)!!」

嗜好観察目(ライクサーチアイ)!!まさかその使い手が現代にまで残っているとは!」

「知っているのか遊戯!」

「ああ…!嗜好観察目(ライクサーチアイ)、相手の性的嗜好を見破ることが出来る技だ。だが、半端な妄想力しか持たない奴は、見破った嗜好を活用することが出来ねえ。結果的に歴史の中で廃れていった技だ…。」

「っ!峰田の奴、そんな技を使ったところで…いやまさか!アイツは緑谷に全てを託すつもりか!」

「(話についてけない…。)」

 

「緑谷ァ!口田(ヤツ)の趣味は『モン娘』だァ!!後はお前に任せたぞォ!!」

「馬鹿なっ!モン娘だとぉ!!?」

「も、モン娘ってなんだよ!」

「説明しよう!モン娘とはモンスター娘の略語である!つまり人非ざる者であり、女性としての見た目を持つ存在の事だ!」

「な、なんだよそれくらい…!なにも怖い事なんてねえじゃねえか!」

「甘いぞ上鳴!人外であり、女性でもある存在ということがどういう事か!つまり滅茶苦茶に広い範囲を指した言葉だって事だ!」

「つ、つまりどういう事だよ…!」

「つまりはネコミミが生えた少女も、単眼の少女も、腐りきったゾンビ娘も皆モン娘だということだ!!」

「そ、そんな!!じゃあ緑谷は!!」

「ああ、口田を倒すためにはその広い範囲の中から口田の好みの範囲をぶち抜く様な妄想を造り出さないといけねえ!!」

「(今日の晩御飯ってなんだろうな。)」

「…!!」

「緑谷!来たぞ!!」

「緑谷ぁ!その童貞力を見せてくれぇえええ!!!!」

 

「(明日晴れるかなぁ。)」

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

場所変わって女子棟2階 殺生石の部屋

ここは女子たちのたまり場になっていた。

というのも、殺生石は何かと戦闘面において様々な相談に乗っている上に、部屋を家からこっそりと連れてきた子の個性を使って異常なほどに改造した結果、狭いながらも防音・防衝撃設備の整った場所で、大暴れしても隣の部屋どころか下の部屋にすら気付かれない程の優良な訓練所になってしまったのだ。

更に、冷蔵庫の中に大量の甘味類が入っていたり、保管庫の中にも大量の菓子類が有ったりで常に甘い物が補填されているので女子たちは時折(ほぼ毎日)部屋に訪れるのだ。

 

そして今現在、殺生石の部屋でA組の女子全員が集まってお菓子を摘まみながら話をしていた。

 

「という訳でクラスの男子の中で付き合うとしたら誰がいい?」

「モッチ出久君でしょ!」「ブッフゥゥゥ!!!」

「ちょ、如何したの麗日ちゃん!?」

「いいいいいやちょちょちょちょとお菓子が詰まっちゃっただけやん!!?」

「謎の疑問形。」

「え、ていうか何で緑谷なの殺生石。というかほぼノータイムでよく答えれたね。」

「バケちゃんはてっきり遊戯ちゃん一筋かと思ってたわ。」

「融剛はもはや『魂の友』だから。居て当然的な?」

「はぁ、よく分かりませんが…それで何故緑谷さんですの?」

「そりゃ決まってるじゃん。出久君は今でもオールマイトファンだろう?」

 

 

「その感情全部私に向けることが出来たらどれだけ楽しいかなぁって。」

「発想がヴィランのソレだもん。」

 

 

「えー?出久君って絶対浮気とかしなさそうだし、強いし、いいと思うんだけどねぇ。」

「確かに浮気しなさそう…というか隠し事出来なさそうだね。」

「後ろめたいことあったら絶対顔に出るよね。」

「分かる。」

「でもだからといって付き合いたいかっていうとそうじゃないよね。」

「分かる。」

 

「(なんだろう。嬉しいような悲しいようなムカツクような…。)」

 

「お茶子ちゃん、凄い顔してるわ。」

「え!?な、何が!?」

「う(まる)い棒味噌ピー味は流石にチャレンジし過ぎたか。」

「え!?あ、アハハ!大丈夫!全部食べるから!!」

 

「さて、じゃあそう言う三奈ちゃんは誰と付き合いたいの?」

「私?んーとねぇ、やっぱ轟君かな!かっこいいし!」

「かぁ~!つれーわー。こういう話しておいて顔で選ぶとかつれーわー。かぁ~!」

「えーいいじゃん別に!!」

「ちなみに轟君とデート行くとしたら何処に行く?」

「轟なら『お前に任せる。』って言いそう。」

(きょう)ちゃんの声真似が上手すぎて泣いた。」「泣くな馬鹿。」

「水族館!」

「轟君と水族館デートかぁ。」

 

 

 ◇

 

 

「轟君、待った?」

「いや、大して待ってねえ。」

「そっか。じゃあいこっか、水族館。」

「ああ。…髪型変えたか?」

「う、うん。どう?似合う?」

「ああ。そっちもいいんじゃないか?」

「そ、そっか。」

「…」

「…」

 

 

「あ!イルカショーだって!見にいこ!」

「ん?ああ。」

 

「イルカ可愛いね!」

「ああ、そうだな。」

 

 

「今日は楽しかったね!」

「ああ。」

「また来ようね!」

「そうだな。」

 

 

 ◇

 

 

「接待感が凄い。」

「相手の反応薄すぎて泣けてきそう。」

「というか轟くんから話しかけてくることが無さすぎて泣いた。」

「ヒーロー活動以外には全然積極的じゃないもんね轟くん…。」

「もっと頑張れよ三奈ちゃん。」

「私悪くなくない!?」

 

 

「さて、じゃあモモっちは付き合うとしたら誰かね?」

「男性とのお付き合いですか…。まだ学生の身ですし考えたことは『嘘だッ!!!』ッ!!?」

 

「ちょ…、急に叫ばないでよ殺生石。」

「私ゃ悪くない!悪いのはウソツキのモモっちの方だ!!!」

「ウソツキって…そんな事言うのは良くないわ。」

「い~や言うね!言わせてもらうね!言わせていただくネ!」

「何々!?何を言うの!?」

 

「私ぁ知ってるぞ!融剛を見るヤオモモの目つきが完全に恋する乙《ブブブーブォーブォーーーー!!》ブブゼラ五月蠅いわぁ!!!!」

「ささささぁ今日も遅いですし部屋に戻りますわ皆様もそろそろ部屋に戻りましょうそうしましょう。」

「まだ晩御飯前よ?」

「そう言えば今日の当番は私でしたわねそれではこれにて「まあまあ座れや。夕食は私がチャチャッと作るからさ。

 

ゆっくりしていってね!●トェェイ●」

 

 

 ◇

 

 

「あ、おーい八百万。」

「ゆ、遊戯さん!?どうして………まだ待ち合わせの時間まで1時間以上ありますのよ!」

「その言葉そっくり返す…と言いたいところだが、まあアレだ。デートで男が女の子を待たせる訳にはいかねえだろ?」

「で、デートって…!一緒に買い物に行くだけですのにそんな…。」

「えー?デートじゃねえのか…。そっかー。折角滅茶苦茶気合い入れてきたんだけどなー。デートじゃねえのかー…。」

「う…。」

「意識してたの俺だけかー…。マジかー…。何か恥ずかしいなー…。」

「うぅ…。」

「態々電話で予定聞かれたときから期待したんだけどなー…そっかー…。」

「うぅ、わ、分かりました。デ、(デートと言う事にしましょう…。)

「え?聞こえない。」

「で、ですから!今から(デート)しましょうって言ってるんです!」

「ん~?途中よく聞こえなかったなぁ~?」ニヤニヤ

「か、からかってるんですか!もう!!」

「ははは、ゴメンゴメン。八百万が可愛いからつい。」

「っ!!?や、やっぱりからかってるんですね!?」

「いやいや、本当だぞ。その服凄い可愛いな、スゲー似合ってる。」

「っ///」

「ははは、照れんな照れんなって。だから無言の攻撃を止めてくださいお願いします。」

「っ!っ!」

「痛い、痛い!わりかしシャレにならんから止めれ!」

 

傍から見たら完全に仲の良いカップルのやり取りである。

 

 

しかしはたして、男の服装は黒シャツに白文字で『GOtoHELL!!』と背中に書かれていた。

 

 

 ◇

 

 

「クソださシャツニキおっすおっす。」

「遊戯はなんかアレだよね…。服のセンス…。」

「顔も性格も話も良いけど服で全部持ってかれる感じ。」

「一緒に居て楽しい人だろうけどそもそも隣にいて欲しくないタイプね。」

「貴方達遊戯さんに何か恨みでも有るんですか!?」

 

今日も女子棟は平和だった。

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「ねえ、如何かしら?キモチイイ?イキそう?」ギリ…ギチ…

「っ!はっ…なせ…!!」

「アフフフ。振りほどこうと思えば何時でも出来る癖に…。何でしないのかしら?女の子に暴力は振るえない優しさかしら?それともそれを思いつかない程に苦しいかしら?」

「…!…っ!」

「違うわよねぇ?だってアナタ女の子に暴力を振るわれる(・・・・・)方が好きなマゾヒストなんだからねぇ!!アフフフフ!!」

「今だってホラ!首を絞められてるのに、私のナカでこんなに嬉しそうに震えてるもの!ねえどうしたの!?普段のアナタだったらこんな屈辱的な姿なんて死んでも(・・・・)晒さないでしょう!?」

「………!………!」

「苦しい!?死にそう!?逝っちゃいそう!!?良いわ!!!アナタがだらしなく、情けなく果てる姿を私に見せて!見せなさい!!!」

「…ぁ…が…。」

「イケッ。イケッ。逝けっ!逝けっ!!!」

 

「ぁ………。」

 

 

 ◇

 

 

「グハァッ!!クソがっ…!デクの癖に…。」ドサッ

 

「やっ………たのか…?」

「スゲエぜ緑谷!あんな普段のオカズなんてさっぱり分かんねえ爆豪の奴を倒しちまうなんて!!」

「口田のモン娘、尾白の巨大娘、そして注文の多い飯田のスポーツ少女。全てのジャンルで破壊力のある妄想を繰り出す様はまさに最強の童貞…いや、『童帝(どうてい)!!』」

「何上手い事言ったつもりになってんの…。」

「…ついにここまで来ちまったな。」

「ああ…残るはラスボス…『無情帝(クールカイザー)轟』だけだッ…!!」

「すまねえ緑谷!オイラの力じゃあアイツの性癖を見破れねえ…。オイラじゃ力になれねえ…!!」

「ありがとう峰田。お前が居なけりゃ此処までたどり着くことは無かっただろう…。」

「大丈夫だ峰田!お前が頑張ってくれた分はぜってえムダにしねえ!」

「遊戯…上鳴…!すまねえ…!すまねえ…!後は頼んだ…ぜ…。」

「「峰田ぁぁぁぁぁ!!!」」

 

「いやキミ達何もしてないでしょ…。」

 

 

「茶番は終わりか?緑谷。」

 

 

「…!轟ぃ…テメェは………テメェだけは絶対打ち取ってやる!緑谷がな!!!」

「散っていったクラスの奴らの分も…置いて来た峰田の分も…!全て込めてお前を倒す!緑谷がな!!!」

「もういっそ清々しいまでのクズっぷりだよ。」

 

「愚かな…。俺が今までどんな生活をしてきたか知ってるのか?」

 

「…轟くん、何を」

「俺は幼い頃からずっと親父から英才教育を受けさせられた。そのせいか、俺は今まで他人に向ける感情が薄いってのは自覚している。当然性欲も。」

「…」

 

「緑谷、俺自身が何が好きかなんて判らないのにお前に判る訳が無いだろ?」

「…!!」

 

「俺が男として何か間違えているのは分かっている。だが、今までの妄想でもナニ一つ反応しなかったんだ。分かるか?」

「…」

「成程な。性癖の発現は幼い頃の体験やコンプレックスが重要だ。だが稀に性機能に異常が無いにも関わらず、異性に対して感心が全く無い人間が居る。俺はそれを『タマ無し系ラブコメ主人公脳』略して『タマコメ脳』と呼んでいる。」

「ひでえ呼び方だ。」

「緑谷、恐らく…いや、間違いなく轟のヤツはタマコメ脳だ。そしてタマコメ脳の男はロクな死に方をしない…!」

「な、なんだって!?」

「女に刺されて死ぬなんてマシな方。最悪、掘られて直腸が破けて死ぬ。」「直腸が破けて死ぬ!?」

「どうしたって天寿は真っ当できねえよ。だが助かる方法が一つだけある。」

「どうやったら助かるんだ!?」

「タマコメ脳を治す。簡単だろ?」

「簡単だろって…。そりゃ言うだけなら簡単だろうけどよ…!」

「大丈夫だ。緑谷なら…緑谷なら性欲が薄い轟が相手でも何とかしてくれる…!」

「(ええぇ~…)」

 

「かかってこい緑谷…!俺を前かがみにさせてみろ!!」

「ああもう!やればいいんでしょやれば!!!」

 

 

頼むぞ緑谷頑張れ緑谷。轟の未来はキミに掛かっている!

 

次回!『轟焦凍:ロリコン』お楽しみに!PlusUltra(プルスウルトラ)!!!」

 

 

「オイ遊戯…。言って良い冗談と悪い冗談が有るのぐらい知ってるよな…?」

「何ィ!?ロリコンじゃ駄目か!じゃぁ…

 

次回!『轟焦凍:マザコン』「殺すぞ。」アッハイ。」

 





気が付いたら1万文字以上書いてた。
やっぱこういう事書いてた方が進むんやなって。あ、待って石投げないで話を聞いて。
そりゃ本編放置して何書いてんだって話だけど仕方ないじゃない。書く暇ないんだもの。
まあ番外編書く暇ならあるんですけどね!!


OKその岩を一旦置こうか。


化太郎が保健室の先生だったら

ガラッ
「先生!転んで怪我したから治して!!」
「じゃあ患部を見ないとね!という訳で脱げぇ!!!」
「まって怪我したの膝なんですけどぉ!?」
「股間が腫れてる!毒を吸い出さないと(使命感)」
「誰がそんな事しろって言ったァ!!!」
「用務員のオジサン!」
「OK即刻クビにしろぉ!!」
                完

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