なんにでも変身できるヒーロー志望ですが何か   作:輝く羊モドキ

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別名体育祭編終了のお知らせっていうお話

暴君を超えて神(笑)になった化太郎vs親子の確執とかいったん置いといて本気出してくる轟。
さあどっちが勝つか、張った張った。

なーんて話してますが勝負そっちのけで融剛が説教垂れるお話。説教臭いんで苦手な方は…我慢して見てください!


小話

「痛…てて…。あー…流石に血がヤバイかも…。」
「遊戯くん!ハンソーロボ(予備)!リカバリーガールの所へ!」
「ちょ、待ってください!今リカバリーガールの治癒受けたら逆に死ぬ!!」
「逆に死ぬ!?」
「と…とりあえず止血用の布でもください…さっきの一撃で俺の体操服が(放送限界)ギリギリまで吹っ飛んだんで自分で止められない…」
「私の恰好を見てどこにそんな布があると思うのかしら!?」
「超使えねえ!!あんたなんで主審してんだ!!?」
「少なくともあなたの止血のためじゃないわよ!!」

「…いや、融剛おまえ超元気じゃん…とっととリカバリーガールのトコ行けよ。」


英雄の卵は荒魂を鎮めることが出来るだろうかってお話

ステージ補修(再建)中

 

 

「痛てて…。」

「あっ!遊戯くん大丈夫!?うわ、凄い包帯…」「いや、お前ほどじゃねえからな緑谷?」

「…なぁ。殺生石は…」

「あん?エネルギー補給の為に屋台渡り歩いてんじゃねえか?」

「…だよな。そもそも決勝戦あるのにこっち来るわけがないか…。」

「あー…よっこらしょっ。おう爆豪、なんかペアルックみたいになったなハハハ。」

「うるせえ気持ちわりい事言ってんじゃねえ殺すぞ…!!」

「ああ、俺も言ってて無いわぁって思った。」

「じゃあ言うな死ねカス!!」

 

「…さーて…お前らなんか言いたそうな顔だな。」

「…」

「……先に言っとくけど、化太郎とお前らの事情だから俺は関与しねえぞ。それでもいいなら聞くが。」

「…ああ、そうだよな…。」

「…ねえ、遊戯ちゃん…。バケちゃんは私たちの事…怒ってるかしら…。」

「…不安か蛙吹?珍しいな…、いつも言いたい事ハッキリ言うのに、わりかし心は繊細なんだな。」

「茶化さないで。」

 

「ブチギレてるに決まってんだろ。」「…!!」

 

「俺に出来たことは化太郎の不満の一部を取り除くぐらいだった…。まぁ、勝ちたかったのもあるが。」

「…ケロ。」

「…というか、今の『勘違いし続けてる』お前らが何したところで化太郎はキレたままだろうよ。」

「…勘違い…?」

「ああ。その『勘違い』してるお前らが、例え腹切って詫びたとしても化太郎は許さないだろうし、そもそもお前らに歩み寄ろうともしないだろうよ。」

「…なんだよ、勘違いって…。」

「…自分で考えろ…て言いたい所なんだが、こればっかりは価値観の問題だからなぁ…。丁度良い、轟と化太郎の試合の最中、解説しながらお前らの勘違いを何とかしてやるよ。」

「…でもよ、轟が開始直後にすぐ負ける可能性だって「それは無い。」…なんでだよ?」

「さっき轟とすれ違った時にちょっくら助言をしたんだが…その時のあいつの目は少なくともすぐに負けるような目じゃなかった。」

「…信頼してますのね…。」

「あん?信頼?俺が轟を?アホか、そんな訳ねえだろ。あんな高校生にもなって親離れ出来て無かった奴を信頼するわけねえだろ。」

「す、凄いボロクソに言うなぁ…。」

「俺が信頼してるのは、俺の観察眼と先見性だ。」

「…いや、それはそれでどうなんだ?」

「まあとにかく俺の勘が大丈夫だって告げたんだ。そしたら勘に従うまでの話。」

「くっ…!やっぱり男らしいぜ…!」

 

 

「…さて、お前らがしてる勘違いだが…一つ、化太郎の個性が『特別である』と思ってる事だ。」

 

 

『レディースアンドジェントルメーン!!ステージの再建がようやく終わったぜ!!盛大に盛り上がった体育祭もついに終わるぞ!!体力尽してしっかり見ろよ!!決勝戦!!殺生石、轟!入場!!!』

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

『さァいよいよラスト!!雄英1年の頂点がここで決まる!!決勝戦!!殺生石対轟!!』

 

 

「はぁいアイスボーイ。まさかここまで来て炎を使わずに無様に負ける…って事は無いよなぁ?」

 

「…」

 

「…って台詞回し考えてたんだけど、顔見る限りどうもその心配は無さそうだねぇ。」

 

「…ああ。俺は…お前に全力で挑む…!」

 

「そーかいそーかい。そいつは嬉しい限りだね。折角だし全力の轟君に勝って格付けを済ませたいって思ってたんだよ。」

 

「言ってろ。勝つのは俺だ。」

 

「…くふっ。イイねぇ…。」

 

 

「(…って言ったはいいけどなぁ。流石にエネルギーを回復しきれなかったのはかなりの痛手だぁ…。この状態じゃあ…勝率8割かな?ああ、せめて試合の順番が逆だったら…いや、考えても詮無き事…。)」

 

 

『START!!』

 

「…」

「…」

 

『おおっと!?もう始まってるぞォ!!?開始早々お見合いかァ!?』

 

「…全力で挑むって言った割に来ないんだ。」

「ああ。先手は譲ってやるよ。」

「…フフ。後悔するなよ?(融剛の入れ知恵か…アジなマネを…。)」

 

 

 

「…あれ?何でお互い動かないんだ?」

「轟のやつ、いつもみたいに速攻で凍結させねえのはなんでだ?」

「化太郎は基本的に…というか、俺と露伊戸相手にする時以外は相手の初撃を受けてからの反撃…カウンター戦法だ。」

「カウンター!?そんなイメージ全然ないぞ!!」

「…あの、私の時はカウンターも何も無かったような気がするのですか…。」

「確かに普通思うようなカウンターじゃねえだろうが、あれも厳密にはカウンターの一種だ。八百万が試合前から無駄に力入ってたから、開始直後の相手の行動見越しての先の先を取ったに過ぎない。」「無駄に…。」

「…なんでカウンター戦法なんだ?あいつの個性…実力なら先手取っても勝てるだろ?」

「…ああ、確かに勝てるだろうな。その代わり、それには常に重大なリスクが伴う。」

「…重大な…リスク…?」「ああ。」

 

 

「相手を誤って死に至らしめるというリスクをな。」

 

 

 

「どうした?来ないのか?」

「慌てなさんなって。せっかちな男は嫌われるよ?」

「(…遊戯の言った通り…。流石に長年親友やってただけはある。)」

 

(『いいか、化太郎と戦う時は先手を譲れ。試合を有利に運びたかったらな…。』)

 

「(カウンター戦法で相手に出来るだけ無駄なダメージを与えずに勝ちたい…か。なるほど、簡単にオーバーキル出来る個性を持ってるからこそだな。)」

「『キャプチャーアンカー』!!」

「(やはり、先ほどまでの試合と比べると技のキレも殺傷力も桁違いに低い。)」

 

 

 

「相手を誤って死に至らしめる…?」

「つまり間違って殺しちゃうってことなの?」

「ああ、戦い慣れてる相手だったらともかく、実力を知らない…初めて戦うような相手ならなおさら顕著だ。」

「…でもよ、殺生石の観察力と予測力は凄いんだろ?なら相手に勝てる程度のギリギリを調整して…。」

「無理だ。少なくともそんな器用な事が出来る個性じゃない。」

「…え?だってアイツは自他ともに認める、何でもできる個性だろ?」

「確かに何でもできる個性だ。だがそれと器用であることは関係ない。むしろアイツはクラスで誰よりも不器用だぞ。」

「…嘘だぁ。だってお前、あんな滅茶苦茶な試合してたくせに五体満足じゃねえか…。」

「当たり前だ。俺と化太郎が今まで何度戦闘訓練したと思ってんだ。お互い、『この程度だったらギリギリ死なない』程度のラインぐらい把握してる。」

「…いや、やっぱり異常じゃん…。」

「それが俺らにとっては普通の事だったんだ。お前らとの価値観の違いは大体其処に集約する。話を戻すぞ、相手が俺か露伊戸ならともかく、実際に戦うのは初めてで、情報があっても100%確信できる事じゃない限りはどうしても及び腰になっちまう。例えば、爆発しない爆弾があって、絶対爆発しないって何度聞いても、その爆弾の近くで火遊びなんてしないだろ?」

「そ、そうだね…もしかして、万が一、って思っちゃうね…。」

「じゃあその例えで言ったらお前達はいつもその爆弾の近くで火遊びしてる訳か…。」

「ああ、当然火遊びだから怪我するのは当たり前だし、経験から爆発しないってのも十分理解してる。……爆発し掛けたことは何度かあるけど。」

「オイ!!」

「大丈夫だ、お互い死に掛けたり殺しかけたりしたくらいで、結局今ピンピンしてるだろ。」

「いやいやいや!全然大丈夫な要素無いんだけど!!」

「死に掛けたりって…具体的にどうなったのさ…。」

「あ?俺は精々片腕落ちたくらいだけど「片腕落ちた!!?」

「はあああ!!?片腕って…!?お前大丈夫なのかよ!!」

「何が言いたいんだか分かんねえが…俺が今片腕落ちたって言って初めて腕の心配するくらいなんだから一切問題ねえって分かんねえか?」

「あ、それもそっ…いやいや!納得しかけた!あぶねえ!!」

「お前感覚麻痺してるかもだから言うけど、普通片腕落ちたら一生モンの大事件だぞ!!」

「いや…完治してるし…。」

「そういう問題じゃねえ…あれ?そういう問題か?」

「上鳴!!目を覚ませ!!お前も感覚おかしくなってんぞ!!」

 

「(…これ化太郎は首がもげたって言ったらもっと収拾つかなくなるよな…。)」

「遊戯ちゃん?」

「なんでもねえよ。話を戻すぞ、化太郎がいつもカウンター戦法なのは相手に必要以上のダメージを与えないためだ。じゃあカウンターが出来なかったら?勝つには相手を攻撃しなきゃいけない。だが下手な攻撃だと相手が死ぬかも…そんな風に考えた化太郎のとった行動は…。」

「相手を拘束…。」

「あの碇…キャプテンアンカーだ!凄い再現度…!」

「そうだ。緑谷の言う通り凄い再現度だ。じゃあその再現度の基盤はなんだ?」

「再現度の…基盤?」

「当然……イメージなのだろう?」

 

 

「そうだな、イメージだ。…じゃあ、イメージってなんだ?」

 

 

 

「どうした?その程度の攻撃なんて避けるまでもない。」パキ

「…くぅ…言ってくれるね…。じゃあ今度はこういうので行ってみよっか!?でやああ!!」パチッ

「…それは雷光竹刀…『バンブシドー』か…。」

「そうだ!当たればずっと痛いぞ!!」

「そうだな。当たれば痛い。だが所詮……竹刀だ。」ボォォ!

「!あっつ!」

「俺が(こっち)も使う事を忘れたのか?」

「…ぐぬぬ。助言受けてるくせに生意気な…。」

「そうだな、そろそろ攻めさせてもらうぞ。」

 

 

 

「イメージってなんだ…って言われてもな…。」

「じゃあこう聞こうか?切島、確かお前の理想のヒーローは紅 頼雄斗(クリムゾンライオット)だったな?」

「え、ああ。俺の理想で、目標だ。」

「じゃあその理想にどうやって近づく?」

「どうやって?そりゃあまず喧嘩で負けない身体作りをして…「それがイメージじゃないのか?」

「それ…?」

「喧嘩で負けない身体作り…じゃあどこを鍛えれば喧嘩で負けないんだ?そもそも喧嘩の負けってなんだ?まず喧嘩ってなんだ?」

「いや、そんな哲学じみたこと言われてもだな…。」

「いいか?イメージってのは、その物事を深く知ることであり、深く考えることなんだよ。」

「深く知り…」「深く考える…?」

「イメージトレーニング…なんて言葉もあるな。実際に起きたこと、或いは起きないまでも想定して、自分はどうするかってのを考えるトレーニングだ。」

「…??」

「じゃあもっと身近な事で例えるか。例えば友達の誕生日を祝うためにプレゼントを買おうとするだろう。それで、実際に買う前に友達がこのプレゼントを貰った時のリアクションを考えるだろ?それもイメージだ。」

「…なんとなく分かったような。」

「だが、仮に知らない相手にプレゼントした時のリアクションは考えられるか?」

「…いや、知らない相手のリアクションとか無理だろ。」

「そうだな、無理だ。だからこそイメージするためには知る必要があるのさ。将来自分がどうなるかイメージしろ、なんて中学で誰もがやった事だろ。だがイメージできても、精々が会社で働いている、結婚する、凄いヒーローになってる、とかだろ。それは結局将来なんて知らないからその程度のイメージしか出来ねえんだ。」

「ああ、言いたいことは分かった。だが分からねえ、殺生石との話が繋がらねえんだけど。」

「…じゃあ、オールマイト、イメージできるか?出来るだろう?いつも授業の時見てるんだから。」

「オールマイトのイメージ?むしろ出来ない人の方がおかしくない?」

「まあ聞け。とにかくオールマイトをイメージしてみろ。イメージしたオールマイト…その目元のシワは何mmだ?」

「…え?」

「…いや…分からねえ…。」

「可笑しいな、いつも見慣れてるはずなのに何で分からない?」

「いやいや、むしろ分かる方が少数でしょ!?」

「…さて、化太郎の個性はイメージした其の物になる。化太郎が変身したオールマイトは爆豪との試合で見ただろ?違和感あったか?」

「…いや、いやいや。まさかそんな訳…。」

「爆豪、実際に対峙したお前に聞きたいんだが、化太郎が変身したオールマイトはどうだった?」

 

 

「…本物と見間違えたっ!!これで満足かクソが!!」

 

 

 

パキ

「攻めるって言った割には消極的過ぎやしませんかねぇ!?」

「だが攻めあぐねてるだろ?」「うぐぅ」

パキ

「ぐ…ぬぬぬ…!『スライムモード』!!」

「なら(こっち)だ。」ゴォ!

「熱っちぃ!!溶けるぅ!!」

「じゃあ固まらせてやるよ。」パキ

「ギャー!冷たい!凍てつく!凍えるぅ!!」

「…(効いてる気がしないんだが…これでいいんだよな安藤…。)」

 

 

 

「…見間違えた…?あんな近くで見たのに…?」

「そうだっつってんだろボケが!!」

「…そういえば…殺生石に一番最初に会った時はめだかちゃんだったな…。」

「ああ…確かにまるで漫画から本当に出てきたかと思っちまった。」

「何度も言うが、化太郎の個性はイメージした物そっくりそのままに変身する個性だ。めだかちゃんで言うなら身長体重のみならず、歩き方や風に靡く髪の質量までイメージしなければどうしても違和感が出る。だがお前ら、化太郎が変身した姿を見て違和感を感じたことあるか?」

「…違和感っていうなら、空想の世界の物がリアルに出てきて違和感を覚えたことはあるけど…。」

「なんというか…重厚感?っていうのかな。そういうのがリアルで、偽物とは思わなかった…。」

「そうだな。化太郎は細かい所まで凝ってるから全くリアルに見える、…今は、な。昔は酷いもんだったぜ。……オールマイト以外。」

「つまり…殺生石の本当に凄い所は…そのイメージ力って事か…!」

「そうだな。B組の…物間って言ったか?アイツと比較すれば実に分かり易い。アイツの個性は人の個性をコピーする物だったが、個性の習熟度とも言える物まではコピーできないみたいだった。あいつが使ってた化太郎の個性の完成度を見れば一目瞭然だった。」

「…確かに、騎馬戦の時はなんでもできるって厄介だって思ったけど、今改めて思えば大雑把だった…。」

「…つまり、化太郎くんの個性が凄いって事じゃなくて、本当に凄いのはその個性を使いこなす化太郎くんのケタ外れのイメージ力…!」

「…まあ、そうなんだか。どうもまた勘違いしてるみたいだなお前ら。さっきも言っただろ?」

「…え?ここまで話しておいてまだ勘違いがあるの?」

 

 

「化太郎の個性は他の個性と比べてちょっと違うだけで『一切特別ではない』って事だ。」

 

 

 

「もう怒ったぞ!!泣いて詫びても許さん!!」

「元々許して貰おうとも思って無い。」パキ

「むきょぉぉぉ!!ムカ着火ファイヤーも辞さない!!」

「…(これ本当に効いてるんだよな…)」

 

(『轟、化太郎ノ相手ヲスルノナラ覚エテオケ。奴ニ冷静ナ判断ヲサセルト勝テル者ハコノ世ニ片手デ数エルホドシカ居ナイ…。ナラバ冷静ナ判断ヲサセナケレバイイ。口撃トチマチマ削ルノガオススメダ。』)

 

「(今更だがあいつ等本当に殺生石の友達なのか…?)」

「君がッ!泣くまでッ!腹パンをッ!止めない!!」

「腹狙いか。」パキ

「ああああああもおおおおお氷の盾とかざっけんなゴラァアアアア!!」

 

 

 

「特別ではないって…」

「イメージ次第でなんにでもなれる。なるほど、聞いただけなら凄い個性だ。だが本当にそうだろうか?」

「…?どういう事だよ。」

「常闇、お前の個性、強力だよな。身体とは別にモンスターが自立行動するんだ。単純に見れば常にツーマンセル組んでる訳だ。」

「…何が言いたい。」

「お前の個性、本当に出来る事はそれだけなのか?他の運用方法を模索したか?自分のレベルMAXをイメージしたことあるか?」

「…!!」

「上鳴、お前の個性、戦闘で運用するとき指向性が必要って考えなかったか?電気を帯びるだけじゃなく他の用途を考えなかったか?最小限の電気量で最大限の効果を出す方法を模索したか?」

「切島、お前の個性、硬度の限界を確認したか?硬度って単純に言ったが硬さにもいろいろ種類があるのを知ってるか?自分の出来ることと出来ない事を考えたか?」

「緑谷、お前の個性、自分の身体をぶっ壊さない運用法を考えたか?一撃に掛けるんじゃなくコンスタントにダメージを与える方法を考えたことあるか?お前が出来る事は本当にそれだけなのか?」

 

 

「化太郎にあってお前達に圧倒的に足りないモノ。それは『最強の自分からの逆算』。」

 

 

 

「(氷がウザい!炎もウザい!ならば…)一切合切関係なくなればいい!!

 『マイナスケルビン!アブソリュートフリィィィィズ』!!!」

ブァァ!!

パキパキパキパキ

「!!?」

「絶対零度の永久凍土!お前に攻略できるか!?」

「くそっ!」ボォォ

「無駄無駄ぁ!その程度のボヤなんぞ海に燃えたマッチ棒投げ込むようなもん熱っつい!!」

 

 

 

「…最強の自分からの…」「逆算…?」

「そうだ。まさかお前ら、漠然と来年になったら更に強くなってる!だなんて考えてねえよな。」

「…。」

「強く『なる』じゃねえ、強く『なってる』だ。ホントにわかってるのか?」

「……」

「化太郎は最強の自分ってのを考えて、今の自分には何が足りないか、足りないならどうすればいいのか、それを一生懸命考えた。考えて行動に移した。行動に移して、鍛えて、鍛えて、鍛え続けた。その結果が今の化太郎だ。」

「……」

「ただ漠然と鍛えてるから強くなってる。授業しっかり受けてるから強くなってる。…そんな考えをしてる奴が言うんだ。『このチート野郎』」

「っ…!!」

「…なあ、化太郎はさ。あんだけ強くなってんだよ。でもまだ最強の自分に届いてないって言って、今でも滅茶苦茶に鍛錬を頑張ってんだよ。」

 

 

「蔑むんじゃなくて、もっと別の方法があるはずだろ…?」

 

 

 

「マッチ棒でも何とか出来そうな海だな…!」

「う、にゅあああああああ!!激おこスティックファイナリアリティプンプンドリームゥ!!!」

「(…だが俺がピンチなのに変わりねえ…。まさかこんな手で俺の()が封じられるとはな。)」

「泣いてもボコボコにしてやる!『双子の悪魔(ジェミネーション)』!!」

「増えた…!?くっ!」ボォッ!

「「耐熱仕様だバーカ!!」」

 

 

 

「…」「…」「…」

「…悪い。説教なんてするつもりなかったんだが…熱くなった。」

「いいのよ遊戯ちゃん。友達の為に熱くなるのは。」

「…だが…「それに、謝るのは遊戯じゃねえ。俺たちの方だ…。」

「…何やってんだろうな俺。憧れの雄英に入学出来て浮かれてた…。」

「…俺だってそうだ。先生たちも何度も言ってたのに、理解した『つもり』になってたんだ。」

「…ゴメン、遊戯。嫌な役させちゃったね…。殺生石にも謝んないと…しっかり。」

「…揃ってそんな深刻そうな顔するなよ…なんも言えなくなるじゃねえか…。」

「僕も同罪だ…化太郎くんの事全然理解してなかった…。」

 

 

 

「ああもう邪魔だ私!そっち行けよ私!!」「ざけんな私が邪魔なんだよ私が行けよ!」

「わっバカ押すんじゃない滑るだろ私!!」「だから邪魔だって言ってんだろもう離れろ私!!」

「……」「……」

 

「「 おおっと手が滑ったぁ! 」」ゴッゴッ「「痛いっ!」」

 

「…(おかしいな、ピンチだと思ったんだがいつの間にコント見る羽目になったんだ?)」

 

 

 

「「「「「 …… 」」」」」

 

「なんでこっちシリアスしてんのにあっちはギャグやってんだ?」

「しかも割と古典的なギャグだな。」

「見てるとイライラしてくんだけど。」

「あ、奇遇だね。私もそう思う。」

「緑谷、100%スマッシュ打っていいぞ。」

「うん。ってこの腕で打たせるつもり!?」

 

 

 

「大体なんだよこの足場!つるつる滑って戦いにくいんだよ!」プンスコ

「溶かせ溶かせ!こんなんならない方がマシだ!」プンスコ

 

「「 『劫火マントル!ギガブレェェェェイズ』!!! 」」

ゴォォォ!!

シュゥゥゥ…

「溶けた!全く誰だよこんなカッチンコッチンに凍らした奴!」

「私だよ!」

「お前か!なにやってんだ私!」

 

「「…ん?」」

 

「本当に何がしたいんだお前。」パキ

パキパキ

「ギャー!捕まったァ!!」「わ、私ー!!」

「…暑い。(永久凍土の次は灼熱地獄…()を使うと火傷を負うな…。ふざけてるが本当になんでもありなんだな。)」

「ザマアwww」「テメエ!!」

「(…本気なのか?ふざけてるのか?)」

 

 

 

「うん…悪い事しちゃったから謝んないとね…でもその後で全力で殴っていいよね…。」

「いや、もうこれ先に殴ってもいいレベルじゃね?」

「…よせ、殴ったら(ヴィラン)同然だ……ここは蹴りにしよう。」

「……いや、蹴りでも……ダメ…なんじゃない…かな…」

 

 

 

「…なんにせよ勝負を決める…!」パキ

「あ痛っ!氷が足に刺さった!?」「ザマアwww」

「…ふっ!」ドッ

「ぐっ!殴ったな!融剛とロイコちゃんくらいにしか殴られた事無いのに!」シュッ

「遅い!」ガッゴッ

「ギャン!ちょ、タンマ!足に氷突き刺さってるから抜かせて!!」

「またねえよ!」

 

「だから待てって…」    「言ってるでしょうが!」ガシッ「!?いつの間に、放せ…!」

 

「おいおい、あの程度の氷なんてすり抜ける事、いと容易し!」ガッチリホールド

「さぁて、今度はこっちの番だ!漏らすまで腹パンしてやんよ!!」ヒュッ!

「っクソ!」バッ!

「えっ」「あっ」ドッ「ごぅ!」

 

「…」「…ごめん私。」

 

 

「もうやだ!増えると碌なことない!!」「悪かったよぅ…」すぅ…

 

 

『お願いだから真面目にやって!!』「いや(おせ)ぇよ。」

 

 

「もう完全に超新星・ムカおこエンドオブエンシェントジェノサイドブレイバァァァ…」

「もはや意味が解んねえよ。」パキ

「『ゴーストリックモード』!!」スカッ

「…っ通り抜けた…。」

「いまからやるのは試合じゃねえ!虐殺よ!『ソウル・シェイカー』!!」ズゥゥン!!

「!?ぐぅっ!!」

「こうげきの しょうたいが つかめない!って奴だ!『ソウル・シェイカー』!!」ズゥゥン!!

「!!ぐっ!(なんだこの攻撃…!?何も見えねえ、感じられねえ、なのにダメージが来る!)」

「もういっちょ!『ソウル・シェイカー』!!「くっ!」パキパキ

 

「…?(つい氷で防いじまったが…ダメージが来ない…?)」

 

 

 

「…なるほど、初見殺し。」

「…え、流石に殺生石殺すのは拙いでしょ。半殺しくらいで。」「そういう意味じゃねえよ。」

「半殺しは良いとして…化太郎くんの攻撃の事かな…?」「良いのか半殺し?!」

 

「…ああ、あれはたぶん耳郎の爆音ハートビートと原理は似てる。より重低音で、集中させてな。」

「ウチの…?」

「音ってのは空気の振動だ。化太郎のゴーストリックモードは普通物理的な影響をお互い与えられないが、いくつか例外がある。」

「そっか、光と音!」

「光の影響がなければ化太郎は完全に見えなくなる。音の影響がなければ化太郎の声も聞こえるはずがない。化太郎は重低音を放射したんだ。轟がいる位置に集中するようにな。」

「…要するにでっかい太鼓を強く叩いた時、腹らへんがビリビリってくるのを滅茶苦茶強くしたみたいな?」

「おお、上鳴にしては良い例えじゃねえか。」

「分かり易いじゃん、上鳴にしては。」

「上鳴にしては上出来じゃね?」

「お前ら…俺のメンタル豆腐並なんだから言葉に気を付けろ…。」

「そして、たまたま轟は氷で防いだ。音は当然氷に阻まれて轟に影響を与えなかったって訳だ。」

「…というかなんでさっきから殺生石はまともな攻撃してないの?」

「あー……まあ、その…なんだ?」

「…?どうしたの?そんな急に言いよどんで…。」

「…化太郎はな、全力が出せれば滅茶苦茶強いんだよ………全力が出せれば…。」

「……つまり?」

 

 

 

「むきゃーっ!!いい加減にしろ轟!!とっとと負けろ!」

「負けるのはお前だ。」ボォッ!

「熱ぅい!燃焼系男子になるぅ!!」

「(()側だからってのもあるが…殺生石の場合加減が特に難しいな…。下手打って致命傷負わせる訳にはいけねぇし。…というか抵抗らしい抵抗しねえな…。)」

 

 

 

「…ほら、化太郎の個性ってイメージ次第じゃん…?ブチギレると頭がカッと沸騰してマトモな状況判断も出来なくなるんだよ…。」

「…ああ、そういう…。」

「自分の身体を動かすのにすらイメージ作んなきゃダメなのか…?」

「ああ…マトモだったら機械並に正確な動き出来るんだけどな?マトモなら…。」

「…もうなんだかいろんな事が1日で起きすぎてダルい…。」

「…ねぇ、今の化太郎くんの『最強からの逆算』ってのは…。」

「…『常に冷静な思考を保つ』…。」

「…」「…」「…」

「…アイツも…頑張ってるんだよ…本当に…。」

 

 

 

 

 

     ⌒  ヽ ほ  (⌒,

    、⌒ (  ほ  く    ⌒)

 (     く    ( )   )

   (    _,,.._,.-ー、,、_  '

     /      ^ ゙ヽ、

    /    ¸' 3      `ヽーっ

   ,i        ⊃     ⌒_つ

    |            ...::i/

   ,ヽ、        _::::;;イ

    ゙̄`ー-......,,,,,::-''''",/

 

 

 

 

 

 

「「「「「「 蒸 さ れ て る !? 」」」」」」

 

「…え…と、殺生石くん?戦闘不能…。よって…轟くんの勝ち…。」

 

 

 

『…あー…。えー?以上ですべての競技が終了…。今年度雄英体育祭1年優勝はA組轟焦凍…。』

 

 

 

「締まんねぇ…。」

 

 

 






えー、なんというかほんと、すみませんでしたァァァァァ!!!
だって!作者の中のギャグ成分が噴出しちゃったんですもん!!
もうあれだよね!完全にシリアス書くと拒絶反応出るんですよね!!
じゃあ何で中途半端にシリアス入れるの死ぬの?って話ですが



入れたいから入れたんじゃ。


・化太郎くんのお考え講座

八百万戦 コンディション:気乗りしない。
「私を全力で倒す…ねぇ、つまり私を倒すだけの策を練ってるって訳か。でも見たところ随分力入ってるなぁ…。これは初っ端からいきなり動くつもりだな。でも体に無駄な力が入ってるから動き出しは遅いハズ…。ここは融剛にならって私も『見せ札』切ってみるか。」

芦戸戦 コンディション:テンション下がるわぁ…。
「負けないよ…か。モモつんと違ってあんま作戦らしい作戦は練ってないみたいだな。ここは一回相手の行動を見てから判断しよう。……ん、私の『見せ札』を警戒しての酸だばぁか。遠距離戦狙いかな?じゃあ…遠距離でも対応できるってとこ見せておきましょう。
あっ……ごめんなさいミッドナイト、セメントス…。」

爆豪戦 コンディション:楽しみ!!
「爆豪が相手か!いやぁ一度ガチで戦ってみたかったんだよね。なんせ昔虐められてた借りがあるから…まあ相手は覚えちゃいないみたいだけど。…おやおやぁ?戦う前から汗だくじゃないか。つまり開幕ブッパですね分かります。ふむ…ちょっと挑発してみよう、きっと必殺技を見せてくれるだろう。…ひょー!こりゃ高威力な技だ!!…あ、いいこと考えた。爆豪に勝つ、ついでに他の試合を有利に進めさせてもらおうかな!
楽しい!楽しい!!爆豪お前タフネスの塊かよぉ!!次はこうだ!超えてきたか!じゃぁこれならどうだ!?じゃあこれは!?凄い!!惚れてまうやろ!!
……あ?なんだよこのコール。……ムカツク。イライラする。……。」

爆豪戦→融剛戦 コンディション:……。
「…………(クソが)。」

融剛戦 コンディション:どうでもいいや。
「………。すっごいイライラしてるから圧倒的にボコらせてね。…あは、やっぱり融剛と戦うのは楽しいなぁ、イライラする、ムカムカする。でもどうでもいいや。今だ。今だけ。あとはどうでも良いや。今を楽しもう。
……ぁ、あぁ、やっぱ、ヒーローっていいなぁ。」

轟戦 コンディション:小腹空いてる。
「炎と氷が備わり最強に見える轟君を倒したい…と思ったけど、心配なさそうだね。…融剛のヤロー、轟君に助言したなぁ…。ああもう!このちまちました攻撃!生意気な口撃!お前ロイコからも助言受けたな!!ムキー!!激おこプンプン丸、ムカ着火ファイヤーも辞さない!…いやまてまて、冷静になれ私、ひっひっふー。まずは相手の攻撃手段を断つ、氷を使う度体温が低下してるのは知ってるんだぞ熱っつい!うにゃあああああああ!!
あああっつい!あつぅい!焼ける!焼けるぅ!こんがり焼けるぅ!

蒸された。」

ちなみにイライラ・ムカムカと激おこプンプン丸は明確に違う感情です。

次回、表彰式と休校日書きます。それで体育祭編は終了。

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