IS世界に世紀末を持ち込む少女   作:地雷一等兵

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私の邪魔をするものは皆消えればいい!

そんな最近です。

では本編をどうぞ↓



第54話 試運転開始

「それが南美の新しい装備か…。」

 

「そうだよ、一夏くん。さぁ早く試合おうよ。」

 

ラスト専用パッケージ装備“水鳥”をインストールしたその日の放課後、南美と一夏はアリーナに来ていた。

2人だけでなく鈴やセシリア、箒といったいつものメンバーに加え、シャルルも一緒である。

 

「一夏、とっとと負けて順番譲りなさいよ。」

そのメンバーも例に漏れずISを装備している。

そして鈴は早く南美と勝負したいのか、落ち着きがない。

 

「嫌だね、南美とISで勝負出来るんだ。こんな機会を譲るほどオレはお人好しじゃないからな。」

 

そう言って一夏は好戦的な笑顔を鈴に向ける。

その顔にイラっときたのか鈴は2本の青竜刀を連結する。

さすがにマズイと思った一夏は視線を南美に向け直し急いで話題を逸らす。

 

「よし、やろう、さっそくやろう、すぐやろう!」

 

「そうだね、私も我慢できそうにないし…。始めようか。」

 

焦る一夏と対照的に南美は笑い、飛び立つ。そして南美を追うように一夏も高度を上げ対峙する。

 

 

「それじゃあ行くよー。レディ…ファイッ!」

 

下から眺めているシャルルの合図と同時に南美と一夏は前に出る。

 

「ショォオオオオっ!!」

 

「うぉおおおおおっ!! らあっ!!」

 

間合いに入った直後、一夏は雪片弐型を横一文字に振るう。しかしその一太刀は空を切る。

 

「どこを見ている!」

 

雪片弐型を振り切り、前のめりになった一夏の上をいつの間にか取っていた南美はそう言い放つと一夏の頭を蹴り飛ばす。

 

「シャオッ!! フゥウウウウ、ショォオオオオ!!」

 

拳を振り上げて一夏の体を宙に上げ、アリーナの壁に向かって蹴り飛ばす。

一夏も一夏で壁に激突する前に体勢を立て直す。

 

「私の動きは人間には捉えることは出来ない(ドヤァ)」

 

それが言いたかっただけと言わんばかりのドヤ顔を浮かべながら、南美は腕を組み空中で仁王立ちする。

 

 

「…今の動き、見えた?」

 

「なんとか、ですわ…。」

 

「「…右にフェイントを入れて下方に瞬時加速して一夏の下を抜けて上方にもう一度瞬時加速からの急制動。」」

 

セシリアと鈴の2人は南美が一夏の頭を蹴り飛ばす直前の動きを言い当てる。

そして、その動きのトンでも加減に言い知れぬ恐怖を感じていた。

そんな動きを可能にする南美という存在にも、その動きを現実の物として当然のように受け入れてしまっている自分にも。

 

「ホントにバカみたいな動きね。常識はずれにも程があるっての。」

 

「あんな無茶な動き、やろうと思っても普通ならば本能が拒否しますわ…。」

 

 

「さぁ、一夏くん。まだまだ始まったばかりだ。武器を取って立ち上がりなよ。」

 

腕を組んで仁王立ちしたまま南美は一夏を見下ろしてそう言った。

 

 

 







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