IS世界に世紀末を持ち込む少女   作:地雷一等兵

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今回の話は世紀末的成分は全く含まれておりません。
世紀末がないと浄化されてしまう方はお気をつけください。

それでは本編をどうぞ↓


第40話 少女達の休日part6

side 一夏

 

 

“キレイな人だなぁ”

それが最初に抱いたその人の印象だった。

 

複数の男に囲まれたオレを助けてくれた人、カセンさんと名乗ったその人はオレの記憶にとても深く残った。

千冬姉のような凛々しさがありながらも、女性らしさのある身のこなし。

背中を見せて去っていくカセンさんに何か声を掛けようとしても、上手い言葉も見つからず、結局何も言えなかった。

 

何故だか分からないが、あの人の、カセンさんのことを考えると、心臓が早鐘を打つみたいに高鳴って、頭がボーッとしてしまう。それなのに、カセンさんのことだけはなんでだかはっきりと頭に思い浮かぶ…。そして思い浮かべればまた心臓が大きく鳴る…。

 

オレとてこれでも健全な男子、コレがなんなのか自分で分かる。

いわゆる“一目惚れ”というヤツだ。オレ、織斑一夏はカセンさんに恋しているのだろう。

我ながら、なんと言えば良いのか…。生まれて15年ほど、色恋にはとんと縁がなかったから、こんなのは初めてでどうしたら良いのか全く分からない。

 

「戻ってこい、このバカ一夏!」

 

ガラにもないことを考えていると、オレの脳天に強烈な衝撃が走った。

これには覚えがある。鈴の“跳躍縦回し蹴り”だ。

電流が走ったような、弾ける痛みによってオレの意識は一気に現実へと呼び戻された。

 

 

 

side out...

 

 

 

「てか、なんで鈴達がここにいるのよ、セシリアちゃんとか、絶対ゲーセンとか興味ないでしょうに。」

 

「一夏さんと買い物に来たのですが、その、南美さんが少々ガラの悪い方と歩いてらしたので心配で…。」

 

一夏が現実に呼び戻されている一方で、そんなことには関せずとばかりに南美達は問答を始める。

南美の問いにセシリアが答えると彼女は一瞬だけきょとんとした顔を浮かべるが、直後に大きな笑い声を上げる。

 

「な~んだ、そんな事かぁ…。私がそこらのチンピラに負ける訳ないじゃない。心配しすぎだよぉ。」

 

ひとしきり笑った南美はハァと息を整えてセシリア達の方を向く。

 

「心配してくれるのは嬉しいけどさ、それで皆が危ない目に会ったらどうするのさ。今回は私の身内みたいなもんだったし、何事もなく済んだけど、次からは気をつけなよ?」

 

「は、はい…。分かりました…。」

 

南美の忠告に納得させられたセシリアは歯切れは悪いものの、了承の返事をする。

 

「なんか騒がしかったけど決勝行くよー。決勝はノーサシン対QMJジャギ!」

 

何事もなかったかのようにTAKUMAが大会を進める。

彼のアナウンスがかかって、南美は体を左右にねじると準備万端と言った感じで台の1P側に座る。

 

2P側にはTRF‐R最強のジャギ使いと謳われるQMJが既に座って彼女を待ち構えていた。

 

 

 






カセンさんのヒロイン√が完全に解放されました。

さぁ、修羅場になるがいい。


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