番外編ではなくて、外伝と称したものを新しく書こうかとも思い始めた今日この頃…。
では本編をどうぞ↓
「ふぅ、なんとかなりましたね。」
真耶はニコりと笑顔を浮かべて立ち上がる。
周りで彼女の一連の所業を見ていた生徒達は、普段の彼女とは駆け離れた凛々しい表情などに呆然としていた。
「何を驚いているんだ? 山田くんは元代表候補生、それも私がいなければ日本代表を務めていただろう実力の持ち主だぞ。」
「も、持ち上げ過ぎですよ、先輩。私なんてただの予備人員ですよ?」
「…私の予備人員を務められる人材が当時どれ程いただろうな…。」
どれだけ誉めても謙遜し続ける真耶を見て、千冬は小さく息を吐いた。
そんな2人を見て、生徒達はさらに呆然となる。
日本、いや世界最強の織斑千冬の予備人員を勤めあげられるとはどれ程強かったのか、と。
「まぁいい、オルコットと凰にはこれから山田くんと1対2での模擬戦をしてもらう。」
「い、1対2…ですか?」
「それは流石に…。」
多対1になることに気が咎めた2人が遠慮の色を示すと、千冬は鼻で笑ったような表情になる。
「半人前が2人で丁度いいと思ったが、なるほど、まだハンデが必要らしい。」
千冬の煽りにムッと来た2人はしっかりと自身の獲物を握りしめる。
それを見た千冬は分かりやすい連中だと言わんばかりの顔をする。
「やってやるわよセシリア!!」
「もちろんですわ!!」
「「サヨナラ!!」」
2人掛かりで真耶に挑んだセシリアと鈴は代表候補生の実力と経験から、拙いながらも連携を取り食らい付いていたものの、そこはやはり経験と地力の差か2人纏めてグレネードの餌食となった。
流石は初代ブリュンヒルデ織斑千冬と代表の座を競っていただけはあり、その実力は未だ錆びてはいないようだ。
「ぐうう、悔しい…。」
「まさか弾幕で追い込んでからあのように…。」
正面から2対1で叩きのめされたセシリアと鈴はがっくりと膝をつき、地面と見つめ合う。
「まぁ、それが今のお前らの現状だ。その段階から今の山田くんレベルとまで行かなくとも、1対1で互角にやりあえるまでにするのが私達の仕事だ。」
「はい、ですから皆さんはどんどん頼ってくださいね!」
えっへんと真耶が胸を張る。するとその胸部に実った果実が大いに揺れ、それを見た生徒の大半が自らの無力感に下を向くこととなった。
「さて、実習を開始する。各専用機持ちを班長に自由に班を作れ。」
専用機組の面々が列の前に並び、千冬がそう言うと生徒達は一斉に移動を開始する。その移動先の大半は男子である一夏とシャルルの班だ。
「一夏くん、よろしくね!」
「お、おう。でもオレで良いのか? 経験とかで言ったらセシリアとか鈴の方が…。」
「シャルルくん! お願い!」
「う、うん。ボクで良ければ…。」
男子2人に集まった女子達はきゃっきゃとはしゃぐ。
当然、2人に人が集まると言うことは他の専用機持ちの方には人がいないと言うことだ。
それでは授業が効率よく回るはずもない。
遂にその光景に臨界点を迎えた千冬はどこからともなく取り出したIS用の長大なブレードをアリーナの床に叩きつけた。
「いい加減にしないかこのバカ共が!!」
千冬が振り下ろしたブレードは重さを利用したとしてもそうはいかないほどに深々と突き刺さっている。
それだけで如何に彼女が人間離れしているかが分かる。
そんな光景を目にした生徒達は直ぐ様班を移動し始め、何も言われることなく出席番号順に班を構成した。
こちらとは違う形で外伝集を作成し、投稿しましたのでよろしければどうぞ。