IS世界に世紀末を持ち込む少女   作:地雷一等兵

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アンケートもまだまだ受け付けてますので、よろしくお願いします。

では本編をどうぞ↓


第69話 乙女達の作戦会議

「では、これで今日は解散だ。」

 

「「「ありがとうございました!!」」」

 

土曜日、半日だけ授業のあるIS学園は今日も平和に全ての授業が終わった。

解散となり、丸々午後の自由を与えられた生徒達はこれから思い思いの行動に移る。

 

ある者は目前まで差し迫った学年別個人トーナメントに向けてパートナーとの連携を練習したり、またある者はルームメイトや親友達と会話に花を咲かせたり。

 

南美もまた、来る大会に向けてパートナーの更識簪のもとを訪れていた。

 

 

「来たか。」

 

格納庫のいつもの場所で簪は南美を出迎える。

そんな簪の今の格好はと言うと、作業着の上をはだけ、袖の部分を腰で結び、白いタンクトップ姿を惜しげもなく披露している。

南美が来たことで、それまでの作業を一時中断し、顔についている油を首から下げているタオルで拭き取る。

 

「さて、そんじゃあ作戦会議を始めよっか。」

 

「私と南美のスタイル的に前衛後衛に別れるのは鉄板。あとは何を決める?」

 

「あんまり細かく決めてもな~。」

 

う~んと唸りながら南美は背中を逸らせる。

 

「いや、案外決めなくても良いかもしれない。」

 

簪の提案に南美は“へ?”と聞き返す。

 

「私の玉鋼と南美のラストは役割を完全に分担できる。だからこそ、やることは大して変わらない。あとは高度な柔軟性を保ちつつ、いかに臨機応変に対応できるか…。」

 

「なるほどねぇ。まぁ、確かに、その通りなんだけど。」

 

「私と南美のコンビならどんな相手にも負けはない。なにより、私には秘策がある。ちょっと耳を貸して。」

 

簪の言うとおりに南美は片耳を簪の方に向ける。

その耳に簪は手で作った筒を当てて小声で話し始めた。

 

「ゴニョゴニョ─でゴニョゴニョ──だ。どうだ?」

 

簪の話を聴き終えた南美は簪と目を合わせるとニヤッとする。

 

「簪ちゃ~ん、そちも悪よのう~。」

 

「ククク、誉めても何も出やしないぞ?」

 

 

 

「てか、どうするセシリア? 一夏とシャルル、ラウラと箒、あと南美と4組の代表のペア。本気で対策しなきゃヤバいわよ。」

 

「そうですわね、一夏さんの方は私に対策はありますが、他の方となると話は別ですわ。」

 

昼時の食堂で二人は向かい合って座り、昼食を摂りながらトーナメントに向けて話し合っている。

 

「私が盾になってセシリアが撃ちまくるとか、どう?」

 

「悪くありませんが、鈴さんが即座に落とされる危険性が高いですわね。それに、スターライトMk.Ⅱは連射が利きませんし。」

 

二人揃ってう~んと唸っていると鈴が何かを閃いたのか、パチンと指を鳴らした。

 

 

 

「さて、どうしようか一夏。」

 

「って言ってもよ、オレの出来ることがほとんどねぇからシャルにおんぶに抱っこ状態になりそうなんだよなぁ。」

 

「それで良いんじゃないかな?一夏は一夏の出来ることを全力で。ボクはそれを全力でサポートする。それがたぶん一番いい作戦だと思う。」

 

そう言ってシャルロットは笑ってサムズアップする。

その笑顔を見て一夏は同じように笑い、サムズアップを返した。

 

 

 

「ラウラ、私はどう動けばいい?」

 

「私もそこまで上手く戦いを組み立てられる訳じゃないからな。実戦的な練習もしてない内にアレコレ言っても仕方ない。ここはぶっつけ本番だな。」

 

ラウラの言葉に箒はむぅと小さく唸る。

そんな箒を見て、ラウラは握り拳を差し出した。

 

「そんなに気負う必要はないぞ。私も箒も、一夏も南美お姉ちゃんも、セシリアも、鈴も、シャルルも、みんなまだ未熟なんだ。自分に出来ることをやれば良いんだ。私の背中は任せたぞ、箒!」

 

「…ふ、そうだな。任せろ、お前の背中はこの篠ノ之箒が完璧に守ってやる。」

 

箒は目の前の小さな相棒の信頼に応えるように力強く言い放ち、拳を付き合わせた。

 

 





まぁ、短い回でした。

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