なんにでも変身できるヒーロー志望ですが何か   作:輝く羊モドキ

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新章です


感染
お前の名は。


「よう飯田。お前の兄さん大丈夫なのか?」

「お早う遊戯くん!兄の件なら心配ご無用。…だが。」

「だが?」

 

 

「…」ぼー

「…」だらー

「…」ぐだぁー

 

 

「クラスの皆は一体どうしたというのだ!?」

「24時間耐久組手の結果だ。」

「ニジュウヨジカンタイキュウクミテ!!?」

 

「よお飯田おまえおとといのぱーてぃにこれなくて残念だったな」

「いやー飯田これなくてざんねんだったなー、あんなにたのしかったのにー」

「しってるか、にんげんっておもいのほか丈夫なんだぜ」

「やすみなしでもなんとかなるんだね。」

 

「兄の件よりこちらの方が心配になるのだが!!?」

「大丈夫だ。健康に一切害はない。」

「そうは見えないっ!!!」

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「『コードネーム』ヒーロー名の考案だ。」

 

「「「 胸ふくらむヤツきたああああ!! 」」」 ワッ

 

「膨らみ過ぎて女になっちゃ…なっちゃ…なっ…成れない!?」

「いい加減にしろよ殺生石…」ザワッ

「あひん」

「…というのも先日話した『プロからのドラフト指名』に関係してくる。指名が本格化するのは、経験を積み即戦力として判断される23年から…。つまり今回来た指名は将来性に対する興味に近い。卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセルなんてことはよくある。」

「大人は勝手だ!」ガン

「子供は自由だ。」

「余裕ですわね遊戯さん…。」

「頂いた指名がそんまま自身へのハードルになるんですね!」

「そ。で、その指名の集計結果がこうだ。例年はもっとバラけるんだが、3人に注目が偏った。」

 

 

遊戯   3,721

轟    3,366

爆豪   1,035

殺生石  426

飯田   299

常闇   152

上鳴   103

八百万  73

切島   45

麗日   20

瀬呂   12

 

 

「 私ショボッ!!? 」

「おま!お前でショボいんだったら俺等の立場!?」

「うるせえ!私2位だぞ!?」

「順位逆転してんじゃん。ていうか何で爆豪と殺生石逆転してんの…」

「そりゃぁあんな大立ち回りしたんだから印象に残るだろ。」

「チキショウ!爆豪テメエ私ともっかい勝負しろぉ!!」

「ジョートーだ今度こそぶっ殺してやるよ!!」

『殺生石…?』ザワッ…

「(´・ω・`)」

「さすがですわ遊戯さん、轟さん。」

「ほとんど親の話題ありきだろ…」

「まあ普通のプロヒーローに化太郎の手綱引けないだろうし…その分の指名が俺に来ただけだろ。」

「わあああ。」ゆさゆさ

「うむ。」

「無いな!怖かったんだやっぱ。」

「んん……」

 

「これを踏まえ…指名の有無関係なく、いわゆる職場体験ってのに行ってもらう。」

「職場体験…?」

「職場体験…」

「…殺生石?」「どうしましたの遊戯さん?」

 

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 ヒーローとは常に迅速確実丁寧な仕事じゃないと務まらん!!お前等ァ!!街のあらゆる犯罪を見逃してはならん!!町内全力ダッシュしながらスリ・空き巣防止からポイ捨てまで全て逃すなぁ!!

 あらぁ、ヒーローはそれでいて身体が資本なのよ。だからはいコレ。およそ50キロの重り入り緊急キットよ。もし怪我してる子を見つけたのならそれで応急処置しなさい。

 

 えー!?ちょ、50キロ担いで町内マラソン!?

 父さん!母さん!流石に死ぬ!?

 

 何言ってやがる!仮に大災害が起きた時、人を担ぎながら活動できずに何がヒーローかっ!!50キロなんて平均体重も持てずにヒーロー目指そうなんて温いわボケがぁ!!

 

 ほぎゃー!暴力反対!!

 い”だぁ”っ!!なにすんだ!

 

 あらあら、口答えする気力があるのならもう50キロ追加ね。ほら、ちょっと重い人でもこれくらいよ?頑張りなさい。

 

 潰れるぅ!走ることもままならないよう!!

 お”お”お”っ!この体罰両親がぁぁっ!!

 

 ふむ、圧倒的に筋力が足りんみたいだな。仕方ない。これから家にいる間はずっとその装備だ!!食事の時も、風呂はいるときも!当然寝るときも!!

 もちろん戦闘訓練するときもよ?災害が起きた時にヴィランが暴れてることだって考えられるんだから。それとその重りに傷が入るということは背負った人を守れなかったということよ。常に細心の注意を払いなさい。

 

 ひぃ。助けてヒーロー!

 俺等まだ中学生だぞ!いきなりこんな重いもの持てるか!!

 

 持てる持てないんじゃない。持て!!

 プロのヒーローなんてこれくらい簡単にこなすわよ?

 

 ……

 ……

 

 

 さあ、もちろんやるだろう?

 

 

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「 」ブクブクブク

 

「ああ!殺生石が急に泡吹いた!!?」「ちょっ!ちょっと大丈夫!?遊戯!?遊戯ちょっと来て!」

 

「…え、なんか言った?」ガタガタガタガタガタガタ

 

「全身マナーモードかお前!?遊戯お前までどうした!?」

「ちょっと遊戯さん大丈夫ですか!?」

「ああお前大丈夫だこんなん武者震いって奴よお前俺はやるぞお前」ガタガタガタガタガタガタ

「顔が真っ青通り越して土みたいな色になってるぞ!?」

「メディック!メディ~ック!!」

「何言ってんだ俺は大丈夫だおいちょっとなんか寒くね轟火ぃかしてくれ」ガタガタガタ

「救急車ぁ!救急車呼べ!!」

 

 

 

「(入るタイミング逃した…!)」

 

 

 

 ◆ なんつってな

 

 

 

「さあフリップは全員に回ったわね!そういう事で自分のヒーロー名じゃんじゃん考えなさい!」

「…あれ、ミッドナイトいつの間に居たんです?」

「さっきあなたが泡吹いてる時よ!」

「え?泡吹いてる?何言ってるんですか蟹じゃああるまいし。」

 

「(こいつ…さっきの記憶を消しやがった…!)」

 

「ヒーロー名ね、色々考えてあるんだよねぇ。」

 

 

 

 

 

「じゃそろろろ出来た人から発表してね!」「!!!」

「(発表形式かよ!!?)」「(え~これはなかなか度胸が…!)」

 

「行くよ。輝きヒーロー『I can not stop twinkling.』

「「「 短文!!! 」」」

「被っちゃった。」

「「「 被っちゃった!!? 」」」

「I can change THE WORLD…いいと思ったんだけど青山君と被るのはなんかヤダ。」

「…やめて良かったんじゃないの…?」

「ヒーロー名というよりキャッチフレーズ…。」

 

「じゃあ次アタシね!『エイリアンクイーン』!!」

「2!!血が強酸性のアレを目指してるの!?やめときな!!」

「ちぇー。」

「(エイリアンクイーン…私の変身引き出しの中にあるな…。)じゃ次わた「待て待て待て!一回落ち着け!な!発表する前にちょっと俺に見せてみろ!」「あ、」

 

 『 変身ヒーロー カフカ 』

 

「フランツ!!お前虫にでもなるつもりか!?」

「えー?洒落てると思ったんだけどなぁ。」

「駄洒落てる、の間違いだろ。」

「「「(よくやった瀬呂!完全に大喜利の流れになるところだったっ!)」」」

「じゃあ次私いいかしら。」

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「良いじゃん良いよ!さァどんどん行きましょー!!」

「この名に恥じぬ行いを。」『万物ヒーロー クリエティ』「クリエイティヴ!!」

「焦凍」『ショート』「名前!?いいの!?」「ああ。」

「ツクヨミ。」『漆黒ヒーロー ツクヨミ』「夜の神様!」

「グレープジュース!!『モギタテヒーロー GRAPEJUICE』「ポップ&キッチュ!!」

「…」『ふれあいヒーロー アニマ』「うん!!」

「爆殺王」「そういうのはやめた方が良いわね。」

「被った…っ!」『融合帝』「被せんな!!」

 

「…遊戯ってもしかしてガチ?」「ああうん…ネーミングセンスは私より無かった。」

「えぇ…でも必殺技の名前とかしっかり考えてるじゃん。」

「必殺技の名前はほとんど私が考えたのよ。」

「マジかよ!」

「やっぱカッケェ技には名前つけたいもんな!!」

「…え?あぁ、そういう事か。別につけたいからつけてるわけじゃないんだよ?」

「えっ?そうなのか?」

「うん。技っていうのは繊細な動きが要求されるの。だから少しのブレが技の威力に影響を与えるのね。その為必殺技ってのは常に正確な動きじゃないと困るんだよ。」

「ほうほう。」

「コマンド入力すれば技が出るゲームじゃないんだ。必殺技を正しく出すには正しいイメージが必要なの。でも戦ってる最中に一々イメージを思い起こす暇なんてないよ。だからイメージの代用として必殺技の名前を口に出すのさ。」

「あー、つまり一流のスポーツ選手がやるルーティーンって奴と一緒か!」

「そうそう。それに技に名前が無いとイメージするときでも『手をこーやってこーする技』なんてやる必要あるからねー。」

「へー。」

「必殺技の名前はまぁ、要は口に出してイメージを想起出来ればいいから極論、『1!』とか『あ!』とかでもいいんだけど…」

「『1!』って叫ぶヒーローってどうなの…?」

「そうだねぇ、ヒーローも人気商売だから、そういう所とも兼ね合いが必要なの。」

「そうなのか、てっきりかっこいい名前叫んで気合いを入れる!ってモンだと思ってた。」

「まあそういう所も無いことは無いけど…。」

 

「ソコ!ちゃんとヒーロー名考えてからお喋りしなさい!!」

「お喋りは良いのか。」

 

「…じゃあ、私の番ですね。」トン

 

 

『 幻想ヒーロー サウザンドフェイス 』

 

 

「勿体ぶった割には普通ね。」

「ミッドナイト、私の時だけちょっと当たり酷くない?」

「心当たりは?」

「あります。」

「ならなおしなさい。」

「…うぃ。」

 

 

 

 

 

「『融合賢者』!」「あなたは迷走しまくってるわね…。」

 

 

 

 




化太郎と融剛はヒーローになる為に『ゲームマスターズ』に弟子入りみたいな事してます。
しかし修行内容は大人…というかプロヒーローでも堪えるモノばかりでした。
融剛の兄姉は同じ修行を体験したことがありますが、『こんなんやるくらいならヒーロー以外目指す!』となり修行断念。せめて一番下の弟だけは立派なヒーローにしてやると意気込んだ。結果トラウマ。

殺生石の指名数ですが…



自分より強いサイドキックなんて誰が欲しがるの?

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