創世機神デウスマキナ   作:黄金馬鹿

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対ズヴェーリ戦二回目


Chapter1.6

 朱里の寂しさを孕んだ視線を受けながらも有希は走り、数秒。ズヴェーリは夜の街でも分かりやすい青色の体をそのままに破壊を楽しんでいた。

 させるか。これ以上、犠牲は出させる物か。グリップを握る力が強くなる。歯を食いしばり、ズヴェーリへと肉薄。ここは殴り倒すんじゃない。押し倒す!

 

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 咆哮。横の操縦桿を握って後ろへ思いっきり引き、タイミングを合わせて前へと思いっきり動かす。

 ダッシュの勢いそのまま、ビヨンドホープはズヴェーリの人間で言う頭の部分を掴み、人が居ないのを確認してから思いっきり地面に叩き付けた。そして、腹の上に膝を置いてから拳を構える。

 この必殺の一撃を、逃げられないこの体勢で、全力で当てる。叫ぶ準備をしてから有希は横の操縦桿を握った。しかし、その直後になる警報。

 何が?疑問が頭の中を支配したが、目の前のモニターを見て冷や汗が湧き出た。エネルギーが、全く補給されていない。装甲こそ直っているが、補給が間に合っていない。

 

『すまん、東雲ちゃん!エネルギーの補給はまだしていなかったんだ!』

「それ、早く言って――きゃああ!!?」

 

 梶田の通信を聞いて有希がキレながらも答えていると、凄まじい衝撃。天地の感覚が百八十度入れ替わる。

 押し倒したズヴェーリに逆に押されて転倒した。それを認識するのにそう時間はかからなかった。目の前には覆いかぶさろうとするズヴェーリ。頭部の赤い何かが怪しく光り、背筋に悪寒が走る。

 反射的に有希は内蔵武装の一つ、火炎放射を作動。胸元の装甲の一部が開いてそこから炎が噴出される。その間に有希は背中のローラーを動かして後ろへとビヨンドホープを動かし、すぐに立ち上がる。

 必殺技は使えない。じゃあ、あの不定生命体をどうやって倒す?火炎放射は目くらまし。ミサイルは効かない。斬っても復活する。人間を相手にしているのとは訳が違う。

 どうにかして、どうにかしてあのクソッタレなパーフェクト生命体を倒せないか。

 ズヴェーリと睨みあっていると、再び通信が入る。通信の主は、源十郎だった。

 

「せ、先生!?」

『東雲、あの頭の赤い部分を狙え!あれが弱点だ!』

「赤い部分……あれか!」

 

 ズヴェーリの頭の赤い部分。それは確かにあったし、さっき見た。

 弱点がある。なら、倒せる。

 

「ソードトンファー、アクティブ!」

 

 守るって決めた。戦うと決めた。そして、相手は倒せる相手。なら、ここで逃げ出すという選択肢はない!

 頭が冴えて来る。まるで、自分は戦う為にいるのだと錯覚さえしてしまうほど。

 暫しの無音。先に動いたのはどちらだったか。ビヨンドホープが走り、ズヴェーリが滑る。そして交錯。棒と刃がぶつかり合う。しかし、棒からは刃が飛び出し、それを防いでいる。

 続いての一刀。今度はズヴェーリ。両手を変形させた初見殺しの一撃はビヨンドホープのもう一本のソードトンファーで防ぐ。

 火花散る攻防。今度はビヨンドホープが動き、足でズヴェーリを蹴り飛ばす。球体となり衝撃を逃すズヴェーリ。しかし、構う物か。両手を突き出し、ミサイル発射口を正面に。

 ミサイル、アクティブ。その声と同時に放たれたミサイルはズヴェーリに直撃して爆発。

 爆炎、黒煙。前が見えない。だが、ここで煙を突っ切って攻撃したらどうとでもなるはず。そのまま前へと走り出す。しかし、その足は前へと進められてた。強制的に。

 バランスが崩れる。そう思った時にはもう遅い。バランスを崩したビヨンドホープはそのまま背中から転倒。そのまま体は前へと引きずられ、そして足から空に浮かぶ。黒煙が晴れたとき、目の前には腕を縄に変えてビヨンドホープの足を持って吊るすズヴェーリの姿。

 頭が真下を向く、血が上っていく感覚に気持ち悪さを感じつつ、打開策を練る。そして、思いつく。

 視線は同じ高さ。なら、顔面にトンファーを叩き込む。トンファーを捻って刃を展開。そのまま顔面へと突き刺す。貫通し、ズヴェーリの頭から青い液体が噴き出す。けど、外した。掠っただけ。なら、追撃するだけ。

 上半身を起こして触手を切断。体勢を整えて背中から落ち、すぐに立ち上がってトンファーを回転。長い方で確実に、勢いよく、トンファーを突き出した。

 そして訪れたのは静寂。暫しそれが続いた時、ズヴェーリは体が崩れていき、そのまま地にゼリー状となって崩れ落ち、そのまま消えていった。

 二回目の勝利。必殺技を使わずに。何とか勝ったと言う実感が沸き、自然と精神的な疲労で息が荒れる。その疲労と同時に達成感が心の中を支配して一際大きな息を吐く。この力なら、守れる。皆を、朱里を。この力なら。グリップを握る力が少し強まる。が、疲れですぐにグリップから手を放してシートを倒して寝転がる。

 ビヨンドホープの中から見上げる夜空は凄く綺麗に見えた。この光景をこれからも守っていく。この光景が見られるように、何度も何度も。

 だが、ゆっくりとはしていられない。すぐにビヨンドホープを戻さなければ。レバーを引くためにシートを元に戻して手をかける。だが、その時にビヨンドホープから警告が流れる。

 

「悪を断ち、正義と成れ。来て、草薙ノ剣」

 

 ビヨンドホープの中だと言うのに、その声はしっかりと聞こえた。その直後、ビヨンドホープの少し先の地面が発光する。金色に、小さく、淡く。その光があの時、草薙ノ剣から咲耶が降りるときに見た光だと気づくのは、その光が浮き上がってきた後だった。

 浮かんだ光。そして、空を割り、空間を裂いて赤いデウスマキナ、草薙ノ剣がその姿を現す。

 背中に巨大な日本刀、両腰に短な小刀を装備した赤色の機神。それが目の前に現れた。あの機体はオーバーホール中だったんじゃ?そう思っていると、共有通信から叫び声が聞こえてきた。

 

『咲耶!まだ草薙ノ剣のオーバーホールは終わっていないんだぞ!何を考えている!』

『これは私の問題です。黙っていてください。天羽々斬、抜刀』

 

 草薙ノ剣の背中にある刀を背中に保持するラックが一度起き上がり、斜め向きから縦向きになるように動き、そのままもう一度起き上がる。そして肩から飛び出した柄を握る事でロックが外れて刀をそのまま握って構える事で抜刀が完了する。

 天羽々斬と呼ばれたその刀は、よく目にする刀とは違って、柄の部分も金属で出来た無機質な刀だが、それでも切れ味だけは鋭いと分かった。その刀はビヨンドホープへと突きつけられた。反射的に両腕を上げる有希だが、咲耶の言葉は有希の想像を絶する言葉だった。

 

『構えなさい。そして、私と戦いなさい』

 

 戦え。その言葉の意味が分からなかった。ズヴェーリと?でも、ズヴェーリはここに居ない。じゃあ、何と戦えと。上げた両腕を下げ、狼狽えている。そして聞こえてくる共有通信からの声は源十郎の怒鳴り声が聞こえてくる。しかし、咲耶は刀を下げる気がないのか、通信を切っているのか、刀を突きつけたまま。

 どうしたら。ソードトンファーを構える事をせずに一歩、二歩と下がっていたら再び草薙ノ剣からの通信が入る。

 

『構える気がないなら……そのまま死ね!!』

 

 ローラーの回転する甲高い音が響き、有希の後ろへと下がっていく歩数がさらに増えていく。しかし、ローラーの音は止まらない。刀を構え、そのままローラーで突撃してくる草薙ノ剣。どうしたらいい。そう思う前に体はまるで自分の物じゃないように動いていた。

 腰のトンファーを片手だけで構え、両足の裏にあるピックを地面に突き立て、衝撃に備える。そしてトンファーの刃を展開し、トンファーを半回転。刃の出ていない内側に手を当てて衝撃に備える。

 その一秒も経っていない時間の後に、衝撃。コクピットの有希が吹き飛ばされてしまうんじゃ、という衝撃と共に突撃してきた草薙ノ剣は、衝撃のすぐ後に振りぬかれたトンファーで吹き飛ばされた。そして分かった。馬力に関してはビヨンドホープの方が上。きっと、整備中だったからだろう。しかし、それでも腕の差と経験の差では確実に咲耶に負ける。彼女は何年もズヴェーリを相手に戦ってきたベテラン。初撃を凌げた程度で調子に乗るのは間違っているし馬鹿のやる事だ。

 そして、あの一刀で分かった。彼女は確実に殺す気だ。気を抜いたら死ぬ。確実にコアを貫かれて、そのまま爆発し、今度こそ死んでしまう。そんなのは嫌だ、認めたくない、認めない。

 両手にトンファーを構え、足のピックを収納する。何合か防いで、隙を見てビヨンドホープを格納庫へと戻す。そして、咲耶を話を聞く。これしかない。再び斬りかかってくる草薙ノ剣の天羽々斬を半身をずらして避け、腕に向かって刃を仕舞ったトンファーで思いっきり叩く。その一撃でアスファルトに天羽々斬を地面に埋める。そしてトンファーで顎を下から殴り飛ばす。しかし、それでは咲耶は倒れない。痛覚が無いデウスマキナだからこそ、地面に痛みを介さずピックを地面に埋めて地面に留まる。そして、留まった所ですぐにピックを抜いてビヨンドホープを殴り飛ばす。

 響く衝撃、有希が悲鳴を上げながらも何とか耐える。だが、まだ咲耶の攻撃は終わらない。咲耶は両腰の小刀を握り、一気にビヨンドホープの懐に入り込んで抜刀と同時にビヨンドホープを切り飛ばす。

 

「きゃあああああ!!?」

 

 鳴り響くアラート。ビヨンドホープの装甲が切り裂かれ若干の放電をする。しかし、ビヨンドホープは倒れない。それに、装甲を全て切り裂かれた訳ではない。斬りこみが入っただけ。まだ、まだ耐えれる。

 今初めて実感した、人との命のやり取り。それに息が自然と切れてくるが、ここで大人しく殺される訳にはいかない。

 

「……まだ、目的が果たされていないのに、死ぬわけには……」

 

 頭が冴える。自我が薄くなる。意識が消えていく。ここで成すことは目の前の裏切り者を殺す事のみ。あの裏切り者を殺してあの兵器を全て破壊しない限りは……

 

『そこまでです、咲耶君!!』

「うぇ!!?」

 

 いきなりのジョンの叫び声にビックリとした。何だか、意識が一気に現実に持ってこられる。少しボーっとしていたみたいだと気が付いた時には、草薙ノ剣がまるで強制停止させられたかのように動きを止めていた。

 

『こちらの強制停止プログラムを作動させました。咲耶君、今すぐ草薙ノ剣から降りて本部に戻ってきなさい。これは命令です』

『ですが……』

『咲耶君ッ!!』

『ッ……わかり、ました』

 

 ジョンの言葉に咲耶は重々しく頷いて草薙ノ剣を本部へ戻し、そのままビヨンドホープを一度睨むとビヨンドホープに背中を向けて走っていった。

 有希も息を整えてからビヨンドホープを降りて地面に降りた所でへたり込んだ。長時間とは言わない物の、確かな殺気を感じ続け、刀を向けられ、生身なら確実に死ぬとは言わない物の、病院送りにはされる一刀を受けたのだ。極度の緊張と実戦という、人と人との命の奪い合い。それはつい数時間前まで一般人だった有希には荷が重すぎた。

 今でも心臓の鼓動が五月蠅い。そして改めて感じるのは生きているという実感。そして恐怖。殺し合い、武器を持つという事に対する恐怖。死を、自らの手で与え、、相手の意思だけで殺されるという新たな理不尽。

 動悸を収めようと胸に手を当てて深呼吸をしていると、遠くから車の音が聞こえてくる。後ろから聞こえてくるのが分かり、振り返ればそこにはラーメン屋まで乗ってきた黒塗りの車が。その助手席には大事な親友が乗っているのが分かった。

 抜けてしまった腰は戻らず、有希はその車が自分から少し離れた所で止まるのを座ったまま見ているしかなかった。急ブレーキの音が響き、ドアが開いて真っ先に飛び出してきたのは親友の朱里だった。

 

「有希!!」

「あ、朱里……」

 

 名前を叫んで飛び出した朱里はそのまま有希に抱き着いた。有希という存在を確認して逃がさないようにと力強く行われる抱擁は朱里にも、有希にも命という物を実感させた。

 

「無事でよかった……よかったよぉ……」

「ごめんね、朱里……ごめんねぇ……」

 

 抱き合いながら泣きあい、二人が一緒に生きていることを確信しあう。最早友情ではなく、家族愛という物にも近くなっている二人の心はお互いが生きてこうしてまた会えている事を喜び合い、先ほどの殺し合いの恐怖を共感しあった。

 彩芽はそれを見て声をかけることなく、二人だけの時間を作って見守っていた。しかし、その内心は微笑んでいる表情とは打って変わって怒りが満ちていた。それは、同じ組織に属する仲間、咲耶への怒りであった。

 

「咲耶ちゃんには、きつくお話ししないとね」

 

 小さく紡がれたその言葉。しかし、それは有希と朱里には聞こえる事はなく、辺り一帯の封鎖が完了したという知らせ、そして咲耶が本部に帰還したという知らせを聞き、暫くはこのまま見守っておこうと二人を見守る事に意識を切り替え、泣きあう二人をただ、見守っていた。

 そして場所は打って変わって、特殊害獣駆除科の本部。その指令室ではジョンと源十郎の二人が怒り心頭の表情で今回の問題を引き起こした張本人、咲耶を見ていた。常人なら泣いて謝る気迫の二人を目の前に咲耶は逆に怒り心頭の様子で反抗の表情を見ていた。

 

「咲耶君。君が反省していたならお小言だけで済まそうと思っていましたが……君は何をしでかしたのか、分かっているのですか?」

「……」

「いいか、お前はな、つい数時間前まで何の力も持たない一般人だった少女にその剣先を向け、振るったんだぞ。それが分かっているのか」

 

 ジョンと源十郎は咲耶を責め立てる気は本当は無かった。きっと、咲耶は気の迷いで草薙ノ剣を使ったのだろう。それなら、まだ説教だけで済まそうとしていたが、彼女は反省なんてしていなかった。いや、反省どころか、何で自分がこう呼び出されたのか、それすらわかっている様子ではなかった。

 

「元々はあの子がビヨンドホープに乗っていたのが原因です。私は遥のビヨンドホープを取り戻そうとしただけです」

「いいえ、遥君のビヨンドホープは既にこの世には存在しません。あるのは有希君に呼び出された新たなデウスマキナ、ビヨンドホープだけです」

「違う!ビヨンドホープは遥の物だ!それに、遥は死んだのにあの子は爆発に巻き込まれて生きている!そんなの可笑しいじゃないですか!あんな子よりも、遥が生きていた方が――」

「咲耶君!!それ以上は許しませんよ!!」

 

 咲耶の言葉をジョンが無理矢理掻き消した。それ以上は、何があっても言わせないと。その意思を込めて。

 

「ッ……」

「君にとって遥君が大切な人だと言うのは知っています。しかし、彼女は命を懸けて東雲君を守った。彼女は全身火傷に体の炭化という何時死んでも可笑しくない状況でしたが、遥君の命を懸けた最後を無駄にしなかった。守られたのです。けれど、君はそれを力尽くで水泡にしようとしたのですよ?それが分かっているのですか?」

「それは……」

「お前の行動を遥は喜ぶと思うのか?いや、喜ばないな。それに、東雲にだって、東雲が死んだら悲しむ人が居る。お前のように取り乱して自殺までしようとする奴だっているんだぞ」

 

 ジョンと源十郎の言葉に咲耶は何も言い返せなかった。

 咲耶のやろうとした事は、かつてのビヨンドホープのパイロット、遥の、最後に成し遂げようとした、たった一人の少女を守り切り、助けるという思いを無駄にするという事。そして、咲耶と同じ悲しみと喪失感を誰かに与えるという事。草薙ノ剣を悪を断つ正義の剣と信じる彼女には、その行動を改めて問われれば、正義の剣が悪に堕ちたとしか考えられなかった。

 

「それに、ビヨンドホープはあの時、破壊されました。あのビヨンドホープは似て非なる物です」

「そ、そんな事……」

「それは本当だ。咲耶、これを見ろ」

 

 源十郎がオペレーターの一人に視線を向け、あれを出せ。と言外に伝えた。それを感じ取ったオペレーター、深海純一郎はすぐに目的の物を指令室前方の大きなモニターに展開した。

 それを見た咲耶は驚愕に顔色を染めた。それには、確かに遥が彼女を守り通した跡、そして、有希の呼び出したビヨンドホープが遥の乗っていたビヨンドホープでは無いという証拠が映しだされていた。

 

「こ、こんなの……有り得ないわ……」

「しかし、事実だ。彼女は、遥と、遥のビヨンドホープがその命を懸けて守り通し、彼女に全てを託されたんだ。東雲は、遥とビヨンドホープが生きて戦った証そのものだ」

 

 咲耶の親友、遥の言葉。それを咲耶は覚えている。忘れるわけがない、忘れない。

 

「私は、ビヨンドホープと一緒に、私みたいなズヴェーリのせいで起こった悲劇で悲しむ人を無くしたい」

 

 何度も、何度も咲耶に言っていたその目的。その最後は、死ぬ間際にも逃げ出す事無く守るために手を尽くしていた。そして起こった爆発。それと同時に起こった奇跡。彼女の信念が起こした奇跡。有希がその結晶だという事は、このデータが物語っていた。

 

「東雲君は遥君の命を引き継ぎ、ビヨンドホープは新たな力を東雲君に託した。これでも、東雲君が憎くて憎くて殺したいですか?」

「……」

「遥君の最後の奇跡を水泡にしたいのなら、してみればいいでしょう。しかし、私たちはそれをどんな手を使ってでも阻止しますよ。彼女は、遥君の起こした奇跡そのものなんですから。彼女の生きた意味そのものなんですから」

 

 咲耶はその言葉を受けて、何も言わずに指令室から立ち去った。

 丁度そこに有希と朱里を送り届けてきた彩芽が怒り心頭で戻ってきた。しかし、咲耶とすれ違った所で、その表所は呆気にとられたような物に変わっていた。何で?と疑問に思った目で指令室の方に視線を向ければ、そこには咲耶に見せていたデータがまだ映し出されていた。

 それを見て、彩芽は全てを察したように頷いて、咲耶を追う事は無かった。その表情は先ほどまでの怒り心頭ではなく、咲耶を信じているような表情だった。




咲耶の方にも色々とあるわけです

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