IS世界に世紀末を持ち込む少女   作:地雷一等兵

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ラウラかわいいよラウラ

では本編をどうぞ↓


第44話 独のロリ軍人と仏のブロンドショタ、ほむ…、続けて 後編

「お、男…?」

 

「はい、フランスの代表候補生をしています、シャルル・デュノアと言います。IS学園に同じ境遇の方がいると聞いたので、本国からこちらに来ました。」

 

誰かがぽつりと呟いた言葉にシャルルは丁寧に返す。その瞬間、ガタガタと1年1組の面々が次々に立ち上がる。

 

「2人目の男の子だぁああああっ!?!」

 

「しかも織斑くんとは違うタイプの守ってあげたい王子様系!!」

 

「地球に生まれてよかったぁ~!」

 

「Foooooooooo!!」

 

女子のテンションはとどまることを知らず、新しい男が来たことに喜び、うち震えている。

それを眼前で見てしまったシャルルは目を左右に泳がせ、誰かに助けを求め始める始末である。

 

その時である、

 

─ダンッ

 

織斑千冬が右足を教壇に叩きつけたのだ。

姦しい声を上げていた女子達にもその音ははっきりと聞こえ、次の瞬間には大人しく着席した。

 

「はい、フランスから来た転校生のシャルルくんです。ではもう1人、ラウラさんお願いします。」

 

「…。」

 

千冬による鎮圧が完了したことを確認した真耶はもう中1人の転校生、銀髪の少女に指示する。

しかし、銀髪の少女は先程の騒ぎにも動じず直立不動を貫き、真耶の指示があっても黙って立っている。

 

その態度に真耶は弱々しい視線を千冬に向ける。

その救援信号を受け取った千冬はハァと小さく溜め息をつき、銀髪少女の方を向く。

 

「ラウラ、自己紹介をしろ。」

 

「分かりました、教官。」

 

銀髪少女は千冬の方に向き直り敬礼をして直ぐ様前に向き直る。

その様子を見た千冬は誰にも気づかれないように小さく息を吐き出した。

 

「ここでは織斑先生と呼べ。私はもうお前の教官ではない。」

 

「はい。」

 

千冬の言葉に銀髪少女はキビキビと返事をする。

その様にクラスの一同は彼女に対して“軍関係者”という印象を与える。

 

銀髪少女は正面を向くと、熱のない瞳をクラスに向け、口を開く。

 

「ラウラ・ボーディヴィッヒだ。」

 

それだけ、自身の名を名乗るとラウラはまた硬く口を閉じ、立ち尽くす。

 

「…えっと、それだけ…ですか?」

 

「……あぁ、以上だ。」

 

ラウラの名前だけ自己紹介に困惑した真耶は“ふぇぇ”と泣き言を溢すが、生徒達の手前、なんとか平静を装う。

そして真耶がシャルルとラウラに着席を促すと、ラウラは自身の席が来たことにある方とは違う方向に歩みを進め一夏の前に立った。

 

そして──

 

─スパァンッ

 

乾いた音が響くと同時に一夏の頬に衝撃が走る。

ラウラが一夏の頬を平手で打ったのだ。

彼女の顔は先程の仮面を被っているかのような様はなく、怨みや怒りといった感情が渦巻いている。

 

「キ、サマァ…。」

 

だが、ラウラは平手の1発では満足しなかったのか、さらに表情を憤怒で歪め、一夏の胸ぐらを掴んで無理矢理立たせる。

 

「何故避けない!?何故防がない?! キサマには今の平手が見えていたはずだ! 私の平手など避けるまでもないと言うのかっ!? 何故殴られた瞬間も私の瞳を見ていた!!」

 

ラウラは一夏の胸ぐらを掴み、憤怒に歪んで剣幕で責め立てる。

だが一夏はそれに抗おうとせず、ただ真っ直ぐにラウラの瞳を見つめている。

 

「さっきの千冬姉とのやり取りで分かったよ…。キミにはオレを殴る権利があるし、オレにはそれを受ける義務がある。だから避けなかった…防がなかった…。そんな権利、オレには無いから…。」

 

真っ直ぐな瞳でラウラのことを見つめながら一夏はそう言った。

 

 

 

 






この作品を読んでくれている友人から遅くなるの意味をもう一度調べてこいと言われました。

前後編で間が空くから遅くなると言っただけなのに…。



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