なんにでも変身できるヒーロー志望ですが何か   作:輝く羊モドキ

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嘘の災害や事故ルーム編始まりマース。


戦陣
悪意と劣情


今日のヒーロー基礎学は人命救助(レスキュー)訓練だ!

 

融剛ン家で色々なヒーロー訓練はしてきたけど人命救助(レスキュー)訓練はあまり出来なかったな。

 

まあ流石に家の中に災害や事故を再現するって言っても限度があるし仕方ない。

 

つまりは人命救助(レスキュー)訓練の経験値は私も融剛も皆とあんまり変わらないって訳だ。

 

話によれば雄英の人命救助(レスキュー)訓練は大規模な災害でも再現できるって聞いたし、本腰を入れて学ばなければ。

 

『バスの席順でスムーズに行くよう番号順に二列で並ぼう!』

「飯田君フルスロットル……!」

「はしゃいでるだけじゃねえの?」

 

 

 ◇

 

 

『こういうタイプだったくそう!!!』

「イミなかったなー。」

「想定外こそ人生よ、メガネ君。」

 

そう、想定外こそ人生。私が爆豪の隣に座らされてるのも人生って訳なのよ。

 

「…」「…ッチ!」

 

滅茶苦茶睨まれてまーす。なんだよ、そんなに気に食わないのかよ、自分より強い奴がいることが。

 

「あなたの個性オールマイトに似てる。」「!!!」

 

そういえばそうだね。単純なパワーの増強。単純すぎるが故に似たような個性も多いけどオールマイトと出久君のは桁が違うからなー。

 

…出久君の個性のデメリットさえなければオールマイト並なんじゃね?

 

「(個性が発現したての子供みたい…か。なるほど言い得て妙。)」

 

融剛がエロい事考えてる時と同じ顔してる。「(急に化太郎を殴りたくなったぜ。)」

殺意?!

 

「しかし増強型のシンプルな個性はいいな!派手で出来ることが多い!俺の硬化は対人じゃあ強えけどいかんせん地味なんだよなー。」

「そうかしら?対人にも限らず事故現場や災害現場の二次災害からも身を守れるって結構凄い事だと思うし、殴り合いはいつの時代でも根強い人気があるわよ?」

「僕もすごくかっこいいと思うよ!プロにも十分通用する個性だよ。」

 

口には出さないけど、対人に強いって言ってもわりかしどうにでも出来る個性なんだよね。

 

例えば投げ技主体で戦うとか、そういえば『盾壊し』なんて技があったなぁ。体が岩とかで出来てる異形型相手でも殴り勝つ技が。

 

もやんと考えてたら話は変わっていた。

 

「派手で強えっつったらやっぱ轟と爆豪だな。」「ケッ」

 

確かに身体が氷結しちゃったら対処方法が限られてくるし(出来ないとは言ってない)爆発もあれ連発できる上に長期戦になると威力も上がってくるみたいだし…まあ、ド派手だね。でも派手さなら私も負けてないと思うんだけど。

 

あと図星だからって急に横で叫ぶんじゃねえようるせえなクソ下水煮込み。そんなんだから人気でなさそうなんだろうが。

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名も……USJ(嘘の災害や事故ルーム)!!

((( USJだった!! )))

 

私は夢の国派ですわ。どっちも行った事無いけど。

 

訓練が始まる前にスペースヒーロー『13号』からのお小言を頂いた。

 

実に教師として模範的なお話だった。やっぱり本物のヒーローはかっこいいなぁ(相澤先生から目をそらしながら)。

 

瞬間

 

全身の皮膚が泡立つように感じた。

 

「一かたまりになって動くな!!13号!!生徒を守れ!!」

 

あれは

 

「何だアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってるパターン?」

「呑気か!あれは…(ヴィラン)だ!!!!」

(ヴィラン)ンン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」

 

確かにそうだけど、わざわざ捕まるためにここに来るわけはない。何か目的があってここに来たんだろう。そしてヒーローの学校に入り込んでくるんだ。相応の戦力があるって認識で間違いはない。

 

「化太郎!やばそうなヤツは?!」

「今見る!ミコミコサーチ!!」

「うわぁ!霊夢だ!ワキミコだ!」「ちょっと黙ってて。」

 

説明しよう!ミコミコサーチとは素敵な巫女の勘で強いか弱いかを判断するのだ!

 

「ヤバイのは3人!手男と脳みそ丸出しと黒モヤモヤ!それ以外の奴を比べてレベルの桁が違う!」

「そうか!分かった!」

「それとここから見えないけどこの施設全体にいる気がする!流石に強さは分かんない!」

「全体に…?何で戦力を散らしてるんだ?まあいい。今は皆の安全優先で…」

「「 全力を出す! 」」

「『フュージョンアーツ』!!」

「『メタモルコマンド』!!」

 

久々の全力戦闘か。この掛け声もいつ以来だ?

 

状況把握終了。と同時に相澤先生が一人飛び出していった。

 

多対一。明らかに不利なのに関係ないと言わんばかりの戦闘を魅せてくれる。

 

……でもきっとあれじゃあ長くはもたない。先生はドライアイなんだから本領はきっと奇襲からの捕縛。持久戦は向いていないはず。

 

先に皆の避難を終えてからすぐに助太刀します!先生!!

 

 

 

と、思ったのもつかの間。

 

黒いモヤモヤ野郎が目の前に現れた。

 

「初めまして。我々は…敵連合(ヴィランれんごう)。せんえつながら…この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせていただいたのは

 

  平和の象徴 オールマイトに

     息絶えて頂きたいと思っての事でして」

 

そうかい

 

「打ち込み!パァーイルバンカァー!!!」目的は聞いたからとりあえずボコる!

「ッ!」スカッ

 

攻撃が黒モヤモヤを通り過ぎていく。どうやらコイツは私の『ゴーストリックモード』と似たような物理無効持ちらしいが…だとしたら融剛!

 

「危ない危ない……おや、その仮面は…」

「『フュージョンキャプチャー』」

「…?何を」「『融合拳』!!」ドゴォ!「グウゥ!」

「決まったぁ!無遠慮情け無用の融合拳が顔面にぃ!」

「おっしゃ!コイツどうやら化太郎と同じ弱点を持ってるようだな!『融合(オレ)に弱い!』

「ちょっと!なんか不名誉なんですけど!13号先生!早く皆を連れて避難を!」

「!?君たちも逃げなさい!」

「それは出来ねえ!コイツは相澤先生の一瞬の隙をついてここまで飛んできた!足止め出来る奴がいないとすぐに追いつかれちまう!」

「ソレを君たちがやる必要はないんだ!」

「違うね!私達だからこそ適任なんです!融剛はこの黒モヤモヤ野郎に効果的なダメージを与えられる!私は逃げるときのアシになれる!」

「男らしいじゃねえか殺生石!遊戯!俺等も助太刀するぜ!」

「馬鹿野郎!すぐに逃げろって「顔を殴られた(・・・・・・)のは」ッ!」ゾワッ

 

「いつ以来ですかねえ…!」ユラリ

 

「融剛の『融合拳』食らってすぐに立ち上がるなんて…!物理無効属性の癖に打たれ強いなんてズルっ!」

「言ってる場合ですか!」

 

「その仮面…そしてその顔…『彼女たち』の目的が一かたまりになっているとは都合がいい…。それに優秀な金の卵たちもいるのなら」

 

  散らして

 

「!?マズい!皆逃げろぉ!」

 

   嬲り

 

「!化太郎!」 「融剛!!」

 

    殺す

 

「 皆!! 」

 

 

 ◇

 

 

~火災ゾーン~

 

ズズ…

 

ズ…

 

「!?うおおおお熱いいいいぃ!!」

 

首から着地。でも大丈夫、だって今の私はスライムだもん。

 

「あつつつつつ!と、溶けるぅ!」

 

既に溶けてるだろとか言わない。

 

しかし火災ゾーンかここは。うーんマズい。私は熱に弱いのだ。

 

いつもの全力戦闘スタイルはスライムボディからの奇天烈な動きを起点としてるのだけどこの熱量の中だと自分の身体を維持するだけでエネルギーが奪われていく。

 

仕方がないのでスライムから人型モードへ変質。いわゆる省エネモードだ。

 

辺りをざっと見まわしてみるが誰もいない。黒モヤモヤ野郎の個性のせいか皆とはぐれてしまったようだ。

 

…黒モヤモヤはどうやら私と融剛が狙いのようだった。他の皆はついでに狙われた感じだろうか?

 

つまり私がここに飛ばされたのは偶々ではなく目的あっての事か。

 

ここから一気に去るべきか…それとも罠だとわかった上で罠を踏みつぶしていくか…

 

 

「クチチ。やっと来たようだナ。」

 

…?なんだアレは…鼠…?

 

「クチ。お前個人に恨みは無いが、お前を殺せば会長が夜の相手をシてくれるんでナ。そういうわけでさっさと死にナ!」

「なんだかよく分からんが…たかが喋る鼠一匹で私を殺せると思ってるのか?」

「クチチチチ!一匹じゃねえんだナ!」

 

…?!なんだ!?鼠野郎の身体が膨張してく…!

 

「クチ!クチ!クチチ!さあさあでませい火ネズミ共よ!全てを喰らい、蹂躙するのだ!」

 

バァン!

 

鼠野郎の身体が弾けた!同時に中から燃え盛るネズミの大群が飛び出してきた!

 

「クチチチチ!改めまして、俺の名は『万軍火鼠(ばんぐんかそ)』!お前等!奴を骨まで齧りつくしてしまいナ!」

「万軍?随分大層な名前じゃないか。例え燃えてようが数えるのが面倒なほどいようが所詮ネズミだったって事を思い知らせてやる!」

 

ネズミ…会長……コイツはまさか経立会…か?…敵連合(ヴィランれんごう)の一員として組み込まれたかもしくは協力者的な立場か…まあともかく今は目の前のこいつ等を片っ端からぶっ潰していくか!

 

「万対一だ!お前に勝ち目なんて無いんだナ!」

「ネズミ風情がいくらいようと私に傷一つつけられはしない!」

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

~???~

 

ズズ…

 

ズ…

 

「!? うわっ!」ドサッ

 

 痛てて、尻が…。ここは何処だ?他の皆は居ないのか?…居ないみたいだ。

 あのモヤモヤ男はどうも俺と化太郎を狙ってたっぽいな。つまり俺、化太郎、皆で分断されてる可能性がある。……(ヴィラン)に襲撃を受けてるこの現状において単独行動は非常に危険か。化太郎か他の皆に合流する必要があるな。

 …化太郎はまぁ、派手な事やってくれるだろうし探す必要はないか。問題は他の皆か…無事だといいんだが。

 

「くはァ。久しぶりだなァゆうごうクン?」

「っ!?」

 

 コイツいつの間にっ!さっきは居なかったはず!

 

「誰だアンタは。生憎とあんたみたいな可愛い子は出会ったら忘れないと思うんだけどね。」

「っ!!くはァ♥可愛いィなんていってくれるたァ自分を磨いた甲斐があるじゃァねえかァ♥相変わらずお腹の奥にキュンキュンクるオスだなァ♥」

「?!…その気持ち悪い言い回し…お前は何時ぞやの…!」

「っくははははァ!ゆうごうクンが分からなかったのも無理はないなァ♥最後に会った時は長かった全身の毛を整えたんだァ♥ゆうごうクンはこういうのはスキィ?」

「っ!吐き気を催すキモさだな!」

「あはァ照れちゃってェ♥そういう所もイイなァ♥滅茶苦茶に犯したいなァ!!」バッ!

「?!うぐっ!」

 タックル!?速、やばっマウントポジションとられ…

「くははァ♥」ゴソゴソ

「…て何やってんだよ!」俺のコスチュームを脱がそうとするな!

「何ってェ…ナニ?」スリスリ

「!離れろ!っくそ!」擦り付けるな!

「くはァ、安心しろォ。オスはハジメテでも痛くはないらしいからよォ♥」ヌギヌギ

「やめろ馬鹿!クソが!」服を脱ぐな!!

「大丈夫だってェ、僕もハジメテなんだからお相子だろォ?」

「どこが大丈夫なんだよ!」

 グラウンドフュージョン!地面に潜り逃走する。それでここは何処なんだ?……USJ(嘘の災害や事故ルーム)の何処かか?とりあえず周りにはあの変態しか居ないみたいだ。いつまでも地面に潜っている訳にもいかない…とりあえず広場に向かうべきか?

 俺はとりあえず変態から離れ、広場が有りそうな方角へ向かうのだった。

「あァ、ユウゴウくんどこォ?」

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

~元・火災ゾーン~

 

 

 ド ゴ オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ン

 

 

「………なんだよ、なんなんだよ。なんなんだよおまえはあああああああ!」

「…何って…今の私はそうだな…通称

                       巨匠だ。」

 

「ふざ…ふざけんナッ!こんな…こんなバカげたことがある訳…有り得ない…!」

「へいへい、キャラブレまくってるぜネズミパイセン。一撃で全体の5分の1くらい消し飛ばしただけじゃねえか。」

「嘘だ…嘘だこんナ…会長だって…お前ならできるって…こんな…馬鹿ナ…。」

「おい、どうした?万軍火鼠さんよ。ご自慢の軍隊があと2000匹もいるじゃないか。腰を抜かしてる場合じゃないだろう?」

「!来るな!お前等!奴を殺せ!ころせええええええ!」

 

ドドドドドドドドドド

 

「……大改造…

 

   『 悲劇的ビフォーアフター(匠の粋な計らい)!! 』

 

 ド ゴ オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ン

 

 

なんということをしてくれたのでしょう。燃え盛る建物でいっぱいだった火災ゾーンが、巨匠の手腕により風通しの良い広場になったじゃありませんか。

 

 

 

 

 

や ら か し た 。

 

 

 

 

 

マズい拙いですよこれは。いくらヴィラン確保のためとはいえ辺り一帯を吹き飛ばすとか。いやでも相手は1万もいたんだしある程度の建物への被害は仕方ないよね。そう、これは事故だったんだ。そうだ、これアイツがやった事にすればよくね?そうだよ、アイツいきなり膨張しだしたりしたから爆発することもおかしくは無い。つまりアイツがやったんだから私のせいじゃない。そう。『僕は悪くない。』

 

「というか他の皆が心配だな。私がここに飛ばされたことは作戦だとして…皆の所にもヴィランが居るんだろうな…まあ流石に自分の身くらいは守ってほしいんだけど大丈夫かなぁ?」

「ひぃ、お、お前…たす、助けて…命だけは…」

「ふぅん。あれだけ殺すだのなんだの言っておいて、自分が殺されそうになるとみっともなく命乞いかい?」

「ひぁ、お願いします。許して、許してください…」

「許して?今までそうやって命乞いしてきた人を助けてあげたことあるの?」

「っ!あります!見逃したことあります!だから命だけはお助けください!!」

「そう…」

 

 

 

「だからといって私が助けてやる義理も義務も無いわけで。それじゃあサヨナラ。」

 

「あ、あ、あああああああああアアアアアアア!!!」 プチッ

 

 

「…」

「…」

 

 

「臭っさあああああああああああああああああああ!!!!!」ビクンビクン

「命までは取らないよ。私はヒーロー志望なんだ。…まあ、ネズミ野郎はシュールストレミングを鼻に押し付ける刑で。あとは法が裁いてくれるでしょ。」

 

あ、ネズミに限らずそもそも動物って日本の法で裁けるのか?まあいいや。

 

皆も心配だけどとりあえず相澤先生が一番心配だ。とりあえず広場に向かうか。大急ぎで。

 

…ああ、でもお腹空いてヤバイかも。いや、そんな事言ってる場合か。一応まだ電池切れには遠いかな?




ヴィラン連合に経立会も合わさり最強に見える…と思いきや経立会のお目当ては主に主人公と融剛君だから他のキャラとはあまり絡まないかも。

あ、凄い今更ですけど基本的に原作沿いですのでコミック片手に読んでいただけると分かり易くなるかもです。

化太郎:火災ゾーンを更地にするも勝利。
融合:USJの外に居るが移動中。全てが片付く前に戻れるか。
旧鼠:放置プレイ!?あァでもこれはこれでいいかもォ。

『フュージョンアーツ』
もはやただ叫ぶだけの技じゃなくなった。脳と身体が一気に戦闘モードに変わるだけじゃなく手のひらから常に融合エフェクトが出て様々な技のスタンバイタイムを無くす。

『メタモルコマンド』
もはやただ叫ぶだけの技だった。でも脳と身体が一気に戦闘モードに変わり変身に掛かる時間がほぼ無くなり、今までだったら三味線で簡単に上書き出来たイメージによる変身にもある程度抵抗できるようになった。

『フュージョンキャプチャー 融合拳』
元々化太郎の『ゴーストリックモード(物理攻撃完全無効)』用に編み出した技。
フュージョンキャプチャーで実体のない物(霧、炎、ガス、霊体等)を掴むことが出来る。
融合拳はフュージョンキャプチャーで掴んだ物と一時的に融合し同質化することで接触する事を可能としている。

万軍火鼠(ばんぐんかそ)
個性を持った喋るネズミ。経立会の中でも強い方ではあったのだが相手が悪すぎた。

『巨匠』
某サンドボックスゲームのレアな敵キャラの通称。
悲劇的ビフォーアフター(匠の粋な計らい)』で辺り一帯を吹き飛ばす爆発力をお持ち。

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