IS世界に世紀末を持ち込む少女   作:地雷一等兵

94 / 182

あぁ、纏まらない。
大学の後期も、始まっちゃったし…。


タイトルがもうヤバい予感しかしないと感じた方、たぶん同士です。

では本編をどうぞ↓



第75話 全てを焼き尽くす暴力

「かっ!?」

 

南美は予想外の衝撃と痛みに肺の空気を吐き出した。

そしてセシリアに目を向けるとそこには巨大な拳銃を構える彼女がいた。

 

「マケドニウム加工水銀弾頭弾殻マーベルス科学薬筒NNA9、全長54cm、総重量24kg、装填弾数9発、18mm炸裂鉄鋼弾…、パーフェクトですわ、チェルシー!!」

 

銃口から未だ硝煙が立ち上る拳銃を握りしめながらセシリアは高々と歌うように叫ぶ。

 

「本来ならば一夏さん対策に作ったものですが…、致し方ありません。」

 

セシリアは凛々しい表情で南美を見つめ、銃口を突き付ける。

その仕草に南美は“あ~れ~ま~”と呟いて苦笑いを浮かべる。

そして南美を囲うように周囲をビットが飛び交う。

 

 

 

「ファチャッ!ゥアタッ、アチャァアッ!!」

 

鈴は玉鋼の死角を取りながらISの拳で殴り付ける。

 

「本当にかったいわね!」

 

いくら殴ってもキリがないと思わせる玉鋼に鈴は苛立ちを覚える。

それでも機動力で勝っているのは鈴の方であり、今の戦い方を続ければ勝つのは間違いないだろう。

 

「オラァ!!」

 

鈴は肩の衝撃砲を放ち、玉鋼の足を止める。

そうして勢いよく懐に潜り込もうとブースターを吹かした。

 

「凰鈴音、サッカーしないか?ただし、ボールはお前だ。」

 

「は?…っ、ちょ!?」

 

ガイィインッという金属音とともに鈴が吹き飛んだ。

理由は簡単である、簪に蹴り飛ばされたのだ。

ブースターを吹かして突進してくる鈴に対して簪は同じようにブースターを吹かして突っ込んだのである。

 

豪快に蹴り飛ばされた鈴はアリーナの地面を転がる。

その好機を見逃さず、簪は着地するとある武装を展開した。

 

『規格外ユニットが接続されました。』

 

ノイズ混じりのオペレートボイスがそう告げる。

 

 

 

「当たってくださいましっ!!」

 

「無理な相談だね!」

 

セシリアの隠し玉によって大打撃を受けた南美はセシリアから距離を取って飛び回る。

 

(やられたね~、こりゃプランBに移行かな。)

 

スターライトMk.Ⅱよりも取り回しが短く、連射も効く拳銃での弾幕は南美を正確に狙って放たれる。

 

3発の銃弾を至近距離で受けた南美のシールドエネルギーは既に4割を切っており、これ以上の追い討ちは避けたいところである。

それ故に南美は高速でセシリアの周りを飛ぶ。

 

「いつまで逃げるんですの?南美さんらしくもありませんわね。」

 

「負けたくないからね、その銃の一撃は痛すぎる。」

 

『規格外ユニットが接続されました。』

 

アリーナの上空を飛び回る二人の耳にノイズ混じりの機械音声が届いた。

それを聞いた南美は心の中でガッツポーズを取りながらセシリアに近寄る。

逆に何か怪しげな雰囲気を感じ取ったセシリアはその声がした方に目を向けた。

 

 

「何よそれ!?」

「なんですのそれは!?」

 

鈴とセシリアの声が重なる。それもそのはずだろう、今二人の目の前にあるのは自分達が今まで見たこともないようなまさに規格外の兵器だからだ。

 

簪が展開した武装は左右対称で、針ネズミのように突起物があらゆる方向に向いている。

それを装備している簪はセシリアと鈴の声を聞くと、さも当然のような顔になり、口を開いた。

 

(´簪`)<これはあの、一本一本付いてる棒があるじゃないですか?

 

(´簪`)<これが全部パルスキャノン。

 

簪の説明を聞いた二人の顔はみるみる内に青ざめた。

全方位殲滅兵器とでも言わんばかりの姿、それをもろに受けて兵器なISなぞいないであろうことは容易に想像できる。

それ故に焦った。

如何にしてこの化け物のような兵器をやり過ごせばいいのか。

 

地上の鈴と空のセシリア、それぞれで取ったリアクションは異なる。

 

鈴は後ろに後退り、少しでも距離を置こうとする。そしてセシリアはアリーナの上に逃げようとするが、それは叶わなかった。

 

「へいへーい、セシリアちゃん。死なばもろとも、じゃん?」

 

「み、南美さん!?」

 

南美である。

南美はセシリアを羽交い締めにし、自由を奪う。そしてそのまま簪のすぐ側へとダイブした。

 

 

「逃げられんぞ~?パルスッ!!」

 

後ろに下がる鈴を追いかけて簪は前に出る。そして上からセシリアと南美が降ってきた瞬間、アリーナは夥しい数のパルスキャノンの発射音と黄緑色の光に包まれた。

 

その凄まじいまでの衝撃に、観客席の生徒たちは目を閉じ、耳を塞いだ。

 

 

「……、どうなった?」

 

「えっと…。」

 

観客席で試合を見ていた一夏とシャルロットは音が止んだことを確認すると目を開けてアリーナを見下ろす。

 

アリーナでは舞っていた土煙が晴れて行き、視界が開けていく。

そしてやっと見渡せるようになって視界に写ったのは、アリーナに倒れ込むセシリア、鈴、南美の3名と、その中心に佇む簪の姿であった。

 

(簪・_・)<(´神`)は言っている、すべてを焼き尽くせと。

 

彼女が真顔でそう呟いた瞬間、試合終了を告げるブザーが鳴り響いた。

結果は簪・南美ペアの勝利。

簪の持つ圧倒的な火力の暴力を見せつける形となった。

 

 

 

「…、勝てる、のか…?」

 

試合内容を見ていた一夏がポロっと弱気な言葉をこぼした。その言葉を聞いたシャルロットが呆れたように溜め息を吐く。

 

「一夏らしくないよ、そんな弱気なんて。ボクがいるじゃないか。」

 

パンッと軽くシャルロットは一夏の背中を叩き、笑いかける。恐らく同年代ならば性別問わずときめいてしまいそうなほどの笑みだった。

その笑顔と言葉に一夏は“そうだよな”と呟き、背筋を伸ばす。

 

「ありがとな、シャル。さて、そんじゃあ決勝に向けて作戦会議と行こうぜ。」

 

「うん、絶対に勝とうね。」

 

シャルロットの言葉に一夏は“おうよ!”と力強く返し、二人は拳を付き合わせる。

 

そんな二人のやり取りを見ていた生徒たちはあらぬ妄想の世界に旅立っていた。

 

 

 

そして一夏らが控え室で対南美・簪ペアの対策を練っているのと同時刻。

格納庫では──

 

 

「どう簪ちゃん。行けそう?」

 

南美の問いに簪は低く唸る。

 

「通常戦闘なら普通にこなせる。けど、さっきみたいな規格外ユニットは使えないわね。」

 

玉鋼の状態を確認した簪は小さく溜め息を吐き、優しく玉鋼の表面を撫でる。

簪から玉鋼の状態を聞いた南美は腕を組んで、眉間にシワを寄せる。

 

「どうする簪ちゃん。玉鋼の状態もあるし、棄権する?」

 

「それはイヤッ!!」

 

南美の言葉に簪はキッと振り替えって断言する。

その反応に“まぁそうだよね。”と南美は返す。

 

「なら、作戦考えなきゃね…。こっちは切り札が1枚ロストした状態だし。」

 

「うん…、でもどうする?手の内はほとんど晒しちゃったよ?」

 

格納庫のひんやりとした空気の中で二人は唸る。

 

 

 

 




前回の「レェェエッツパァアアアリィイイイ」や「How do you like me now?」からもう簪ちゃんがイロモノになっていく。
どうしてこうなったのか、コレガワカラナイ

それよりも、休んでいたらパッと変な案が浮かんだ。
→「ダンジョンでカーネフェルの真髄を見せるのは間違っているのか?」
…ベルがオズワルドと出会って暗殺術を習い、オラリオで冒険者になるお話。

それともう1つ。
Fate/zero~Fate/stay nightsのサーヴァントがMUGENから召喚される系の話が思い浮かびました。
こんな感じ

Fate/zero編
セイバー…ユズリハ(under night in-birth)

ライダー…ラオウ(北斗の拳)

アサシン…オズワルド(KOF)

キャスター…完全者(アカツキ電光戦記)

ランサー…真田幸村(戦国BASARA X)

バーサーカー…バルバトス・ゲーティア(TOD2)

アーチャー…そのまま

みたいな感じ。
誰か書いてくれる人とかいないかな?(チラ




▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。