なんにでも変身できるヒーロー志望ですが何か   作:輝く羊モドキ

29 / 42
薄い内容を前書きで誤魔化していくスタイル。


前回からのあらすじ。(by???)
みんな、今まで会いに行けなくてゴメン。でもアタイはここから離れられない事情があるんだ。この世界の核を止めておかないとどんどん『向こう側』に広まっていっちゃう…。愛着なんて有って無いようなものだけど、それでも『向こう側』はアタイ達の故郷だから…。サイキョーのアタイがここでずっと止めておくから、みんなはすぐに脱出して!…あれ、君は…って!その姿は!?

次回、なんにでも変身できるヒーロー志望ですが何か 『悪魔を騙る希望と破壊の枝ですが何か』

世界は冷たくても、あなたは暖かいって知ってるよ。




ヒーローズ・ホスピタリティ

 

 

……

 

 

 

……

 

 

 

……んぁ?あぁ…寝てた…。

 

「おっ、起きたか。」

「遊戯くん、大丈夫か?」

「…何が?」

「何がって…遊戯くん、突然倒れたんだよ!?」

「ステインを警察に引き渡してすぐくらいか…いきなり倒れるから何事かと思った。」

「そうか。」

「…そうかって…。」

 

「それより、俺が寝てからなんかあったか?というかここ何処だ?」

「ここは保須総合病院だ。キミが寝てからだが、先程職場体験先のプロヒーローと…保須警察署の署長が来た。」

「…署長?………あぁ、もしかして規則違反がどうのって話か。」

「察しがいいな。つまんねぇ。」「ちょ!?」

 

 

 

 ◇

 

 

 

「で、緑谷はなんでここに?大して怪我してないだろ。」

「えっと、検査入院…てやつなのかな。脳無の兄弟に捕まれた時にちょっとね。」

「ああ、あの…。」

 

「…ねぇ、遊戯くん。あの時、どうして動けたの?」

「あの時?」

「うん…ヒーロー殺しを捕まえた時の…。」

「あの時か。確かにおれ達はアイツの…なんていうか、狂気に圧された。修羅場を経験してるだろうプロのヒーロー達もな。だがお前だけはアイツに向かっていった…。なんでだ?」

「…」

「なんでだ、と言われてもなぁ…。」

 

 

「たぶん、自分が死ぬっていう感覚に慣れてるんじゃねえかな。」

 

 

「自分が…死ぬ…?」

「穏やかじゃないな…。」

「…それは、普段から死に掛けるまでの戦闘訓練をしているって事か?」

「そうじゃない。死に掛けるくらいで何とかなるようならプロヒーローだって動けるだろう。…ただ、俺の場合は……そうだな、怖いもの知らずというか、恐怖を感じる神経がイカレてんだろ。怖いって思う事の原点は死ぬ事への危険だ。高い所が怖い、刃物が怖い、血が怖い、虫が怖い、お化けが怖い、暗闇が怖い。訳の分からないものが怖いってのも結局のところは同じだ。」

「…分からねえ、どういう事だ。」

 

「つまり、恐怖で体を硬直させるってのは、体を動かす分を削ってまで脳が生き残る方法を模索させる事に全力を注いでるからだ。あの時も一緒だ。お前達はステインの狂気に当てられ、生き残る方法を探す事に脳のリソースを使った。俺はいつも通りに行動してステインを倒した。そういう事だ。」

 

「…」「…」「…そうか。」

 

「(もっともらしい事を言っているようだけど…なんだか違和感がある…。なんだろう…この不自然な感じ…。)」

 

「さて、そろそろ診察の時間か。怪我、大したことないといいんだがな。」

「…全身の怪我、特に両足と左腕を見てどう判断したら大したことないって見えるんだろうな。」

「死ななきゃ安い。」

「いやぁそれはどうかと…。」

 

PRRRRR

 

「あっ!ゴメン、僕のだ。ちょっとゴメンね。もしもし…」カララ…

 

 

 

カララ…「診察の時間だね。気分はどうかな。」

 

「…!冥土返し(ヘブンキャンセラー)!??」

「うん、違うからね。ただの蛙顔の医者だからね。…なんだか前にもこんなやり取りした記憶があるね。」

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

カララ…

「あ、飯田くん。今麗日さんがね…「緑谷。」

「飯田と遊戯の診察が終わったとこなんだが。」

「………?」

 

「左手、後遺症が残るそうだ。」

 

 

「ちなみに俺は左手はほぼ動かんらしい。参っちゃうね全く。」「言い方が軽い?!」

 

「…本当にすまないっ…!遊戯くんには「あー、大丈夫大丈夫。治るし。」「治るし!??」

「いやいや!さっきの蛙顔の医者も手術でも無理だって言ってただろう!?」

「まぁ手術で無理でも個性を使ったなら無理じゃないさ。」

「個性…?遊戯くんの個性は回復も出来るのか?」

「いや、無理。」「ちょ、」

 

「俺は無理でも、出来る奴は知ってる。ちょっと電話掛けてもいいか?」

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「っかー!つれーわー!休日なのに呼び出されてマジつれーわー!っかー!」

 

((( うざい…… )))

 

「とまあそういうわけで、俺の兄だ。」

「ちっす、ヒーロー志望で命知らずの君達。俺の名は遊戯 重合。超天才科学者だ。」

 

((( うわぁ…… )))

 

「…まあ、こんなふざけた奴なんだが「ふざけたとは何だ。」こう見えて結構凄い奴でな。」

「…遊戯…重合…!もしかして、今やヒーローの高価なコスチュームに欠かせない新素材の発明者…!?」

「そのとぉぉぉぉぉぉりぃ!」「ここ病院。」「あ、ハイ。」

 

「そう!アルミより軽く、チタンより強く、何より自在に塗装可能な『ヒロイックメタル』の生みの親であり!柔軟性に富み、且つ鋼鉄よりも硬い『オーバーレイシルク』の生みの親でもあるその人物こそ俺!偉大なる科学者!ゆうぎいいいいいい、じゅうごおおおおお!!「病院。」アッハイ。」

 

((( 凄いのが来たな……。 )))

 

 

 

「……えっと、それでその凄い人がどうしてここに?」

「ふふん、俺は偉大なる科学者だが、元々の専攻は『非統一個性物理学』でな。個性による現象を用いて何かに応用できないかを研究する分野なのさ。」

「重合は、昔は個性の力で様々な薬品を生成する研究してたんだが頓挫してな。その後鞍替えした結果成功を収めたわけだが」「言わんでいい。」

「…あの、『非統一個性物理学』とは…?」

「む?知らんのか?」

「普通知らねえよ。どれだけドマイナーな分野だと思ってんだ。」

「知らんのか、まあいい。素人に分かり易く教えてやろう。個性は身体機能の一つだ。個性を使い続けると、体の中の何処かしらが不調を起こすだろう?つまり個性を発動するのに何らかのエネルギーを何らかの形で消費して個性を発動してるのではないかという仮説を基に考察や実験を重ねて、個性のメカニズムを暴くという学問だ。」

「…別に正体も何も、暴いたところで何かが変わる訳でもないだろ?」

「っかー!これだからヒーロー志望の脳筋は嫌なんだ!これがどれだけ崇高で芸術的な学問であるかが分かんねえとはなぁー!」

「…」イラッ

「お、抑えて抑えて…。」

 

「いいか?個性のメカニズムが判明した場合、どうなると思う?」

「…?」

「その個性による現象が既存の科学で再現可能になる場合があるって事だ!」

「………?」

「まだ分かんねえのか!例えば、オールマイトのスーパーパワーが科学で説明がつく場合、上手いことやれば誰でもオールマイト並のパワーが発揮できる可能性が出てくるって事だよ!!」

「え、ええ!?凄い!」

「やっと分かったかちんちくりん共!なにもオールマイトに限った話じゃない。例えば『手から水を生成する個性』のメカニズムが判明すれば、世界の何処でも飲み水の確保が出来るって話も夢じゃない!『物を動かす個性』を解析すればエネルギー問題が解決するかもしれない!」

「…しかし本当にそんな事が可能なのでしょうか?個性の解析だなんて机上の空論にしか……いや、まさか!?」

「察しがいいなぁメガネ君。偉大なる俺様の発明を思い出せ。『ヒロイックメタル』は金属を強固にする個性のメカニズムを解析した結果、個性の持ち主の掌に新種のバクテリアが生息していることが判明した。コイツに微弱な電気刺激を与えることで触れている金属の性質を変化させる作用が働くのさ。つまり!このバクテリアを培養して微弱な電気刺激を与え続ける事で新たな金属を産みだす事に成功したのだ!」

「…なるほど、すげえな。」

「反応薄っ!?お前、もっとこう…ええぇ~!!みたいなリアクションしろよ!!」

「重合?」コキッ

「あ、スンマセン…。」

「偉大な科学者も弟には弱いんだね…。」

 

 

「ゴホン、本題に入ろう。融剛の左腕だが、神経が『消滅』するまで酷使したらしいな。神経消滅て…なんで動かせてるんだよ……。」

「個性がどうとかより、こいつの身体の方が不思議だ。」

「うっせ。」

「…まあいい。それでコイツの出番だ。」スッ

「…これは…種?」

「そうだ。そいつはとある回復系の個性によって生み出された『種』をベースに、『あらゆる物に変身する個性』の持ち主の体細胞を俺の個性によって重ね合わせて作った、言わば最強の万能細胞の種だ!ソレがあれば理論上、四肢欠損だろうが脳死だろうが全身がんに侵されていようが完全に回復出来る!!」

「…マジか……!」

「…というか化太郎くんだよね。片方…。」

「…!それを使えば、下半身麻痺でも完治するのか!?」

「勿論!!……と言いたいんだが……これはまだ未完成でな。副作用で、全身に植物の根が生えてくることが実験で分かった。そんなもん人に投与したらどうなるか言うまでもないだろ。」

「……そう…ですか…。」

「…じゃあどうしてそれを持って来たんですか?」

「……もし、この副作用に順応できるかもしれない人間がいたとして、その人間の左腕の神経が完全に消滅していたとしたら?そしてそいつが肉親だったとしたら?」

「…!」

 

 

「なーんて、苦労して作ったのに人体実験もしないうちに計画が頓挫しそうだから、折角だし弟で人体実験しようと…」「最低だ!!」

 

 

「まぁ、御託はいいから早くその種よこせ。」

「ちょ!遊戯くん!?いいのか!?」

「良いも悪いもねえよ。いつまでも左腕の感覚無いのは困る。それに副作用の件だって、俺ならどうにでも出来るだろ。最悪シンリンカムイみたいになるかもしれんが、まあ大丈夫だ。」

「しかし…!」

「大丈夫だって言ってんだろ?別に根拠無く言ってるわけじゃねえよ。」

「…なんだよ、その根拠って。」

 

 

「化太郎が、俺に害をなす訳がない。」

 

 

「「「………」」」

「ほれ、とっとと種よこせ。んでこれどうやって使うんだよ。」

「ほらよ。とりあえずそのまま飲め。」「飲み薬かよ!!」ヒョイ ゴク

「「「…!!」」」

 

 

 

 

 

「何にも起きないんだけど!?」

「当たり前だ馬鹿!!種が発芽するまでどれだけかかると思ってやがる!!」

 

 

 

 

 結局治った。副作用は……まあ全身からハーブの香りがそれとなく漂うくらいだった。だが、治るまでに3日掛かったから結局エンデヴァーの所で全然職場体験できなかった…。

 

 

 




タイトル考えんのも面倒になってきた。

勝手に個性を科学してますが独自設定です。あんまり突っ込まんといて…。
でも個性を利用して商品開発とか普通にしてそう。

次回で職場体験編は終わり…かな?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。