なんにでも変身できるヒーロー志望ですが何か 作:輝く羊モドキ
さいごのあらすじ。(byルーナー)
『サウザンドフェイス』……まだ職場体験は終わってないのよ。
それに貴方は私の大事な相棒でもあるんだから、勝手に居なくなったら承知しないわ。
貴方に教えたい事や、放したいことがまだまだ沢山、数え切れないほどあるんだから…。
だから……だから……生きて帰ってきて……。
『 さよなら、幻想。 ありがとう、幻想。 』
私達は…貴方に何も言えてない…っ!
凄く…出て行き辛いです……。
~雄英高校 1-A~
「アッハッハッハッハマジか!!マジか爆豪!!」ひー
「笑うな!クセついちまって洗っても直んねえんだ…!おい笑うなブッ殺すぞ。」
「やってみろよ
「ブッ殺す!!」BOMB
「へえー、
「避難誘導とか後方支援で、実際交戦はしなかったけどね。」
「それでもすごいよー!」
「私もトレーニングとパトロールばっかりだったわ。一度、隣国からの密航者を捕らえたくらい。」
「それすごくない!!?」
「ねぇ。殺生石はどうだった?」
「群馬で大捕物だってね!新聞に載ってたよ!すごい!!」
「……ああ…うん……ちょっと世界を壊してきた…。」
「「世界を壊してきた!?」」
「ケロ…何かの比喩かしら…?」
「フフフ…グンマーの奥地には武器生産工場があるネオグンマーがあって、そこに真の黒幕と世界の核が隠されていた…。仕方なかったとはいえ、私はあんなことが出来るんだなって……」
「ああ、ダメだ。コイツは死ぬほど疲れてる。」
「お茶子ちゃんはどうだったの?この一週間。」
「とても……有意義だったよ。」コオオオオオ
「目覚めたのねお茶子ちゃん。」
「バトルヒーローのとこ行ったんだっけ。」
「(まだまだ体の使い方が甘いなぁ……)」
コオオオオオオオ
「たった一週間で変化すげぇな…」
「変化?違うぜ上鳴。女ってのは…元々悪魔のような本性を隠し持ってんのさ!!」
「Mt.レディのとこで何見た…。」
「悪魔系女子。」「止めろ。」
「俺は割とチヤホヤされて楽しかったけどなー。ま、一番変化というか、大変だったのは…お前ら四人だな!」
「そうそう、ヒーロー殺し!!」「命あって何よりだぜマジでさ。」
「…心配しましたわ。」
「誰を?」
「へぇっ。そ、それは当然四人ともですわ!」「…ふぅん?」
「エンデヴァーが助けてくれたんだってな!さすがNo.2だぜ!」
「…そうだな。」「う、うん。」チラッ
「……」
「俺、ニュースとか見たけどさ。ヒーロー殺し、
「でもさあ、確かに怖えけどさ。尾白、動画見た?アレ見ると一本気っつーか執念っつーか、かっこよくね?とか思っちゃわね?」
「上鳴くん…!」「…上鳴、お前…アホもここまで極まるのか…。」
「えっ?あっ、飯…ワリ!」
「いや…いいさ。確かに信念の男ではあった…クールだと思う人がいるのも、わかる。ただ奴は信念の果てに粛清という手段を選んだ。どんな考えを持とうとも、そこだけは間違いなんだ。」
「俺のような者をもうこれ以上出さぬ為にも!!改めてヒーローの道を俺は歩む!!!」
「飯田くん…!」
「さあそろそろ始業だ、席につきたまえ!!」
「…ねえ上鳴君…。私も動画見たけど……『アレ』をかっこいいって思うのはヒーロー志望としてどうなのかなぁ…?」
「はい…。なんか…すいませんでした。」
*****
「ハイ、私が来た。」
「うわぁヌルっと入ってきた。」
「パターン尽きたか……飽きたか。」
「飽きるモンなのか…。」
「飽きてないっつーの……ってな感じでやっていくわけだけどもね、ハイ、ヒーロー基礎学ね!久しぶりだ少年少女!元気か!?」
「YEAHHHHHH!!!」「うるせえ。」ベシッ
「HAHAHA!元気があってよろしい。さて、職場体験直後ってことで今回は遊びの要素を含めた『救助訓練レース』だ!!」
「救助訓練…レース?」
「救助訓練ならUSJでやるべきではないのですか!?」
「あすこは災害時の訓練になるからな。私はなんて言ったかな?そう
「指さすなよ。」
◇
「飯田、芦戸、瀬呂、尾白、んで緑谷か。」
「飯田まだ完治してないんだろ。見学すりゃいいのに…。」
「まあ動けるなら問題ないんじゃない?」
「クラスでも機動力良い奴が固まったな。」
「うーん、強いて言うなら緑谷さんが若干不利かしら…。」
「確かにぶっちゃけあいつの評価ってまだ定まんないんだよね。」
「何か成す度大怪我してますからね…。」
「んー、あの意外性ナンバーワンの出久君が一週間もプロの所にいたのに、全然成長してないとは思えないんだよねぇ。」
「意外性って…お前がソレ言う…?」
「悪いかよー。それに、ヒーロー殺しと会敵したんでしょ?なのに腕がぐしゃぐしゃになってないあたり個性の制御が大体上手く出来るようになったんじゃないかね。」
「…そうか?んで、誰が一位になると思う?」
スススッ
「…え、何みんな…。」
「え、殺生石と遊戯の解説が聞けるかなーって。」
「…すっかり俺等解説役ポジションか…。」
「…ま、いいけどね別に。そうだねー、一位は……まあ瀬呂君かな。」
「なんだ、緑谷じゃねえのか。」
「まあねぇ。こういう迷路染みた場所はまず上に登るのが定石なんだけど、瀬呂君は登るのも、登ってからの移動速度も速いだろうし、何より滞空制御が上手いからね。」
「ふうん。」
『 START!! 』
「はーじまったはじまった。瀬呂君は予想通り上に登るね。飯田くんは…地面を走っていくのか、ルート取りが重要だ。尾白君は張り巡らされたパイプを尻尾で上手に掴んで自分を投げ飛ばしてるね。芦戸ちゃんは……うん、建物に穴開いてるけど…いいのかな…?出久君は…おお!」
ダンッ
ダンッ
「おおお緑谷!?何だその動きィ!!?」
「忍者!?忍者かアイツ!!」
「ほー、すげえな緑谷。あんなこと出来たんか。」
「うんうん。全身を同時に強化してるんだね。片腕だけとか、片足だけとかの強化より全体のバランスが取れるからそっちの方が良いよ。ただ飛び跳ねてる動きに無駄が多いなぁ。」
「すごい…!ピョンピョン…。何かまるで…」
「爆豪君リスペクトしてんのかねぇ。今までの出久君はなんだか個性と身体の動きが不一致だったんだけど、今はだいぶ良くなってるね。ただ…。」
「ただ…?」
「ちょくちょく体のバランスが崩れるね。だから変な体勢になったりクルクル回ったりする。それにまだなんとなくで体動かしてるな。」
「なんとなくで?」
「ああ、アレじゃあ着地先の確認がおろそかになっちゃうから「あっ!」……あ~あ。」
「落ちたな。」
「落ちたねぇ。」
◇
「次は融剛、切島君、砂糖君、峰田君、ケロちゃんか。ピンキリ激しそうだ。」
「…未だにケロちゃん呼びですのね。」
「勿論!」
「切島も砂糖も機動力が問題だよな。」
「切島君はともかく、砂糖君は機動力何とか出来るだろうに…。」
「何とかって?」
「出久君みたいにピョンピョン跳ねて移動すればいい。」
「いやぁ、アレは無茶だろ。」
「そうかな?練習は必要だろうけど筋力があるなら跳べそうなもんじゃない?」
「そうかも知れねえが…。」
「まあそもそもこういう場所で道なりに進むことしか出来ないと困るでしょー。出久君みたいに跳ねて移動するのは無理でも、パルクールの動きでも取り入れれば機動力上がるよ。」
「あー…こういう場所だと特にそうだな。」
「まあ失敗したら真っ逆さまに地面に叩きつけられるかもね。」「おい。」
『 START!! 』
「梅雨ちゃんと峰田はやっぱり上に行ったな。」
「うんうん、ケロちゃんはともかく峰田君が上に行くのはちょっと意外だな。」
「なんで?」
「登ってもそこからの移動手段が無いと意味が無いですわ。」
「あー、成程ね。」
「砂糖と切島は普通に走っていってるな。」
「どっちも平均よりは速く走れていると思うけど、平均より早い程度じゃあまだまだなんだよねぇ。」
「でも足の速さなんて一朝一夕で速くなるものでもないですわ。」
「そういう時こそコスチュームよ。切島君も砂糖君も個性使っても接近戦くらいしか出来ない。相手が常に距離を取るタイプだったり罠や足止めを多用してくるタイプの場合下手打てば詰むよ。だから瞬間的にでも加速できるようなコスチュームにすれば、多少無理にでも接近戦持ち込めるだろうね。」
「はぁー…。なるほどねぇ…。」
「…あれ、話ズレてない?レースはどうしたし。」
「レースな。そういえば遊戯はどうした?」
「オールマイトがいると思われる場所にまっすぐ突き進んでるよ。」
「…まっすぐ?」
「まっすぐ。」
「うわぁ、遊戯が壁に消えた。」
「壁も地形も無視かよ……。やっぱお前と遊戯は何でも有りだな…。」
「それほどでもない、と言いたいところだけど融剛と私の何でも有りはちょっと性質が違うよ。」
「性質?」
「融剛が今出来ることって、基本的に『融合する事』『融合した物と分離する事』の二つだけなんだよね。ただその二つを極めていった結果、出来ることが広がっていっただけなんさ。」
「えーと、つまりどういう事?」
「極めただけであそこまで色々出来るようになるの?」
「なるさ。超一流のフランス料理人が美味しい日本食を作れるみたいな感じ。」
「いや、分かんねえよ。」
「まあとにかくさ、一つを極めると技に幅が生まれるんだ。例えばもし上鳴君が帯電するだけでなく、電気を自在に操って磁界まで作れるようになったらゲーセンのコインで
「無理だろ!俺はLEVEL5かよ!?」
「…試してもいないのに無理とは…。嘆かわしい限りよ。」ヤレヤレ
「何かムカつく。」
「あ、遊戯がもうゴールした。」
「速いな…瀬呂以上に。」
「ほぼ直線移動でしたからね…。」
◇
「最後の組、爆豪、常闇、八百万、障子、轟、で化太郎か。中々に個性的な面々だこと。」
「やっぱ一位は殺生石か。空を自在にかつ高速で飛べるし。」
「いや、もしかしたら案外こういうごちゃついた場所は苦手かもよ?」
「だとしたら持久走2位のヤオモモも有り得るか?」
「轟ならとっさの判断力に優れてるでしょ。」
「常闇の機動力なら障害なんてあって無いようなもんだろ。」
「いやいやそれだったら爆豪の方が速くね?」
「障子の探知ならオールマイトの位置を常に把握できるんじゃない?」
「でもやっぱり殺生石が……」
やいのやいの
「……(いつも以上に騒がしいな。)」
「遊戯くんはどう思う?」
「そりゃ化太郎がトップだろ。空を高速で移動できるのは今回のレースでは絶大なアドバンテージだ。まぁ、オールマイトもその辺は分かってるだろうから屋内に隠れてから救助信号だすんじゃないか?」
「う、うーん……」
「それに化太郎もこの一週間は遊んでたわけじゃないらしい。どうもステインに勝るとも劣らない悪と戦ってたとかなんとか。」
「ええ、そうなの!?新聞には全然そんな事書いてなかったけど…。」
「まあ、実際の所は分からんが……。多分、ルーナー事務所の話となんか関係あんだろ。」
「ルーナー事務所…化太郎くんが職場体験に行ったところだね。行方不明だった
「ああ、それに伴って事務所の場所を変えるらしい…。何があったかは知らんが、多分
「ついでにって……。ルーナー事務所って、見た目は若い女の人だらけでも現存するヒーロー事務所の中でも最古参だよ?それにルーナーを筆頭に
「……化太郎だし。」
「うん…言ってる途中から化太郎くんだしなぁって思ってた…。」
『 START!! 』
「さてレースは、本命化太郎、対抗は爆豪かな、大穴は……八百万だな。」
「どうして?」
「化太郎は言うまでもない。爆豪は機動力においては化太郎除いて一番だ。それに最善手を打つための勘が鋭い。八百万は、化太郎と爆豪がオールマイトを見つけるのに手こずればワンチャン有る…ぐらいだ。」
「うーん……常闇くんも速いと思うし、轟くんも判断力に優れてるし、障子くんならオールマイトの場所だってすぐわかると思うんだけど…。」
「常闇はともかく、轟も障子も足が遅い。まあ同年代男子平均より速いだろうが、この組の中においては遅い。常闇は、本体の方の体力がなぁ…。」
「…あっ。化太郎くんが!」「おん?」
「空を
ショ ゴ オ オ オ オ オ オ !!
「カイザー…フェニックス…!」
「アイツ一週間で随分派手好きになったな。」
「アレはなんだ!?」
「鳥か!?」
「飛行機か!?」
「いや、アレは「ただのアホだ。」おい遊戯ぃ!」
「ヴィランも居ないのにあんなド派手な技いらんだろ…。」
「おまっ…!ロマンだろ!炎は男のロマンだろ!」
「そーだそーだ!」
「……せめてここぞという時に使ってくれませんかねそのロマン…。」
「何言ってんだお前、こんな特に訳わかんないタイミングで使うのがイイんじゃないか!」
「そーだそーだ!ちょっとは理解しろアホ融剛!」
「ちょっとまって。殺生石、アンタ救助レースに居るはずじゃ…。」
「…。」
「…。」
「分霊ね。」
「「「分霊ね!?」」」
「うん……もう普通に増えるんだ化太郎くん…。」
「どんどんフリースタイル極めていくな。」
*****
「あー…無駄に疲れた…。」
「久々の授業、汗かいちゃった。」
「ご苦労、私は今までが忙しすぎたから丁度いい息抜き程度の内容だったね。」
「つーか殺生石がなんで男子更衣室に居るんだよ…。」
「お前別に着替えなくていいじゃねーか。」
「いいじゃん、なんとなくよ。それに私のロッカーは何故かこっちにあるし。」
「それ女子更衣室にロッカーあればそっちに行くみたいな言い方だな。」
「え、そうだけど?」
「…。」
「やっぱ俺機動力課題だわ。」
「情報収集で補うしかないな。」
「それだと後手にまわんだよな。おまえとか瀬呂が羨ましいぜ。」
「ヒーローって普通後手で動かねえ?」
「まぁ、確かに事件が起きてから活動するけどよ…。」
「最近はコスチュームで機動力補正してくれるのもあるよ。とりあえず暇を見つけてサポート科に行ってみれば?」
「…やめとけ切島、サポート科は…。」
「…え、どうした遊戯。サポート科になんかあったか。」
「……うん。忠告はしたぞ。あとは知らねえ。」
「おい遊戯!?気になるじゃねえかおい!」
「おい緑谷!!やべェ事が発覚した!!こっちゃ来い!!」
「ん?」
アナァ!
「見ろよ、この穴ショーシャンク!!恐らく諸先輩方が頑張ったんだろう!!隣はそうさ!わかるだろう!?女子更衣室!!」
「峰田くんやめたまえ!!ノゾキは立派なハンザイ行為だ!」
「オイラのリトルミネタはもう立派なバンザイ行為なんだよォォ!!」
「巧い、座布団一枚。」
「巧くない、座布団全部持ってって。」「酷いわ。」「元々ねえよ座布団。」
「八百万のヤオヨロッパイ!!芦戸の腰つき!!葉隠の浮かぶ下着!!麗日のうららかボディに蛙吹の以外おっぱァアアア」ドスッ
ドックン!
「あああ!!!!」
「目が!」
「耳郎さんのイヤホンジャック…正確さと不意打ちの凶悪コンボが強み!!」
「もう峰田は目ん玉だけじゃなく○玉も潰したほうがいいんじゃないか?」
「ヒッ!お前金○潰すとか言うな!ぞわっとする!」
「…私玉ひゅんする感覚分かんないんだよねぇ。試していい?切島君で。」
「何でオレで!?」
「最近切島の不憫さがマッハでヤバいんだが…。」
◇ なんつってな(´・ω・`) ◇
帰りのHR
「えー…。そろそろ夏休みも近いが、もちろん君らが30日間1ヶ月休める道理はない。」
「まさか…」
「夏休み林間合宿やるぞ。」
「知ってたよーーやったーー!!!」
「肝試そー!!」
「風呂!!」
「花火。」
「風呂!!」
「カレーだな…!」「行水!!」
「自然環境ですとまた活動条件が変わってきますわね。」
「山より海がいいなー…。」
「いかなる環境でも正しい選択を…か、面白い。」
「湯浴み!」
「寝食皆と!!ワクワクしてきたぁあ!!」
「入浴ぅ!!」ガシッ
「峰田、お前マジでいい加減にしねえとお前の両タマ融合して一つにするからな?」「ピィ!?」
「ただし、その前の期末テストで合格点に満たなかった奴は…学校で補修地獄だ。」
『 みんな頑張ろーぜ!! 』
こうして日常は続いていく、忍び寄る邪悪に気付かぬままに。
「……くはァ♥まってろよォユウゴウ君。もうすぐ…もうすぐ僕が迎えにイってあげるからァ♥」
これにて職場体験編終了でござい。
次回からは新章『期末テスト編』になるます…が、作者の都合によりしばらくはこの小説の更新を停止する予定でございます。
まあと言うのも元々メインで書いていた小説の息抜きに始めたこの小説ですが、書いてるうちにどんどん楽しくなっちゃいまして。折角だし行ける所まで行ってしまえと言わんばかりに怒涛の更新でしたが、最近はモチベーションが低下してきまして、これでは本末転倒。キリも良いですし、今回でこっちはいったんストップ。切り替えてメイン小説書きましょって事です。
もちろんこの小説はまだまだ続きますし、気が向いたらちょこちょこ更新するつもりです。
そんな気まぐれ作者の駄文をここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。感想も評価もありがたく頂戴しております。
ええ、だから感想よこせとか、評価よこせとかそんな事言いませんとも。
評価バーに色が付いたら更新再開するとか、感想いっぱいついたら再開するとかそんな事は無いですよ。本当ですよ。ワタシ、ウソイワナイ。